2026年10月15日木曜日

3_230 付加体の蛇紋岩 3:メランジュ

 沈み込み帯では圧縮力が働いており、付加体には多数の断層が形成されます。大きな断層では、マントルに達するものがあります。断層から水が供給されると、マントルの岩石が蛇紋岩になります。蛇紋岩に秘密があります。


 沈み込み帯では、2つのプレートがぶつかっているため、圧縮する力が常にかかっている場となります。その力によって、島弧側に堆積物が集められ、付加体ができることを、前回、紹介しました。また、付加体にメランジュというものができることを示しました。
 付加体では、剥ぎ取りが起こる時、強い力がかかり、断層とともに岩石が激しく変形していくところができます。大きな断層帯で、複雑な変形した構造をメランジュと呼んでいます。
 大きな断層には、深部のマントルに達するものもあります。そして断層にそって水が、マントル物質に加わりますと、マントルのカンラン岩と水が反応して、蛇紋岩と呼ばれる岩石ができます。
 蛇紋岩は、マントルのカンラン岩や地殻の岩石と比べても密度が小さく、そして滑りやすい性質を持っています。メランジュの中に蛇紋岩ができると、断層帯の中を蛇紋岩が上昇してきます。その時断層帯周辺にあった岩石を持ち上げてきます。メランジュは、蛇紋岩に伴ってこのような起源の異なった多様な岩石が見つかることが特徴となります。
 メランジュ中の岩石には変成岩もあり、そこから変成作用の条件(温度や圧力など)を調べることができます。変成作用の内、もっとも高温高圧の条件より深いところから、蛇紋岩が由来したことになります。また、蛇紋岩でも、カンラン岩にあった鉱物が残っていることもあるので、そのような残存鉱物からもマントルの性質を調べることもできます。
 では、蛇紋岩のもととなったマントルは、大陸プレート由来か海洋プレート由来かどちらでしょうか。その由来について検討した論文が報告されました。名古屋大学の志村さんたちの共同研究で、2026年7月のTectonics誌に、
 Shimura et al 2026 Origin, Tectonic Processes, and Metasomatism of Serpentinite in the Shimanto Accretionary Complex, SW Japan: Possible Diapiric Intrusion of Serpentinized Oceanic Lithosphere
(西南日本、四万十付加体における蛇紋岩の起源、構造過程、および変成作用:蛇紋岩化した海洋リソスフェアのダイアピル貫入の可能性)
というタイトルで掲載されました。少々長いタイトルですが、次のような意味があります。
 西南日本には、海側から新しい時代の付加体から古いものへと順番に分布しています。海に近い四万十帯は、新しい付加体から形成されています。その中にメランジュとして蛇紋岩があります。上昇してきた蛇紋岩をダイアピルと呼んでいます。志村さんたちは、紀伊半島中央部の四万十帯中の蛇紋岩の分布や産状を調査し、その蛇紋岩のもととなったカンラン岩が、海洋マントル由来だと判明したという論文になります。
 その詳細は、次回としましょう。

・体力の衰え・
先日帰省して、墓参りとともに、
いくつかの打ち合わせをしてきました。
術後はじめての遠出となりました。
体力が落ちてい上に、
久しぶりの大移動や運動で、
体力的には厳しいものでした。
弱い腰痛がでて、術部に痛みがでてきましたが、
あまり大事には至りませんでした。
今後は、日々の運動で体力と筋力の回復に
努めていきたいと考えています。

・奇縁・
先日、弟の連絡をとったら、
実家の裏の親戚の家が
ある有名な映画の撮影に使われていると聞きました。
早速その映画を見ました。
食堂、仏間、脇道なども撮影に使われいました。
そして実家の裏も移っていました。
監督が、親族と知り合いであったため
撮影場所として使うようになったそうです。
奇縁ですね。