これまで見つかっているK-Pg境界は、薄い層しかありません。短期間に一気に堆積しているので、時間経過の記録はほどんどありません。今回の試料は、厚くいろいろな記録が残っていました。
【訂正】前回のエッセイで、「K-Pg境界の衝突の堆積物は、ほんの数mmでした」と書いたのですが、「数10cm」の間違いでした。「数mm」は他地域の層厚でした。この地域ではもっと厚くなっています。訂正してお詫びします。
メキシコのユカタン半島沖の、Site M0077と呼ばれる海底で、ボーリングされたコアによる研究がなされました。研究対象にされたのは、144cm分のコア(core 40 section 1)でした。以下で示す「長さ」は、コアの上部からの深度を意味しています。
深度110cmまでは、スエバイト(suevite)と呼ばれる岩石でした。スエバイトとは、一部溶けた物質を含んだ岩石で、衝突によってできたものです。灰色の岩石で、上方に向かって細粒化しています。級化組織とよばれるもので、一度の堆積作用により、粗いものから細かいものまで溜まったようです。で、110cmから34cmまでの76cm分は、「遷移帯」と名付けられ、上方に細粒化した褐色で細粒の石灰岩(微晶質方解石質石灰岩、micritic limestone)になっています。ここにも級化組織が見られます。34cmから0cmまでは、まだら状の模様をもった白色の半遠洋性石灰岩となっています。
この遷移帯が重要なので、詳しく見ていきましょう。遷移帯の下部(110cmから54cmまで)は、明瞭な層構造(葉理と呼ばれます)があり、化石をほとんど含みません。これは、津波や数日後の余波の波の力による底層流によるものだと考えられています。上部は、隕石の破片、微化石(Planolites)や生痕化石(Palaeophycus)を含んでいます。
遷移帯から上部の半遠洋性石灰岩は、プランクトンを含んでいるので、時代を決めることができます。この石灰岩の最下部から、衝突後、3万年後くらいたった年代の化石が見つかっています。34cm以浅では、通常のプランクトンが復活しています。3万年後には、生態系が復活しているようです。
世界各地のK-Pg境界の地層の厚さは、数mm程度ほどしかなく、しかも地層として成層しているわけでもなく、時間変遷を調べることができところがほとんのようです。それに対して、今回、ボーリングがおこなわれたグランド・ゼロでは、スエバイトと76cm分の遷移帯(34cmまで)までが、K-Pg境界時に形成されたと考えられます。スエバイトも遷移帯も級化組織があるので、衝突による直接の擾乱による堆積作用と、その直後に起こった堆積作用という2度の記録を残していると考えられます。短期間に堆積したものですが、時間経過を記録しているとみなせます。この地層を詳しく調べると、衝突その直後の様子がわかりそうです。
そこからわかったことは、次回としましょう。
・寒暖差・
週の後半から週末にかけて大雪になりました。
ところが、週初めに雨となりました。
雪が残っているところに雨だったので、
道路が非常に滑りやすく、何度がすべってしまい
歩くのが怖いほどでした。
今年は本当に気温の変化が激しいようです。
・年末には・
わが大学の講義は今週で終わりです。
その後は祝日を挟んで補講日が続くのですが、
実質的な講義は、今週までなので一段落です。
私は、年末をあまり気にしないで、
通常通り仕事をしていく予定です。
長男は帰省しないようですので、
一人少ない家族での年越しとなります。
2018年12月20日木曜日
2018年12月13日木曜日
2_164 絶滅からの復活 2:生態系の回復
K-Pg境界の大絶滅は、絶滅のシナリオについての議論は多くあるのですが、生態系の回復過程については、あまり多くは語られていません。今回の報告は、生態系の回復についての報告となっています。
K-Pg境界の大絶滅については、このエッセイもで、何度か紹介したことがありました。今回のエッセイは、その後の生態系の回復についての報告の紹介でした。
生物の絶滅、それも大絶滅を起こすには、ある一定の期間、異変が継続する必要があるはずです。動物だけでなく、植物も大絶滅しています。植物は種子で少々の期間であれば環境異変をやりすごすことができます。すぐに異変が終わり、環境が復元すれば、種子が発芽できるので回復できてしまいます。ですから、多くの植物種までも大絶滅するには、種子も発芽できずに、死に絶えるような影響が、一定期間継続している必要があります。
原因となる衝突は一瞬のできごとでしたから、そこから引き続き起こされた現象が、継続したり連鎖したりするような絶滅シシナリオが必要になります。多くのシナリオでは、そのような長期の影響を想定していました。
さて、絶滅からの生態系の回復は、地域によって差が生じたと考えられていました。特にグランド・ゼロ周辺では、生態系の回復も遅れたと考えられています。なぜなら、激しい衝突で発生した熱によって、大規模な熱水活動も起こり、重金属などの有害成分が海洋中への大量に放出されました。それに、なんといっても、直接、生態系が完全に破壊されたため、回復が遅れたと考えられています。
隕石衝突のグランド・ゼロでは、直径200kmほどのクレーターができました。生態系の完全な壊滅によって、クレーター内では特に生態系の回復が遅れたと考えられています。クレーター内でもとのような生態系が回復するには、30万年ほどの期間が必要だったとされています。
今回の報告は、生態系の回復に新しい解釈を示したものでした。その対象とした地域がグランド・ゼロ地点でした。もし、グランド・ゼロでの回復期間が推定できれば、他の地域では、それよりもっと早く回復したと考えられます。
今回の報告は、グランド・ゼロでの地質調査に基づくものです。衝突地点は、海なので、国際深海科学掘削計画(IODP)で海底のボーリングがなされました。メキシコのユカタン半島北部の沖あいで、800mのコアが掘られました。そこから、K-Pg境界をまたいで1mのコアを詳しく調べられました。コアのデータから、生物の回復を期間を探ろうというものでした。K-Pg境界の衝突の堆積物は、ほんの数mmでした。そしてそれより上の数日から数年分の堆積物から、海底環境の変化を探ることになりました。その詳細は、次回としましょう。
・厳冬期仕様・
北海道では、何度かの寒波の襲来がありました。
間に非常に暖かい時期もありましたが、
大雪が降って、真っ白な冬景色になりました。
何度か除雪も入りました。
私も完全な厳冬期仕様になっています。
今年は、少々、遅めの白銀の世界でしたが、
北海道らしい冬到来となりました。
・来年に向けて・
大学は来週でレギュラーの講義が終わり、
それ以降は補講の期間、そして冬休みとなります。
推薦入試も終わり
1月のセンター試験と一般入試に向けて
ちゃくちゃくと準備が進んでいます。
もちろん試験を実施する大学では
教職員ともども、その準備が行われていきます。
師走ですが、来年に向けて準備が進んでいます。
K-Pg境界の大絶滅については、このエッセイもで、何度か紹介したことがありました。今回のエッセイは、その後の生態系の回復についての報告の紹介でした。
生物の絶滅、それも大絶滅を起こすには、ある一定の期間、異変が継続する必要があるはずです。動物だけでなく、植物も大絶滅しています。植物は種子で少々の期間であれば環境異変をやりすごすことができます。すぐに異変が終わり、環境が復元すれば、種子が発芽できるので回復できてしまいます。ですから、多くの植物種までも大絶滅するには、種子も発芽できずに、死に絶えるような影響が、一定期間継続している必要があります。
原因となる衝突は一瞬のできごとでしたから、そこから引き続き起こされた現象が、継続したり連鎖したりするような絶滅シシナリオが必要になります。多くのシナリオでは、そのような長期の影響を想定していました。
さて、絶滅からの生態系の回復は、地域によって差が生じたと考えられていました。特にグランド・ゼロ周辺では、生態系の回復も遅れたと考えられています。なぜなら、激しい衝突で発生した熱によって、大規模な熱水活動も起こり、重金属などの有害成分が海洋中への大量に放出されました。それに、なんといっても、直接、生態系が完全に破壊されたため、回復が遅れたと考えられています。
隕石衝突のグランド・ゼロでは、直径200kmほどのクレーターができました。生態系の完全な壊滅によって、クレーター内では特に生態系の回復が遅れたと考えられています。クレーター内でもとのような生態系が回復するには、30万年ほどの期間が必要だったとされています。
今回の報告は、生態系の回復に新しい解釈を示したものでした。その対象とした地域がグランド・ゼロ地点でした。もし、グランド・ゼロでの回復期間が推定できれば、他の地域では、それよりもっと早く回復したと考えられます。
今回の報告は、グランド・ゼロでの地質調査に基づくものです。衝突地点は、海なので、国際深海科学掘削計画(IODP)で海底のボーリングがなされました。メキシコのユカタン半島北部の沖あいで、800mのコアが掘られました。そこから、K-Pg境界をまたいで1mのコアを詳しく調べられました。コアのデータから、生物の回復を期間を探ろうというものでした。K-Pg境界の衝突の堆積物は、ほんの数mmでした。そしてそれより上の数日から数年分の堆積物から、海底環境の変化を探ることになりました。その詳細は、次回としましょう。
・厳冬期仕様・
北海道では、何度かの寒波の襲来がありました。
間に非常に暖かい時期もありましたが、
大雪が降って、真っ白な冬景色になりました。
何度か除雪も入りました。
私も完全な厳冬期仕様になっています。
今年は、少々、遅めの白銀の世界でしたが、
北海道らしい冬到来となりました。
・来年に向けて・
大学は来週でレギュラーの講義が終わり、
それ以降は補講の期間、そして冬休みとなります。
推薦入試も終わり
1月のセンター試験と一般入試に向けて
ちゃくちゃくと準備が進んでいます。
もちろん試験を実施する大学では
教職員ともども、その準備が行われていきます。
師走ですが、来年に向けて準備が進んでいます。
2018年12月6日木曜日
2_163 絶滅からの復活 1:グランド・ゼロ
白亜紀末の恐竜の絶滅は、地球の歴史、生命の歴史において、大きな事件でした。事件のあったことは、多くの証拠から検証されています。しかし、絶滅に至るシナリオ、絶滅からの復活のシナリオは、まだ十分ではありません。
白亜紀末、K-Pg境界と呼ばれる時代の恐竜絶滅の事件は、多くの人がよく知るものになっています。それは長年かかって、研究者たちが作り上げ、普及してきた結果でもあります。恐竜だけでなく、その時生きていた生物も同時にたくさん絶滅したこともご存知だと思います。生物の絶滅率は、約76%に達したと考えられています。絶滅率とは、個体数ではなく、生物種が76%と絶滅したいうものなので、非常に大変な絶滅になります。
絶滅の直接の原因が、隕石の衝突によるものであることも、よく知られていることでしょう。衝突した隕石は、直径10kmほどで、メキシコのユカタン半島の北の海に落ちました。その衝突によって、激しい衝撃波、さまざまな放出物(高温高圧で変形したり、変成したり、溶けたりしたものも含みます)、想像を絶する大津波など、人類がこれまで経験したことのないスケールの現象が、いろいろと起こりました。もちろん、衝突とその時の激しい現象から派生したさまざまな異変、例えば大規模な森林火災(日本でもススの地層が見つかっています)や酸性雨、太陽光の遮蔽(長期の暗闇)など短期の異変から、長期におよぶ気候変動など、さまざまな時間スケールの異変があったと考えられています。
絶滅は、陸だけでなく海でも、また他の大陸でも起こっているので、さまざまな場や環境へ、それも広域にダメージが及んでいます。絶滅の原因が隕石の衝突という瞬間的な事件なので、地球史的には短期間に激しい天変地異があったことが伺われます。非常に興味の湧くテーマですが、そのシナリオはまだ完成していません。
さて、今回紹介するのは、絶滅のシナリオではなく、絶滅からの生物種の復活に関する新しい見解です。論文は、今年の5月に権威のある科学雑誌、Nature(オンライン版)に報告されました。論文のタイトルは、
Rapid recovery of life at ground zero of the end Cretaceous mass extinction
(白亜紀末のグランド・ゼロでの生命の急激に復活)
というものでした。
グランド・ゼロという言葉は、2011年のアメリカ同時多発テロ事件、9.11で倒壊したワールド・トレード・センターの跡地をそう呼んだので有名になりました。しかし、もともとは英語で、爆心地を意味する言葉です。特に、核兵器(原子爆弾や水素爆弾)など、巨大な爆弾による爆心地をいうことが多いようです。広島と長崎の爆心地も、グランド・ゼロと呼ばれています。K^Pg境界の衝突の爆心地も、グランド・ゼロとなります。
グランド・ゼロで、生物が急速に復活しているという報告でした。詳細は次回以降としましょう。
・K-Pg境界・
K-Pg境界は、もともとはK-T境界と呼ばれていました。
しかし、地質学の学界で、時代名称として
第三紀(Tertiary)が使わないという決定がでました。
第三紀が消え、古第三紀と新第三紀に区分されました。
そのため、K-T境界は、
白亜紀(Cretaceous)-古第三紀(Paleogene)となり、
現在では、K-Pg境界と専門家では呼ぶようになりました。
まだ普及していないかもしれませんが、
専門家はこの時代名称を使い続けていく必要があります。
根気強く使い続けていれば、隕石による恐竜絶滅のように
やかがては、市民に普及していくはずです。
本当は、恐竜絶滅の時にK-Pg境界を
使っていればよかったのですが・・・。
・冬への身構え・
今年の北海道は、冬の到来が遅かった分、
寒さへの体の対応も少々遅れ気味です。
初冠雪や里への初雪で、冬の到来を感じます。
ただし、体の方は、少々鈍感で、
寒波が来ると体にも冬の到来が伝わるようです。
ですが、何度か積雪、そして何度かの寒波がありました。
冬が到来したことを、体も理解したようです。
寒さに対して、心構えと身構えもできました。
白亜紀末、K-Pg境界と呼ばれる時代の恐竜絶滅の事件は、多くの人がよく知るものになっています。それは長年かかって、研究者たちが作り上げ、普及してきた結果でもあります。恐竜だけでなく、その時生きていた生物も同時にたくさん絶滅したこともご存知だと思います。生物の絶滅率は、約76%に達したと考えられています。絶滅率とは、個体数ではなく、生物種が76%と絶滅したいうものなので、非常に大変な絶滅になります。
絶滅の直接の原因が、隕石の衝突によるものであることも、よく知られていることでしょう。衝突した隕石は、直径10kmほどで、メキシコのユカタン半島の北の海に落ちました。その衝突によって、激しい衝撃波、さまざまな放出物(高温高圧で変形したり、変成したり、溶けたりしたものも含みます)、想像を絶する大津波など、人類がこれまで経験したことのないスケールの現象が、いろいろと起こりました。もちろん、衝突とその時の激しい現象から派生したさまざまな異変、例えば大規模な森林火災(日本でもススの地層が見つかっています)や酸性雨、太陽光の遮蔽(長期の暗闇)など短期の異変から、長期におよぶ気候変動など、さまざまな時間スケールの異変があったと考えられています。
絶滅は、陸だけでなく海でも、また他の大陸でも起こっているので、さまざまな場や環境へ、それも広域にダメージが及んでいます。絶滅の原因が隕石の衝突という瞬間的な事件なので、地球史的には短期間に激しい天変地異があったことが伺われます。非常に興味の湧くテーマですが、そのシナリオはまだ完成していません。
さて、今回紹介するのは、絶滅のシナリオではなく、絶滅からの生物種の復活に関する新しい見解です。論文は、今年の5月に権威のある科学雑誌、Nature(オンライン版)に報告されました。論文のタイトルは、
Rapid recovery of life at ground zero of the end Cretaceous mass extinction
(白亜紀末のグランド・ゼロでの生命の急激に復活)
というものでした。
グランド・ゼロという言葉は、2011年のアメリカ同時多発テロ事件、9.11で倒壊したワールド・トレード・センターの跡地をそう呼んだので有名になりました。しかし、もともとは英語で、爆心地を意味する言葉です。特に、核兵器(原子爆弾や水素爆弾)など、巨大な爆弾による爆心地をいうことが多いようです。広島と長崎の爆心地も、グランド・ゼロと呼ばれています。K^Pg境界の衝突の爆心地も、グランド・ゼロとなります。
グランド・ゼロで、生物が急速に復活しているという報告でした。詳細は次回以降としましょう。
・K-Pg境界・
K-Pg境界は、もともとはK-T境界と呼ばれていました。
しかし、地質学の学界で、時代名称として
第三紀(Tertiary)が使わないという決定がでました。
第三紀が消え、古第三紀と新第三紀に区分されました。
そのため、K-T境界は、
白亜紀(Cretaceous)-古第三紀(Paleogene)となり、
現在では、K-Pg境界と専門家では呼ぶようになりました。
まだ普及していないかもしれませんが、
専門家はこの時代名称を使い続けていく必要があります。
根気強く使い続けていれば、隕石による恐竜絶滅のように
やかがては、市民に普及していくはずです。
本当は、恐竜絶滅の時にK-Pg境界を
使っていればよかったのですが・・・。
・冬への身構え・
今年の北海道は、冬の到来が遅かった分、
寒さへの体の対応も少々遅れ気味です。
初冠雪や里への初雪で、冬の到来を感じます。
ただし、体の方は、少々鈍感で、
寒波が来ると体にも冬の到来が伝わるようです。
ですが、何度か積雪、そして何度かの寒波がありました。
冬が到来したことを、体も理解したようです。
寒さに対して、心構えと身構えもできました。
2018年11月22日木曜日
3_175 マントル内の水 3:SPring-8
今回の報告は、ダイヤモンドアンビルという小さな装置で、非常に小さい部分でなされた実験でした。その微小部分の結晶を調べるために、世界最大のエネルギーを発生できる、最高の装置で分析しています。
ダイヤモンドアンビルは小さい装置ですが、非常に高圧を発生することができます。ただし、前回紹介したように、高圧を発生は、ダイヤモンドの先端を少し平らにしたところだけです。非常に小さい場でしか高圧を発生できません。できる結晶も非常に小さいものとなります。それでも、ダイヤモンドを使うメリットがあるからです。ダイヤモンド特有の性質があることで、その場観察ができることです。
ダイヤモンドは、硬いだけでなく、透明な結晶です。透明ということは、光を通すことになります。通常の可視光だけでなく、レーザー光線やX線なども通します。レーザー光線は、光を通さない物質を高温にすることができます。また、X線は結晶構造を調べるために利用されています。
レーザー光線を絞れば、小さい部分を高温にすることができます。レーザー光線は比較的小型の装置でも発生できます。レザーポインターを想像すればいいでしょう。もちろん、高温にするために大型になりますが。レーザー光線は、光を似た性質があるので、レンズで絞ることができます。ダイヤモンドは透明ですので、狭い部分であっても、絞ったレーザー光線を当てることで、高温が発生できます。
ダイヤモンドアンビルでは、ダイヤモンドの先端で高圧を発生し、絞ったレーザー光線を当てることで高温にできます。その高温高圧の状態、つまりマントルの条件を、手軽につくり出すことができる装置です。
結晶構造はX線で調べることができ、X線が強ければ強いほど、より詳細に調べられます。小さな結晶の構造を調べるには、X線のビームの直径を小さく絞る必要があります。ここに問題があります。X線のビームを絞ると、断面積に反比例して強度が低くなります。つまり絞れば絞るほどX線の強度は弱まっていきます。
絞ったX線で強度を出すためには、非常に強度の大きい、つまり相当大きなエネルギーをもったX線を発生しなければ、小さく絞ることができません。それを満たすのが、SPring-8なのです。
SPring-8の加速器では、電子を加速して貯蔵することができます。加速した電子を、磁場で曲げると電磁波やX線が発生します。電子が高速であればあるほど、強いX線が発生できます。SPring-8は、周囲1436mもある大きな加速器です。世界最長のもので、発生するエネルギーも世界最大となっています。SPring-8では、X線を1μm以下に絞ることができます。このサイズのX線ビームであれば、ダイヤモンドの先端に、高温高圧でできている状態のままで、結晶の構造を調べることができます。
これが、今回の実験に用いられた装置と仕組みとなります。2つのダイヤモンドの先端でおこなう非常に小さな実験ですが、それを分析する装置は世界最大のものとなっています。日本でしかできない実験なのです。
・里の雪・
山は何度も積雪がありました。
でも、里の雪はまだです。
火曜日の朝、少し雪がちらついていたのですが、
積もることはありませんでした。
何度も天気予報では、降るといっていても
雪がないほうが、楽なのですが、
あまりに降らないと少々心配するのは、
いかがなものでしょうか。
このマガジンは火曜日の朝、書いて送信しています。
寒波がきているようなので、
火曜日の夜以降、雪が降るかもしれませんね。
・次なる構想へ・
2つ目の論文が一段落がつき、
3つ目の論文はデータが集まっていなので、
空白の期間ができました。
ですから、例年より少々早めに
次なる著書の準備をはじめました。
あるソフトで作ったもので、
本のときは他のソフトでつらなければなりません。
そのために、まずは図表の移行です。
大量の図があるので、その整理から始めています。
それと共に骨子も考えていきます。
量が多いと大変なのですが、楽しくもあります。
ダイヤモンドアンビルは小さい装置ですが、非常に高圧を発生することができます。ただし、前回紹介したように、高圧を発生は、ダイヤモンドの先端を少し平らにしたところだけです。非常に小さい場でしか高圧を発生できません。できる結晶も非常に小さいものとなります。それでも、ダイヤモンドを使うメリットがあるからです。ダイヤモンド特有の性質があることで、その場観察ができることです。
ダイヤモンドは、硬いだけでなく、透明な結晶です。透明ということは、光を通すことになります。通常の可視光だけでなく、レーザー光線やX線なども通します。レーザー光線は、光を通さない物質を高温にすることができます。また、X線は結晶構造を調べるために利用されています。
レーザー光線を絞れば、小さい部分を高温にすることができます。レーザー光線は比較的小型の装置でも発生できます。レザーポインターを想像すればいいでしょう。もちろん、高温にするために大型になりますが。レーザー光線は、光を似た性質があるので、レンズで絞ることができます。ダイヤモンドは透明ですので、狭い部分であっても、絞ったレーザー光線を当てることで、高温が発生できます。
ダイヤモンドアンビルでは、ダイヤモンドの先端で高圧を発生し、絞ったレーザー光線を当てることで高温にできます。その高温高圧の状態、つまりマントルの条件を、手軽につくり出すことができる装置です。
結晶構造はX線で調べることができ、X線が強ければ強いほど、より詳細に調べられます。小さな結晶の構造を調べるには、X線のビームの直径を小さく絞る必要があります。ここに問題があります。X線のビームを絞ると、断面積に反比例して強度が低くなります。つまり絞れば絞るほどX線の強度は弱まっていきます。
絞ったX線で強度を出すためには、非常に強度の大きい、つまり相当大きなエネルギーをもったX線を発生しなければ、小さく絞ることができません。それを満たすのが、SPring-8なのです。
SPring-8の加速器では、電子を加速して貯蔵することができます。加速した電子を、磁場で曲げると電磁波やX線が発生します。電子が高速であればあるほど、強いX線が発生できます。SPring-8は、周囲1436mもある大きな加速器です。世界最長のもので、発生するエネルギーも世界最大となっています。SPring-8では、X線を1μm以下に絞ることができます。このサイズのX線ビームであれば、ダイヤモンドの先端に、高温高圧でできている状態のままで、結晶の構造を調べることができます。
これが、今回の実験に用いられた装置と仕組みとなります。2つのダイヤモンドの先端でおこなう非常に小さな実験ですが、それを分析する装置は世界最大のものとなっています。日本でしかできない実験なのです。
・里の雪・
山は何度も積雪がありました。
でも、里の雪はまだです。
火曜日の朝、少し雪がちらついていたのですが、
積もることはありませんでした。
何度も天気予報では、降るといっていても
雪がないほうが、楽なのですが、
あまりに降らないと少々心配するのは、
いかがなものでしょうか。
このマガジンは火曜日の朝、書いて送信しています。
寒波がきているようなので、
火曜日の夜以降、雪が降るかもしれませんね。
・次なる構想へ・
2つ目の論文が一段落がつき、
3つ目の論文はデータが集まっていなので、
空白の期間ができました。
ですから、例年より少々早めに
次なる著書の準備をはじめました。
あるソフトで作ったもので、
本のときは他のソフトでつらなければなりません。
そのために、まずは図表の移行です。
大量の図があるので、その整理から始めています。
それと共に骨子も考えていきます。
量が多いと大変なのですが、楽しくもあります。
2018年11月15日木曜日
3_174 マントル内の水 2:理論計算とダイヤモンドアンビル
水酸化鉄が高圧でも結晶として存在できることを発見できたのは、日本が誇るスーパーコンピュータ京でのシミュレーション、ダイヤモンドアンビルで高圧を発生した実験、強力な放射光を発生するSPring-8で分析したものでした。
前回、マントルに水酸化鉄が存在するという報告をお話しました。この報告を発表したのは、愛媛大学の西真之さんと共同研究のチームで、最先端の装置を用いたものでした。最先端の装置とは、京(けい 神戸市の理化学研究所計算科学研究機構 かつては世界最速を誇ったスーパーコンピュータ)、ダイヤモンドアンビルやSPring-8(兵庫県播磨科学公園都市の理化学研究所・播磨研究所 大型で強力な放射光を発生する装置)などを用いた研究でした。その概要を紹介しましょう。
水酸化鉄は、鉄を含む岩石が水と反応したときできる鉱物です。水酸化鉄は、玄武岩などで簡単に形成され、比較的低圧で安定に存在する鉱物です。水酸化鉄は、これまで高圧になると分解すると考えられていました。しかし、京を用いて理論計算をしていくと、水酸化鉄は高圧(80万気圧付近)でも分解することなく、より高圧で存在できる結晶構造(パイライト型)に変るという結果がでてきました。
理論計算(第一原理計算と呼ばれています)では、物理条件によって結晶構造が安定かどうかをシミュレーションしていく方法です。量子力学の理論に基づく複雑な計算なのですが、コンピュータの計算能力が上がったことで、より正確に計算できるようになりました。その結果、水酸化鉄は高圧で分解することなく、別の結晶型になって存在できる可能性がでてきました。あとは、実際に実験で確かめる必要があります。
高圧でできる結晶ですから、高圧状態にしたまま、結晶構造を調べるという技術が必要になります。そこに登場するのが、ダイヤモンドアンビルとSPring-8という装置です。
ダイヤモンドアンビルの「ダイヤモン」とは宝石のダイヤモンドのことで、「アンビル」とは台座のことです。ダイヤモンドアンビルは、2つのダイヤモンドを台座にした高圧発生装置です。ダイヤモンドの先端を少し平らにしておきます。先端同士を合わせて、平らなところに試料を入れて高圧を発生する装置です。装置自体はシンプルなものです。
ダイヤモンドアンビルの原理は、平底の靴とハイヒールのカカトで足を踏まれたときの違いを想像するとわかりやすいです。同じ体重であっても、ハイヒールのように尖ったカカトで踏まれるので、非常に痛くなります。これは、同じ圧力(体重)であっても、面積が小さければ小さいほど、大きな圧力を発生することになります。その圧力の発生の原理を、本物のダイヤモンドを使っておこなった実験となります。
ダイヤモンドを使うのは、SPring-8の能力を使うためです。その内容は、次回にしましょう。
・例年とは違う天候・
北海道は、寒暖が繰り返しています。
黒岳には、例年に比べて早い初雪ありました。
私の町から見える山並みにも、少し前に冠雪があり、
その後も何度か山には降雪はありました。
里では、まだ初雪がありません。
これは、かなり遅い記録となっているようです。
先週末には日高に野外調査にいったのですが、
雪がなくて助かりました。
今年は、夏の天候も、台風襲来も、初雪も、
例年とは少々違っているようですね。
・頭を使っている・
今年は研究がはかどっています。
論文を書く時は、頭は休むことなく働き続けています。
頭は、睡眠をとることで休めることができます。
最近、論文を書き続けているので、
頭を使っているためでしょうか。
朝までぐっすり寝れます。
もしかしたら、老化かも。
前回、マントルに水酸化鉄が存在するという報告をお話しました。この報告を発表したのは、愛媛大学の西真之さんと共同研究のチームで、最先端の装置を用いたものでした。最先端の装置とは、京(けい 神戸市の理化学研究所計算科学研究機構 かつては世界最速を誇ったスーパーコンピュータ)、ダイヤモンドアンビルやSPring-8(兵庫県播磨科学公園都市の理化学研究所・播磨研究所 大型で強力な放射光を発生する装置)などを用いた研究でした。その概要を紹介しましょう。
水酸化鉄は、鉄を含む岩石が水と反応したときできる鉱物です。水酸化鉄は、玄武岩などで簡単に形成され、比較的低圧で安定に存在する鉱物です。水酸化鉄は、これまで高圧になると分解すると考えられていました。しかし、京を用いて理論計算をしていくと、水酸化鉄は高圧(80万気圧付近)でも分解することなく、より高圧で存在できる結晶構造(パイライト型)に変るという結果がでてきました。
理論計算(第一原理計算と呼ばれています)では、物理条件によって結晶構造が安定かどうかをシミュレーションしていく方法です。量子力学の理論に基づく複雑な計算なのですが、コンピュータの計算能力が上がったことで、より正確に計算できるようになりました。その結果、水酸化鉄は高圧で分解することなく、別の結晶型になって存在できる可能性がでてきました。あとは、実際に実験で確かめる必要があります。
高圧でできる結晶ですから、高圧状態にしたまま、結晶構造を調べるという技術が必要になります。そこに登場するのが、ダイヤモンドアンビルとSPring-8という装置です。
ダイヤモンドアンビルの「ダイヤモン」とは宝石のダイヤモンドのことで、「アンビル」とは台座のことです。ダイヤモンドアンビルは、2つのダイヤモンドを台座にした高圧発生装置です。ダイヤモンドの先端を少し平らにしておきます。先端同士を合わせて、平らなところに試料を入れて高圧を発生する装置です。装置自体はシンプルなものです。
ダイヤモンドアンビルの原理は、平底の靴とハイヒールのカカトで足を踏まれたときの違いを想像するとわかりやすいです。同じ体重であっても、ハイヒールのように尖ったカカトで踏まれるので、非常に痛くなります。これは、同じ圧力(体重)であっても、面積が小さければ小さいほど、大きな圧力を発生することになります。その圧力の発生の原理を、本物のダイヤモンドを使っておこなった実験となります。
ダイヤモンドを使うのは、SPring-8の能力を使うためです。その内容は、次回にしましょう。
・例年とは違う天候・
北海道は、寒暖が繰り返しています。
黒岳には、例年に比べて早い初雪ありました。
私の町から見える山並みにも、少し前に冠雪があり、
その後も何度か山には降雪はありました。
里では、まだ初雪がありません。
これは、かなり遅い記録となっているようです。
先週末には日高に野外調査にいったのですが、
雪がなくて助かりました。
今年は、夏の天候も、台風襲来も、初雪も、
例年とは少々違っているようですね。
・頭を使っている・
今年は研究がはかどっています。
論文を書く時は、頭は休むことなく働き続けています。
頭は、睡眠をとることで休めることができます。
最近、論文を書き続けているので、
頭を使っているためでしょうか。
朝までぐっすり寝れます。
もしかしたら、老化かも。
2018年11月8日木曜日
3_173 マントル内の水 1:水酸化鉄
地球深部は、興味深いとろこです。しかし、実際に掘って試料を入手できるのは、ほんの一部です。工夫をして調べるしかありません。実験室で高温高圧条件をつくりだし、深部を再現するという方法があります。
少々古い記事ですが、2017年7月のイギリスのNature誌に掲載されたものですが、地球内部の水の挙動に関する論文があります。
The pyrite-type high-pressure form of FeOOH
(水酸化鉄(FeOOH)のパイライト型高圧型)
というタイトルです。水酸化鉄という化合物が、パイライト型という結晶構造で、高圧で安定に存在することがわかったということを報告しているものです。タイトルは、シンプルなのですが、実は複雑な内容でもあります。
この水酸化鉄は、結晶ですが、鉱物名がついていないのは、天然の鉱物として見つかっていないためです。水酸化鉄でもいろいろな結晶型があってもいいのです、今回はパイライト型の結晶であることがミソです。
パイライト(pyrite)とは、黄鉄鉱という鉱物で、化学組成はFeS2です。結晶の形としては、六面体や八面体、正十二面体などになりますが、今回の水酸化鉄では、八面体になっています。今回報告されている水酸化鉄では、正八面体内部の中央に、鉄原子が存在し、6つの角にあたるところに、酸素原子が4つ、水素原子が2つがあります。鉄の周りの酸素と水素の原子の数が、化合物の2倍になっていて少々ふしぎです。それらの元素は、隣の正八面体と共有しているので、実質は半分になるので、鉄原子1個に対して、酸素原子2個、水素元素1個の比率になり、FeOOHという結晶式となります。
実はこの水酸化鉄は、2016年のNature誌で、マントル深部では、水素と酸化鉄に分解すると報告されていました。今回の報告は、分解せずに安定に存在することがわかったというものです。
では、この水酸化鉄が、高圧で安定であるということに、どんな意味があるのでしょうか。また、その結晶の形が高圧で存在するはずのものなのに、どうしてわかったのでしょうか。次回以降紹介していきます。
・最後の野外調査・
先週末、2泊3日で、
日高地方へ今年最後になる野外調査にでました。
静内、浦河、様似、えりも、広尾と
日高山脈のふもとを襟裳岬を経てまわりました。
帰りも大樹から浦河に抜ける天馬街道を通りました。
幸い天気には恵まれ、
非常の気持ちのいい調査になりました。
山は紅葉は終わっていましたが、
裾野では、まだ紅葉が残っていました。
心地よい天気で野外調査ができました。
精神心的にリフレッシュしました。
肉体的に結構つかれましたが。
・3つの論文・
現在、論文3編を抱えています。
今月締切の論文が2編(A論文、B論文)、
1月締切りのものが1編(C論文)あります。
今月のA論文は現在推敲中で、時間さえあれば
今週中に投稿できると思います。
なんとか予定通りに進めたいものですが。
B論文の骨子はでき、データも揃いつつあります。
あとは書く時間がとれるかどうかが勝負です。
これは、自分で工夫、優先順位をつけて
都合つけるしかないですね。
少々古い記事ですが、2017年7月のイギリスのNature誌に掲載されたものですが、地球内部の水の挙動に関する論文があります。
The pyrite-type high-pressure form of FeOOH
(水酸化鉄(FeOOH)のパイライト型高圧型)
というタイトルです。水酸化鉄という化合物が、パイライト型という結晶構造で、高圧で安定に存在することがわかったということを報告しているものです。タイトルは、シンプルなのですが、実は複雑な内容でもあります。
この水酸化鉄は、結晶ですが、鉱物名がついていないのは、天然の鉱物として見つかっていないためです。水酸化鉄でもいろいろな結晶型があってもいいのです、今回はパイライト型の結晶であることがミソです。
パイライト(pyrite)とは、黄鉄鉱という鉱物で、化学組成はFeS2です。結晶の形としては、六面体や八面体、正十二面体などになりますが、今回の水酸化鉄では、八面体になっています。今回報告されている水酸化鉄では、正八面体内部の中央に、鉄原子が存在し、6つの角にあたるところに、酸素原子が4つ、水素原子が2つがあります。鉄の周りの酸素と水素の原子の数が、化合物の2倍になっていて少々ふしぎです。それらの元素は、隣の正八面体と共有しているので、実質は半分になるので、鉄原子1個に対して、酸素原子2個、水素元素1個の比率になり、FeOOHという結晶式となります。
実はこの水酸化鉄は、2016年のNature誌で、マントル深部では、水素と酸化鉄に分解すると報告されていました。今回の報告は、分解せずに安定に存在することがわかったというものです。
では、この水酸化鉄が、高圧で安定であるということに、どんな意味があるのでしょうか。また、その結晶の形が高圧で存在するはずのものなのに、どうしてわかったのでしょうか。次回以降紹介していきます。
・最後の野外調査・
先週末、2泊3日で、
日高地方へ今年最後になる野外調査にでました。
静内、浦河、様似、えりも、広尾と
日高山脈のふもとを襟裳岬を経てまわりました。
帰りも大樹から浦河に抜ける天馬街道を通りました。
幸い天気には恵まれ、
非常の気持ちのいい調査になりました。
山は紅葉は終わっていましたが、
裾野では、まだ紅葉が残っていました。
心地よい天気で野外調査ができました。
精神心的にリフレッシュしました。
肉体的に結構つかれましたが。
・3つの論文・
現在、論文3編を抱えています。
今月締切の論文が2編(A論文、B論文)、
1月締切りのものが1編(C論文)あります。
今月のA論文は現在推敲中で、時間さえあれば
今週中に投稿できると思います。
なんとか予定通りに進めたいものですが。
B論文の骨子はでき、データも揃いつつあります。
あとは書く時間がとれるかどうかが勝負です。
これは、自分で工夫、優先順位をつけて
都合つけるしかないですね。
2018年11月1日木曜日
2_162 ムカワリュウ 3:ティラノサウルス
2016年に発見された1個の化石は「ムカワリュウ」と呼ばれました。ムカワリウは、ティラノサウルスの仲間であったことが、2018年6月に発表されました。この1個の化石が意味することはどんなことでしょうか。
2016年6月に北海道の中央に位置する芦別市から、「ムカワリュウ」が発見されました。2018年6月にその内容がやっと発表されました。化石の出た地層は、エゾ層群の羽幌川層でした。時代は白亜紀後期コニアシアン(8630万~8980万年前)です。
この地層からは、サメの歯の化石や貝化石もでていましたが、2016年にアマチュアの人が、これまでにない化石を発見しました。長さ9cm、高さ6cm、幅5cmほどの円柱形で、かなり大きなもので、動物の脊椎の骨のような形でした。北海道大学と三笠市立博物館が、この化石を調べました。形だけでなく、CTスキャンで内部構造も調べたところ、脊椎の骨のうち、円柱形をしている「椎体」であることがわかりました。サイズや形から、体長6メートルほどの中型のティラノサウルス類のものの可能性が高いことがわかりました。
発見された地層のコニアシアンという時代は、ティラノサウルスがあまり見つかっていない時代でした。そして、ティラノサウルスが大型化していく時代でもありました。両方の意味で、重要な化石であると考えられています。
日本では、20世紀後半から化石が見つかりはじめます。化石は過去に生きていた生物が、土砂に埋もれていくわけですから、近年に化石が増えたわけではありません。見つかる機会が増えたことになります。20世紀後半は、日本各地で開発が進み、それまで人があまり入ってこなかったところが切り拓かれていき、道路が山間にも入り込み、これまで人目に触れていなかった地層が調べられるようになったからでしょうか。そんな地層の中に、恐竜が生きていた時代にできた地層もありました。
21世紀になると、化石の詳細な記載が日本人研究者から発表されるようになってきました。これは、海外などで経験を積んだ日本の研究者の育成が進んできたことを表しているのでしょう。日本の身近なところから恐竜化石が見つかるようになり、その化石がすぐに研究者に渡り調べることができるシステムが完成してきました。日本でも恐竜を研究できる環境も整ってきて、後進の育成も進んできた結果なのでしょう。
今後も化石の発見の機会は増えていくのでしょうが、それが恐竜のような重要な化石であれば、しかるべき研究者が研究されるシステムができてきました。これからは、重要な化石はすぐに記載が進んでいくでしょう。
・野外調査・
今週末、日高山脈を浦河から襟裳岬をまわり
広尾まで抜ける調査にでます。
できれば、もう一度、野外調査に出たいのですが
そろそろ雪が季節なので
今シーズンの最後の調査になるかもしれません。
自家用車は冬タイヤにはしていますが、
峠で雪が降る時期は、野外での調査は厳しくなります。
今年は、いろいろな事情から
野外調査を道内で何度も行うことになりました。
道南を主にして、他にも道央、そして今回の日高など、
7回の調査を週末を使って行いました。
その多くは、2泊3日ででかけました。
往復にそれなりの時間がかかるので
短期の調査ではロスも多いですが、
大学の講義を休むことなく、気軽にいけます。
また時間調整をしなくてもいいし
時期が限定されることもないので楽でした。
・季節感・
いよいよ11月です。
雪虫も何度か飛びました。
手稲の山並みも、冠雪はまだみていません。
わが町で初霜はありましたが、初雪はまだです。
黒岳の初雪は早かったのですが、
里の雪は遅いようです。
大学では推薦入試の季節に入ります。
後期の講義も半ばになってきました。
大学ではいくつかの年中行事があるので、
季節に変動あっても、季節感は感じます。
2016年6月に北海道の中央に位置する芦別市から、「ムカワリュウ」が発見されました。2018年6月にその内容がやっと発表されました。化石の出た地層は、エゾ層群の羽幌川層でした。時代は白亜紀後期コニアシアン(8630万~8980万年前)です。
この地層からは、サメの歯の化石や貝化石もでていましたが、2016年にアマチュアの人が、これまでにない化石を発見しました。長さ9cm、高さ6cm、幅5cmほどの円柱形で、かなり大きなもので、動物の脊椎の骨のような形でした。北海道大学と三笠市立博物館が、この化石を調べました。形だけでなく、CTスキャンで内部構造も調べたところ、脊椎の骨のうち、円柱形をしている「椎体」であることがわかりました。サイズや形から、体長6メートルほどの中型のティラノサウルス類のものの可能性が高いことがわかりました。
発見された地層のコニアシアンという時代は、ティラノサウルスがあまり見つかっていない時代でした。そして、ティラノサウルスが大型化していく時代でもありました。両方の意味で、重要な化石であると考えられています。
日本では、20世紀後半から化石が見つかりはじめます。化石は過去に生きていた生物が、土砂に埋もれていくわけですから、近年に化石が増えたわけではありません。見つかる機会が増えたことになります。20世紀後半は、日本各地で開発が進み、それまで人があまり入ってこなかったところが切り拓かれていき、道路が山間にも入り込み、これまで人目に触れていなかった地層が調べられるようになったからでしょうか。そんな地層の中に、恐竜が生きていた時代にできた地層もありました。
21世紀になると、化石の詳細な記載が日本人研究者から発表されるようになってきました。これは、海外などで経験を積んだ日本の研究者の育成が進んできたことを表しているのでしょう。日本の身近なところから恐竜化石が見つかるようになり、その化石がすぐに研究者に渡り調べることができるシステムが完成してきました。日本でも恐竜を研究できる環境も整ってきて、後進の育成も進んできた結果なのでしょう。
今後も化石の発見の機会は増えていくのでしょうが、それが恐竜のような重要な化石であれば、しかるべき研究者が研究されるシステムができてきました。これからは、重要な化石はすぐに記載が進んでいくでしょう。
・野外調査・
今週末、日高山脈を浦河から襟裳岬をまわり
広尾まで抜ける調査にでます。
できれば、もう一度、野外調査に出たいのですが
そろそろ雪が季節なので
今シーズンの最後の調査になるかもしれません。
自家用車は冬タイヤにはしていますが、
峠で雪が降る時期は、野外での調査は厳しくなります。
今年は、いろいろな事情から
野外調査を道内で何度も行うことになりました。
道南を主にして、他にも道央、そして今回の日高など、
7回の調査を週末を使って行いました。
その多くは、2泊3日ででかけました。
往復にそれなりの時間がかかるので
短期の調査ではロスも多いですが、
大学の講義を休むことなく、気軽にいけます。
また時間調整をしなくてもいいし
時期が限定されることもないので楽でした。
・季節感・
いよいよ11月です。
雪虫も何度か飛びました。
手稲の山並みも、冠雪はまだみていません。
わが町で初霜はありましたが、初雪はまだです。
黒岳の初雪は早かったのですが、
里の雪は遅いようです。
大学では推薦入試の季節に入ります。
後期の講義も半ばになってきました。
大学ではいくつかの年中行事があるので、
季節に変動あっても、季節感は感じます。
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