P-T境界(2億4500万年前)の大絶滅の話も、3回目となりました。前回は、チャートという石から見た深海底での情報に基づいたものでした。今回は、石灰岩という、浅い海で溜まったものを見ていきます。やはり、東京大学の磯崎行雄さんたちのグループの研究成果を参考に見ていきます。
P-T境界(2億4500万年前)の岩石で、日本で見つかっているのは、チャートが一箇所だけであるのに対し、石灰岩とよばれる岩石では、4箇所から見つかっています。ただし、石灰岩の時代は、P-T境界より少し古く、2億6000万年前となっています。その時代は、M-W境界とよばれています。その時代にも、P-T境界に匹敵するような絶滅が起こっていることが明らかになってきました。そして、M-W境界とP-T境界の時間差は、1500万年(最近の研究でP-T境界は2億5100万年前とされているので、900万年の時間差になります)しかないのです。ですから、非常に短時間で2つの事件が起こったので、後のP-T境界の絶滅の事件が、顕生代で最大のものとなったと考えられています。
石灰岩は、岐阜県大垣市赤坂、愛媛県東宇和郡城川町、大分県津久見(つくみ)市、宮崎県西臼杵郡高千穂町上村(かむら)の4箇所から、M-W境界のものが見つかっています。さて、このような地層からどのようなことが、わかるのでしょうか。
石灰岩は、チャートと同じ陸から遠い海の火山(海山とよばれます)の頂上付近の比較的溜まったものです。現在のサンゴ礁をつくっていたような生物の化石の集合した岩石です。石灰岩は、チャートより、ずっと浅い海でたまったのものですから、浅海での影響を記録しています。
M-W境界の石灰岩は、陸からきた堆積物をほとんど含まないものです。ですから、パンサラサと呼ばれる、当時は一つしかなかった超海洋で、陸からの影響をほとんど受けなかった環境だと考えられます。海山は、できてから数1000kmという距離を、プレートテクトニクスによって移動して、日本列島にたどり着いたのです。
この石灰岩を見ていくと、M-W境界より下では、黒色の石灰岩で、上は明るい灰色の石灰岩からできています。黒色石灰岩は、有機物をたくさん含んでいます。そして化石は、そんなにおおくありません。一方、上の石灰岩は、化石をたくさん含んでいます。
そして、重要なことは、M-W境界には、凝灰岩とよばれる岩石が挟まっていることです。凝灰岩とは、火山灰が固まったものです。ですから、どこかで火山が噴火して、はるばると海の真中まで、飛んできたものです。挟まっている凝灰岩は、風化によって、軟らかい、あわい緑色の粘土状態になっていますが、もともとは流紋岩やデイサイトとよばれる火山によるものだと考えられています。流紋岩やデイサイトは、列島(島弧と呼ばれる)や大陸で活動する火山です。
凝灰岩の暑さは、赤坂では5mmほどで、上村では2mmほどしかありません。しかし、磯崎さんたちは、もっと西に当たる中国四川省北部の朝天の同時代の地層を調べたところ、同じような火山灰を発見しました。そして、その火山灰の厚さは、なんと2mもあるのです。この凝灰岩は、南中国全域で見つかることから、この火山は、非常に大規模なもので、あったと考えられます。それに、なんといっても、この火山は、数1000kmも離れた海洋まで、火山灰を降らせる大規模なものだったようです。
チャート中にも、M-W境界に相当する時代の凝灰岩が見つかっています。さて、それは、P-T境界にも連動しているのでしょうか。そしてそれぞれの絶滅のシナリオはどんなでしょうか。長くなってしまいました。それは、またまた、次回です。
2002年6月27日木曜日
2002年6月20日木曜日
2_18 2億4500万年前の大絶滅(その2)
2億4500万年前のP-T境界と呼ばれる古生代と中生代の境界では、無脊椎動物の種の数で、最大で96パーセントが絶滅したと考えられる事件が起こりました。なにか、とんでもない事件がおこったようです。それがどのような事件だったのか、みていきましょう。ここでは、東京大学の磯崎行雄さんたちのグループの研究成果を参考に見ていきます。
まず、古生代と中生代の境界を調べるには、その時代の地層が必要です。日本でも、数ヶ所で見つかっています。一つはチャートとよばれる陸から遠い海洋でたまった地層です。もう一つは、石灰岩とよばれる岩石です。チャートと同じ陸から遠い海の火山(海山とよばれます)の頂上付近で溜まった現在のサンゴ礁をつくるような岩石です。
今回は、チャートのみを取り上げましょう。チャートには、どんなことが記録されていたのでしょうか。
現在のところ、愛知県と岐阜県の県境の犬山地域に分布するチャートに、P-T境界のものが見つかっています。このような地層から、どのようなことがわかるのでしょうか。チャートは、深海にたまったものですから、深海にまでおよぶような事件があれば、記録されているはずです。
犬山のチャートの大部分は、赤色(正確にはレンガ色)をしています。しかし、P-T境界の地層は、チャートというより、チャート質あるいは珪質泥岩というべきような岩石で、チャートと泥岩の中間的なものです。さらに、、P-T境界部の岩石は、まっ黒の有機物に富む泥岩があり、その周りのものは灰色の珪質泥岩となってあり、さらに離れると、暗黒色から灰色のチャートになり、やがて、赤色のチャートへと連続的に変化しています。その境界部の厚さは、約30mです。
大部分のチャートの色である赤は、鉄の酸化物の色です。赤鉄鉱(Fe2O3)という鉱物による色です。赤鉄鉱は、酸化的な環境でできる鉱物ですから、当時のチャートの溜まった環境、つまり深海底は、酸素がたくさんあり、鉄を3価まで、酸化させるほどであったことになります。
ところが、P-T境界の黒色部の地層には、チャートはなく、有機物に富む泥岩になっています。このような岩石は、深海底が還元的な条件になっていたと考えられます。酸化的条件では、有機物は細菌によって分解され、地層に入ることはありません。しかし、還元的環境では、有機物が分解されなかったと考えられます。また、P-T境界付近の黒っぽいチャートには、赤鉄鉱がまったく含まれないで、黄鉄鉱(FeS)という鉄を含む鉱物になっています。
鉱物の種類や堆積物の性質から、このような岩石は、還元的(酸素の乏しい)環境でできたと考えられます。つまり、犬山地域のチャートができた環境は、赤鉄鉱がたまるような酸素の多い環境であったのに、P-T境界の時期だけ、非常に還元的、つまり酸欠状態になったことを示しています。そして、それは、一時的な現象で、ふたたび酸素の多い、もとの環境にもどっています。
このような事件は、海洋貧酸素事件とよばれ、過去に似たような事件は何度も起こっています。その継続期間は、100万年を越えることはありません。ところが、P-T境界の事件は、化石の研究から、約2000万年に及んでいて、いちばんの酸欠事件(有機物に富む泥岩)は、1000万年に及んだことがわかりました。磯崎さんは、この酸素欠乏の事件を、超酸素欠乏事件(superanoxia)とよびました。
P-T境界の時代は、ほとんどの大陸が、パンゲアとよばれる一つ超大陸になっていました。そして、海は一つのパンサラサと呼ばれる一つの超海洋だけでした。有機物に富む泥岩は、その超海洋パンサラサの深海でたまったものです。そんな深海にまで及んだ超酸素欠乏事件は、結果です。なぜそのような事件が起こったのでしょうか。つまり、原因はなんだったんでしょう。謎は深まります。続きは、次回です。
まず、古生代と中生代の境界を調べるには、その時代の地層が必要です。日本でも、数ヶ所で見つかっています。一つはチャートとよばれる陸から遠い海洋でたまった地層です。もう一つは、石灰岩とよばれる岩石です。チャートと同じ陸から遠い海の火山(海山とよばれます)の頂上付近で溜まった現在のサンゴ礁をつくるような岩石です。
今回は、チャートのみを取り上げましょう。チャートには、どんなことが記録されていたのでしょうか。
現在のところ、愛知県と岐阜県の県境の犬山地域に分布するチャートに、P-T境界のものが見つかっています。このような地層から、どのようなことがわかるのでしょうか。チャートは、深海にたまったものですから、深海にまでおよぶような事件があれば、記録されているはずです。
犬山のチャートの大部分は、赤色(正確にはレンガ色)をしています。しかし、P-T境界の地層は、チャートというより、チャート質あるいは珪質泥岩というべきような岩石で、チャートと泥岩の中間的なものです。さらに、、P-T境界部の岩石は、まっ黒の有機物に富む泥岩があり、その周りのものは灰色の珪質泥岩となってあり、さらに離れると、暗黒色から灰色のチャートになり、やがて、赤色のチャートへと連続的に変化しています。その境界部の厚さは、約30mです。
大部分のチャートの色である赤は、鉄の酸化物の色です。赤鉄鉱(Fe2O3)という鉱物による色です。赤鉄鉱は、酸化的な環境でできる鉱物ですから、当時のチャートの溜まった環境、つまり深海底は、酸素がたくさんあり、鉄を3価まで、酸化させるほどであったことになります。
ところが、P-T境界の黒色部の地層には、チャートはなく、有機物に富む泥岩になっています。このような岩石は、深海底が還元的な条件になっていたと考えられます。酸化的条件では、有機物は細菌によって分解され、地層に入ることはありません。しかし、還元的環境では、有機物が分解されなかったと考えられます。また、P-T境界付近の黒っぽいチャートには、赤鉄鉱がまったく含まれないで、黄鉄鉱(FeS)という鉄を含む鉱物になっています。
鉱物の種類や堆積物の性質から、このような岩石は、還元的(酸素の乏しい)環境でできたと考えられます。つまり、犬山地域のチャートができた環境は、赤鉄鉱がたまるような酸素の多い環境であったのに、P-T境界の時期だけ、非常に還元的、つまり酸欠状態になったことを示しています。そして、それは、一時的な現象で、ふたたび酸素の多い、もとの環境にもどっています。
このような事件は、海洋貧酸素事件とよばれ、過去に似たような事件は何度も起こっています。その継続期間は、100万年を越えることはありません。ところが、P-T境界の事件は、化石の研究から、約2000万年に及んでいて、いちばんの酸欠事件(有機物に富む泥岩)は、1000万年に及んだことがわかりました。磯崎さんは、この酸素欠乏の事件を、超酸素欠乏事件(superanoxia)とよびました。
P-T境界の時代は、ほとんどの大陸が、パンゲアとよばれる一つ超大陸になっていました。そして、海は一つのパンサラサと呼ばれる一つの超海洋だけでした。有機物に富む泥岩は、その超海洋パンサラサの深海でたまったものです。そんな深海にまで及んだ超酸素欠乏事件は、結果です。なぜそのような事件が起こったのでしょうか。つまり、原因はなんだったんでしょう。謎は深まります。続きは、次回です。
2002年6月13日木曜日
2_17 2億4500万年前の大絶滅(その1)
生物が、地球の歴史の主要な登場人物として現れるのは、顕生代とよばれる時代です。顕生代は、5億7000万年前のカンブリア紀からはじまり、現在まで続いています。顕生代に入っても、生物の大絶滅は、起こりました。いや、生物がたくさん出現する顕生代であるので、絶滅の記録は、より詳しくわかっています。そんな絶滅の歴史を見ていきましょう。
地質の時代区分は、地層に含まれる化石(過去の生物)の出現(新しい生物種の誕生)や消滅(ある生物種の絶滅)によってなされます。特に、繁栄して全地球的に広がり、そして絶滅していく種は、時代を区分するのに有効です。そのような化石を示準(しじゅん)化石とよんでいます。
時代区分されているということは、基本的に、その時代に生物の絶滅があり、新しい生物の出現した、という種の交替劇がおこなわれていることになります。大きな時代区分では、大量の絶滅があったことを意味します。
顕生代において、大きな時代区分は、古生代と中生代の境界、そして中生代と新生代の境界の2つがあります。そこでは、もちろん大絶滅がおこっています。今回は、古生代と中生代の境界でおこった大絶滅を見ていきましょう。
古生代と中生代の境界は、古生代最後の時代、ペルム紀(英語でPermian)と中生代最初の時代、三畳紀(英語でTriassic)の頭文字をとって、P-T境界とよばれています。年代では、今から2億4500万年前になります。P-T境界の大絶滅は、顕生代でも、最大の絶滅でした。
P-T境界の大絶滅は、古くから知られており、1840年にフィリップス(J. Phillips)が提唱しました。それは、ダーウィンの「種の起源」よりも古いのです。つまり、地質学あるいは古生物学は、進化論に先行して、生物の交替劇を、地層から読み取っていたのです。そこには、進化という考えより、天変地異説(カタストロッフィズム)の影響が、強かったのかもしれません。キリスト教的な考えでは、「ノアの洪水」のような天変地異があったと考えられていたのです。そんな天変地異による大絶滅と考えられていたのでしょう。
さて、P-T境界の絶滅は、いかほどのものだったのでしょうか。それは、すざましいものだったと考えられています。というのも、化石のデータが充分あるので、定量的に、その絶滅が把握できるのです。
なんと、当時、海で生きていた無脊椎動物の種の数で、最大の見積もりでは、96パーセントが絶滅したと考えられています。もちろん、陸上の生物(昆虫や脊椎動物)にも、絶滅はおよんでいます。ほんの数パーセントしか、この「天変地異」を生きのびることができなかったのです。
ですから、古生物学で、古生代の生物と中生代の生物は、大きく変化していることがわかっています。消えていった古生代を代表する生物としては、フズリナ、筆石、三葉虫、四射サンゴなどがあげられます。それが、すべていっせいに姿を消してしまったのです。
では、いったい、2億4500万年前に、何が起こったのでしょうか。何かとんでもない「天変地異」が起こったはずです。そして、もちろん、私たちの祖先は、そのとでもない「天変地異」を生き延びたのです。なにが起こったのかを説明すると、長くなりそうです。次回としましょう。
地質の時代区分は、地層に含まれる化石(過去の生物)の出現(新しい生物種の誕生)や消滅(ある生物種の絶滅)によってなされます。特に、繁栄して全地球的に広がり、そして絶滅していく種は、時代を区分するのに有効です。そのような化石を示準(しじゅん)化石とよんでいます。
時代区分されているということは、基本的に、その時代に生物の絶滅があり、新しい生物の出現した、という種の交替劇がおこなわれていることになります。大きな時代区分では、大量の絶滅があったことを意味します。
顕生代において、大きな時代区分は、古生代と中生代の境界、そして中生代と新生代の境界の2つがあります。そこでは、もちろん大絶滅がおこっています。今回は、古生代と中生代の境界でおこった大絶滅を見ていきましょう。
古生代と中生代の境界は、古生代最後の時代、ペルム紀(英語でPermian)と中生代最初の時代、三畳紀(英語でTriassic)の頭文字をとって、P-T境界とよばれています。年代では、今から2億4500万年前になります。P-T境界の大絶滅は、顕生代でも、最大の絶滅でした。
P-T境界の大絶滅は、古くから知られており、1840年にフィリップス(J. Phillips)が提唱しました。それは、ダーウィンの「種の起源」よりも古いのです。つまり、地質学あるいは古生物学は、進化論に先行して、生物の交替劇を、地層から読み取っていたのです。そこには、進化という考えより、天変地異説(カタストロッフィズム)の影響が、強かったのかもしれません。キリスト教的な考えでは、「ノアの洪水」のような天変地異があったと考えられていたのです。そんな天変地異による大絶滅と考えられていたのでしょう。
さて、P-T境界の絶滅は、いかほどのものだったのでしょうか。それは、すざましいものだったと考えられています。というのも、化石のデータが充分あるので、定量的に、その絶滅が把握できるのです。
なんと、当時、海で生きていた無脊椎動物の種の数で、最大の見積もりでは、96パーセントが絶滅したと考えられています。もちろん、陸上の生物(昆虫や脊椎動物)にも、絶滅はおよんでいます。ほんの数パーセントしか、この「天変地異」を生きのびることができなかったのです。
ですから、古生物学で、古生代の生物と中生代の生物は、大きく変化していることがわかっています。消えていった古生代を代表する生物としては、フズリナ、筆石、三葉虫、四射サンゴなどがあげられます。それが、すべていっせいに姿を消してしまったのです。
では、いったい、2億4500万年前に、何が起こったのでしょうか。何かとんでもない「天変地異」が起こったはずです。そして、もちろん、私たちの祖先は、そのとでもない「天変地異」を生き延びたのです。なにが起こったのかを説明すると、長くなりそうです。次回としましょう。
2002年6月6日木曜日
6_12 6月の誕生石
6月の誕生石は、アマゾナイトとムーンストーンです。どちらも長石の仲間です。
アマゾナイトは、不透明で青緑色をしたものです。日本名は天河石(てんがいし)といます。アマゾナイトは、想像どおり、アマゾン川にちなんだ名前です。最初にブラジルのアマゾン川で産したため、この名前がつけられました。しかし、ブラジルではあまり取れず、現在の主な産地は、インドで、その他に、アメリカ合衆国、ロシア、マダガスカル、タンザニアなどです。
アルカリ長石の仲間で、鉱物名は、マイクロクリン(microcline、微斜長石)といいます。マイクロクリンには、黒、白、ピンク、赤、灰色、緑、青、などさまざまないろのものがあります。しかし、青緑色のきれいなものだけをアマゾナトとして宝石とします。色のきれいなものは、ヒスイの代用品としても使われることがあります。この青緑色は、鉛によるといわれています。
ムーンストーンの日本名は、月長石(げっちょうせき)です。名前からわかるように、長石の仲間です。正長石(orthoclase)というカリウムを比較的多く含む長石です。
正長石(単斜晶系)の化学組成は、マイクロクリン(三斜晶系)と同じなのですが、結晶構造が違うので、別の鉱物となっています。
みがいたものは半透明の輝きを持ち、宝石となります。青や白色の美しい輝きがあり、月の光のようにみえます。このような輝きは、正長石の中に成分の違う曹(そう)長石(ナトリウムに富む長石)の層ができたものです。2種類の長石の薄い層が、何枚も重なり、そこに光が反射したものです。曹長石のほうが薄いと青みをまし、多いと白みが増します。
このような薄い2種類の鉱物からできた構造は、ラメラとよばれます。ラメラは、離溶(りよう)とよばれる現象でできたものです。薄い層となったものをいいます。
離溶とは、高温でできたとき、もともと一つの結晶だったものが、温度が下がる時、別の安定な2つの鉱物に分離したものです。このような鉱物は、固溶体とよばれる性質を持つもので、長石、輝石、磁鉄鉱などでも、よくみられます。
正長石(KaAlSi3O8)から曹長石(NaAlSi3O8)までの間では、カリウムとナトリウムの交換を連続的におこり、さまざまな結晶ができます。長石では、1000℃から700℃の間の温度では、一つの結晶として存在できますが、700℃以下の低温では、正長石に富む結晶と曹長石に分かれます。できたときの長石の組成によって、正長石と曹長石の量は決まってしまいます。離溶する曹長石は、曹長石成分からだけでできているのですが、正長石は、正長石に富みますが、純粋なものでありません。
正長石でも、きれいに離溶がおこり、光を美しく反射できるも大型のものはなかなかなく、まれになります。ですから、大きなムーンストーンは、貴重なものとなります。つまり、高価になります。
アマゾナイトは、不透明で青緑色をしたものです。日本名は天河石(てんがいし)といます。アマゾナイトは、想像どおり、アマゾン川にちなんだ名前です。最初にブラジルのアマゾン川で産したため、この名前がつけられました。しかし、ブラジルではあまり取れず、現在の主な産地は、インドで、その他に、アメリカ合衆国、ロシア、マダガスカル、タンザニアなどです。
アルカリ長石の仲間で、鉱物名は、マイクロクリン(microcline、微斜長石)といいます。マイクロクリンには、黒、白、ピンク、赤、灰色、緑、青、などさまざまないろのものがあります。しかし、青緑色のきれいなものだけをアマゾナトとして宝石とします。色のきれいなものは、ヒスイの代用品としても使われることがあります。この青緑色は、鉛によるといわれています。
ムーンストーンの日本名は、月長石(げっちょうせき)です。名前からわかるように、長石の仲間です。正長石(orthoclase)というカリウムを比較的多く含む長石です。
正長石(単斜晶系)の化学組成は、マイクロクリン(三斜晶系)と同じなのですが、結晶構造が違うので、別の鉱物となっています。
みがいたものは半透明の輝きを持ち、宝石となります。青や白色の美しい輝きがあり、月の光のようにみえます。このような輝きは、正長石の中に成分の違う曹(そう)長石(ナトリウムに富む長石)の層ができたものです。2種類の長石の薄い層が、何枚も重なり、そこに光が反射したものです。曹長石のほうが薄いと青みをまし、多いと白みが増します。
このような薄い2種類の鉱物からできた構造は、ラメラとよばれます。ラメラは、離溶(りよう)とよばれる現象でできたものです。薄い層となったものをいいます。
離溶とは、高温でできたとき、もともと一つの結晶だったものが、温度が下がる時、別の安定な2つの鉱物に分離したものです。このような鉱物は、固溶体とよばれる性質を持つもので、長石、輝石、磁鉄鉱などでも、よくみられます。
正長石(KaAlSi3O8)から曹長石(NaAlSi3O8)までの間では、カリウムとナトリウムの交換を連続的におこり、さまざまな結晶ができます。長石では、1000℃から700℃の間の温度では、一つの結晶として存在できますが、700℃以下の低温では、正長石に富む結晶と曹長石に分かれます。できたときの長石の組成によって、正長石と曹長石の量は決まってしまいます。離溶する曹長石は、曹長石成分からだけでできているのですが、正長石は、正長石に富みますが、純粋なものでありません。
正長石でも、きれいに離溶がおこり、光を美しく反射できるも大型のものはなかなかなく、まれになります。ですから、大きなムーンストーンは、貴重なものとなります。つまり、高価になります。
2002年5月30日木曜日
2_16 6億年前の大絶滅(その2)
6億年前のスノーボールアース、あるいは全球凍結という事件の続きのはなしです。さっそく、ホフマン博士の説に基づいて、シナリオの続きを見ていきましょう。
暴走冷却によって、地球は一気に寒冷化が起こりました。やがて、地球は、一番寒い季節を迎えます。当時の平均気温は-50℃、海面は1kmを越える厚さの氷に覆われています。ですから、海洋から、大気への水蒸気の供給はほとんどなくなります。つまり、雨が降らなくなるのです。大気は、乾燥していきます。氷に覆われずにかろうじて残っていた陸地も、冷たく乾燥した砂漠となっていたはずです。
氷に覆われた海洋は、今まで海洋がおこなっていた役割を果たさなくなります。それまで、太陽光と地球の自転で、地球表層の温度を平均化する役割を果たしてきました。その働きを、海洋はしなくなったのです。
この時代には、まだ陸上に進出した生物は、ほとんどいなかったと思います。いたとしても、風を使って広がることのできる細菌類が火山による熱水のあるところで、細々と生活していたに過ぎないはずです。6億年前の大部分の生物は、海洋生物であったはずです。そして、多くの生物は、20億年前の大激変を生き抜き、酸素を有効に利用できる生き物となっていたはずです。ということは、多くの生物は、海面付近で生活していたはずです。
逆にそのよう性質を持っていたがために、栄養豊富な海岸付近や海面付近で生活してた生き物は絶滅したはずです。20億年前から酸素を供給していたシアノバクテリアなど、光合成をする海洋微生物は、大部分が全滅してしまうはずです。酸素供給のメカニズムのストップしてしまいます。どれほどの大絶滅をしたのかはわかりませんが、20億年前の大絶滅に勝るとも劣らない大絶滅があったと考えられます。
海と太陽、大気が調和を持って存在することこそ、生命の絶対条件です。20億年前はその内の大気に異変をもたらしました。その異変はもたらしたのは生命自らでした。6億年前の異変は、海洋に起きました。その異変をもたらしたのは、地球自身でした。これは、生命がつくった試練ではなく、与えられた試練でした。こんな試練をも、生命は乗り越えてきました。
海洋の表面は、ほとんど氷に閉ざされていました。しかし、海が、すべて氷ることはありませんでした。それは、地球内部から供給される熱のためです。氷の厚さが1kmを越えなかったのは、そのためです。深海でも、海嶺や海山などで火山活動があると、熱水噴出口や地下水の湧き出し口で、小さな領域ですが、生物が細々と生き長らえることができたのです。それが、私たちの祖先でもあるわけです。
そんな過酷な時代も、やがて終わります。それは、大気中に二酸化炭素がたまったためだと考えられています。二酸化炭素は、火山活動によって地球内部から定常的供給されていたはずです。その二酸化炭素が、雨が降らないことで、大気中に二酸化炭素がたまってくるのです。氷の時代が1000万年以上も続き、火山活動が続くと、大気中の二酸化炭素の濃度は、1000倍にもなります。二酸化炭素は水に溶け込みやすい気体です。現在のように海があり、雨が降る環境では、大気から除去される仕組みが働きます。その機能が6億年前にはストップしていたのです。
大気への二酸化炭素の濃集によって、温室効果が促進され、暖かくなります。そのために海の氷が融けて、やがて赤道付近では、氷がとけ、海が顔を出します。しかし、急激に熱くなることによって、大量の水蒸気が発生して、激しい温室効果が生じます。その結果、寒冷化のゆり戻しかのような激しい温暖化がおきます。その推定値は平均気温50℃というものです。
激しい環境変化は、さらに生命に追い討ちをかけます。でも、そんな激しい環境変化を生き抜いたものは、逞しい生命となっていました。そして、環境が穏やかになると、生命の大爆発とよばれるカンブリア紀へと突入します。
暴走冷却によって、地球は一気に寒冷化が起こりました。やがて、地球は、一番寒い季節を迎えます。当時の平均気温は-50℃、海面は1kmを越える厚さの氷に覆われています。ですから、海洋から、大気への水蒸気の供給はほとんどなくなります。つまり、雨が降らなくなるのです。大気は、乾燥していきます。氷に覆われずにかろうじて残っていた陸地も、冷たく乾燥した砂漠となっていたはずです。
氷に覆われた海洋は、今まで海洋がおこなっていた役割を果たさなくなります。それまで、太陽光と地球の自転で、地球表層の温度を平均化する役割を果たしてきました。その働きを、海洋はしなくなったのです。
この時代には、まだ陸上に進出した生物は、ほとんどいなかったと思います。いたとしても、風を使って広がることのできる細菌類が火山による熱水のあるところで、細々と生活していたに過ぎないはずです。6億年前の大部分の生物は、海洋生物であったはずです。そして、多くの生物は、20億年前の大激変を生き抜き、酸素を有効に利用できる生き物となっていたはずです。ということは、多くの生物は、海面付近で生活していたはずです。
逆にそのよう性質を持っていたがために、栄養豊富な海岸付近や海面付近で生活してた生き物は絶滅したはずです。20億年前から酸素を供給していたシアノバクテリアなど、光合成をする海洋微生物は、大部分が全滅してしまうはずです。酸素供給のメカニズムのストップしてしまいます。どれほどの大絶滅をしたのかはわかりませんが、20億年前の大絶滅に勝るとも劣らない大絶滅があったと考えられます。
海と太陽、大気が調和を持って存在することこそ、生命の絶対条件です。20億年前はその内の大気に異変をもたらしました。その異変はもたらしたのは生命自らでした。6億年前の異変は、海洋に起きました。その異変をもたらしたのは、地球自身でした。これは、生命がつくった試練ではなく、与えられた試練でした。こんな試練をも、生命は乗り越えてきました。
海洋の表面は、ほとんど氷に閉ざされていました。しかし、海が、すべて氷ることはありませんでした。それは、地球内部から供給される熱のためです。氷の厚さが1kmを越えなかったのは、そのためです。深海でも、海嶺や海山などで火山活動があると、熱水噴出口や地下水の湧き出し口で、小さな領域ですが、生物が細々と生き長らえることができたのです。それが、私たちの祖先でもあるわけです。
そんな過酷な時代も、やがて終わります。それは、大気中に二酸化炭素がたまったためだと考えられています。二酸化炭素は、火山活動によって地球内部から定常的供給されていたはずです。その二酸化炭素が、雨が降らないことで、大気中に二酸化炭素がたまってくるのです。氷の時代が1000万年以上も続き、火山活動が続くと、大気中の二酸化炭素の濃度は、1000倍にもなります。二酸化炭素は水に溶け込みやすい気体です。現在のように海があり、雨が降る環境では、大気から除去される仕組みが働きます。その機能が6億年前にはストップしていたのです。
大気への二酸化炭素の濃集によって、温室効果が促進され、暖かくなります。そのために海の氷が融けて、やがて赤道付近では、氷がとけ、海が顔を出します。しかし、急激に熱くなることによって、大量の水蒸気が発生して、激しい温室効果が生じます。その結果、寒冷化のゆり戻しかのような激しい温暖化がおきます。その推定値は平均気温50℃というものです。
激しい環境変化は、さらに生命に追い討ちをかけます。でも、そんな激しい環境変化を生き抜いたものは、逞しい生命となっていました。そして、環境が穏やかになると、生命の大爆発とよばれるカンブリア紀へと突入します。
2002年5月23日木曜日
2_15 6億年前の大絶滅(その1)
7億年前頃、地球では、全地球が真っ白になるくらい寒い時期があったのです。とんでもない事件です。それによって、多くの生物は、死に絶えたと考えられます。しかし、一部の生物は、しぶとく生き延びました。そんな大事件を、今回と次回の2回にわたってみてきましょう。
地球のさまざまな時代の地層を調べていくと、その時代の環境が読み取れます。ある時代の世界各地の地層で、同じ現象が起こっていることが読み取れると、その現象は、全地球的に起こったことだとわかります。
そんな地層の一つに、ティライト(tillite)とよばれる堆積岩があります。氷礫岩は、変わった岩石で、巨大な礫から粘土まで、さまざまなサイズの堆積物が混在した岩石、年輪のような縞模様をもつヴァーブ(varve)とよばれる堆積岩、あるいはドロップストーン(dropstone)と呼ばれる大きな石が、縞状堆積物の中に挟まっている岩石などがあります。
これらは、いずれも氷河によって形成される岩石なのです。ティライトは氷礫岩と呼ばれ、氷河によって運ばれた堆積物である。ヴァーブは、氷縞粘土(ひょうこうねん)と呼ばれ、氷河の前面にできる湖には、夏には粗い砕屑物が冬には細かい堆積物がたまり、年輪のようにきれいな縞模様ができたものです。ドロップストーンは、凍った湖の上に、冬のあいだに転がってきた大きな礫が、春には氷が溶けて湖の堆積物の中に落ち込んだものです。
他にも、氷河擦痕(さっこん)岩石につけられた氷河の傷跡やモレーンなどの氷河による地形など、なさまざなま氷河の証拠があります。そんな氷河の痕跡が、7億5000万年前から5億8000万年前までのいくつかの時代の地層に、見つかります。
6億年前、大陸はいくつもの大陸が、赤道付近にありました。現在、赤道付近では、氷河は標高5000m以上でないと形成されません。ところが、赤道に分布していた大陸なのに、この時代に氷河の証拠がたくさん見つかるのです。
5000m以上の陸地は、そんな広く分することはありません。これはいったい何を意味するのでしょうか。
当時(6億年前)の地球が、非常に冷たかったことを意味します。その冷たさは、想像を絶するものでした。ホフマン博士の推定によると、地球全体が真っ白で、雪や氷に覆われています。当時の平均気温は-50℃、海面は1kmの厚さの氷に覆われています。ただし、地球内部の熱が放出されていますので、海洋の底までは凍らなかったと考えれています。こんな時期が、1000万年あるいはそれ以上続いたと考えられています。まるで、地球が白い雪球のようみ見えるので、スノーボールアースあるいは、全球凍結とも呼ばれています。
なぜ、こんな寒冷化が起こるのでしょうか。それはスノーボールアースをいい出したホフマン博士によると、次のようなストーリが考えられています。
7億7000万年前まであった一つの巨大なロディニアという大陸(超大陸といいます)が、分裂をはじめます。6億年前には、大陸は小さく分裂し、赤道付近に分布します。赤道付近の大陸では、雨がたくさん降り、大陸を侵食します。激しい雨は、大気中の二酸化炭素を溶かし、大陸から持たされたイオンと結びついて、炭酸塩の沈殿物をつくります。二酸化炭素の急速減少によって、温室効果が下がり、地表の温度が急激に下がります。その結果、大きな氷が極地域の海にできます。広く白い氷は、太陽の光をたくさんはね返し、地球を暖めるために使われません。これが、寒冷化に拍車をかけます(暴走冷却とよんでいます)。この連鎖が悪循環をうみ、全球凍結へと向かいます。
さて、地球は大変な事態を迎えました。続きは次週です。
地球のさまざまな時代の地層を調べていくと、その時代の環境が読み取れます。ある時代の世界各地の地層で、同じ現象が起こっていることが読み取れると、その現象は、全地球的に起こったことだとわかります。
そんな地層の一つに、ティライト(tillite)とよばれる堆積岩があります。氷礫岩は、変わった岩石で、巨大な礫から粘土まで、さまざまなサイズの堆積物が混在した岩石、年輪のような縞模様をもつヴァーブ(varve)とよばれる堆積岩、あるいはドロップストーン(dropstone)と呼ばれる大きな石が、縞状堆積物の中に挟まっている岩石などがあります。
これらは、いずれも氷河によって形成される岩石なのです。ティライトは氷礫岩と呼ばれ、氷河によって運ばれた堆積物である。ヴァーブは、氷縞粘土(ひょうこうねん)と呼ばれ、氷河の前面にできる湖には、夏には粗い砕屑物が冬には細かい堆積物がたまり、年輪のようにきれいな縞模様ができたものです。ドロップストーンは、凍った湖の上に、冬のあいだに転がってきた大きな礫が、春には氷が溶けて湖の堆積物の中に落ち込んだものです。
他にも、氷河擦痕(さっこん)岩石につけられた氷河の傷跡やモレーンなどの氷河による地形など、なさまざなま氷河の証拠があります。そんな氷河の痕跡が、7億5000万年前から5億8000万年前までのいくつかの時代の地層に、見つかります。
6億年前、大陸はいくつもの大陸が、赤道付近にありました。現在、赤道付近では、氷河は標高5000m以上でないと形成されません。ところが、赤道に分布していた大陸なのに、この時代に氷河の証拠がたくさん見つかるのです。
5000m以上の陸地は、そんな広く分することはありません。これはいったい何を意味するのでしょうか。
当時(6億年前)の地球が、非常に冷たかったことを意味します。その冷たさは、想像を絶するものでした。ホフマン博士の推定によると、地球全体が真っ白で、雪や氷に覆われています。当時の平均気温は-50℃、海面は1kmの厚さの氷に覆われています。ただし、地球内部の熱が放出されていますので、海洋の底までは凍らなかったと考えれています。こんな時期が、1000万年あるいはそれ以上続いたと考えられています。まるで、地球が白い雪球のようみ見えるので、スノーボールアースあるいは、全球凍結とも呼ばれています。
なぜ、こんな寒冷化が起こるのでしょうか。それはスノーボールアースをいい出したホフマン博士によると、次のようなストーリが考えられています。
7億7000万年前まであった一つの巨大なロディニアという大陸(超大陸といいます)が、分裂をはじめます。6億年前には、大陸は小さく分裂し、赤道付近に分布します。赤道付近の大陸では、雨がたくさん降り、大陸を侵食します。激しい雨は、大気中の二酸化炭素を溶かし、大陸から持たされたイオンと結びついて、炭酸塩の沈殿物をつくります。二酸化炭素の急速減少によって、温室効果が下がり、地表の温度が急激に下がります。その結果、大きな氷が極地域の海にできます。広く白い氷は、太陽の光をたくさんはね返し、地球を暖めるために使われません。これが、寒冷化に拍車をかけます(暴走冷却とよんでいます)。この連鎖が悪循環をうみ、全球凍結へと向かいます。
さて、地球は大変な事態を迎えました。続きは次週です。
2002年5月16日木曜日
2_14 20億年前の大絶滅
私たち(生命、あるいは人類)は、平穏無事に、現在にたどり着いた訳ではないのです。紆余曲折をへて、それこそ波乱万丈の試練を乗り越えて、現在に、生きているのです。いや、生き延びてきたというべきかもしれません。そんな、事件で、最初で、最大の事件をみていきましょう。
地球生命において、最大の事件、それは、約20億年前に起こったものです。これは、多くの科学者が、一番のものとしてあげる事件でしょう。では、その20億年前の事件とは、どんなものだったのでしょうか。
20億年前までの地球環境は、二酸化炭素(CO2)を中心とするものでした。大気も、二酸化炭素が主要成分でした。もちろん二酸化炭素は、水への溶解度が大きいので、海にも多くの二酸化炭素が溶け込んでいました。
ところが、約28億年前に、シアノバクテリアとよばれる小さな生き物が誕生しました。その生き物は、その後、約20億年前には、大量に発生したのです。それは、シアノバクテリアの敵が少なかったのと、繁殖する環境が整っていたからでしょう。
シアノバクテリアは、光合成をする生き物です。光合成とは、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から、光のエネルギーを利用して、有機物と酸素(O2)をつくるという作用のことです。シアノバクテリアが大量発生するということは、大量に酸素が発生するということです。
その証拠が、大陸各地からみつかっています。ストロマトライトと縞状鉄鉱層とよばれる岩石が、その証拠です。
ストロマトライトは、全体としてはマッシュルームのような形をして、内部に同心円状の構造をもつ岩石です。このようなマッシュルームが密集してできた岩石が、大陸の堆積岩の中から、大量にみつかります。以前は、その素性やでき方がわからなかったのですが、西オーストラリアの西北にあるシャーク湾ハメリンプールから、同じ構造をもつ岩石がみつかったのです。
ハメリンプールでは、ストロマトライトが、現在つくられているさいちゅうでした。シアノバクテリアが表面に群生して住んでおり、盛んに光合成をしているのです。今まで見つからなかったのは、シャーク湾のように塩分濃度が異常に高い、特殊な環境にしか生き延びてなかったのです。しかし、かろうじてでも、ストロマトライトを作る生物が、生き延びていたおけげで、その岩石の素性や成因がわかったのです。つまり、大量のストロマトライトの存在は、大量の酸素の発生を意味します。
もう一つの証拠の縞状鉄鉱層は、鉄の原料となる鉄鉱石のものとです。鉄鉱石は、大陸各地で、大規模に露天掘りされています。つまり、大量の縞状鉄鉱層が存在するのです。その大規模な縞状鉄鉱層の形成された年代が、やはり約20億年前なのです。縞状鉄鉱層は、海に解けていたいた鉄のイオンが酸化状態になることによって沈殿してできる堆積岩だと考えられています。つまり、海水中の酸素の量が多くなると形成される岩石なのです。
ストロマトライトと縞状鉄鉱層は、呼応していたのです。どちらも酸素の量産が起こった証拠なのです。
海で鉄を使い尽くすと、酸素はやがて、海水からあふれ、大気中へのでてきます。大気の環境も酸化状態になるわけです。
酸素は、生物にとっては、猛毒です。酸素は、ものを酸化させます。生物にとって、酸素に満ちた環境では、からだが、酸化、つまり分解していくのです。それまで、酸素のない環境に生きていた生物は、20億年前ころ、大絶滅をしたはずです。
シアノバクテリアのもちろん生き残り繁栄しましたが、解毒能力を持つミトコンドリアという装置を体にもっていた数少ない生物のみが、生き延びました。それは、私たちの祖先でもあるわけです。私たちの祖先は、地球上最大の試練、大絶滅を生き延びたのです。
地球生命において、最大の事件、それは、約20億年前に起こったものです。これは、多くの科学者が、一番のものとしてあげる事件でしょう。では、その20億年前の事件とは、どんなものだったのでしょうか。
20億年前までの地球環境は、二酸化炭素(CO2)を中心とするものでした。大気も、二酸化炭素が主要成分でした。もちろん二酸化炭素は、水への溶解度が大きいので、海にも多くの二酸化炭素が溶け込んでいました。
ところが、約28億年前に、シアノバクテリアとよばれる小さな生き物が誕生しました。その生き物は、その後、約20億年前には、大量に発生したのです。それは、シアノバクテリアの敵が少なかったのと、繁殖する環境が整っていたからでしょう。
シアノバクテリアは、光合成をする生き物です。光合成とは、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から、光のエネルギーを利用して、有機物と酸素(O2)をつくるという作用のことです。シアノバクテリアが大量発生するということは、大量に酸素が発生するということです。
その証拠が、大陸各地からみつかっています。ストロマトライトと縞状鉄鉱層とよばれる岩石が、その証拠です。
ストロマトライトは、全体としてはマッシュルームのような形をして、内部に同心円状の構造をもつ岩石です。このようなマッシュルームが密集してできた岩石が、大陸の堆積岩の中から、大量にみつかります。以前は、その素性やでき方がわからなかったのですが、西オーストラリアの西北にあるシャーク湾ハメリンプールから、同じ構造をもつ岩石がみつかったのです。
ハメリンプールでは、ストロマトライトが、現在つくられているさいちゅうでした。シアノバクテリアが表面に群生して住んでおり、盛んに光合成をしているのです。今まで見つからなかったのは、シャーク湾のように塩分濃度が異常に高い、特殊な環境にしか生き延びてなかったのです。しかし、かろうじてでも、ストロマトライトを作る生物が、生き延びていたおけげで、その岩石の素性や成因がわかったのです。つまり、大量のストロマトライトの存在は、大量の酸素の発生を意味します。
もう一つの証拠の縞状鉄鉱層は、鉄の原料となる鉄鉱石のものとです。鉄鉱石は、大陸各地で、大規模に露天掘りされています。つまり、大量の縞状鉄鉱層が存在するのです。その大規模な縞状鉄鉱層の形成された年代が、やはり約20億年前なのです。縞状鉄鉱層は、海に解けていたいた鉄のイオンが酸化状態になることによって沈殿してできる堆積岩だと考えられています。つまり、海水中の酸素の量が多くなると形成される岩石なのです。
ストロマトライトと縞状鉄鉱層は、呼応していたのです。どちらも酸素の量産が起こった証拠なのです。
海で鉄を使い尽くすと、酸素はやがて、海水からあふれ、大気中へのでてきます。大気の環境も酸化状態になるわけです。
酸素は、生物にとっては、猛毒です。酸素は、ものを酸化させます。生物にとって、酸素に満ちた環境では、からだが、酸化、つまり分解していくのです。それまで、酸素のない環境に生きていた生物は、20億年前ころ、大絶滅をしたはずです。
シアノバクテリアのもちろん生き残り繁栄しましたが、解毒能力を持つミトコンドリアという装置を体にもっていた数少ない生物のみが、生き延びました。それは、私たちの祖先でもあるわけです。私たちの祖先は、地球上最大の試練、大絶滅を生き延びたのです。
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