今回から隕石のシリーズになります。古い時代の隕石を見つけて、そこから読み取った情報から、過去の地球の様子を見出そうとするものです。まずは、隕石がどこから、なぜ地球に堕ちてくるのか、からはじめましょう。
地球は、もともと太陽系に存在していた物質が、凝縮、集合、衝突、合体してできたものです。太陽の形成初期に太陽風が強まる状態になり、その時に気体物質が遠くに吹き払われたと考えられています。固体物質は、吹き飛ばされることなくその軌道に残ります。ただし、ひとつの軌道には大きな惑星があり、その惑星が公転を繰り返していくと、軌道周辺の小さな固体は、引力で吸収されていくか、弾き飛ばされることになります。最終的に、現在の太陽系のように、惑星空間から大きな天体以外は、掃き掃除をしたようにきれいになります。多分、太陽系誕生の数億年のうちに、そのような状態になると考えられます。
ただし、太陽系の場合、小惑星帯と太陽系の外縁には多数の小天体が存在するゾーンがあります。そこでは多数のさまざまなサイズの天体が、ばらばらの軌道を巡っていて、時々相互作用で軌道が変わることがあります。そして時には弾き飛ばされたものが軌道を変え、太陽の引力に引っ張られて内側に入っていくることがあります。
そのような天体が、氷でできているものなら彗星(太陽系の外縁)になり、その通ったあとを、地球が横切ると流星群になります。また固体でできているもの(小惑星帯)は、特異小惑星と呼ばれる天体となり、小惑星帯の天体とは区別されるようになります。そのうち、地球の軌道と交差するものは、地球近傍小惑星や地球横断小惑星と呼ばれます。地球の軌道を横切っているとき、たまたま地球がそこにあれば、衝突します。
天体が十分小さければ、隕石となります。小さな隕石はしょっちゅう落下しています。大きな天体の衝突はめったにありません。例えば10kmを超えるものは、カンブリア紀(5億4100万年前)以降、白亜紀に終わりに一度あっただけです。まあ、1km以下の衝突は何度もあったようですが。
白亜紀の衝突の場合は、ご存知のように、恐竜などの多くの生物種の絶滅があり、メキシコのユカタン半島にクレーターの存在も明らかになりました。なにより古生物学的証拠として、異変があったことは事前に知られていました。ただし、大絶滅が隕石によるものであることは、1980年代になってからでした。その後、多数の研究者がこの事件に注目して研究をしたので、隕石や衝突の痕跡も多様なものが、地層に残されていることがわかってきました。
では、もっと古い時代、異変があったかどうかわからない時代に、どこまで隕石の証拠あるのでしょうか。そして見つかった過去の隕石から、何が読み取れるでしょうか。それが今回のシリーズのテーマです。
・台風・
北海道に2つ連続で台風がやってきました。
今週末から月曜日にかけて、台風の上陸の合間に、
台風の近くで調査をしていました。
行きも帰りも大雨の中を移動していました。
幸い調査地では雨が小降りだったり、
一時に晴れ間もありました。
しかし、川は増水し、海は大荒れでした。
今回の調査は天候に恵まれませんでした。
・高湿度の日々・
台風の影響もあるでしょうが、
蒸し暑い日が続きました。
連続して来ているので、
台風一過の爽やかが望めませんでした
ただ夜はなんとか気温が下がるので
高湿度でも耐えれます。
しかし昼間はぐったりしています。
今年の夏は蒸し暑い日がつぎつぎと訪れます。
例年とは少々違っているようです。
2016年8月25日木曜日
2016年8月18日木曜日
5_145 最古の星 4:鉄が決めて
古い天体を見つけるために、いろいろ工夫がなされています。古い天体を見つけるためには、いくつか手がかり必要です。しかし、一番の問題は年代を決めることです。それが問題です。
このシリーズのはじめに、最古の星の話題が、今回はふたつあるといいました。前回はひとつ目の報告を紹介して、もともと見つかっていた古いとされてたい星を、観測しなおして計算したら、古い年代になったというものでした。ただし、その誤差は大きものでした。もうひとつは、最も古い天体が見つかったという報告です。これは、イギリスのネイチャー誌に2014年に掲載されものです。
この星は、SMSS J031300.36-670839.3という標識がつけられているもので、SM0313と略されています。この星の年齢は、約136億年前となりました。宇宙の誕生が138億年前ですから、宇宙の誕生してからたたった2億年程度しかたっていないときに形成された星です。
宇宙の誕生間もない時期に形成された天体なので、特別な性質をもっているはずです。それは、前回も述べましたが重い元素が少ないというものです。本当に最初の天体は、水素のヘリウムだけから形成されるはずです。これはまだ発見されていない仮説上の星で、前回も紹介した種族IIIとされています。
種族IIIがあるのなら種族IIも種族Iもあるはずです。種族Iは、私たちの太陽もこれにあたりますが、ごく普通の恒星で、「重い元素」を多く含む天体です。「重い元素」には、ヘリウムより重く鉄よりは軽い「重い元素」という意味と、超新星爆発で形成された金属と呼ばれる元素で、鉄より重い元素が多い「重い元素」の二通りの意味があります。種族Iは、鉄より重い元素が多い「重い元素」を含んでいます。
種族IIは、IとIIIの中間的な特徴の星になります。重い元素も少し含むのですが、鉄より重い元素はほとんど含まないという星です。ただし、小さな超新星爆発できる鉄より軽い「重い元素」は比較多く含んでいます。また、このタイプの星は、年齢が古いということも特徴となっています。
古い天体において鉄が重要な元素と考えられます。星が超新星爆発をへて世代交代を繰り返すたびに、鉄の含有量が増えていきます。鉄が少ないほど古い星ということになります。
さて、SMSS J031300.36-670839.3ことSM0313です。SM0313は、みずへび座にあり、地球からは約6000光年離れている星です。この星を調べると鉄が検出できませんでした。この星には、炭素、マグネシウム、カルシウム、そしてメチリジン(CH)という化合物も検出されました。酸素や窒素は検出されず、鉄も観測装置では検出できないことから、種族IIの星であることがわかります。そしてこれは、古い天体であると推定できます。
今回調べた装置において、鉄の検出限界は、太陽に含まれる鉄の量のおよそ100万分の1です。この装置で検出できないということは、鉄が太陽の100万分の1以下となります。この量は、今まで見つかっている恒星と比べても、60分の1にも満たない少なさです。そこから年代を推定すると、約136億年前という値を得たわけです。
でも、天体の年齢の求め方、あるいは精度には、直接求めたもののではなく、いくつかの仮定をおいて求めているため、どうもしっくりこないものがあります。いずれにしても、最古の天体の報告は、精度がまた不確かな部分があるので、宇宙の創生モデルに変更を迫るまでには至っていません。
・スカイマッパー・
今回の発見は、オーストラリアにある
スカイマッパーとよばれる望遠鏡によってなされたものです。
南半球の空を主に調べる装置です。
オーストラリア国立大学の
サイディング・スプリング天文台に設置されています。
スカイマッパーは完全自動化されている装置だそうです。
5年にわたって観測を続けているそうです。
骨の折れる仕事でも、
たんたんと継続しなければならない作業もあります。
・今年のお盆は・
お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。
私は、ふだんとかわりなく
いつもの同じような日々を過ごしました。
いや少々、大変でした。
そして、13日には学科の10周年記念式典でした。
卒業生の顔を久しぶりに見ることができました。
懐かしかったです。
この式典は私が主担当だったのですが、
有能な職員が何名も手伝ってくださったので
だいぶ楽でした。
しかし、記念文集は私が編集をするので、
少々大変ですが。
このシリーズのはじめに、最古の星の話題が、今回はふたつあるといいました。前回はひとつ目の報告を紹介して、もともと見つかっていた古いとされてたい星を、観測しなおして計算したら、古い年代になったというものでした。ただし、その誤差は大きものでした。もうひとつは、最も古い天体が見つかったという報告です。これは、イギリスのネイチャー誌に2014年に掲載されものです。
この星は、SMSS J031300.36-670839.3という標識がつけられているもので、SM0313と略されています。この星の年齢は、約136億年前となりました。宇宙の誕生が138億年前ですから、宇宙の誕生してからたたった2億年程度しかたっていないときに形成された星です。
宇宙の誕生間もない時期に形成された天体なので、特別な性質をもっているはずです。それは、前回も述べましたが重い元素が少ないというものです。本当に最初の天体は、水素のヘリウムだけから形成されるはずです。これはまだ発見されていない仮説上の星で、前回も紹介した種族IIIとされています。
種族IIIがあるのなら種族IIも種族Iもあるはずです。種族Iは、私たちの太陽もこれにあたりますが、ごく普通の恒星で、「重い元素」を多く含む天体です。「重い元素」には、ヘリウムより重く鉄よりは軽い「重い元素」という意味と、超新星爆発で形成された金属と呼ばれる元素で、鉄より重い元素が多い「重い元素」の二通りの意味があります。種族Iは、鉄より重い元素が多い「重い元素」を含んでいます。
種族IIは、IとIIIの中間的な特徴の星になります。重い元素も少し含むのですが、鉄より重い元素はほとんど含まないという星です。ただし、小さな超新星爆発できる鉄より軽い「重い元素」は比較多く含んでいます。また、このタイプの星は、年齢が古いということも特徴となっています。
古い天体において鉄が重要な元素と考えられます。星が超新星爆発をへて世代交代を繰り返すたびに、鉄の含有量が増えていきます。鉄が少ないほど古い星ということになります。
さて、SMSS J031300.36-670839.3ことSM0313です。SM0313は、みずへび座にあり、地球からは約6000光年離れている星です。この星を調べると鉄が検出できませんでした。この星には、炭素、マグネシウム、カルシウム、そしてメチリジン(CH)という化合物も検出されました。酸素や窒素は検出されず、鉄も観測装置では検出できないことから、種族IIの星であることがわかります。そしてこれは、古い天体であると推定できます。
今回調べた装置において、鉄の検出限界は、太陽に含まれる鉄の量のおよそ100万分の1です。この装置で検出できないということは、鉄が太陽の100万分の1以下となります。この量は、今まで見つかっている恒星と比べても、60分の1にも満たない少なさです。そこから年代を推定すると、約136億年前という値を得たわけです。
でも、天体の年齢の求め方、あるいは精度には、直接求めたもののではなく、いくつかの仮定をおいて求めているため、どうもしっくりこないものがあります。いずれにしても、最古の天体の報告は、精度がまた不確かな部分があるので、宇宙の創生モデルに変更を迫るまでには至っていません。
・スカイマッパー・
今回の発見は、オーストラリアにある
スカイマッパーとよばれる望遠鏡によってなされたものです。
南半球の空を主に調べる装置です。
オーストラリア国立大学の
サイディング・スプリング天文台に設置されています。
スカイマッパーは完全自動化されている装置だそうです。
5年にわたって観測を続けているそうです。
骨の折れる仕事でも、
たんたんと継続しなければならない作業もあります。
・今年のお盆は・
お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。
私は、ふだんとかわりなく
いつもの同じような日々を過ごしました。
いや少々、大変でした。
そして、13日には学科の10周年記念式典でした。
卒業生の顔を久しぶりに見ることができました。
懐かしかったです。
この式典は私が主担当だったのですが、
有能な職員が何名も手伝ってくださったので
だいぶ楽でした。
しかし、記念文集は私が編集をするので、
少々大変ですが。
2016年8月11日木曜日
5_144 最古の星 3:メトシェラ恒星
今回から最古の星の話になります。まずは、一番古い星の話です。その星は昔から見つかっていた星でした。年齢を正確に測定しなおしたら、もっとも古いものになりました。でも、問題もありました。
最古の星の報告は、2013年にありました。宇宙最古の星は、HD 140283という標識が付いています。しかし、この星は、今回、新たに見つかったものではありません。以前から知られていた星でした。
HD 140283は、てんびん座に位置する恒星で、地球からは190光年という「近い」ところにあります。主成分はヘリウムと水素からできているので、宇宙の初期にできた天体(種族IIIの星と呼ばれます)であることは確かです。非常に古いと考えられる天体は、「メトシェラ恒星」とも呼ばれています。ちなみに、メトシェラとは、聖書に登場するもっとも長寿の人の名前です。
HD 140283は、かなり以前から知られていた星だったのですが、最近までその年齢は正確にわかっていませんでした。2000年に、やっと年齢が推定されました。その年齢は、若く見積もっても140億年、古い方の年代では160億年前という値でした。どれほど年齢の幅を考えたとしても、宇宙の誕生の138億年前より古い年代は、明らかに間違いです。それに誤差も大きなものでした。
ですから、この年齢の見積もりには問題があることは明らかでした。古い星であることは、確かです。正確な測定をすれば、かなり古い年代がでてくるはずです。そこで、正確な観測をするために、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて、再度観測をし直しました。
その方法は一種の三角測量でした。年周視差と呼ばれるもので、「近い」星だけに適用できる方法です。地球が公転しているときの直径を一辺として、それぞれの星の角度を正確に測ります。三角形の一辺とその両側の角度がわかれば、三角形が決定します。両者の角度に違いがあれば、年周視差が見いだせ、その差を利用して、星までの距離も求めることが可能になます。ただし、その角度の違い(年周視差という)は非常に小さいので、「遠く」の星では観測が難しくなります。
ハッブル望遠鏡を用いた年周視差を測定して再計算した結果、144.6億年±8.0 億年という値になりました。若ければ136.6億年、古ければ152.6億年という幅があります。ハッブル望遠鏡を用いても、なお±8億年という誤差の大きな値でした。この誤差の精度を信じれば、宇宙の誕生が138億年前なので、もっとも古い星の一つであることは確かです。
しかし、矛盾があります。HD 140283は、最古の星のひとつになりそうなのですが、星の成分を詳しく調べると、問題があります。成分として、水素とヘリウムが主なのですが、量は少ないのですが、金属元素を少し含んでいることがわかっています。金属は超新星爆発で合成される元素です。この星の材料には、超新星爆発した星の元素が混じっていることになります。この星は、本当の第一世代の星、種族IIIではないことになります。
しかし、本当に種族IIIというものは仮説です。本当に存在するかどうは、わかりません。もしかすると、宇宙創生のシナリオ、あるいは最初の星の誕生のシナリオ、最初の星が水素とヘリウムからできるというモデルなど、今までの仮説を考え直さなければならないかもしれませんね。
・集中できる時間・
北海道は暑い日もあるのですが、
すでにピークは過ぎたようです。
湿度が高いとつらいですが、
湿度が低ければ心地よい夏の日になります。
私は、今週が一番忙しく、いろいろなものに追われています。
ですから、暑いのは一番つらい条件になります。
私の研究室はに向きに窓が全面にあり、
天気のいい日の午後は暑くてたまりません。
早々に逃げ出すしかありません。
ですから、昼過ぎまでが集中できる時間で
大切に使わなければなりません。
・科学の評価・
天文学は、観測技術や装置が日々進歩しており、
宇宙空間からも、地上からも、地下からも
日夜、宇宙の観測努力が続いています。
大きな装置であるので、
底から得られる成果は、
宇宙の神秘や天体の謎を解き明かすことに繋がります。
自分の日常や、社会への貢献とは
まったく関係ない成果が多いと思います。
しかし、だれもがその成果に興味を覚え、
その努力に敬意を払うことができるものではないでしょう。
これが科学の正当な社会的評価ではないでしょうか。
最古の星の報告は、2013年にありました。宇宙最古の星は、HD 140283という標識が付いています。しかし、この星は、今回、新たに見つかったものではありません。以前から知られていた星でした。
HD 140283は、てんびん座に位置する恒星で、地球からは190光年という「近い」ところにあります。主成分はヘリウムと水素からできているので、宇宙の初期にできた天体(種族IIIの星と呼ばれます)であることは確かです。非常に古いと考えられる天体は、「メトシェラ恒星」とも呼ばれています。ちなみに、メトシェラとは、聖書に登場するもっとも長寿の人の名前です。
HD 140283は、かなり以前から知られていた星だったのですが、最近までその年齢は正確にわかっていませんでした。2000年に、やっと年齢が推定されました。その年齢は、若く見積もっても140億年、古い方の年代では160億年前という値でした。どれほど年齢の幅を考えたとしても、宇宙の誕生の138億年前より古い年代は、明らかに間違いです。それに誤差も大きなものでした。
ですから、この年齢の見積もりには問題があることは明らかでした。古い星であることは、確かです。正確な測定をすれば、かなり古い年代がでてくるはずです。そこで、正確な観測をするために、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて、再度観測をし直しました。
その方法は一種の三角測量でした。年周視差と呼ばれるもので、「近い」星だけに適用できる方法です。地球が公転しているときの直径を一辺として、それぞれの星の角度を正確に測ります。三角形の一辺とその両側の角度がわかれば、三角形が決定します。両者の角度に違いがあれば、年周視差が見いだせ、その差を利用して、星までの距離も求めることが可能になます。ただし、その角度の違い(年周視差という)は非常に小さいので、「遠く」の星では観測が難しくなります。
ハッブル望遠鏡を用いた年周視差を測定して再計算した結果、144.6億年±8.0 億年という値になりました。若ければ136.6億年、古ければ152.6億年という幅があります。ハッブル望遠鏡を用いても、なお±8億年という誤差の大きな値でした。この誤差の精度を信じれば、宇宙の誕生が138億年前なので、もっとも古い星の一つであることは確かです。
しかし、矛盾があります。HD 140283は、最古の星のひとつになりそうなのですが、星の成分を詳しく調べると、問題があります。成分として、水素とヘリウムが主なのですが、量は少ないのですが、金属元素を少し含んでいることがわかっています。金属は超新星爆発で合成される元素です。この星の材料には、超新星爆発した星の元素が混じっていることになります。この星は、本当の第一世代の星、種族IIIではないことになります。
しかし、本当に種族IIIというものは仮説です。本当に存在するかどうは、わかりません。もしかすると、宇宙創生のシナリオ、あるいは最初の星の誕生のシナリオ、最初の星が水素とヘリウムからできるというモデルなど、今までの仮説を考え直さなければならないかもしれませんね。
・集中できる時間・
北海道は暑い日もあるのですが、
すでにピークは過ぎたようです。
湿度が高いとつらいですが、
湿度が低ければ心地よい夏の日になります。
私は、今週が一番忙しく、いろいろなものに追われています。
ですから、暑いのは一番つらい条件になります。
私の研究室はに向きに窓が全面にあり、
天気のいい日の午後は暑くてたまりません。
早々に逃げ出すしかありません。
ですから、昼過ぎまでが集中できる時間で
大切に使わなければなりません。
・科学の評価・
天文学は、観測技術や装置が日々進歩しており、
宇宙空間からも、地上からも、地下からも
日夜、宇宙の観測努力が続いています。
大きな装置であるので、
底から得られる成果は、
宇宙の神秘や天体の謎を解き明かすことに繋がります。
自分の日常や、社会への貢献とは
まったく関係ない成果が多いと思います。
しかし、だれもがその成果に興味を覚え、
その努力に敬意を払うことができるものではないでしょう。
これが科学の正当な社会的評価ではないでしょうか。
2016年8月4日木曜日
5_143 最古の星 2:宇宙の年齢
最古の星の年齢が妥当かどうかを知るためには、宇宙の年齢がわからなければなりません。宇宙の年齢は、人工衛星の観測によって、ほぼ確定されました。138億歳、つまり138億年前に宇宙が誕生したのです。
宇宙の年齢の決め方を紹介してきましょう。まずは、単純に観測で古い天体を見つけます。当然のことながら、最古の天体より宇宙の誕生は以前のはずです。最古の天体の年齢が、宇宙の誕生の下限(もっとも新しい側の年代の限界)を決めることができます。
天体までの距離が分かれば、天体の正確な明るさが見積もられます。明るさが決まれば、星の内部構造や核融合の理論から、天体の年齢を推定することが可能です。この方法はいろいろな誤差が入ってくる上に、どうして天体までの距離を決めるのかも問題です。もちろん、いろいろな工夫がなされて求められています。
宇宙の年齢で一番よく用いられるのは、宇宙の膨張の速度から求める方法です。現在銀河同士は、距離に比例して離る速度が大きくなっています。これは宇宙が膨張しているから起こる現象で、宇宙の膨張速度はハッブル定数として表現されます。この膨張のスタート時点が、宇宙の始まりです。ハッブル定数の逆数で求めることができます。ハッブル定数の観測で、精度を上げていけば、宇宙の年齢がより正確にわかってきます。
もうひとつは、宇宙の密度から求める方法です。宇宙の膨張は、ビックバンのときのエネルギーによるものです。宇宙に内にある物質は万有引力が働くので、宇宙を縮ませる力が働きます。宇宙の全物質量の平均密度がΩとして、Ωが1の時は釣り合い、1より小さければ膨張の力が勝ち、大きければ収縮に転じることになります。ですから、宇宙の物質量を正確に求めれば、Ωの値が決まります。
ところが、宇宙はもっと複雑な仕組みがあり、宇宙の膨張を加速させる力(宇宙斥力と呼ばれています)があり、その力を生み出すものは、ダークエネルギーと呼ばれ、その実体は未だに不明です。ただし、宇宙の背景放射を正確に観測すること(非等方性)によってダークエネルギーが推定でき、そこから宇宙の年齢を計算できます。現在、背景放射の観測は、COBEやWMAP、Planckなどの人工衛星によって正確に定まってきました。
まず、COBEは宇宙の背景放射にムラがあることを発見しました。その後、2001年にアメリカ合衆国が打ち上げ、2010年8月まで観測を行ったWMAPによって、137.72±0.59億年という宇宙の年齢が求められました。さらに、欧州宇宙機関(ESA)は、2009年にPlanckを打ち上げ、2013年まで観測した結果、137.98±0.37億年前という値を得ました。138億年前が、現在もっと正確とされる宇宙の年齢となります。
宇宙の年齢は、かなり正確に決まってきました。これで、準備ができました。では、次回から最古の天体の話題に移っていきましょう。
・予想外・
多数の人工衛星が打ち上げられ、
それぞれが重要な目的、任務をもって運用されています。
それぞれの機体の運用には多数の科学者がかかわり、
得られるデータに一喜一憂しているはずです。
人工衛星のような莫大な費用を投じておこなわれる研究は
成果を得ることが義務付けられています。
これはかなりのプレッシャーになるはずです。
予想に反したデータが出てくればどうなるでしょうか。
人によっては、苦痛に感じることもあるでしょう。
そもそも科学は予想通りにはいかないことも楽しみだったはずです。
予想外だからこそ、新しいものが見つかり、生み出されるはずです。
しかし、巨大科学になってからは
予想外が嫌がられるようになってきたようです。
残念ですね。
・蒸し暑さ・
北海道は蒸し暑い日が続いています。
北海道の人は暑さに弱いので、
暑い上に蒸したりすると
すぐにぐったりとなってしまいます。
私ももう北海道人になりました。
2日ほど蒸し暑い日が続いているので、
ぐったりとしています。
夜も湿度が高いのですが、
気温が下がっているので、
なんとか寝れる状態になっています。
今年は天候が不順で、体調を崩しそうなので
気をつけなければなりませんね。
宇宙の年齢の決め方を紹介してきましょう。まずは、単純に観測で古い天体を見つけます。当然のことながら、最古の天体より宇宙の誕生は以前のはずです。最古の天体の年齢が、宇宙の誕生の下限(もっとも新しい側の年代の限界)を決めることができます。
天体までの距離が分かれば、天体の正確な明るさが見積もられます。明るさが決まれば、星の内部構造や核融合の理論から、天体の年齢を推定することが可能です。この方法はいろいろな誤差が入ってくる上に、どうして天体までの距離を決めるのかも問題です。もちろん、いろいろな工夫がなされて求められています。
宇宙の年齢で一番よく用いられるのは、宇宙の膨張の速度から求める方法です。現在銀河同士は、距離に比例して離る速度が大きくなっています。これは宇宙が膨張しているから起こる現象で、宇宙の膨張速度はハッブル定数として表現されます。この膨張のスタート時点が、宇宙の始まりです。ハッブル定数の逆数で求めることができます。ハッブル定数の観測で、精度を上げていけば、宇宙の年齢がより正確にわかってきます。
もうひとつは、宇宙の密度から求める方法です。宇宙の膨張は、ビックバンのときのエネルギーによるものです。宇宙に内にある物質は万有引力が働くので、宇宙を縮ませる力が働きます。宇宙の全物質量の平均密度がΩとして、Ωが1の時は釣り合い、1より小さければ膨張の力が勝ち、大きければ収縮に転じることになります。ですから、宇宙の物質量を正確に求めれば、Ωの値が決まります。
ところが、宇宙はもっと複雑な仕組みがあり、宇宙の膨張を加速させる力(宇宙斥力と呼ばれています)があり、その力を生み出すものは、ダークエネルギーと呼ばれ、その実体は未だに不明です。ただし、宇宙の背景放射を正確に観測すること(非等方性)によってダークエネルギーが推定でき、そこから宇宙の年齢を計算できます。現在、背景放射の観測は、COBEやWMAP、Planckなどの人工衛星によって正確に定まってきました。
まず、COBEは宇宙の背景放射にムラがあることを発見しました。その後、2001年にアメリカ合衆国が打ち上げ、2010年8月まで観測を行ったWMAPによって、137.72±0.59億年という宇宙の年齢が求められました。さらに、欧州宇宙機関(ESA)は、2009年にPlanckを打ち上げ、2013年まで観測した結果、137.98±0.37億年前という値を得ました。138億年前が、現在もっと正確とされる宇宙の年齢となります。
宇宙の年齢は、かなり正確に決まってきました。これで、準備ができました。では、次回から最古の天体の話題に移っていきましょう。
・予想外・
多数の人工衛星が打ち上げられ、
それぞれが重要な目的、任務をもって運用されています。
それぞれの機体の運用には多数の科学者がかかわり、
得られるデータに一喜一憂しているはずです。
人工衛星のような莫大な費用を投じておこなわれる研究は
成果を得ることが義務付けられています。
これはかなりのプレッシャーになるはずです。
予想に反したデータが出てくればどうなるでしょうか。
人によっては、苦痛に感じることもあるでしょう。
そもそも科学は予想通りにはいかないことも楽しみだったはずです。
予想外だからこそ、新しいものが見つかり、生み出されるはずです。
しかし、巨大科学になってからは
予想外が嫌がられるようになってきたようです。
残念ですね。
・蒸し暑さ・
北海道は蒸し暑い日が続いています。
北海道の人は暑さに弱いので、
暑い上に蒸したりすると
すぐにぐったりとなってしまいます。
私ももう北海道人になりました。
2日ほど蒸し暑い日が続いているので、
ぐったりとしています。
夜も湿度が高いのですが、
気温が下がっているので、
なんとか寝れる状態になっています。
今年は天候が不順で、体調を崩しそうなので
気をつけなければなりませんね。
2016年7月28日木曜日
5_142 最古の星 1:最古の意味
今回のシリーズは、古い、最古、若い、新たらしい、最近とかいう、新古にかかわる言葉がいろいろできてきます。少々混乱してしまうかもしれませんが、最古の天体の発見にかかわるいくつかの話題を紹介してきます。
最古の星についての情報を紹介していきます。情報自体は少々古いものになりますが、最古の星にかんして2つのニュースがあります。一つは、2013年の話題で、宇宙最古の星「HD 140283」の年齢を計算しなおしたら、もっとも古い年代になったというものです。ただし、これにもまだ問題がありそうです。もう一つは、最も古い天体「SMSS J032300.36-670929.3」が見つかったという2014年のニュースです。
この2つの話題を紹介する前に、宇宙の年齢について考えいきます。宇宙の年齢とは、宇宙が誕生したときのことです。現在の宇宙創生のシナリオでは、宇宙がビックバンではじまります。ビックバンにより膨張を続けて、誕生から現在もその膨張は続いています。宇宙創世の超高温高圧の状態から膨張をすると、温度も圧力も低下していきます。3分ほどするといくつ種かの原子核や電子ができます。38万年後に電子が原子核につかまり原子が完成し、宇宙に満ちていたエネルギーの雲が晴れ上がります。そして4億年ほどすると最初の星ができる。というのが、現在の宇宙創生のシナリオです。
このシナリオによれば、4億年以降、天体が宇宙には存在することになります。存在した天体がすべて観測できるかどうかはわかりませんが、宇宙の年齢より最初の天体は、4億年ほど若いことになるはずです。
もし最古の星が、宇宙誕生より古い年代となれば、矛盾となります。実は一つ目のニュースが、それに関係しています。観測によって宇宙の誕生と矛盾する値がでてきたら、観測の方の間違いか、ビックバンのモデルの間違いかになります。モデルの間違いも、モデル自体が問題なのか、それともシナリオのどこかに問題があるのか、ということを検討していかなければなりません。
観測が進めば、最古の天体の年齢は、限りなく宇宙の誕生に近づいていくはずです。でも、最初の天体の年代が、宇宙創生のシナリオに反するものなら、ビックバンのシナリオに対して修正をせまることになります。二つ目のニュースがこれに当たります。
最古の天体の年齢を決め、それがどのような天体であったかを探っていくことは、宇宙の始まりや、天体の誕生を知る上でも意味で重要性があります。次回は、宇宙の年齢がどれくらいかをみていきましょう。
・夏休み・
北海道も札幌の小学校も夏休みになりました。
我が大学の前期の授業も終わり、
定期試験の期間となりました。
8月4日の定期試験終了後、
学生たちはいよいよ夏休みです。
私は、そうもいきません。
私はお盆明けまで、校務が次々よあり
自分の時間がなかなかとれそうにありません。
8月から9月にかけては、1週間ほど野外調査にでます。
それがリフレッシュできる
数少ないチャンスとなりそうです。
・夜空の星・
夏になると、山や海などにでかける機会も
増えるのではないでしょうか。
そんなとき、夜空を見上げれば、
星いっぱい見えます。
その時の感動はいいものです。
特に街の明かりが少ないことろでは
より一層、星が沢山見えるはずです。
ぜひ味わっていただければと思います。
私はそんな経験が最近すごく減りました。
完全な朝型で過ごしているため、
夜はすぐ寝てしまいます。
さらに、調査に出ても同じよう生活パターンで過ごします。
夜空を見上げる機会はあまりありません。
最古の星についての情報を紹介していきます。情報自体は少々古いものになりますが、最古の星にかんして2つのニュースがあります。一つは、2013年の話題で、宇宙最古の星「HD 140283」の年齢を計算しなおしたら、もっとも古い年代になったというものです。ただし、これにもまだ問題がありそうです。もう一つは、最も古い天体「SMSS J032300.36-670929.3」が見つかったという2014年のニュースです。
この2つの話題を紹介する前に、宇宙の年齢について考えいきます。宇宙の年齢とは、宇宙が誕生したときのことです。現在の宇宙創生のシナリオでは、宇宙がビックバンではじまります。ビックバンにより膨張を続けて、誕生から現在もその膨張は続いています。宇宙創世の超高温高圧の状態から膨張をすると、温度も圧力も低下していきます。3分ほどするといくつ種かの原子核や電子ができます。38万年後に電子が原子核につかまり原子が完成し、宇宙に満ちていたエネルギーの雲が晴れ上がります。そして4億年ほどすると最初の星ができる。というのが、現在の宇宙創生のシナリオです。
このシナリオによれば、4億年以降、天体が宇宙には存在することになります。存在した天体がすべて観測できるかどうかはわかりませんが、宇宙の年齢より最初の天体は、4億年ほど若いことになるはずです。
もし最古の星が、宇宙誕生より古い年代となれば、矛盾となります。実は一つ目のニュースが、それに関係しています。観測によって宇宙の誕生と矛盾する値がでてきたら、観測の方の間違いか、ビックバンのモデルの間違いかになります。モデルの間違いも、モデル自体が問題なのか、それともシナリオのどこかに問題があるのか、ということを検討していかなければなりません。
観測が進めば、最古の天体の年齢は、限りなく宇宙の誕生に近づいていくはずです。でも、最初の天体の年代が、宇宙創生のシナリオに反するものなら、ビックバンのシナリオに対して修正をせまることになります。二つ目のニュースがこれに当たります。
最古の天体の年齢を決め、それがどのような天体であったかを探っていくことは、宇宙の始まりや、天体の誕生を知る上でも意味で重要性があります。次回は、宇宙の年齢がどれくらいかをみていきましょう。
・夏休み・
北海道も札幌の小学校も夏休みになりました。
我が大学の前期の授業も終わり、
定期試験の期間となりました。
8月4日の定期試験終了後、
学生たちはいよいよ夏休みです。
私は、そうもいきません。
私はお盆明けまで、校務が次々よあり
自分の時間がなかなかとれそうにありません。
8月から9月にかけては、1週間ほど野外調査にでます。
それがリフレッシュできる
数少ないチャンスとなりそうです。
・夜空の星・
夏になると、山や海などにでかける機会も
増えるのではないでしょうか。
そんなとき、夜空を見上げれば、
星いっぱい見えます。
その時の感動はいいものです。
特に街の明かりが少ないことろでは
より一層、星が沢山見えるはずです。
ぜひ味わっていただければと思います。
私はそんな経験が最近すごく減りました。
完全な朝型で過ごしているため、
夜はすぐ寝てしまいます。
さらに、調査に出ても同じよう生活パターンで過ごします。
夜空を見上げる機会はあまりありません。
2016年7月21日木曜日
1_145 第二の月 2:準衛星
今回報告された第二の月は、衛星ではありません。準衛星と呼ばれています。そもそも衛星とは、あるいは準衛星となんなんでしょうか。今回は第二の月は、どんな天体なのでしょうか。
今回報告された地球の第二の月は、NASAが発表したものですが、実は「衛星」ではありません。月は衛星のことですから、第二の月であり、衛星ではないというのは、少々矛盾しています。ですから今回の発表では、「準衛星」と呼ばれています。
準衛星というものには、いくつかの天体があります。準がついているというには、何らかの理由で、真の衛星ではない点があるということになります。
まず、地球から見て、地球の周りを回っているように見えても、本当は地球の周りを回っていないものもあります。少々複雑なのですが、地球の近くを公転している(地球近傍軌道)天体で、円ではなくつぶれた楕円(離心率が大きいといいます)の軌道をもっているもので、太陽に近いところ(近日点)で地球を追い越し、遠いところ(遠日点)で地球に追い越されるような軌道をとると、地球を回っているようにみえます。このような天体を準衛星と呼ぶことがあります。本当は地球と似た軌道をもった小惑星のことですから、真の衛星とは違います。
あるいは、一時的に地球の近くを通っているため準衛星となっているものもあります。遠くから飛び込んできた小天体が太陽の引力にとらわれて、やがては太陽から離れていく軌道をとるのですが、一時的に太陽の周りを軌道をずらしながら、周回する天体があります。太陽のこのような準衛星は、2011年現在、15個の準衛星が知られています。これらの準衛星は、数10年から数100年間は、準衛星として振舞う軌道もっていますが、将来は軌道がはずれていくものです。
もうひとつタイプの準衛星としては、地球の周りを回っているのですが、小さすぎるもの、あるいは離れすぎているため衛星とはいいがたいとものもあります。
今回見つかったのは、「2016 HO3」という分類名が付けられています。2016 HO3は、直径が約37~91mで、地球にもっとも近づいたときにでも1400万km(月は38万kmほど)にしかならないので、かなり離れています。ただし、地球を回っています。その軌道は、半年は太陽に近づき地球よりも先行して、あと半年太陽から遠ざかり地球より遅れて公転します。また、地球の軌道より傾いているため、1年間に地球の軌道より上がったり下がったりを繰り返すことになります。
この天体は、ハワイの小惑星探査望遠鏡の「Pan-STARRS 1」で最近見つかったのですが、100年ほど前からこの軌道をまわっていたようです。小さいのでやと見つかったのです。そして、今後も数100年にわたって地球のそばの軌道を回ると考えられています。安定した軌道を持っているようです。
このような特徴から、真の衛星ではなく準衛星と呼ばれることになります。蛇足ですが、地球にぶつかるような軌道にはないということです。ご安心ください。
・蒸し暑さ・
北海道も7月になって暑くなりました。
ただし、天気が悪い日は、蒸し暑く、
まるで梅雨のような不快さがあります。
でも、本州の梅雨と比べれば、涼しい、
過ごしやすいといわれそうですが、
北海道の人間にとっては、
ぐったりとしてしまう天候なのです。
ただし、天気がよくなり
湿度が下がってくれば最高なのですが。
・夏休み・
小・中・高校は、いよいよ夏休みに入るのでしょう。
大学も今週から来週の講義で前期が終わります。
ただし、そのあと定期試験の期間となります。
8月の上旬まで定期試験が続きます。
いつも思うのですが、
なぜ一番暑い時に定期試験をするのか、
暑いから夏休みではないのか。
北海道では、7月下旬から8月上旬が一番暑い時期です。
お盆以降は涼しくなります。
ですから、7月の一月を夏休みにするのが、
一番本来の夏休みの意義を満たすと思うのですが。
まあ、現状と慣習の不一致は
どこにでも転がっているのでしょうが。
今回報告された地球の第二の月は、NASAが発表したものですが、実は「衛星」ではありません。月は衛星のことですから、第二の月であり、衛星ではないというのは、少々矛盾しています。ですから今回の発表では、「準衛星」と呼ばれています。
準衛星というものには、いくつかの天体があります。準がついているというには、何らかの理由で、真の衛星ではない点があるということになります。
まず、地球から見て、地球の周りを回っているように見えても、本当は地球の周りを回っていないものもあります。少々複雑なのですが、地球の近くを公転している(地球近傍軌道)天体で、円ではなくつぶれた楕円(離心率が大きいといいます)の軌道をもっているもので、太陽に近いところ(近日点)で地球を追い越し、遠いところ(遠日点)で地球に追い越されるような軌道をとると、地球を回っているようにみえます。このような天体を準衛星と呼ぶことがあります。本当は地球と似た軌道をもった小惑星のことですから、真の衛星とは違います。
あるいは、一時的に地球の近くを通っているため準衛星となっているものもあります。遠くから飛び込んできた小天体が太陽の引力にとらわれて、やがては太陽から離れていく軌道をとるのですが、一時的に太陽の周りを軌道をずらしながら、周回する天体があります。太陽のこのような準衛星は、2011年現在、15個の準衛星が知られています。これらの準衛星は、数10年から数100年間は、準衛星として振舞う軌道もっていますが、将来は軌道がはずれていくものです。
もうひとつタイプの準衛星としては、地球の周りを回っているのですが、小さすぎるもの、あるいは離れすぎているため衛星とはいいがたいとものもあります。
今回見つかったのは、「2016 HO3」という分類名が付けられています。2016 HO3は、直径が約37~91mで、地球にもっとも近づいたときにでも1400万km(月は38万kmほど)にしかならないので、かなり離れています。ただし、地球を回っています。その軌道は、半年は太陽に近づき地球よりも先行して、あと半年太陽から遠ざかり地球より遅れて公転します。また、地球の軌道より傾いているため、1年間に地球の軌道より上がったり下がったりを繰り返すことになります。
この天体は、ハワイの小惑星探査望遠鏡の「Pan-STARRS 1」で最近見つかったのですが、100年ほど前からこの軌道をまわっていたようです。小さいのでやと見つかったのです。そして、今後も数100年にわたって地球のそばの軌道を回ると考えられています。安定した軌道を持っているようです。
このような特徴から、真の衛星ではなく準衛星と呼ばれることになります。蛇足ですが、地球にぶつかるような軌道にはないということです。ご安心ください。
・蒸し暑さ・
北海道も7月になって暑くなりました。
ただし、天気が悪い日は、蒸し暑く、
まるで梅雨のような不快さがあります。
でも、本州の梅雨と比べれば、涼しい、
過ごしやすいといわれそうですが、
北海道の人間にとっては、
ぐったりとしてしまう天候なのです。
ただし、天気がよくなり
湿度が下がってくれば最高なのですが。
・夏休み・
小・中・高校は、いよいよ夏休みに入るのでしょう。
大学も今週から来週の講義で前期が終わります。
ただし、そのあと定期試験の期間となります。
8月の上旬まで定期試験が続きます。
いつも思うのですが、
なぜ一番暑い時に定期試験をするのか、
暑いから夏休みではないのか。
北海道では、7月下旬から8月上旬が一番暑い時期です。
お盆以降は涼しくなります。
ですから、7月の一月を夏休みにするのが、
一番本来の夏休みの意義を満たすと思うのですが。
まあ、現状と慣習の不一致は
どこにでも転がっているのでしょうが。
2016年7月14日木曜日
1_144 第二の月 1:月もいろいろ
前回の「地球の歴史」のシリーズは月の新しい起源の説を紹介しました。今回も続いて、月について話題です。「第二の月」が発見されたという話題です。しかし、第二の月は少々注意が必要なようです。
地球には異常に大きな月がありました。実は、他にもうひとつ「月」が見つかった、という報告が今年の4月27日にありました。「2016HO3」という名称で呼ばれる「月」が公表されました。
新たに見つかった2016HO3は、地球の周りを回る軌道を持っているのですが、いくつか注意が必要なようです。軌道とサイズが、衛星というには少々問題がありそうなのです。
一気に新しい月の話題に入る前に、まずは月について、概要を紹介しておきましょう。
「月」というと、地球の衛星のことを指します。地球には衛星は1つですが、同じように岩石からできている水星と金星にはなく、火星には小さいものが2つあります。一方、大きなガス惑星の木星には67個、土星には少なくとも62個、そのうち53個には正式名称があります。氷惑星である天王星には27個、海王星には14個あります。さらに準惑星になった冥王星にも1つ衛星があります。
月や火星の惑星は岩石できていますが、ガス惑星や氷惑星の衛星は氷を主成分としているようです。
1610年、ガリレオが望遠鏡で木星の4つ衛星を発見してから、望遠鏡で観測することで、衛星が多数発見されてきました。現在では探査機が惑星に近づいた時に、新たな惑星がいくつもみつかってきました。観測が進むと、衛星にもいろいろな個性があることがわかってきました。今後も新たな探査があると、衛星が見つかっていくことでしょう。
このように多数の、そして多様な衛星があるのですが、惑星の特徴によって衛星のタイプも違ってくるようです。
一般的には、比較的小さな(岩石)惑星には衛星がないか小さいものが1、2個あり、大きな(ガス、氷)惑星には多数の衛星がある、といえます。この一般論からいうと、地球はあるいは月は例外になります。それは、母星となる惑星に対して、衛星の月のサイズが異常に大きい点です。月の起源については前回のシリーズ「月の新起源説」で紹介しました。地球の月の起源が、他の衛星の起源と同じものかどうかは不明です。
そもそも衛星とは、なにか、からはじめましょう。なぜなら今回報告された新衛星は、その定義から外れるからです。
衛星は、惑星の周りを公転する天体のことをいいます。もちろん、惑星は太陽の周りを公転していますので、衛星も太陽の周りも惑星に伴ってまわっています。これは前提条件になりますが、他にもいろいろ区別すべき条件があります。
まず、人間のつくったものは人工衛星といい、自然の衛星とは区別しています。サイズも問題です。人工衛星は小さいものも衛星と呼んでいますが、自然の衛星は、小さいものは衛星にしていません。なぜなら、ガス惑星には無数のさまざまなサイズの氷や岩石の母惑星をめぐる「衛星」があるからです。一定の大きさ以上のものを衛星と呼ぶことになります。ただし、衛星の大きさにかんする定義はないようです。
次回は、いよいよ新しい月の概要を紹介していきましょう。
・涼しい日々・
先日京都に住んでいる母から、
37℃もあって暑いという連絡がありました。
本州は暑い日が続いているようですが、
北海道は比較的涼しい日が続いています。
昼間は窓を開けますが、
朝夕は窓を閉めなければ風邪をひきそうです。
また今年の夏は、日照時間も少ないようで、
農家は大変になりそうです。
しかし、暑さに弱い私には、こんな北海道は快適です。
・参議院選・
前日、参議院選挙がありました。
我が家では長男が初めての投票になりました。
あまり興味はなさそうでしたが、
親がいくので、一緒に行くことにしていました。
投票に行くとなって、選挙公報をみて、
いろいろ考えていました。
どこにだれに投票したかは知りませんが
国政に関して、政治家を選ぶということ、
自分の一票の軽さと重さについてなど
いろいろ考えたことだと思います。
次男はまだ投票権はないのですが、興味がありそうです。
高校生全員に投票権を与えて欲しいといっていましたが、
どこまで深く考えているかはわかりませんが。
地球には異常に大きな月がありました。実は、他にもうひとつ「月」が見つかった、という報告が今年の4月27日にありました。「2016HO3」という名称で呼ばれる「月」が公表されました。
新たに見つかった2016HO3は、地球の周りを回る軌道を持っているのですが、いくつか注意が必要なようです。軌道とサイズが、衛星というには少々問題がありそうなのです。
一気に新しい月の話題に入る前に、まずは月について、概要を紹介しておきましょう。
「月」というと、地球の衛星のことを指します。地球には衛星は1つですが、同じように岩石からできている水星と金星にはなく、火星には小さいものが2つあります。一方、大きなガス惑星の木星には67個、土星には少なくとも62個、そのうち53個には正式名称があります。氷惑星である天王星には27個、海王星には14個あります。さらに準惑星になった冥王星にも1つ衛星があります。
月や火星の惑星は岩石できていますが、ガス惑星や氷惑星の衛星は氷を主成分としているようです。
1610年、ガリレオが望遠鏡で木星の4つ衛星を発見してから、望遠鏡で観測することで、衛星が多数発見されてきました。現在では探査機が惑星に近づいた時に、新たな惑星がいくつもみつかってきました。観測が進むと、衛星にもいろいろな個性があることがわかってきました。今後も新たな探査があると、衛星が見つかっていくことでしょう。
このように多数の、そして多様な衛星があるのですが、惑星の特徴によって衛星のタイプも違ってくるようです。
一般的には、比較的小さな(岩石)惑星には衛星がないか小さいものが1、2個あり、大きな(ガス、氷)惑星には多数の衛星がある、といえます。この一般論からいうと、地球はあるいは月は例外になります。それは、母星となる惑星に対して、衛星の月のサイズが異常に大きい点です。月の起源については前回のシリーズ「月の新起源説」で紹介しました。地球の月の起源が、他の衛星の起源と同じものかどうかは不明です。
そもそも衛星とは、なにか、からはじめましょう。なぜなら今回報告された新衛星は、その定義から外れるからです。
衛星は、惑星の周りを公転する天体のことをいいます。もちろん、惑星は太陽の周りを公転していますので、衛星も太陽の周りも惑星に伴ってまわっています。これは前提条件になりますが、他にもいろいろ区別すべき条件があります。
まず、人間のつくったものは人工衛星といい、自然の衛星とは区別しています。サイズも問題です。人工衛星は小さいものも衛星と呼んでいますが、自然の衛星は、小さいものは衛星にしていません。なぜなら、ガス惑星には無数のさまざまなサイズの氷や岩石の母惑星をめぐる「衛星」があるからです。一定の大きさ以上のものを衛星と呼ぶことになります。ただし、衛星の大きさにかんする定義はないようです。
次回は、いよいよ新しい月の概要を紹介していきましょう。
・涼しい日々・
先日京都に住んでいる母から、
37℃もあって暑いという連絡がありました。
本州は暑い日が続いているようですが、
北海道は比較的涼しい日が続いています。
昼間は窓を開けますが、
朝夕は窓を閉めなければ風邪をひきそうです。
また今年の夏は、日照時間も少ないようで、
農家は大変になりそうです。
しかし、暑さに弱い私には、こんな北海道は快適です。
・参議院選・
前日、参議院選挙がありました。
我が家では長男が初めての投票になりました。
あまり興味はなさそうでしたが、
親がいくので、一緒に行くことにしていました。
投票に行くとなって、選挙公報をみて、
いろいろ考えていました。
どこにだれに投票したかは知りませんが
国政に関して、政治家を選ぶということ、
自分の一票の軽さと重さについてなど
いろいろ考えたことだと思います。
次男はまだ投票権はないのですが、興味がありそうです。
高校生全員に投票権を与えて欲しいといっていましたが、
どこまで深く考えているかはわかりませんが。
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