2014年6月12日木曜日

3_129 ダイヤモンド 2:オフィオライト

(2014.06.12)
 オフィオライトからダイヤモンドが見つかっています。オフィオライトのダイヤモンドの認定については、紆余曲折があった後に、今では確認がされています。ただし、まだすべてのオフィオライトから発見されているわけではなく、一部のオフィオライトからだけです。

 キンバーライトという火山岩に伴うものが現在の宝石の供給源で一番多くのダイヤモンドを産出しています。その他のダイヤモンドの産状として、衝突ダイヤモンドも超高圧変成ダイヤモンドを紹介しましたが、量も少なく、大きさも小さいものでした。もう一つの産状として、近年見つかってきた、オフィオライトに伴うダイヤモンドがあります。
 オフィオライトとは、海洋プレートが海溝で沈み込むときに、大陸の縁や島弧に一部が持ち上げられて、大陸に保存されたものです。過去の海洋プレートの「化石」のようなものです。オフィオライトに見られる岩石の並び(層序と呼びます)は、下からマントルの岩石(カンラン岩の一種のハルツバージャイト)、次にマグマだまりの底に沈殿した岩石(いろいろなカンラン岩やクロミタイトなど)、マグマだまりが固まった岩石(斑レイ岩)、噴出するときのマグマの通り道となった岩脈群(ドレライト)、海底に噴出した枕状の溶岩(玄武岩)、その上に海底に沈殿した生物の遺骸(層状チャート)となります。
 1993年には、オフィオライトのカンラン岩からダイヤモンドが見つかったという報告がなされましたが、なんらか(自然か人為)の原因による汚染ではないかと考えられていました。その原因として、岩石を顕微鏡で観察するときに研磨するのですが、研磨剤にダイヤモンドを使うことがありました。そのような人為的にダイヤモンドが紛れ込んだのか、あるいは自然状態であるが、オフィオライトの岩石が形成されるときに同時にできたのではなく、何らかの理由で紛れ込んだのではないかと考えられていました。つまり、オフィオライトの中でダイヤモンドが形成されたのではなく、汚染物質としてダイヤモンドが紛れ込んなのではないかとされてきました。
 ところが2000年代になって、ダイヤモンドの存在は、汚染ではないことがわかってきました。各地のオフィオライトで、何人も研究者がダイヤモンドが検証され、他の高圧鉱物も見つかっていることから、ダイヤモンドの産出は確からしいと考えられてきました。もちろんそれらのダイヤモンドは、大きなも宝石になるようなサイズではなく、1mmに満たいないマイクロダイヤモンドですが。
 ダイヤモンドが見つかっているオフィオライトの多くは、チベットの衝突帯からです。この地域は、インド大陸がユーラシア大陸に衝突したとき、間にあった消えたテチス海を構成していた海洋プレートの断片が、オフィオライトになっています。ダイヤモンドの産地は点在していますが、2000kmの長さにわたって、ダイヤモンドを含むオフィオライトが分布していることになります。現在のところ、チベットでは8箇所のオフィオライトから見つかっています。
 他にも、天山山脈やウラルのオフィオライトからも、マイクロダイヤモンドが見つかっていますが、いずれも大陸の衝突や島弧の衝突でできたオフィオライトのようです。
 マイクロダイヤモンドは、大陸が衝突した地域のオフィオライトだけに見つかるのか、それとも他のタイプのオフィオライトからも見つかるのかは、今後の研究を待たなければなりません。
 さて、オフィオライトの中のダイヤモンドは、どのようなところから見つかるのでしょうか。実際の産状についてですが、それは次回としましょう。

・地質学的フレームワーク・
私は、オフィオライトを研究していました。
研究常識からすると、オフィオライトの中から
ダイヤモンドが発見されるとは考えられません。
オフィオライトとは海洋プレートの最上部にあたります。
まして、ダイヤモンドが見つかっているのは
マグマだりの底ですから、
せいぜい10kmほどの深さしかないはずです。
そこはダイヤモンドができる条件からは、かけ離れています。
不思議としかいえません。
オフィオライトのダイヤモンドの成因を解明は
地質学的フレームワークを変更する必要が
でてくるくらいの重要性を持つかもしれません。
今度、もっと研究されるべきでしょう。

・光陰矢のごとし・
6月は、北海道が一番いい季節になります。
ところが、私にとって、6月はあれよあれよという間に、
過ぎていきそうで焦っています。
やるべきこともできずに時間だけが、
ただただ過ぎていきます。
年々忙しだけが増え、
時間が矢のように過ぎていきます。
これは私だけでないのでしょう。
「光陰矢のごとし」という言葉があるのですから、
昔の人も同じ思いに駆られたのでしょう。
でも、ゆったりとした落ち着いた時間が
流れないでしょうか。
それも心の持ちよう次第なのでしょうかね。

2014年6月5日木曜日

3_128 ダイヤモンド 1:いくつかの産状

 以前、日本でダイヤモンドが発見されたというニュースを、エッセイで紹介したことがあります。そのニュースもなかなか興味深いものでしたが、他にもダイヤモンドが見つかるところがあることがわかってきました。今までにないダイヤモンドの産出状態を紹介しましょう。

 ダイヤモンドは宝石として興味を持つ人も多いのですが、研究者も興味を持っています。それは、非常に高温高圧でないと形成されない鉱物なので、そのでき方を探ることは、自然界でどのようにして高温高圧状態ができるかを知ることになります。
 まずは、ダイヤモンドがどこから見つかるかをみていきましょう。古くから知られているのは、キンバーライトと呼ばれる特殊は火山岩に含まれているものです。鉱山としてして採掘されているダイヤモンドのほほとんどは、キンバーライトに由来するものです。
 キンバーライトは、地球深部、100kmより深いところでできたマグマが、高速で上昇してきて噴出したものです。非常に特殊な火山岩です。キンバーライトの他にもランプロアイトとよばれる特殊な火山岩でも見るつかります。いずれも、アルカリ成分に富むマグマの噴出です。
 2007年に見つかった日本のダイヤモンドも、ランプロアイトの火山岩からでした。ただし、日本列島という特殊な環境で見つかったことは重要な意味があります。それは、1_63や3_70から3_73のエッセイを参照して下さい。
 ダイヤモンドは、炭素からできている鉱物で、炭素が超高温高圧状態にされると形成されます。深部でマントル内で炭素の集まっている条件でダイヤモンドの結晶ができ、さらに低温低圧ではグラファイト(石墨)などの結晶に変わるるので、変わる前に上昇してしまう必要があります。そのような条件を満たすものに、キンバーライトやランプロアイトがありました。
 それ以外にも、いくつかの条件を満たす産出状況があることがわかるようになってきました。
 まず、超高圧変成岩と呼ばれる岩石です。大陸同士の衝突で、深く潜り込んだ方の大陸地殻では、高圧条件が出現します。1990年には、そんな超高圧変成岩の中からダイヤモンドが発見されています。120から150kmより深いところまで潜り込んだと考えられています。その後、地表に露出したことになります。超高圧変成ダイヤモンドは、変成作用でできた鉱物であるガーネットや輝石、白雲母、ジルコンなどの結晶の中や境界部でみつかります。ただし、0.1から0.01mmほどの大きさしかありません。
 もうひとつは、激しい衝突などで、瞬間的に高温高圧条件を生み出されたときにできたものです。自然界では、隕石の衝突で発生する条件が考えられます。1997年には、衝突ダイヤモンドが発見されています。シベリアのポピガイ(Popigai)クレーターが最も大きいものとして知られています。ただし、非常に小さな結晶です。
 衝突ダイヤモンドも超高圧変成ダイヤモンドも、いずれも稀で非常に小さいものしか見つかっていません。
 1993年には、別のタイプのダイヤモンドが見つかっています。そのタイプのダイヤモンドは、量も多く、大きさもかなりのもののようです。それは、次回としましょう。

・エゾハルゼミ・
5月末から急に暖かくなってきました。
30度を越える真夏日にもなりました。
今まで、肌寒い日が続いていたので、
やっと夏になった気がします。
暑くなるをまっていたように
エゾハルゼミが盛んに鳴いています。
そして6月4日からYOSAKOIも始まりました。
北海道の初夏の風物詩がそろってきました。

・教育実習・
初夏を迎えたのですが、
私の忙しさは一段と増してきました。
今年は教育実習生が例年の倍ほどいるので、
担当の教員は出かけることが多くなりました。
6月がピークで、7月まで続き、
9月にも再度ピークがきます。
休講ができないので
その調整がなかなか大変です。
補講をすることでなんとかやりくりしています。

2014年5月29日木曜日

5_120 だいち2号の打ち上げ成功

 先日、テレビで「だいち2号」の打ち上げのニュースが流れました。軌道への投入から観測準備作業へと順調に進んでいるようです。「だいち」の後継機である「だいち2号」は、陸地の凹凸を詳細に観測するためのレーダを備えています。その目的はどのようなものか、確認していきましょう。

 2014年5月24日12時5分14秒、種子島宇宙センターから「だいち2号」が打ち上げがおこなわれました。無事打ち上げが終わり、H-IIAロケットから分離をし、予定通りの軌道に投入されました。観測に向けての準備作業は、順調に進行しているようです。
 少し前のエッセイで「だいち2号」の説明を詳しくしたので、やっと打ち上げがおこなわれたとの感もあります。繰り返しになるかもしれませんが、「だいち2号」の役割を紹介します。
 「だいち2号」は「だいち」の後継機で陸地の観測をする衛星です。「だいち2号」の目的は、陸域のレーダによる正確な地形観測です。「だいち」が陸域の基本的なデータをすでに収集しているので、それをより発展させるかたちでの観測装置となっています。精度を上げることと、一気に広域をカバーすることを目的としています。
 レーダの装置は、合成開口レーダ(SAR)とよばれ、高度628kmから、分解能3mという高精度の測定と、100mの分解能で350kmの幅を一気に観測することができます。ひとつの装置でありながら、高精度と広範囲という一見矛盾するような観測データを収集できます。非常にすぐれたレーダ装置であります。
 詳細かつ広域の地形データは、前に運用されていた「だいち」のデータと比較することで、地球全土の地形変動を、経時的変化として読みとることができます。このようなデータは、災害時に備えての基本的データの収集に加えて、地震や火山などの災害予防、予知に役立つと期待されています。
 災害時だけでなく、平常時でも、日本の地図情報の更新、あるいは各国の国土情報の収集、資源開発や環境保全、環境モニターなどにも利用できると期待されています。
 やっと打ち上げが終わったところですが、その活用に期待が膨らみます。

・ロケットの打ち上げ・
私は、種子島宇宙センターも、
鹿児島県の大隅半島の内之浦も
フロリダ半島のケープカナベラルのケネディ宇宙センターも
見学にいったことがあります。
しかし、残念ながら、ロケットの打ち上げは
直接見たことがありません。
一度は見学したいのですが、
なかなか実現できません。
基地の見学はこちらの都合でできるのですが、
打ち上げは、その日程に合わせていかなくてはいけません。
荒天や装置の不具合によって打ち上げ延長もありえます。
もし行ってそのような事態があれば、
無駄足になりなけません。
そんなリスクを、仕事を持っている身では
なかなかとれません。
しかし、ロケットの打ち上げ見学は
生きているうちに実現したい夢の一つでもあります。

・5mメッシュ・
「だいち」の観測データから作成された
5mメッシュの数値標高データは
大変魅力があります。
ただし、有償なので私には手が出ません。
国土地理院が航空機のレーダ測量などのデータで
都市部などの一部データは公表しつつあるのですが、
日本全域ではそろっていません。
ですから、「だいち」の日本全域のデータは魅力です。
今は、国土地理院の努力に声援を送りたい気持ちが強いです。
でも、人の住まないところの5mメッシュのデータは
作成されないだろうなぁという気もします。

2014年5月21日水曜日

1_126 最古の認定 4:検証終了

 ジルコン内で鉛が移動する可能性があることが指摘されていました。その危惧を回避するためには、古いジルコンで鉛の同位体がどう分布しているかを原子レベルで調べることが一番の確認となります。そんな検証がなされました。

 これまで、ジルコンを用いた年代測定の方法を述べてきました。そこで浮上してきた問題は、ジルコンの中で、形成後も鉛が移動することなく、保存されているかどうかというものでした。ウランやトリウムから放射壊変によって形成されてきた鉛が、長期間、移動することなくジルコンの中に留まっていることが、年代測定の精度を保証する条件となります。もし、鉛の移動があっても、ディスコーディアを形成するような履歴でなくてはなりません。
 ジルコンは、もともと鉛を含まない結晶です。鉱物として鉛が安定に存在する場所がないような結晶構造をしているのです。ですから、放射改変できた鉛が移動すると、年代測定値が変化してしまうことになります。鉛がある場所(収まりやすいところ)に移動しており、たまたまその部分を測定してしまうと、古い年代がでることもありえます。
 これに関する研究が、アメリカのバレリーたちが、2014年2月にNature Geoscienceという雑誌で報告しました。タイトルは、次のようなものでした。

 Hadean age for a post-magma-ocean zircon confirmed by atom-probe
tomography
(アトム・プローブ断層撮影によって確認されたマグマ・オーシャン後のジルコンの冥王代年代)

 アトム・プローブ断層撮影とは、元素の分布を3次元的に調べる装置で、ジルコン中の鉛の原子の収まっている位置を原子一個ごとに調べていくことができる装置です。
 バレリーたちは、このアトム・プローブ断層撮影を用いて、44億年前の年代を示しているジルコンを調べました。結晶内のある部分(クラスターと呼ばれています)の鉛の分布を調べました。範囲は10nm(ナノメートル、10億分1mのこと)で、奥行き10nmから50nmで調べられました。
 そんな微小なクラスターには、50個ほどの鉛原子がありました。クラスターの中では、207Pb/206Pb比が異常に高い比をもっていました。
 206Pbは238U(半減期44.68億年)からできたたもので、207Pbは235U(半減期7.038億年)からのものです。いずれもウランの崩壊で形成されるものです。なのに207Pbが異常に多くなっていました。
 これは、形成後、熱変成による変化を受けたことを示しています。ディスコーディアを形成するような熱変化の事件があったことを示しています。ですから、コンコーディアとの交点での年代は、形成年代をしていることになると考えられます。
 少々ややこしい論理ですが、原子レベルで古いジルコンの年代測定は、信頼性があるということを検証したことになります。今までは、なんとなくジルコンの年代が信じられていたのですが、この報告によって、鉛が動くのではないかという疑問、不安を取り除くことができました。地球最古の鉱物の年代が、44億0400万年前と確定したことになります。

・リラ冷え・
「リラ冷え」という言葉があります。
リラとはライラックのことです。
札幌では、先週末から「ライラック祭り」がはじまりました。
「リラ冷え」とは、ライラックの花が咲くころに、
冷え込みがあるということです。
まさにその通り、週末は寒かったです。
土、日曜日は、自宅ではストーブをたきました。
週明けには晴れて、心地良い春の天気になりました。

・高体連・
北海道では、一気に夏のスポーツの季節がはじまりました。
息子は、高体連で4日間も札幌市内の競技場に通います。
10km近く離れているのですが、自転車で通っています。
公共の交通機関がまだ動いていない時間帯に到着して、
準備するそうです。
以前は家内が送っていたのですが、
今年から自転車で行くことにしたそうです。
5時半に自宅をでるというで、
家内が弁当をつくるために、
私が起きる時間に、ばたばたしています。
朝の私のささやか安息の時間が、慌ただしく過ぎていきます。

2014年5月15日木曜日

1_125 最古の認定 3:コンコーディアとディスコーディア

 ウランとトリウムの年代測定は、いろいろな組み合わせができて、いくつもの年代値が得られます。便利ではあるのすが、それなりの条件を整ったものでないと、正確な年代が求められません。ジルコンは、特別な条件を満たす鉱物で、特別な年代測定ができます。

 UとThの放射性改変を年代測定として利用する場合、同じマグマからできた複数の鉱物の測定をして、アイソクロンを引くことで年代を求めていました。ジルコンの鉱物一個から、年代が求められるという方法があります。少々ややこしいのですが、いくつかの条件を満たしている場合に適用できる方法です。
 まず、放射性核種として、239Uと235Uの2つを用います。これで変数をひとつ減らすことができます。Uに富み、Pbが含まれていないような鉱物であれば、時間がたてば鉱物のPbはすべて放射性核種のU起源であることになります。これで、さらに変数を減らせます。このような条件を満たす鉱物がジルコンです。
 横軸に235Uと放射性改変できた207Pbの比、縦軸に238Uと206Pbの比をとってグラフにすると、原点から上に凸の指数関数が描けます。この曲線をコンコーディア(年代一致曲線)といいます。コンコーディアは、Uの存在量や、238Uと235Uの比に関わりなく、描けるものです。
 岩石(ジルコン)の時間経過とともに、コンコーディアの曲線にそって、値が変化していきます。ですから、現在のジルコン中の207Pb/235Uと206Pb/238Uの2つの同位体比を測定すれば、年代が決定できることになります。
 実際には、古い岩石、鉱物ほど、いろいろな変動や変成作用を受けています。ところが、変成作用でPb量に変化が起こったとしても、同じ鉛の同位体の207Pbと206Pbなので、その時代の比を残したまま変化します。その後の変化はコンコーディアから離れます。抜け方の違うジルコンがいくつかあれば、アイソクロンのように直線をひくことができます。このような直線をディスコーディア(年代不一致曲線)といいます。ただし、変化の条件によっては、曲線になることもありえます。
 ジルコンで、ある時、変成作用によってPbが抜けて、コンコーディアから離れて、ディスコーディアにそって変化していくとします。ディスコーディアとコンコーディアの古い時代の交点は、ジルコンが変成を受けてPbが抜けた事件の時代を示していると考えられます。
 ジルコンの測定値が、ディスコーディアの古い方でコンコーディアとの交点、あるいはコンコーディアに近ければ、それは変成年代や形成年代に近いと考えられます。このようなコンコーディア付近の測定値は、年代とみなせます。これがジルコンによる年代測定の原理です。
 西オーストラリアのジャックヒルのジルコンも他の地域の古い岩石のジルコン年代も、同じ考えで測定され、年代とされてきました。ジャックヒルズのジルコンは、コンコーディアの近くで、もっとも古いものが44億年前にできたと考えられています。ただし、ディスコーディアをつくるような測定値は、35億年くらいに集まっています。
 ディスコーディアをつくるということは、Pbが抜ける事件があったことを示しています。その時、もともとジルコンには、Pbはほどんど含まれない成分なので、古いジルコンの中のPbは、本当にきっちりと保存されているのか。また、Pbの同位体による抜け方に違いはないとされているが、本当に確かなのか。などという不安材料があります。この不安を解消しないと、年代の信頼性が保てないのです。

・百花繚乱・
北海道は春の盛りとなりました。
桜は終わりましたが、
百花繚乱の季節となりました。
新緑も眩しくなりました。
寒さに対して肩を怒らせていたのですが、
やっと肩の力が抜ける季節になります。
これから夏までいい季節になります。

・腰痛・
腰痛になりました。
今、体質改善に取り組んでいます。
これまで毎年体重が増えていました。
通勤で往復7KMあるいていのですが、
単純に歩くだけではだめなようです。
これまで、低血糖にも度々みまわれるので、
糖尿病になる前に、体重を減らすことにしました。
食事制限は大変なので、糖質制限に挑戦しています。
体重も測定しだしてから4kg、
昨年の夏からは10kgほどの減りました。
急激な体質変化で、持病の腰痛がでてきたのでしょうか。
治療を心がけていますが、体質改善が落ち着いてから
対策を考えたいと思っています。
今は対処療法の整体治療です。

2014年5月8日木曜日

1_125 最古の認定 5:UとThの年代測定

 ジルコンの年代測定は、放射性核種のウランやトリウムの放射崩壊を利用するものです。ウランとトリウムの年代は、回帰直線によって決めていきます。では、その年代測定の方法や原理とは、どんなものでしょうか。

 前回紹介した2つの論文は、古い時代できた鉱物が、新しい時代の地層の中にある構成の粒子となったものを分析した年代です。44億0400万年前という年代は、地球で最古のものなので、年代決定の信頼性が問題となります。
 多くの研究者は、その年代が多分正しいと思っています。なぜなら、鉱物のジルコンから年代測定する手法は、多くのところで使われていて、すでに確立されている技術であることと、その年代の精度が他の手法とクロスチェックを受けているので、信頼性に足ると思えるからです。
 ただし、年代測定やジルコンに詳しい研究者には、不安が残されています。理由のひとつは、さまざまな遍歴をした鉱物なのに、年代の確かさが、まだ十分検証されていないということです。さらに、ジルコンで年代測定に用いている成分が、鉱物の中を移動しやすいことが知られているからです。まして、地球最古の鉱物ともなると、40億年以上、地球の表層付近でさまざまな風化や変質、変成を受けていることになります。その間、本当にその成分は、ジルコンに中に安定的に、時間記録を保存しているのでしょうか。そのような不安を、検証によって払拭することが重要です。
 ジルコンに用いられる年代測定は、ウラン-鉛同位体年代測定とよばれるものです。いくつかの放射性の時計が組み合わさった複雑な年代測定です。それをできるだけわかりやすく説明しましょう。
 ジルコンに含まれている成分で年代測定に利用されている成分は、放射性をもつウラン(U)とトリウム(Th)です。ウランとトリウムは化学的に挙動が似ているため、ウランを含む鉱物にはトリウムも含まれていることがよくあります。
 陽子の数が同じウランという元素でも、中性子の数(質量数)が違っている原子(核種といいます)があります。それを同位体と呼びます。
 ジルコンの中の、ウランやトリウムが崩壊して、鉛(Pb)になっていきます。自然界に存在するウランには、質量数が234(234Uと表記されます)、235Uそして238Uという同位体があります。いずれの同位体も放射性を持っています。232Thも放射性をもっています。234Uは、238Uが崩壊するときにできるもので、中間生成物となります。ですから、ここでは取り上げません。
 いずれのウランもトリウムも、崩壊して、いろいろな経路をたどるのですが、最終的に鉛になっていきます。鉛は放射性をもたない、安定した核種となります。
 ジルコンの年代測定に利用できる放射性核種には、次のようなものがあります。
  元の核種   半減期  崩壊核種
   232Th   140.1億年  208Pb
   235U   7.038億年  207Pb
   238U   44.68億年  206Pb
 放射性核種の半減期が違っているので、成分さえ選べば、多様な年代測定に利用できることがわかります。
 年代測定をするには、ウランと鉛、あるいはトリウムと鉛の核種の質量数ごとに測定しなければなりません。壊れる前のもとの核種(親核種といいます)と崩壊でできた核種(娘核種)を測定します。さらに、マグマから同時にできた違う鉱物(親核種の含有量の違うもの)を、複数測定して、グラフ上で直線(回帰直線)を引いて、その傾きから年代を求めることになります。この方法は、アイソクロン法と呼ばれています。省略しますが、その成分抽出から測定は、なかなかやっかいなことになります。
 2つのウランの放射性壊変がありますので、もともとのウランの同位体比がわかっていれば、ウランの2つの系列から(235U→207Pb、238U→206Pb)、鉛の同位体(ただし安定核種の204Pbも)だけを測定をすれば、年代を決めることも可能になります。ウラン2つの崩壊系列を、数学的に一種の連立方程式で解くことになります。ただし、こちらもアイソクロン法なので、複数の鉱物が必要になります。
 いずれの方法も、アイソクロン法なので、ジルコンの年代測定には利用できません。ジルコンは、一つの種類の鉱物だからです。しかし、実際には年代が求められています。そのからくりは、次回としましょう。

・反省・
皆さんは、ゴールデンウィークに予定していたことが
できたでしょうか。
家族や夫婦、友達、ひとりで
なにかする、どこかに出かけるなどの予定が
順調にこなせたでしょうか。
我が家では、行楽も出かける予定はなかったので
淡々と休みを自宅で過ごしました。
私は、自分のやりたいことを考えていました。
私は、仕事ができなかったのが、一番の反省です。

・桜の季節・
ゴールデンウィークも終わり、
北海道もやっと桜が満開になりました。
今年は少々遅くまで寒さがあったので、
桜も少々遅れ気味です。
ゴールデンウィーク中にも肌寒い日があり、
我が家ではストーブを焚いた日もありました。
でも、着実に春は深まっています。

2014年5月1日木曜日

1_124 最古の認定 1:最古の信頼性

 地球で最古の物質の年代が決められて、10年以上が経過しています。ただし、その年代の信憑性が検証されたわけではなく、一応の仮説として存在していることになります。この年代をもう一歩進めるためには、年代の信憑性を示すことが必要です。それができれば、同様の手法のデータへの信頼性も増すはずです。

 地球で最古の岩石は、約40億年前のものです。最古のものが、岩石という形になっていて、岩石自体ができた時代を示しています。ですから、岩石から得られた情報は、その時代の情報であることになります。地球の材料である隕石の年代は、約45.6億年前であることがわかっています。その間、約5.6億年間が、資料がない、調べられない、「ミッシングリンク」となります。
 ところが、間を埋める年代をもつ物質はあります。それは、地球以外の天体である月から採取された岩石です。45億年前のものまであります。これはこれで、重要なデータですが、地球の歴史を調べるには、やはり地球で最古の物質探しは続くでしょう。そして報告はそれなりのニュースで伝えられるでしょう。
 技術の進歩によって、非常に小さな鉱物の粒一個でも年代が測定できるようになりました。20世紀終わり頃に出てきた技術で、21世紀にはいる頃になると、その装置(SHRIMPと呼ばれる装置)は普及して、各地で微小な物質の年代測定がなされました。その一環で、最古ハンターたちも動き出しました。その結果、40億年前後の年代の岩石が、いくつかの地域で見つかるようになりました。
 そんなデータラッシュの中でも、2001年は、地球の歴史を探る上で研究史上のひとつのマイルストーンになる時代でした。
 40億年前よりかなり古い時代を示す物質が発見されました。著者も対象地域が違う2つの論文が、同じ雑誌に報告されました。1編は42.8億年前に海の証拠があったいう論文で、他方は44億年前の鉱物の発見の論文でした。両方とも重大な論文でした。
 もともと西オーストラリアには、古い鉱物を含む堆積岩あることが知られていました。マーチソン地方では、約30億年前の堆積岩の中のジルコンという鉱物が古い年代を示すことが知られていました。それまでは42億7600万年前の年代が知られていました。この論文では、42.8億年前の年代で、少し古くなりました。この論文の重要な指摘は、そのジルコンが堆積岩が溶けてできたマグマに由来するということでした。
 もうひとつの論文では、西オーストラリアのジャックヒルというところで、30.6億年前にたまった堆積岩の礫から、44億0400万年前のジルコンという鉱物が発見されました。かなり古い時代を示しました。さらにこちらの論文では、海の痕跡があるという報告がなされていました。
 堆積岩起源のマグマも海の痕跡も興味があるのですが、その話は以前にも何度か紹介した(「1_5 「最古のもの」より古いもの」や「1_12 最初の固体」などを参照ください)ので、ここでは省きましょう。
 いずれの論文の年代を求めたのは、ジルコンという鉱物でした。ジルコンは、頑丈な鉱物で、一度できると風化や変成作用にも、かなり耐えることが知られています。ですから、10億年も新しい時代の堆積岩の中でも、昔の年代を保存していたと考えられています。その年代は、本当に大丈夫でしょうか。
 隕石のように、宇宙空間で、長年風化や変成作用を受けないような状態で保存され、最近地球の落ちてきたのであれば、年代が変化することなく、保存されていると考えられます。
 しかし、地球の表層の岩石は、いろいろな変動を受けるはずです。それも古くなればなるほど、さまざまな変動を受けているはずです。そもそも堆積岩の中にあった砂粒です。そして堆積岩自体も、30億年間も地球にあり、変動を受けてきたものです。そんな堆積岩の中のジルコンで、その中の年代を表す成分が、変化や移動していないという保証はあるのでしょうか。それは重要な問題です。たとえ年代正しいだろうという気持ちがあって、検証されなければ、正しいといえません。その検証に関する報告が、2014年2月下旬になされました。次回、それを紹介しましょう。

・記載・
年代測定は、地球最古や本邦最古などがつくよう値なら
学会や世間でもニュースになります。
ところが、研究者が調べている年代は、
大部分、ニュースになることのない
当たり前の年代値です。
それでも、調べなくてはならないのです。
だいたいこの年代と推定されていても、
その推定を検証する必要があります。
検証や確認作業の積み重ね、つまり記載が、
科学には不可欠なものになります。
そんな記載の蓄積から、
あるとき大発見が生まれるのです。
最古を追っていた人も、
一度は報われたとしても、
2度も3度もホームランを打てる人はいません。
ですから、誰もが淡々と
当たり前の年代を記載していくことになります。
科学の多くの時間は、
記載や確認に費やされているはずです。

・めまぐるしい天気・
ゴールデンウィークの半ばですが、
皆さんは、何か計画がありますか。
私の大学は暦通りの休日ですから、
週末から4連休になります。
しかし、我が家は、特別な計画はなしです。
子ども達がクラブや試合などで毎日でているため、
家族で出かけることはできません。
まあ、合間をみて、食事に行くくらいでしょうか。
これまで北海道は、いい天気が続いています。
雨がほとんど降らない春の天気でした。
週の初めは寒い日がありました。
昨日当たりから暖かい、いや蒸し暑い天気となっています。
めまぐるしく天気が変化しています。