2017年11月23日木曜日

4_146 寒波の静内

 先週から今週に2度の出張がありました。そのとき、時間があるので、このエッセイを書きました。ちょっと個人的な内容になっていますが、ご覧いただければと思います。

 金曜日の夜中から降り出した雪で、土曜日と日曜日の朝には、2度に渡り一面雪景色になりました。寒波が到来しました。週のはじめには、校務で静内に出かける予定でした。月曜日の明け方には除雪が入って、自宅の駐車場前の除雪をしなければ出かけられません。いつもより早めに起きて、食事を済ませて、車の出られるだけ範囲の除雪をして、6時前には自宅出ることができました。自宅近くの道路では、アイスバーの道で滑りやすくビクビクしながらの運転でした。途中から雪が減り、やがて道路は乾いてきました。幸い高速道路もほとんど雪がなく安全に走ることができました。
 雪で遅れる危険性があったので、2時間ほど早く自宅をでました。幸い予定通りの時間で着いたので、早い到着となりました。私は、時間が余る分には気にならず、遅れるのがすごくストレスが貯まる方です。ノートパソコンを持ってきていたので、車でこの原稿を書き始めることにしました。静内川の河川敷に車を止めて、原稿を書き始めました。
 日高の静内のあたりへは毎年1度は来ています。今年は3度目です。私にとって静内はお気に入りの町になっています。町の南側に静内川が流れています。静内川の左岸は丘陵があり、右岸側に河口平野があり、町並みが広がっています。
 静内川の上流遠くを見ると、雪を被った日高山脈が見えます。主稜線は白くなっていますが、前山には木があるため、薄っすらと雪化粧をしています。主稜線の後ろには青空が広がっていますが、頭上にには時々雪雲が流れてきては、風に流されながら雪が降ってきます。今日は、そのコントラストが非常に綺麗です。海は、寒波のためかなり荒れて波が激しくなっています。
 以前、老後を過ごすなら静内のような町がいいなと思っていました。近くまで高速道路があるので、札幌まで車なら2時間余でたどり着けます。今では日高地域の中核都市としての役割も持っていますので、都市にある大抵の店は揃っています。自宅は借家にして、別荘を静内に持って週末に通いながら、老後には定住しようかと考えていたことがありました。でも、現在の札幌近郊に自宅を建てたので、別荘は諦めました。でも、私にとって静内の町の良さは今も衰えません。
 静内の町とは付き合は、私が大学4年生のときの卒業研究の野外調査の時からでした。日高山脈の前山と主稜線の間に当たるところに分布するオフィオライトと呼ばれる海洋地殻の断片の野外調査でした。オフィオライトと海洋地殻の関係が注目を浴びてきた時期でした。地質調査だけでは、なかなか結論を出しにくいテーマでしたが、野外観察で知りうる限りの情報を収集して、深海の海洋底で形成された傍証をいくつか示すことができました。今思えは、当時の卒業研究としては、そのあたりが限界だったでしょう。よくやったと我が事ながら思います。ちょうどダム工事が行われていたので、最上部にある飯場に泊めていただき、3ヶ月滞在して調査しました。なかなか思い出深い町です。
 その後、北海道の今の職場に転職してから、機会があるたびに訪れることの多い町になりました。そして時間ができたら、今回のように日高山脈や川面、海を眺めながら思い出に浸ります。今回のエッセイは、そんな静内の思い出話しとなりました。

・北国の冬・
北日本は、先週末は寒波の到来で
あちこちで大雪の大荒れの天気となった。
北海道は通常の雪では交通網が麻痺して
止まってしまうことはありません。
除雪が充実しているので、多少の大雪でも
通常の交通網は確保されます。
でも運転手の方は、このエッセイで書いたように
雪の降り始めは、雪道の運転には慣れていないので
私は、おっかなびっくりの運転となります。
でも、これが北国の冬なのです。

・また旅へ・
最近、地質に関するニュースがいくつかでてきました。
それを書こうかと思っていたのですが、
思い出話とあいなりました。
今回は北海道の寒波と静内の思い出でしたが、
調査や校務でいろいろなところに出かけていくと
好きな地や町が、いろいろできてきます。
石に惹かれたところ、地質学的背景に惹かれたところ、
景観に惹かれたところ、町並みに惹かれたところ、
それらにはどこか私の心に響くものがあるのです。
そんな地が増えると、何度も旅に出たくなります。