2016年7月21日木曜日

1_145 第二の月 2:準衛星

 今回報告された第二の月は、衛星ではありません。準衛星と呼ばれています。そもそも衛星とは、あるいは準衛星となんなんでしょうか。今回は第二の月は、どんな天体なのでしょうか。

 今回報告された地球の第二の月は、NASAが発表したものですが、実は「衛星」ではありません。月は衛星のことですから、第二の月であり、衛星ではないというのは、少々矛盾しています。ですから今回の発表では、「準衛星」と呼ばれています。
 準衛星というものには、いくつかの天体があります。準がついているというには、何らかの理由で、真の衛星ではない点があるということになります。
 まず、地球から見て、地球の周りを回っているように見えても、本当は地球の周りを回っていないものもあります。少々複雑なのですが、地球の近くを公転している(地球近傍軌道)天体で、円ではなくつぶれた楕円(離心率が大きいといいます)の軌道をもっているもので、太陽に近いところ(近日点)で地球を追い越し、遠いところ(遠日点)で地球に追い越されるような軌道をとると、地球を回っているようにみえます。このような天体を準衛星と呼ぶことがあります。本当は地球と似た軌道をもった小惑星のことですから、真の衛星とは違います。
 あるいは、一時的に地球の近くを通っているため準衛星となっているものもあります。遠くから飛び込んできた小天体が太陽の引力にとらわれて、やがては太陽から離れていく軌道をとるのですが、一時的に太陽の周りを軌道をずらしながら、周回する天体があります。太陽のこのような準衛星は、2011年現在、15個の準衛星が知られています。これらの準衛星は、数10年から数100年間は、準衛星として振舞う軌道もっていますが、将来は軌道がはずれていくものです。
 もうひとつタイプの準衛星としては、地球の周りを回っているのですが、小さすぎるもの、あるいは離れすぎているため衛星とはいいがたいとものもあります。
 今回見つかったのは、「2016 HO3」という分類名が付けられています。2016 HO3は、直径が約37~91mで、地球にもっとも近づいたときにでも1400万km(月は38万kmほど)にしかならないので、かなり離れています。ただし、地球を回っています。その軌道は、半年は太陽に近づき地球よりも先行して、あと半年太陽から遠ざかり地球より遅れて公転します。また、地球の軌道より傾いているため、1年間に地球の軌道より上がったり下がったりを繰り返すことになります。
 この天体は、ハワイの小惑星探査望遠鏡の「Pan-STARRS 1」で最近見つかったのですが、100年ほど前からこの軌道をまわっていたようです。小さいのでやと見つかったのです。そして、今後も数100年にわたって地球のそばの軌道を回ると考えられています。安定した軌道を持っているようです。
 このような特徴から、真の衛星ではなく準衛星と呼ばれることになります。蛇足ですが、地球にぶつかるような軌道にはないということです。ご安心ください。

・蒸し暑さ・
北海道も7月になって暑くなりました。
ただし、天気が悪い日は、蒸し暑く、
まるで梅雨のような不快さがあります。
でも、本州の梅雨と比べれば、涼しい、
過ごしやすいといわれそうですが、
北海道の人間にとっては、
ぐったりとしてしまう天候なのです。
ただし、天気がよくなり
湿度が下がってくれば最高なのですが。

・夏休み・
小・中・高校は、いよいよ夏休みに入るのでしょう。
大学も今週から来週の講義で前期が終わります。
ただし、そのあと定期試験の期間となります。
8月の上旬まで定期試験が続きます。
いつも思うのですが、
なぜ一番暑い時に定期試験をするのか、
暑いから夏休みではないのか。
北海道では、7月下旬から8月上旬が一番暑い時期です。
お盆以降は涼しくなります。
ですから、7月の一月を夏休みにするのが、
一番本来の夏休みの意義を満たすと思うのですが。
まあ、現状と慣習の不一致は
どこにでも転がっているのでしょうが。