核のシリーズの第三弾となります。シリーズごとに、地球の奥深くに入ってきています。今回は、内核の実態を解明したという論文を紹介していきます。まずは、内核の地球における意味を考えておきましょう。
このシリーズからは、内核の話題となります。核全体は金属鉄できていますが、内核は固体の鉄で、外核は液体の鉄を主成分としています。外核の外側には、岩石できたマントルや地殻があります。鉄と岩石が別れているのは、地球のでき方によると考えらえています。
太陽系初期には、多数の小天体が衝突合体が起こり、原始惑星ができます。その時、惑星は高温状態になっていきます。小天体の中に含まれていた鉄の成分は、溶けて金属鉄となりますが、岩石と比べて密度が大きいため、地球の中心に向かって落ちていきます。
その結果、地球の中心部に、液体の金属鉄の核ができたと考えられます。地球形成時に集まってきた熱が、液体の金属鉄の状態で地球内部に蓄えられたことになりました。
マントルは岩石ができており、断熱効果が高くなっています。核の熱は、そのまま核内に保存されやすい条件となります。ところが、マントルは、対流やプレートテクトニクスにより、物質の移動が起こっています。物質移動に伴って、内部の熱い物質が地球表層で冷やされることで、熱が外に向かって移動していくことになります。地球全体としてみると、形成時の熱が、少しずつ地球外に放出されていることになります。
外核が液体で、内核が固体の鉄になっています。この相の違いは、金属鉄の密度の差で説明できます。ほぼすべての物質(H2Oは除く)は、固体の密度が液体より大きくなります。そのため、核内でも液体金属の鉄が結晶化すると、固体の鉄ができ、密度大きいため、中心部に向かって落下していきます。
マントルへ対流により核から熱が運ばれて、核の冷却が起こります。液体の物質で温度が下がっていくと、結晶化が起こります。冷却が進むと、固体の鉄が中心に集まり、固体の内核が成長していきます。
液体の金属鉄は、地球の自転に伴って対流することで、電流が起こって地場を発生します。これが地磁気の原因だと考えられています。
核は、液体の中に固体があることになります。固体の部分は重力により中心に固定されていることになります。では、内核は、地球の自転や外核の対流などの影響は受けていないでしょうか。
それに関する報告が出されました。それは次回としましょう。
・秋の深まり・
秋も深まり、紅葉も進んでいます。
朝夕の冷え込みも厳しくなってきました。
そろそろ初雪の報告がありそうです。
今月末に今シーズン最後の野外調査に出ます。
それま山に積雪がなければいいのですが。
積雪があると露頭が見づらくなります。
山なのでしかたがありません。
しかし地殻に温泉があるので、
冷えた体を温めることができるでしょう。
・研究計画・
後期の講義も5週目になってきたため
大学も落ち着てきました。
落ち着いた状態での日常が過ごせています。
研究は順調に進んでいます。
今年度で退職なので、論文も著書の執筆も
これが最後と思い進めています。
いずれも順調に進捗しているので、
今後もこのまま進めていければと思っています。
とはいっても、もうかなり進捗しいるため
次年度以降の研究計画を考えていこうと思っています。