北海道の最南端の白神岬は、津軽海峡を挟んで本州に面しています。白神岬には、不思議な岩石が分布しています。海でできた石、陸でできた石、境界で起こった激しい変動が記録された露頭があります。
9月中旬に、道南を巡りました。夏の暑さはおさまっていたのですが、秋にはまだ早い時期でした。函館から松前に向かうときには、いつも白神岬の駐車場に車を止めて一休みします。白神岬からは、天気がよく空気が澄んでいると青森の津軽半島が見えます。
ただ、この白神岬はわかりにくく間違いやすいところです。松前に近いところに、大きな駐車場とトイレのある「白神展望広場」があります。しかし、いつも立ち寄っている白神岬は、トンネルの手前の狭い駐車場のあり、「北海道最南端」の石碑があるところです。
天気がよければ、海岸への階段があるので、降りて石を眺めます。この周辺では、付加体でみられるタービダイトと海洋プレート層序がバラバラのメランジュになった岩石が見ることができます。
ここで、付加体、タービダイト層、海洋プレート層序、メランジュという聞き慣れない地質学の用語がいくつも出てきましたが、少し説明しいきましょう。それがこの海岸に来る理由になります。
海洋プレートが海で沈み込むとき、沈み込まれた側に、日本列島のような火山活動の盛んな列島(島弧と呼ばれています)が形成されていきます。海洋プレートが沈み込むときに圧縮の力が働くため、海溝と島弧の間の海底に、「付加体」ができます。その付加体を構成しているのが、「タービダイト層」と「海洋プレート層序」になります。それらの岩石が、圧縮に力で砕かれてぐしゃぐしゃに入り混じった状態を「メランジュ」といいます。もう少し詳しく説明していきましょう。
陸地の島弧では、山地ができ、河川などの侵食によって土砂(砕屑物といいます)が海に運ばれ、海岸沿いにたまっていきます。稀に起こる地震などを契機にして、さらに稀に大きな海底地滑りが起こり、大陸棚を土砂が流れ下ることがあります(タービダイト流)。その結果、大陸斜面の海溝近くに、粗い粒の砂から細かい泥まで粒が並んだ一層の堆積層ができます。タービダイト流が長い時間をかけて何度も繰り返されると、砂から泥の堆積層が繰り返される地層(砂泥互層)ができます。それがタービダイト層となります。
一方、海側では、遠くの海嶺での玄武岩質のマグマ活動によって海洋プレートができます。海洋プレートは、海底表層ではマグマが水中で急冷してできる特徴的な構造をもった玄武岩(枕状溶岩)からできています。海洋プレートが海底を移動していくと、その上にプランクトンの死骸が降り積もり堆積物(層状チャート)となります。海溝に近づくと陸からの堆積物がチャートに混じってきます(半遠洋性堆積物、珪質泥岩という岩石)。
海洋地殻の上部の玄武岩に、層状チャート、珪質泥岩と重なった地層群が、海溝近くにはできてきます。これを海洋プレート層序といいます。海溝になると圧縮ために付加作用で、陸側のタービダイト層と海側の海洋プレート層序がともに付加体になっていきます。付加体がさらに圧縮で破壊されたものが、メランジュとなります。それらの岩石がメランジュとして白神岬に分布しています。
この地域の層状チャートから三畳紀の化石(コノドント)が1980年に見つかり、北海道の付加体研究に重要な役割を果たしました。白神岬では、狭い海岸なのですが、堆積岩や火成岩などの他にも付加体やメランジュの複雑な構造も見られます。
なんといっても、白神岬には、さまざまな岩石が、時にはぐしゃぐしゃにされた露頭は、大地の変動の感じさせてくれます。
・冬支度・
北海道は9月下旬から一気に秋めいてきました。
気温が下がった夕方には
一度ストーブをたいたことがありました。
その後、また暖かくなってきました。
夏に使ったエアコンはもう使わないので
室内機にカバーを掛け、室外機の雪よけの枠を自作し
そこにビニールシートをかけて冬支度としました。
秋から冬の支度をするようになりました。
・カメムシ・
秋が深まると、カメムシが冬ごもりのため
雪の影響のない暖かいことろを求めて、
家に侵入しようとしてきます。
家内が毎日、窓のいるカメムシを
多数、外の追い出しています。
しかし、注意しないと嫌な匂いを出すので
穏やかに引き取ってもらっています。