2024年9月26日木曜日

3_219 最外核の水素富化層 2:ダイヤモンドアンビル

 E"層は、地球のかなり深部になるので、非常に高温高圧の条件になります。そのような条件で実験を進めていくことになります。どんな装置で実験をしていくのでしょうか。


 最下部マントルと外核の境界は、超高温高圧となっているため、通常の実験装置では、再現がしがたい条件となります。特殊な装置を利用することで、その条件を達成していきます。
 その装置とはダイヤモンドアンビル(Diamond anvi)と呼ばれているもので、聞き慣れないものです。ダイヤモンドとは、皆が知っている宝石のことです。アンビルとは、もともとは金床(かなとこ)という意味で、ダイヤモンドを支える台座を意味します。つまり、ダイヤモンドを台座として高温高圧を発生する装置となります。
 タイヤモンドアンビルだけは、手のひらほどの小さな装置で高圧を発生できます。それはダイヤモンドが小さいためと、圧力発生する仕組みが小型であるためです。
 圧力の発生は、通常は巨大なピストンで押し付けていくため、高圧を発生するのに、大きな装置が必要になります。しかし、単純な原理で小型にする方法があります。
 圧力をかけたとき、かかる場所の面積によって圧力のかかり方は変わってきます。同じ圧力でも、かかる場所が広ければ単位面積当たりの圧力は小さくなり、狭ければ狭いほど大きくなります。したがって、ハイヒールで踏まれたり、針で刺されると、非常に痛いものです。それは狭いところには、非常の大きな圧力がかかるためです。
 2個のダイヤモンドの細い先端を少しだけ平らに削り、その狭い面同士を合わせたところに試料を入れます。その2つのダイヤモンド全体を、ネジで締めていけるようなジグを用います。ネジを締めていくと、合わせ面にすごい圧力が発生します。
 この装置の有利な点は、圧力をかけた状態で、レーザ光線で加熱していきます。ダイヤモンドは透明なのでレーザやX線を当てて、高圧状態で物質の性質を調べることができます。ただし、面積が小さいので、実験に使える試料も少なくなります。また、実験に用いるダイヤモンドは高価なものなので、それなりの経費が必要になってきます。
 キムらの研究では、タイヤモンドアンビルを用いて、外核のもっとも上部の条件を再現しました。その結果は次回としましょう。

・7回目の調査・
9月には2度の野外調査をしました。
幸いにも、天候にも恵まれて
予定してた通りに進めることができました。
申請時の計画では
すべてで7回を予定していたのですが、
予算的にはもう一回は厳しくなっています。
そのため、最後だと思っています。
少しだけ予算が残っているので
近場に重要な地点を見つけて、
1泊の予定で調査をしようかと考えています。
しかし、だいぶ先のことになりそうですが。

・パソコン更新・
メインのパソコンを9月に更新しました。
多様なソフトや大量のデータを使っているため、
メインとなるパソコンを入れ替えるためには
長い時間が必要になってきます。
問題は、新しいシステムになると
古いアプリケーションが動かくなることがよくあります。
アプリケーションの設定のやり直しも
アプリケーションの数だけあるので
手間もいっぱいかかります。
8月に購入していたのですが、
切り替えに時間がかかるので、
時間的余裕のできる9月に
更新することにしました。
いろいろなことが重なっているため
9月は忙しい日々となります。