地球は「水の惑星」とよくいわれます。水、つまり海はいつから存在し、できてから現在までずっと存在していたのか、そしていつまで存在し続けるのでしょうか。「いつまで」に対する、新しい考え方が報告されました。
宇宙空間に浮かぶ地球は、青く美しい姿をしています。地球というと、多くの人が、そんな姿を思い浮かべることでしょう。地球の「青」を生み出しているのが、「水」の存在です。他の惑星には、同じH2Oが存在しても、その多くは個体の「氷」なっています。液体の水が、存在しているのは地球だけです。火星にもかつては海があったと考えられていますが、今では表面からはなくなっています。
では、地球では「いつから」海が存在し、「ずっと」存在し続けたのでしょうか。そして、「いつまで」存在しうるのでしょうか。海の存在について考えていきましょう。
「いつから」という疑問に関しては、このエッセイで紹介したのですが、少なくもと38億年前には、海が存在していたという証拠があります。その時代に、海底でたまった堆積岩が見つかっているからです。いくつかの年代値がありますが、最古の堆積岩が海の直接的な証拠となっています。他にも間接的には40億年前や42億年前などの証拠がありますが、直接的証拠とはいえません。
38億年前に出現した海は、その後「ずっと」存在していたのでしょうか。それとも消えたり、出現したりを繰り返していたのでしょうか。38億年前から現在まで、連続ではありませんが、いろいろな時代の堆積岩があります。ある時代に堆積岩があるということは、その時代に海があったということになります。さらに、同じ地域で地層が連続していなくても、別の地域には続く時代の堆積岩があれば、海が継続的に存在した根拠となります。
もしある期間、堆積岩が見つかっていないとしても、その時代に海がなくなったと考えるより、その時代の堆積岩がたまたま見つかっていないか、あるいは後の時代に、侵食でなくなったと考えたほうが合理的です。なぜなら、海がある時期なくなり、また出現するという現象を考えることは非常に難しいものです。考えられる唯一の可能性は、強烈な氷河期にあって海がすべて凍ってしまうことで、堆積岩ができなくなることはありえます。そんな異常な環境変化の時代は、地層に記録されています。実際の全地球凍結という時代が何度かあったことは知られていますが、すべての地球の時間と比べると氷河期の期間は短いものです。氷河期以外では、海が継続的に存在した考えられています。以上のことから、氷河期で一時的に途切れることがあっても、38億年前から現在まで、地球には海が存在していたと考えられます。
では、海は「いつまで」存在しつづけられるのでしょうか。これは未来の予測なので、なかなか検証は難しいものです。ですが、2017年10月24日付のイギリスの「Scientific Reports」という科学雑誌に、海の水がなくなるかもしれないという予測の報告がでました。詳しくは次回以降としましょう。
・水の色・
水は無色透明の物質です。
しかし、水に光が当たると
水の分子が黄色や赤色の光を吸収します。
それ以外の青の光が散乱して水から放出されます。
それが水の色となります。
散乱が水の量が少ない時は水色になり、
多い時は青となります。
水色は水の色なのです。
・次々と・
12月も、あれよあれよという間に過ぎていきそうです。
忙しくしている時は、特に時間の過ぎるのが早いようです。
この1年も、そして12月もあっという間に過ぎそうです。
本の執筆は、先日終わったのですが、
次の論文が、2つ同時に書き進めなければなりません。
そのための時間が、確保できるかどうかが心配です。
もちろん、書くべき材料はあるのですが、
その間、集中が続くかどうかも問題です。
今年の暮から来年の正月は忙しくなりそうです。
2017年12月14日木曜日
2017年12月7日木曜日
6_148 5回目の重力波 2:5度目は
5回目の重力波の発見は、どんな現象によるものでしょうか。その観測は今までとは違ったことがいくつかりました。発見によって、どんなことを、私たちに教えてくれるのでしょうか。
4回までの重力波の検出は、サイズこそ違っていたのですが、いずれもブラックホール同士の合体によって起こった現象でした。5回目の重力波は、4回目の現象からわずか3日後、2017年8月17日に起こったものでした。あまりに連続した検出で、研究者にも驚き持って迎えられました。
単に驚きだけでなく、5回目の重力波には、2つの重要なことがありました。ひとつは、5回目の重力波の発生が、これまでの現象とは違っていたことでした。ブラックホールではなく、2つの中性子星の衝突によるものでした。次に、今回の観測は、70ヶ所に上る観測所で100基ありまりのいろいろな装置で、この重力波を発生した星の観測がなされました。その結果、その発生源を状況が、重力波以外の波長でも詳しく調べられたことでした。
この重力波が発生した場所は、楕円銀河NGC4993の外れにあるGW170817と呼ばれる天体でした。1億3000万年ほど前に超新星爆発で2つ中性子星ができ、長い間、お互いの周りをらせんを描きながら回っていたのですが、衝突合体しました。この衝突によって重力波が発生しました。多数の観測によって、中性子星が衝突するという現象が、詳しく観測されました。
重力発見の報告の10時間後には、観測がスタートしました。カリフォルニア大学のキルパトリック博士が、まず最初にチリの小さな望遠鏡で観測しました。その結果、NGC4993の外れに、それまで何も見えなかったところに、輝く天体を発見しました。この発見をすぐに世界に配信しました。1時間ほどで5つのグループで、この天体が確認されました。
中性子星が衝突すると、金属元素が放射線を放出しながら飛び出します。この現象は、通常の望遠鏡で観測可能となります。また、放射線も電波からガンマ線まで、いろいろな波長のもので観測されました。その観測によって、多くの重金属が含まれていることがわかってきました。
宇宙に存在する重元素の形成過程は、星が死ぬ時の超新星爆発でできるとされていました。しかし、宇宙の重い元素の存在比が、実際に観測とは合わないとされていました。もし、中性子星の衝突のような現象が、ある程度の頻度で起これば、重元素が大量に合成されて、宇宙空間に放出することが可能になるかもしれません。
2つの中性子星の衝突の結果、太陽の約2.6倍の質量の天体が形成されたことがわかりました。その天体は、一体などんなものかはまだわかっていません。ブラックホールではないか、非常に大きな中性子星ないか、という説もありますが、まだ決着をみていません。また、衝突後のX線と電波は、地球に届く時間が予測より遅かったのですが、これは何故でしょうか。いろいろ疑問が生まれてきました。まだ、観測も継続されていくでしょうから、新しい発見もできるでしょう。
・科学の進歩のきっかけ・
ひとつのことがわかれば、多くの人が調べると、
さらに多くのことがわかります。
新しい現象が発見され、多くの人が観測することでも
同じようなことが起こります。
しかし、そこには必ず、新たな疑問が生まれてきます。
それが科学でもあります。
そんな繰り返しが、科学を進めてきます。
今回もそんな科学の進歩のきっかけになりそうですね。
・原稿執筆・
11月締め切りの原稿を1週間のばしてもらいました。
今年の後半ずっと作業していた書籍の原稿です。
本来なら夏休みに執筆作業を進める予定でしたが、
夏休みが忙しくて進みませんでした。
その代わり、完成原稿での入稿となりました。
原稿の完成度が、まだ不十分です。
しかし、時間的に間に合わないので、
校正作業をストップして、編集作業に集中しています。
InDesignというソフトでの作業になります。
このソフトは、以前チャレンジして挫折しています。
必要に迫られば、最低限でなんとかするしかありません。
金曜日には印刷屋さんに、データを渡します。
できれば、入校後、校正をしたいと考えていますが、
どうなるでしょうか。
4回までの重力波の検出は、サイズこそ違っていたのですが、いずれもブラックホール同士の合体によって起こった現象でした。5回目の重力波は、4回目の現象からわずか3日後、2017年8月17日に起こったものでした。あまりに連続した検出で、研究者にも驚き持って迎えられました。
単に驚きだけでなく、5回目の重力波には、2つの重要なことがありました。ひとつは、5回目の重力波の発生が、これまでの現象とは違っていたことでした。ブラックホールではなく、2つの中性子星の衝突によるものでした。次に、今回の観測は、70ヶ所に上る観測所で100基ありまりのいろいろな装置で、この重力波を発生した星の観測がなされました。その結果、その発生源を状況が、重力波以外の波長でも詳しく調べられたことでした。
この重力波が発生した場所は、楕円銀河NGC4993の外れにあるGW170817と呼ばれる天体でした。1億3000万年ほど前に超新星爆発で2つ中性子星ができ、長い間、お互いの周りをらせんを描きながら回っていたのですが、衝突合体しました。この衝突によって重力波が発生しました。多数の観測によって、中性子星が衝突するという現象が、詳しく観測されました。
重力発見の報告の10時間後には、観測がスタートしました。カリフォルニア大学のキルパトリック博士が、まず最初にチリの小さな望遠鏡で観測しました。その結果、NGC4993の外れに、それまで何も見えなかったところに、輝く天体を発見しました。この発見をすぐに世界に配信しました。1時間ほどで5つのグループで、この天体が確認されました。
中性子星が衝突すると、金属元素が放射線を放出しながら飛び出します。この現象は、通常の望遠鏡で観測可能となります。また、放射線も電波からガンマ線まで、いろいろな波長のもので観測されました。その観測によって、多くの重金属が含まれていることがわかってきました。
宇宙に存在する重元素の形成過程は、星が死ぬ時の超新星爆発でできるとされていました。しかし、宇宙の重い元素の存在比が、実際に観測とは合わないとされていました。もし、中性子星の衝突のような現象が、ある程度の頻度で起これば、重元素が大量に合成されて、宇宙空間に放出することが可能になるかもしれません。
2つの中性子星の衝突の結果、太陽の約2.6倍の質量の天体が形成されたことがわかりました。その天体は、一体などんなものかはまだわかっていません。ブラックホールではないか、非常に大きな中性子星ないか、という説もありますが、まだ決着をみていません。また、衝突後のX線と電波は、地球に届く時間が予測より遅かったのですが、これは何故でしょうか。いろいろ疑問が生まれてきました。まだ、観測も継続されていくでしょうから、新しい発見もできるでしょう。
・科学の進歩のきっかけ・
ひとつのことがわかれば、多くの人が調べると、
さらに多くのことがわかります。
新しい現象が発見され、多くの人が観測することでも
同じようなことが起こります。
しかし、そこには必ず、新たな疑問が生まれてきます。
それが科学でもあります。
そんな繰り返しが、科学を進めてきます。
今回もそんな科学の進歩のきっかけになりそうですね。
・原稿執筆・
11月締め切りの原稿を1週間のばしてもらいました。
今年の後半ずっと作業していた書籍の原稿です。
本来なら夏休みに執筆作業を進める予定でしたが、
夏休みが忙しくて進みませんでした。
その代わり、完成原稿での入稿となりました。
原稿の完成度が、まだ不十分です。
しかし、時間的に間に合わないので、
校正作業をストップして、編集作業に集中しています。
InDesignというソフトでの作業になります。
このソフトは、以前チャレンジして挫折しています。
必要に迫られば、最低限でなんとかするしかありません。
金曜日には印刷屋さんに、データを渡します。
できれば、入校後、校正をしたいと考えていますが、
どうなるでしょうか。
2017年11月30日木曜日
6_147 5回目の重力波 1:まずは4度目から
重力波の観測については、これまで何度か紹介してきました。11月に、また重力波の観測がおこなわれました。5度目の観測となります。これまで3つの現象を紹介しました。今回は、まず4回目の現象から紹介していきましょう。
2017年のノーベル物理学賞は、LIGOと呼ばれる装置によって「重力波の発見」をした研究者3名に与えられました。「発見」の報告は、2016年にされました。その論文発表の翌年にノーベル賞が与えられたのですが、こんな短期間で与えられるのは稀なことです。
重力波の理論は、アインシュタインが1916年にすでに示していたもので、あとはそれが実証されるかどうかが問題でした。まあ、観測できればノーベル賞確実だったようです。その観測がされたので、業績は明らかだったので、こんなに短期間に受賞が発表されたのでしょう。
重力波は、2015年9月に最初に観測され、2016年11月に2度目が、2017年1月に3度目の観測がなされました。非常に稀な現象だと考えられていたのですが、こんなに頻繁に観測されることに、多くの研究者は驚きました。
そして2017年8月に4度目の観測がなされました。この観測の重要な点は、イタリアに設置されている欧州重力波観測所の重力波検出器「Advanced Virgo」と同じ重力波を同時に検出した点です。
重力波の発生は、エリダヌス座の方向で約18億光年離れたところで起こりました。領域がかなり限定されたました。もし、LIGOだけの観測なら、現象が起こったエリアは、もっと広いものでした。それが別の地域での観測データがあったので、位置の精度が上がったのです。
では、4度目の重力波は、どんな現象に由来するものでしょうか。それまで3度観測された同じ現象による重力波でした。太陽質量の31倍と25倍のブラックホール同士の合体現象で発生したものでした。合体の結果、太陽質量の53倍のブラックホールになりました。その時に、太陽3個分の質量がエネルギーとなり、重力波を発生しました。
違った装置での観測の成功が、LIGOの観測の正当性を示すことになりました。これがノーベル賞受賞の重要な決め手となった考えられています。
そして、4回目の検出からわずか3日後、2017年8月17日に5回目の重力波が検出されました。それは、次回としましょう。
・予防接種・
11月も終わり、北海道では何度も寒波に襲われました。
ひどいアイスバーン状態もありました。
11月だというのに厳冬期の寒さです。
服装も厳冬期仕様になってきました。
今年の冬は早く厳しいようで、
寒くなるとインフルエンザが心配になります。
なのにインフルエンザの予防接種が
私は、まだできていません。
学生のためでもあるのですが。
もちろん自分のためでもあります。
12月上旬になんとか接種ができればいいのですが。
・本の執筆中・
現在、本の執筆中です。
11月末が本当の締め切りですが、
いろいろ調整して1週間ほど、
締め切りを伸ばしてもらいました。
ここ数週間、執筆に最大の時間と精力を
つぎ込んでいるのですが、まだ終わりません。
他の仕事もしなければなりません。
優先順を付けて進めるしかありません。
校務もかなり滞っています。
非常につらい時期を過ごしています。
あと少し頑張りつづけなければなりません。
2017年のノーベル物理学賞は、LIGOと呼ばれる装置によって「重力波の発見」をした研究者3名に与えられました。「発見」の報告は、2016年にされました。その論文発表の翌年にノーベル賞が与えられたのですが、こんな短期間で与えられるのは稀なことです。
重力波の理論は、アインシュタインが1916年にすでに示していたもので、あとはそれが実証されるかどうかが問題でした。まあ、観測できればノーベル賞確実だったようです。その観測がされたので、業績は明らかだったので、こんなに短期間に受賞が発表されたのでしょう。
重力波は、2015年9月に最初に観測され、2016年11月に2度目が、2017年1月に3度目の観測がなされました。非常に稀な現象だと考えられていたのですが、こんなに頻繁に観測されることに、多くの研究者は驚きました。
そして2017年8月に4度目の観測がなされました。この観測の重要な点は、イタリアに設置されている欧州重力波観測所の重力波検出器「Advanced Virgo」と同じ重力波を同時に検出した点です。
重力波の発生は、エリダヌス座の方向で約18億光年離れたところで起こりました。領域がかなり限定されたました。もし、LIGOだけの観測なら、現象が起こったエリアは、もっと広いものでした。それが別の地域での観測データがあったので、位置の精度が上がったのです。
では、4度目の重力波は、どんな現象に由来するものでしょうか。それまで3度観測された同じ現象による重力波でした。太陽質量の31倍と25倍のブラックホール同士の合体現象で発生したものでした。合体の結果、太陽質量の53倍のブラックホールになりました。その時に、太陽3個分の質量がエネルギーとなり、重力波を発生しました。
違った装置での観測の成功が、LIGOの観測の正当性を示すことになりました。これがノーベル賞受賞の重要な決め手となった考えられています。
そして、4回目の検出からわずか3日後、2017年8月17日に5回目の重力波が検出されました。それは、次回としましょう。
・予防接種・
11月も終わり、北海道では何度も寒波に襲われました。
ひどいアイスバーン状態もありました。
11月だというのに厳冬期の寒さです。
服装も厳冬期仕様になってきました。
今年の冬は早く厳しいようで、
寒くなるとインフルエンザが心配になります。
なのにインフルエンザの予防接種が
私は、まだできていません。
学生のためでもあるのですが。
もちろん自分のためでもあります。
12月上旬になんとか接種ができればいいのですが。
・本の執筆中・
現在、本の執筆中です。
11月末が本当の締め切りですが、
いろいろ調整して1週間ほど、
締め切りを伸ばしてもらいました。
ここ数週間、執筆に最大の時間と精力を
つぎ込んでいるのですが、まだ終わりません。
他の仕事もしなければなりません。
優先順を付けて進めるしかありません。
校務もかなり滞っています。
非常につらい時期を過ごしています。
あと少し頑張りつづけなければなりません。
2017年11月23日木曜日
4_146 寒波の静内
先週から今週に2度の出張がありました。そのとき、時間があるので、このエッセイを書きました。ちょっと個人的な内容になっていますが、ご覧いただければと思います。
金曜日の夜中から降り出した雪で、土曜日と日曜日の朝には、2度に渡り一面雪景色になりました。寒波が到来しました。週のはじめには、校務で静内に出かける予定でした。月曜日の明け方には除雪が入って、自宅の駐車場前の除雪をしなければ出かけられません。いつもより早めに起きて、食事を済ませて、車の出られるだけ範囲の除雪をして、6時前には自宅出ることができました。自宅近くの道路では、アイスバーの道で滑りやすくビクビクしながらの運転でした。途中から雪が減り、やがて道路は乾いてきました。幸い高速道路もほとんど雪がなく安全に走ることができました。
雪で遅れる危険性があったので、2時間ほど早く自宅をでました。幸い予定通りの時間で着いたので、早い到着となりました。私は、時間が余る分には気にならず、遅れるのがすごくストレスが貯まる方です。ノートパソコンを持ってきていたので、車でこの原稿を書き始めることにしました。静内川の河川敷に車を止めて、原稿を書き始めました。
日高の静内のあたりへは毎年1度は来ています。今年は3度目です。私にとって静内はお気に入りの町になっています。町の南側に静内川が流れています。静内川の左岸は丘陵があり、右岸側に河口平野があり、町並みが広がっています。
静内川の上流遠くを見ると、雪を被った日高山脈が見えます。主稜線は白くなっていますが、前山には木があるため、薄っすらと雪化粧をしています。主稜線の後ろには青空が広がっていますが、頭上にには時々雪雲が流れてきては、風に流されながら雪が降ってきます。今日は、そのコントラストが非常に綺麗です。海は、寒波のためかなり荒れて波が激しくなっています。
以前、老後を過ごすなら静内のような町がいいなと思っていました。近くまで高速道路があるので、札幌まで車なら2時間余でたどり着けます。今では日高地域の中核都市としての役割も持っていますので、都市にある大抵の店は揃っています。自宅は借家にして、別荘を静内に持って週末に通いながら、老後には定住しようかと考えていたことがありました。でも、現在の札幌近郊に自宅を建てたので、別荘は諦めました。でも、私にとって静内の町の良さは今も衰えません。
静内の町とは付き合は、私が大学4年生のときの卒業研究の野外調査の時からでした。日高山脈の前山と主稜線の間に当たるところに分布するオフィオライトと呼ばれる海洋地殻の断片の野外調査でした。オフィオライトと海洋地殻の関係が注目を浴びてきた時期でした。地質調査だけでは、なかなか結論を出しにくいテーマでしたが、野外観察で知りうる限りの情報を収集して、深海の海洋底で形成された傍証をいくつか示すことができました。今思えは、当時の卒業研究としては、そのあたりが限界だったでしょう。よくやったと我が事ながら思います。ちょうどダム工事が行われていたので、最上部にある飯場に泊めていただき、3ヶ月滞在して調査しました。なかなか思い出深い町です。
その後、北海道の今の職場に転職してから、機会があるたびに訪れることの多い町になりました。そして時間ができたら、今回のように日高山脈や川面、海を眺めながら思い出に浸ります。今回のエッセイは、そんな静内の思い出話しとなりました。
・北国の冬・
北日本は、先週末は寒波の到来で
あちこちで大雪の大荒れの天気となった。
北海道は通常の雪では交通網が麻痺して
止まってしまうことはありません。
除雪が充実しているので、多少の大雪でも
通常の交通網は確保されます。
でも運転手の方は、このエッセイで書いたように
雪の降り始めは、雪道の運転には慣れていないので
私は、おっかなびっくりの運転となります。
でも、これが北国の冬なのです。
・また旅へ・
最近、地質に関するニュースがいくつかでてきました。
それを書こうかと思っていたのですが、
思い出話とあいなりました。
今回は北海道の寒波と静内の思い出でしたが、
調査や校務でいろいろなところに出かけていくと
好きな地や町が、いろいろできてきます。
石に惹かれたところ、地質学的背景に惹かれたところ、
景観に惹かれたところ、町並みに惹かれたところ、
それらにはどこか私の心に響くものがあるのです。
そんな地が増えると、何度も旅に出たくなります。
金曜日の夜中から降り出した雪で、土曜日と日曜日の朝には、2度に渡り一面雪景色になりました。寒波が到来しました。週のはじめには、校務で静内に出かける予定でした。月曜日の明け方には除雪が入って、自宅の駐車場前の除雪をしなければ出かけられません。いつもより早めに起きて、食事を済ませて、車の出られるだけ範囲の除雪をして、6時前には自宅出ることができました。自宅近くの道路では、アイスバーの道で滑りやすくビクビクしながらの運転でした。途中から雪が減り、やがて道路は乾いてきました。幸い高速道路もほとんど雪がなく安全に走ることができました。
雪で遅れる危険性があったので、2時間ほど早く自宅をでました。幸い予定通りの時間で着いたので、早い到着となりました。私は、時間が余る分には気にならず、遅れるのがすごくストレスが貯まる方です。ノートパソコンを持ってきていたので、車でこの原稿を書き始めることにしました。静内川の河川敷に車を止めて、原稿を書き始めました。
日高の静内のあたりへは毎年1度は来ています。今年は3度目です。私にとって静内はお気に入りの町になっています。町の南側に静内川が流れています。静内川の左岸は丘陵があり、右岸側に河口平野があり、町並みが広がっています。
静内川の上流遠くを見ると、雪を被った日高山脈が見えます。主稜線は白くなっていますが、前山には木があるため、薄っすらと雪化粧をしています。主稜線の後ろには青空が広がっていますが、頭上にには時々雪雲が流れてきては、風に流されながら雪が降ってきます。今日は、そのコントラストが非常に綺麗です。海は、寒波のためかなり荒れて波が激しくなっています。
以前、老後を過ごすなら静内のような町がいいなと思っていました。近くまで高速道路があるので、札幌まで車なら2時間余でたどり着けます。今では日高地域の中核都市としての役割も持っていますので、都市にある大抵の店は揃っています。自宅は借家にして、別荘を静内に持って週末に通いながら、老後には定住しようかと考えていたことがありました。でも、現在の札幌近郊に自宅を建てたので、別荘は諦めました。でも、私にとって静内の町の良さは今も衰えません。
静内の町とは付き合は、私が大学4年生のときの卒業研究の野外調査の時からでした。日高山脈の前山と主稜線の間に当たるところに分布するオフィオライトと呼ばれる海洋地殻の断片の野外調査でした。オフィオライトと海洋地殻の関係が注目を浴びてきた時期でした。地質調査だけでは、なかなか結論を出しにくいテーマでしたが、野外観察で知りうる限りの情報を収集して、深海の海洋底で形成された傍証をいくつか示すことができました。今思えは、当時の卒業研究としては、そのあたりが限界だったでしょう。よくやったと我が事ながら思います。ちょうどダム工事が行われていたので、最上部にある飯場に泊めていただき、3ヶ月滞在して調査しました。なかなか思い出深い町です。
その後、北海道の今の職場に転職してから、機会があるたびに訪れることの多い町になりました。そして時間ができたら、今回のように日高山脈や川面、海を眺めながら思い出に浸ります。今回のエッセイは、そんな静内の思い出話しとなりました。
・北国の冬・
北日本は、先週末は寒波の到来で
あちこちで大雪の大荒れの天気となった。
北海道は通常の雪では交通網が麻痺して
止まってしまうことはありません。
除雪が充実しているので、多少の大雪でも
通常の交通網は確保されます。
でも運転手の方は、このエッセイで書いたように
雪の降り始めは、雪道の運転には慣れていないので
私は、おっかなびっくりの運転となります。
でも、これが北国の冬なのです。
・また旅へ・
最近、地質に関するニュースがいくつかでてきました。
それを書こうかと思っていたのですが、
思い出話とあいなりました。
今回は北海道の寒波と静内の思い出でしたが、
調査や校務でいろいろなところに出かけていくと
好きな地や町が、いろいろできてきます。
石に惹かれたところ、地質学的背景に惹かれたところ、
景観に惹かれたところ、町並みに惹かれたところ、
それらにはどこか私の心に響くものがあるのです。
そんな地が増えると、何度も旅に出たくなります。
2017年11月16日木曜日
2_156 最古の生命化石 4:炭素同位体組成
古い化石の化学的な特徴を捉えるのに、炭素同位体が用いられます。しかし、その値は変成作用などで変わってしまうことが弱点でした。その弱点を工夫で乗り越えたのですが、その値の意味するところはどんなものでしょうか。
前回、最古の生命化石の検証過程を紹介しました。古い時代の化石は有機物は残らず形態も消えていることが多く、さらに古い時代の岩石は変成作用を受けていることが多く、もともとあった化石の痕跡がなくなっています。しかし、もし岩石中に、有機物の痕跡としてグラファイト(炭素からできている鉱物)があれば、その炭素同位体組成を測定することで、生命の痕跡が検証できることが示されました。
炭素同位体組成から、変成作用から生まれる傾向と、それと相反する有機物から生まれる傾向を見出し、変成作用を受ける前の有機物の値を見積もることができるという検証方法でした。論文では、炭酸塩岩(変成作用の効果)とグラファイト(有機物の変化)と値の比較検討から、初期(堆積時)の有機物の値を見積もっています。その値は、生物起源の最小値は-28.2‰(パーミルと読みます。千分率のこと)となり、無機的な値との差が25.6‰以上という大きな開きができることがわかってきました。
このような同位体組成の差、および有機物の値は、生物しかつくれない値、つまり生物起源であることを示している、と報告しています。少々複雑なステップを踏んでいますが、一応、筋の通った説明となっています。
では、その炭素同位体組成から、どのようなことが読み取れたのでしょうか。
化石を含んでいたのは海でできた堆積岩なので、39億5000万年前の海洋で生物が存在していたいことが、第一の重要な点です。次に、炭素同位体組成から、その炭素同位体組成は、還元的アセチル-CoA経路やカルビン回路などの代謝作用によるものと考えられるとしています。
還元的アセチル-CoA経路とは、無機的な化学反応だけで栄養をつくる細菌が用いる代謝の方法です。カルビン回路とは、二酸化炭素(CO2)を使って糖を合成する反応です。まあ、代謝反応のあたりのは、まだ検討の予知がありそうですが、生物の活動があったことは確かのように見えます。
いずれにしても、35億年前以前になると、今のところ、誰もが認める形態をもった化石の認定には、なかなかたどり着けないようです。しかし、研究者の努力により、堆積岩から次々と生命の痕跡が見つかってくるようになりました。変成作用を受けている堆積岩からも化石の痕跡が見つかるようになりました。
各地から、そして古い時代へと生命活動の痕跡が遡られていくと、生命の誕生は、比較的短時間にそしてどこでも起きそうに思えてきます。地球で海と生命活動にいたるエネルギーの供給源があれば、どこでも生物が誕生するかのように思えてきます。まあ、それは妄想でしょう。今後も検証作業の継続が必要ですね。
・地質屋・
田代さんたちの報告には、
露頭の写真が何枚か添付されていました。
露頭の岩石の様子を示す写真でした。
しかしその周囲には植物が少し写っていたりして
周りの景観を想像できそうな写真もありました。
少しの景観から、その地への思いが馳せていきます。
地質学者の性(さが)、地質屋だからでしょうかね。
・大荒れの週末・
週末は北海道は大荒れでした。
風が強く、雪混じりの雨の降る荒れた天気でした。
各地で警報もでていました。
日曜日は大学の行事があったのですが、
少々残念な天気となりました。
前回、最古の生命化石の検証過程を紹介しました。古い時代の化石は有機物は残らず形態も消えていることが多く、さらに古い時代の岩石は変成作用を受けていることが多く、もともとあった化石の痕跡がなくなっています。しかし、もし岩石中に、有機物の痕跡としてグラファイト(炭素からできている鉱物)があれば、その炭素同位体組成を測定することで、生命の痕跡が検証できることが示されました。
炭素同位体組成から、変成作用から生まれる傾向と、それと相反する有機物から生まれる傾向を見出し、変成作用を受ける前の有機物の値を見積もることができるという検証方法でした。論文では、炭酸塩岩(変成作用の効果)とグラファイト(有機物の変化)と値の比較検討から、初期(堆積時)の有機物の値を見積もっています。その値は、生物起源の最小値は-28.2‰(パーミルと読みます。千分率のこと)となり、無機的な値との差が25.6‰以上という大きな開きができることがわかってきました。
このような同位体組成の差、および有機物の値は、生物しかつくれない値、つまり生物起源であることを示している、と報告しています。少々複雑なステップを踏んでいますが、一応、筋の通った説明となっています。
では、その炭素同位体組成から、どのようなことが読み取れたのでしょうか。
化石を含んでいたのは海でできた堆積岩なので、39億5000万年前の海洋で生物が存在していたいことが、第一の重要な点です。次に、炭素同位体組成から、その炭素同位体組成は、還元的アセチル-CoA経路やカルビン回路などの代謝作用によるものと考えられるとしています。
還元的アセチル-CoA経路とは、無機的な化学反応だけで栄養をつくる細菌が用いる代謝の方法です。カルビン回路とは、二酸化炭素(CO2)を使って糖を合成する反応です。まあ、代謝反応のあたりのは、まだ検討の予知がありそうですが、生物の活動があったことは確かのように見えます。
いずれにしても、35億年前以前になると、今のところ、誰もが認める形態をもった化石の認定には、なかなかたどり着けないようです。しかし、研究者の努力により、堆積岩から次々と生命の痕跡が見つかってくるようになりました。変成作用を受けている堆積岩からも化石の痕跡が見つかるようになりました。
各地から、そして古い時代へと生命活動の痕跡が遡られていくと、生命の誕生は、比較的短時間にそしてどこでも起きそうに思えてきます。地球で海と生命活動にいたるエネルギーの供給源があれば、どこでも生物が誕生するかのように思えてきます。まあ、それは妄想でしょう。今後も検証作業の継続が必要ですね。
・地質屋・
田代さんたちの報告には、
露頭の写真が何枚か添付されていました。
露頭の岩石の様子を示す写真でした。
しかしその周囲には植物が少し写っていたりして
周りの景観を想像できそうな写真もありました。
少しの景観から、その地への思いが馳せていきます。
地質学者の性(さが)、地質屋だからでしょうかね。
・大荒れの週末・
週末は北海道は大荒れでした。
風が強く、雪混じりの雨の降る荒れた天気でした。
各地で警報もでていました。
日曜日は大学の行事があったのですが、
少々残念な天気となりました。
2017年11月9日木曜日
2_155 最古の生命化石 3:グラファイト
今回の報告は、変成作用を受けた堆積岩からのものです。そこにあった生物の痕跡が消されたものでした。しかし、それで諦めるこなく、多数の分析値から面白いアイディアで生物の痕跡に迫っています。
いよいよ今回、最古の生命化石の実態を紹介していきましょう。
カナダのラブラドルに分布しているサグレック岩体と呼ばれる古い地質帯の中に含まれているヌリアック(Nulliak)表成岩と呼ばれるものであります。表層岩とは、地質学(第四紀や応用地質では違う意味に用います)では、主には地球表層でできた堆積岩類ことを指します。特に古い時代の岩石の生成場として、重要性を強調するためにいうことがあります。
この岩体では、すでに年代測定が行われており、39億5000万年前の堆積岩であることがわかっています。堆積岩を詳しく調べていくと、グラファイトが残っていることがわかってきました。いく種類かの堆積岩やその中に含まれているノジュール(団塊)のグラファイトの詳しく調べ、分析されています。
さて問題はこちらの岩体は変成作用を受けていることです。もともと生物の形態を化石として残していた岩石があったとしても、変成作用を受けると、その形態がほとんど消えてしまいます。なぜなら、変成作用を受けると有機物が分解してしまうからです。有機物とは、炭素の他に水素や酸素がくっついてできているのですが、変成作用で起こる脱ガスで、炭素以外の軽い元素が一緒に抜けていきます。そのために、変成作用を受けてしまうと、有機物からできている形態や成分などの痕跡が消えてしまうのです。
今回の報告は、その点で工夫をしています。有機物や化石の形態の消失というハンディと思われる性質を逆手にとって、非常にユニークで、面白い方法を提案しています。
変成作用で有機物が消失すると、残った炭素はグラファイトという鉱物になります。変成作用で形成されたグラファイトを詳しく調べると、変成作用における温度の履歴が読み取れることは、以前から知られています。グラファイトの結晶化のとき、推定される温度は、536˚C以上であったことがわかりました。これは、他の変成鉱物から見積もられた、580~800˚Cという変成温度と一致しています。
このことから、堆積岩中のグラファイトは、変成時に外からもたらされたものではなく、もともと岩石中にあった有機物が変成作用によって変わったものだということになります。グラファイトの化学成分(炭素同位体比)は、変成作用によって大きな値へと変化していきます。ですから、一番低い値は、より堆積岩時代の値に近いことになります。
一方、炭酸塩岩で無機的(生物が関与せずに)できた化学成分(炭素同位体比)は、変成作用とともに小さな値へとなることも知られています。炭酸塩岩でも、炭素同位体比を測定して、その変化から初期的(変成作用を受ける前)の値を見積もることができます。
つまり、同じ炭素同位体組成ですが、無機的起源と生物起源と違ったものでは、変成作用によって、まったく逆の値の変化がおこることになります。2つの値を比べると負の相関ができます。これは、生物起源でも無機起源でも、変成作用を受ける前の値を、多くの分析値があれば、見積もることが可能だということになります。
では、それらの値から、いったいどのようなことが、読み取れるのでしょうか。それは、次回としましょう。
・ノスタルジー・
11月はいくつか祝日がありますが、
私は、4年生の卒業研究の添削のために、
祝日でも大抵は大学にでています。
土曜日も、ほぼ毎週でています。
もちろん、学生の添削のためだけでなく、
自分の仕事もすることになるのですが。
私が働き出した頃は、また土曜日が半日出勤というのが
当たり前の時代がありました。
その時代へと戻ったと思えばいいのです。
あの頃は、もっと生きるのが大変でしたが、
どこか明るさがあったような気がします。
単なるノスタルジーでしょうか。
・冬タイヤ・
北海道のわが町でも、何度か雪が降り、
遠くに見える山並みは、
もうすっかり雪化粧になっています。
木々の紅葉もほぼ終わり、
多くの木は裸になってしまいました。
いよいよ冬の到来です。
我が家の車は、先月の激しい嵐があったとき
積雪もあったので、冬タイヤに替えました。
来週と再来週には遠出の出張があるので、
慌てて冬タイヤにしようとすると、
混んでいることがあるので、
早目に履き替えました。
でも、雪道の運転は怖いのです。
いよいよ今回、最古の生命化石の実態を紹介していきましょう。
カナダのラブラドルに分布しているサグレック岩体と呼ばれる古い地質帯の中に含まれているヌリアック(Nulliak)表成岩と呼ばれるものであります。表層岩とは、地質学(第四紀や応用地質では違う意味に用います)では、主には地球表層でできた堆積岩類ことを指します。特に古い時代の岩石の生成場として、重要性を強調するためにいうことがあります。
この岩体では、すでに年代測定が行われており、39億5000万年前の堆積岩であることがわかっています。堆積岩を詳しく調べていくと、グラファイトが残っていることがわかってきました。いく種類かの堆積岩やその中に含まれているノジュール(団塊)のグラファイトの詳しく調べ、分析されています。
さて問題はこちらの岩体は変成作用を受けていることです。もともと生物の形態を化石として残していた岩石があったとしても、変成作用を受けると、その形態がほとんど消えてしまいます。なぜなら、変成作用を受けると有機物が分解してしまうからです。有機物とは、炭素の他に水素や酸素がくっついてできているのですが、変成作用で起こる脱ガスで、炭素以外の軽い元素が一緒に抜けていきます。そのために、変成作用を受けてしまうと、有機物からできている形態や成分などの痕跡が消えてしまうのです。
今回の報告は、その点で工夫をしています。有機物や化石の形態の消失というハンディと思われる性質を逆手にとって、非常にユニークで、面白い方法を提案しています。
変成作用で有機物が消失すると、残った炭素はグラファイトという鉱物になります。変成作用で形成されたグラファイトを詳しく調べると、変成作用における温度の履歴が読み取れることは、以前から知られています。グラファイトの結晶化のとき、推定される温度は、536˚C以上であったことがわかりました。これは、他の変成鉱物から見積もられた、580~800˚Cという変成温度と一致しています。
このことから、堆積岩中のグラファイトは、変成時に外からもたらされたものではなく、もともと岩石中にあった有機物が変成作用によって変わったものだということになります。グラファイトの化学成分(炭素同位体比)は、変成作用によって大きな値へと変化していきます。ですから、一番低い値は、より堆積岩時代の値に近いことになります。
一方、炭酸塩岩で無機的(生物が関与せずに)できた化学成分(炭素同位体比)は、変成作用とともに小さな値へとなることも知られています。炭酸塩岩でも、炭素同位体比を測定して、その変化から初期的(変成作用を受ける前)の値を見積もることができます。
つまり、同じ炭素同位体組成ですが、無機的起源と生物起源と違ったものでは、変成作用によって、まったく逆の値の変化がおこることになります。2つの値を比べると負の相関ができます。これは、生物起源でも無機起源でも、変成作用を受ける前の値を、多くの分析値があれば、見積もることが可能だということになります。
では、それらの値から、いったいどのようなことが、読み取れるのでしょうか。それは、次回としましょう。
・ノスタルジー・
11月はいくつか祝日がありますが、
私は、4年生の卒業研究の添削のために、
祝日でも大抵は大学にでています。
土曜日も、ほぼ毎週でています。
もちろん、学生の添削のためだけでなく、
自分の仕事もすることになるのですが。
私が働き出した頃は、また土曜日が半日出勤というのが
当たり前の時代がありました。
その時代へと戻ったと思えばいいのです。
あの頃は、もっと生きるのが大変でしたが、
どこか明るさがあったような気がします。
単なるノスタルジーでしょうか。
・冬タイヤ・
北海道のわが町でも、何度か雪が降り、
遠くに見える山並みは、
もうすっかり雪化粧になっています。
木々の紅葉もほぼ終わり、
多くの木は裸になってしまいました。
いよいよ冬の到来です。
我が家の車は、先月の激しい嵐があったとき
積雪もあったので、冬タイヤに替えました。
来週と再来週には遠出の出張があるので、
慌てて冬タイヤにしようとすると、
混んでいることがあるので、
早目に履き替えました。
でも、雪道の運転は怖いのです。
2017年11月2日木曜日
2_154 最古の生命化石 2:一長一短
これまで見つかっている最後の生命化石とする報告で確実なものは35億年前のものです。それより古い化石は、証拠や根拠には、一長一短があり、確定にはいたっていません。そんな最古の化石のこれまでの現状をまとめました。
前回、最古の生命化石が発見されたという新たな報告があったということを紹介しました。目新しいこととして、発見場所がカナダであること、年代は39億5000万年前で非常に古いこと、変成作用を受けた岩石から見つかったことを挙げました。いずれもこの化石が本物であったら、最古だけでなく、特異な化石の発見の情報となります。
今回の報告の特徴を示すために、これまでの最古の化石についての情報をまとめておきましょう。
多くの人が化石で生物だと認めているものは、西オーストラリアのノースポールの約35億年前の化石でした。生物の形態も炭化物として残しており、細胞分裂をしているような状態もありました。一般の人がみても化石だと思えるような画像として提示されていました。もちろん、形だけでな根拠が足りないので、化学的なデータもつけられており、科学者たちにも根拠を提示しています。生息環境は深海底の熱水噴出孔周辺で、初期生命の誕生の場と考えられるところでもありました。
前回も紹介しましたが、グリーンランドのイスアでは、38年億前ころの地層が分布しているので、最古の生命探しにいつも登場するところです。最近の報告では、37億年前の岩石から、生命がつくったらしきストロマトライト状構造が見つかったというものがありました(エッセイ「最古の化石」にて紹介)。ストロマトライト状構造とは、25億年前ころの浅海でできた地層から大量に見つかる同心円状のつくりをもった岩石です。シアノバクテリアという種類の生物がつくった構造だとされています。ですから、グリーンランドの38年億前ものも、生物がつくったものでないかという報告でした。ただし、まだ確定はされていません。
西オーストラリアのジャックヒルにある堆積岩から、花崗岩(火成岩)中でできた41億年前のジルコンという鉱物が見つかりました。マグマからできた鉱物なのですが、そこに生命の痕跡があったと報告がなされています(エッセイ「41億年前の生命」にて紹介)。しかし、生物の存在の傍証とはなりえますが、直接の証拠とはいえません。また、どんな生物であったか、どんなところに棲んでいたのかも不明です。
カナダのハドソン湾東岸沿ヌブアギツク帯の地層で、チューブ状やフィラメント状(繊維状)になっている鉱物(赤鉄鉱)が見つかりました。このような形態の鉱物は、熱水噴出孔に棲んでいる生物群に見つかるものと似ています。化学的な証拠も提示されていました(同じくエッセイ「41億年前の生命」にて紹介)。でも、生物の直接的な証拠ではありませんでした。さらにこの地層の年代が、37億7000万年前より以前、多分42億8000万年前のものではないかとされていますが、時代が定っているわけではありませんでした。
いずれも古い岩石で、生命の痕跡も非常かすかなもので、認定がなかなか難しくなります。ですから、どうしても反論がでてくることも多くなります。西オーストラリアのノースポール以外は、かすかな痕跡ですから、それぞれの主張に一長一短があり、なかなか確定には至らないようです。
さて今回の報告ですが、2017年9月27日発行のNature誌に
Early trace of life from 3.95 Ga sedimentary rocks in Labrador, Canada.
(カナダ、ラブラドルの39億5000万年前の堆積岩からの初期生命の痕跡)
というタイトルで掲載されたものした。報告者は、東京大学大学院生の田代貴志さんたち、若手を中心とする研究グループでした。
この報告の詳細は、次回以降としましょう。
・思いを巡らすだけ・
古い化石の出る産地には興味があります。
グリーンランドのイスアには
以前行ったことがあるのですが、
海外調査にはほとんど出れなくなりました。
ですから、今回登場した、
西オーストラリアのジャックヒルや
カナダのハドソン湾東岸沿ヌブアギツク帯
など、行きたいところは
一杯あるのですが、行けません。
せいぜい論文にでている露頭写真をみて
現地に、思いを巡らすだけですね。
・冬の到来・
週初めは、台風の影響でアラレや雨が降り
風も吹き、寒くて、ひどい荒れ模様となりました。
里でも薄っすらと雪化粧をしてました。
すぐに溶けはしたのですが、
秋も終わってしまったようです。
朝夕は当たり前にストーブをたくようになりました。
いよいよ冬の到来を感じさせる季節となりました。
前回、最古の生命化石が発見されたという新たな報告があったということを紹介しました。目新しいこととして、発見場所がカナダであること、年代は39億5000万年前で非常に古いこと、変成作用を受けた岩石から見つかったことを挙げました。いずれもこの化石が本物であったら、最古だけでなく、特異な化石の発見の情報となります。
今回の報告の特徴を示すために、これまでの最古の化石についての情報をまとめておきましょう。
多くの人が化石で生物だと認めているものは、西オーストラリアのノースポールの約35億年前の化石でした。生物の形態も炭化物として残しており、細胞分裂をしているような状態もありました。一般の人がみても化石だと思えるような画像として提示されていました。もちろん、形だけでな根拠が足りないので、化学的なデータもつけられており、科学者たちにも根拠を提示しています。生息環境は深海底の熱水噴出孔周辺で、初期生命の誕生の場と考えられるところでもありました。
前回も紹介しましたが、グリーンランドのイスアでは、38年億前ころの地層が分布しているので、最古の生命探しにいつも登場するところです。最近の報告では、37億年前の岩石から、生命がつくったらしきストロマトライト状構造が見つかったというものがありました(エッセイ「最古の化石」にて紹介)。ストロマトライト状構造とは、25億年前ころの浅海でできた地層から大量に見つかる同心円状のつくりをもった岩石です。シアノバクテリアという種類の生物がつくった構造だとされています。ですから、グリーンランドの38年億前ものも、生物がつくったものでないかという報告でした。ただし、まだ確定はされていません。
西オーストラリアのジャックヒルにある堆積岩から、花崗岩(火成岩)中でできた41億年前のジルコンという鉱物が見つかりました。マグマからできた鉱物なのですが、そこに生命の痕跡があったと報告がなされています(エッセイ「41億年前の生命」にて紹介)。しかし、生物の存在の傍証とはなりえますが、直接の証拠とはいえません。また、どんな生物であったか、どんなところに棲んでいたのかも不明です。
カナダのハドソン湾東岸沿ヌブアギツク帯の地層で、チューブ状やフィラメント状(繊維状)になっている鉱物(赤鉄鉱)が見つかりました。このような形態の鉱物は、熱水噴出孔に棲んでいる生物群に見つかるものと似ています。化学的な証拠も提示されていました(同じくエッセイ「41億年前の生命」にて紹介)。でも、生物の直接的な証拠ではありませんでした。さらにこの地層の年代が、37億7000万年前より以前、多分42億8000万年前のものではないかとされていますが、時代が定っているわけではありませんでした。
いずれも古い岩石で、生命の痕跡も非常かすかなもので、認定がなかなか難しくなります。ですから、どうしても反論がでてくることも多くなります。西オーストラリアのノースポール以外は、かすかな痕跡ですから、それぞれの主張に一長一短があり、なかなか確定には至らないようです。
さて今回の報告ですが、2017年9月27日発行のNature誌に
Early trace of life from 3.95 Ga sedimentary rocks in Labrador, Canada.
(カナダ、ラブラドルの39億5000万年前の堆積岩からの初期生命の痕跡)
というタイトルで掲載されたものした。報告者は、東京大学大学院生の田代貴志さんたち、若手を中心とする研究グループでした。
この報告の詳細は、次回以降としましょう。
・思いを巡らすだけ・
古い化石の出る産地には興味があります。
グリーンランドのイスアには
以前行ったことがあるのですが、
海外調査にはほとんど出れなくなりました。
ですから、今回登場した、
西オーストラリアのジャックヒルや
カナダのハドソン湾東岸沿ヌブアギツク帯
など、行きたいところは
一杯あるのですが、行けません。
せいぜい論文にでている露頭写真をみて
現地に、思いを巡らすだけですね。
・冬の到来・
週初めは、台風の影響でアラレや雨が降り
風も吹き、寒くて、ひどい荒れ模様となりました。
里でも薄っすらと雪化粧をしてました。
すぐに溶けはしたのですが、
秋も終わってしまったようです。
朝夕は当たり前にストーブをたくようになりました。
いよいよ冬の到来を感じさせる季節となりました。
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