プレートがなぜ動くのか。対流しているマントルが、海洋地殻を引っ張ることによって動く、ということになりました。ただし、これは太平洋プレート北東部という限られた地域で見出された結論です。このモデルはプレートテクトニクス全体に及ぶのでしょうか。
小平さんたちは、今回の観測結果から、マントルが海洋地殻を引っ張るという現象を示している、という結論を導きました。また、マントルの動きは、地磁気から得られた海洋地殻から移動速度より速いこともわかったそうです。これもマントルが海洋地殻を引っ張っているということを示しています。
小平さんたちの報告は、太平洋プレート北東部という一つの限定された地域においてなされた観測に基づくものです。さらにその地域は、海嶺の沈み込みという特異な現象を起こしているところでありました。ですから、今回の結果が地域の特異性に由来するのか、それとも普遍的な特徴なのかは、今後の検討を待たなければなりません。
今回観測されたようなリーデル剪断は、太平洋プレートの他のところでもみつかっているようです。プレート全般でも、今回のようなマントルの海洋地殻の引っ張りが起こっているか、また地震波の方向異方性も見つかるかもチェックする必要もあるでしょう。
マントルが海洋地殻を引っ張っているというモデルは、今までの主流の考えとは相反するものです。ですから、今回の結果が、プレートテクトニクス全般に拡大できる普遍性をもっているものなか、あるいは海嶺が沈み込むとという特異な現象が起こっている地域での限定的な現象なのか、を見極める必要があります。
今後、小平さんたち、あるいはJAMSTECは、太平洋プレートの中央にあたるハワイ北方でも、地球深部探査船「ちきゅう」も用いた調査をする予定だそうです。マントル最上部までの掘削することを目指しているようです。そのような掘削を伴う調査には時間がかかりますが、実物試料が手に入るというのは非常に重要なことです。今後も注目していきたいものです。
今回のこの論文に関する紹介は終わりですが、実は先日、この内容に大きな関わりのある報告がでました。その報告は、やはり従来のプレートテクトニクスの「常識」を覆すもので、今回の結論を支持するものです。続きますが、新しいシリーズとして、紹介していく予定です。
・連続します・
今回のように連続したエッセイ(5回)を書いていると、
連載の期間は、1ヶ月ほどに渡ります。
その間、エッセイの内容に関する報告が
出ることもあります。
もともとこのエッセイは、6つの項目に分かれていて
全体のエッセイの数のバランスを考えながら書いています。
万遍なく項目を書くように心がけています。
しかし、今回は、あまりに近い内容の論文なので
連続して書くことにしました。
次なる「マントル対流」のシリーズとして続けるつもりです。
よろしければ、お読みください。
・人間ですから・
エッセイを連載を書いている時は
その間、内容について興味を維持していることになります。
そんな時に、書いている内容と関連する論文が出てくると
通常より、目につきやすくなっているはずです。
多分、今回の論文もそのような関係によって
目についたものだと思います。
まあ、人間ですから仕方がありません。
興味のあるものへと進みましょう。
2015年2月26日木曜日
2015年2月19日木曜日
3_136 プレートはなぜ動くのか 4:マントル対流
マントル対流が、表層をに現れると、地表を水平に移動します。移動の原動力はどこに由来するのか。当たり前のことのようですが、なかなか一筋縄でいかないようです。冷めた下降流によるものなのか、上昇流が水平移動に転換されたのか。それが問題なのです。
前回までのエッセイで、小平さんたちの調査の結果、この地域には大きく2つの特徴があることがわかってきました。その特徴は、特異な割れ目があること、地震波の伝わる速さ(伝搬速度)の方向にによって異なっている(方位異方性)というものでした。
地震波をもちいた探査では、地下の構造に乱れがあると地震波の反射や岩石の密度に変化があると地震波速度の変化として捉えることができます。特に明瞭は不連続な面は、検知しやすくなります。
今回見つかった構造は、等間隔で形成されている特異な割れ目でした。通常の場合であれば、そこに岩石があれば、地殻もマントルも関係なく、断層が形成されていきます。断層とは、岩石に力がかかり、耐えられなくなり割れるときに、形成されるものです。ですから、割る力と割られるべき岩石があれば、岩石の種類に関係なく、断層は形成されることになります。今回みつかった断層は、地殻から延びているのに、マントルに達することなく境界(モホ面といいます)で止まっています。これは、一般的な形成メカニズムでできた断層ではないことを示しています。
滑りをおこすような力(剪断応力といいます)を岩石にかけると、力のかかった方向に対して斜めに、一定の間隔で割れ目ができることがあります。このような割れ目のことを、リーデル剪断(Riedel shear)といいます。今回見つかった特異な割れ目は、リーデル剪断に見えるというのです。
もし太平洋プレートの構造がリーデル剪断であれば、沈み込んでしまった海嶺から離れる方向に引っ張る力が働いていることになります。このような力は、マントルが中央海嶺から離れる方向に流動しており、上に乗っている地殻を動かしていると考えると説明できます。
もうひとつの特徴である地震波伝搬速度の方位異方性とは、地震波の速度が、マントルの伝わる方向によって違いが生じるということです。マントルを構成している主成分のカンラン石は、1100℃くらいになると流動性を持つようになります。その時流れる方向に結晶が配列するという現象が起こります。結晶は、流動している方向に地震波速度が速くなり、直交する方向では遅くなるという配列ができます。今回の異方性は、海嶺付近のマントルは、プレートの動く方向に流動していることを示しているように見えるのです。
今回見つかった2つの特徴は、海嶺付近ではマントルが流動することによって、地殻の海嶺から遠ざかる方向に引っ張っていると説明できるというのです。プレートの運動は、マントルの流動(対流)が原動力であるということを示しているというのが、小平さんたちの主張になります。この結論は、今まで海洋プレートが冷えて沈み込み、それが海洋プレートを引っ張っている、というモデルに相反する証拠を突きつけたことになります。
地質学において、この説はどのような意義があるのでしょうか。それは、次回としましょう。
・異論・
今まで多くの人たちが正しいと思っていたことに
異を唱えることは、なかなか勇気のいることです。
自分のやった調査や観測、実験が
信頼できるものであり、
さらにそれらの事実から導き出される結果を
自分が信じることができれば
常識や主流派に反する考えも
自信を持って提示できるはずです。
ただ、その常識や主流派が大きければ大きいほど
必要な勇気も大きくなります。
今回の異論は、どの程度度でしょうかね。
・平年・
北海道の厳しかった冬もやっと緩んできました。
まだ三寒四温というには早い気がしますが、
暖かい雪解けがおこるような日も挟みながら、
寒さが繰り返されす日が続くように思えます。
ただ、その寒さも2月になると
だいぶ緩んでいるようです。
今年は冬の始まりが早く、
雪も多かったのですが、
1月下旬からは、
厳冬とよべる時期が来る前に
寒さが緩みました。
昨年は2月は寒波が来て冷え込みました。
よく考えると、その年の気象状況を振り返る時
自分の記憶の中の「平年」をもとにしています。
ところが、自分の「平年」が本当かどうかは、怪しいものです。
今では統計で確かめることができるのですが、
そこまでなかなか手間をかけずに
つい思っていしまうのが問題なのかもしれませんが。
前回までのエッセイで、小平さんたちの調査の結果、この地域には大きく2つの特徴があることがわかってきました。その特徴は、特異な割れ目があること、地震波の伝わる速さ(伝搬速度)の方向にによって異なっている(方位異方性)というものでした。
地震波をもちいた探査では、地下の構造に乱れがあると地震波の反射や岩石の密度に変化があると地震波速度の変化として捉えることができます。特に明瞭は不連続な面は、検知しやすくなります。
今回見つかった構造は、等間隔で形成されている特異な割れ目でした。通常の場合であれば、そこに岩石があれば、地殻もマントルも関係なく、断層が形成されていきます。断層とは、岩石に力がかかり、耐えられなくなり割れるときに、形成されるものです。ですから、割る力と割られるべき岩石があれば、岩石の種類に関係なく、断層は形成されることになります。今回みつかった断層は、地殻から延びているのに、マントルに達することなく境界(モホ面といいます)で止まっています。これは、一般的な形成メカニズムでできた断層ではないことを示しています。
滑りをおこすような力(剪断応力といいます)を岩石にかけると、力のかかった方向に対して斜めに、一定の間隔で割れ目ができることがあります。このような割れ目のことを、リーデル剪断(Riedel shear)といいます。今回見つかった特異な割れ目は、リーデル剪断に見えるというのです。
もし太平洋プレートの構造がリーデル剪断であれば、沈み込んでしまった海嶺から離れる方向に引っ張る力が働いていることになります。このような力は、マントルが中央海嶺から離れる方向に流動しており、上に乗っている地殻を動かしていると考えると説明できます。
もうひとつの特徴である地震波伝搬速度の方位異方性とは、地震波の速度が、マントルの伝わる方向によって違いが生じるということです。マントルを構成している主成分のカンラン石は、1100℃くらいになると流動性を持つようになります。その時流れる方向に結晶が配列するという現象が起こります。結晶は、流動している方向に地震波速度が速くなり、直交する方向では遅くなるという配列ができます。今回の異方性は、海嶺付近のマントルは、プレートの動く方向に流動していることを示しているように見えるのです。
今回見つかった2つの特徴は、海嶺付近ではマントルが流動することによって、地殻の海嶺から遠ざかる方向に引っ張っていると説明できるというのです。プレートの運動は、マントルの流動(対流)が原動力であるということを示しているというのが、小平さんたちの主張になります。この結論は、今まで海洋プレートが冷えて沈み込み、それが海洋プレートを引っ張っている、というモデルに相反する証拠を突きつけたことになります。
地質学において、この説はどのような意義があるのでしょうか。それは、次回としましょう。
・異論・
今まで多くの人たちが正しいと思っていたことに
異を唱えることは、なかなか勇気のいることです。
自分のやった調査や観測、実験が
信頼できるものであり、
さらにそれらの事実から導き出される結果を
自分が信じることができれば
常識や主流派に反する考えも
自信を持って提示できるはずです。
ただ、その常識や主流派が大きければ大きいほど
必要な勇気も大きくなります。
今回の異論は、どの程度度でしょうかね。
・平年・
北海道の厳しかった冬もやっと緩んできました。
まだ三寒四温というには早い気がしますが、
暖かい雪解けがおこるような日も挟みながら、
寒さが繰り返されす日が続くように思えます。
ただ、その寒さも2月になると
だいぶ緩んでいるようです。
今年は冬の始まりが早く、
雪も多かったのですが、
1月下旬からは、
厳冬とよべる時期が来る前に
寒さが緩みました。
昨年は2月は寒波が来て冷え込みました。
よく考えると、その年の気象状況を振り返る時
自分の記憶の中の「平年」をもとにしています。
ところが、自分の「平年」が本当かどうかは、怪しいものです。
今では統計で確かめることができるのですが、
そこまでなかなか手間をかけずに
つい思っていしまうのが問題なのかもしれませんが。
2015年2月5日木曜日
3_134 プレートはなぜ動くのか 2:対流
プレートがなぜ動くのかは、まだ解明されていませんが、プレートが動いていることは、実測されています。大きな原因は地球内部の熱が外に逃げるというものですが。その考え方として、2つのモデルがあります。一方が優勢だったのですが・・・・
プレートテクトニクスは、地球内部の熱が外にでることであると、前回紹介しました。そのメカニズムを示すまえに、まず熱の伝わり方を見て行きましょう。
熱の伝わり方には、対流、伝導、放射の3つあります。いずれも程度の差はありますが、固体、液体、気体のさまざまな状態(相)の物資内で起こる現象です。ただし、物質の相の違いによって、その伝わる程度は大きく違っています。
対流は温かい、あるいは冷たい物質が移動することで伝わります。物質の流れやすさ(粘性)に熱の伝わる程度は依存します。伝導は、物質内の原子の振動として伝わります。物質ごとの伝導率によって伝わり方が違います。放射は電磁波として伝わるもので、物質がない真空中でも伝わります。物質ごとに熱の伝わる程度が大きく違うので、一番伝わりやすい手段で熱が伝わることになります。
地球内部は岩石と鉄でできています。岩石の熱の伝導率は低く、放射は全く届きません。地球内部にたまった熱は、なかなか外には出てきません。言い換えると、地球は冷めにくいということになります。そのため、45億年もたっても地球内部に熱がまだ蓄えられているのです。
マントルは岩石からできている固体です。地球内部の熱は、マントル物質の対流によって伝わっていきます。固体の岩石ですが、温度が上がると、流動性をもつようになります。マントルの岩石は、非常にゆっくりとですが、対流を起こします。そのマントルの対流が、表層のプレートを動かしていると考えられています。
マントル内の温度の違いは、地震波トモグラフィという手法でとらえられてきました。しかしいまだに、対流自体をみることはできていません。それは、マントルの対流が非常にゆっくりとしたものだがからです。
地球表層のプレートの動きは、いくつもの方法で観測されてきました。海嶺から離れるにしたがって海洋底の岩石の年代が古くなっていることや、海底の地磁気の模様、天体(クェサーという星)を用いたプレート移動の測定(VLBI)、GPSによる測定など、さまざまな方法でプレートの移動が実証、実測されてきました。プレートの動きは、年間数cmから10cm程度であることがわかってきました。
地球は球で、プレートは球面上を移動しているので、球面幾何学によって記述がされています。プレート運動は、地球の表面には不動点(原点とできるところ)はないで、プレート運動は2つのプレートの相対運動によって示されます。隣り合うプレートに対して、どの方向に、どれくらの速度で移動しているのかという記述です。
表層の海洋プレートの運動ですが、プレート下のマントルが対流で移動することによって、表層の海洋プレートが引きずれて動くという考えがありました。マントルの運動により、海洋プレートが引っ張れて受動的に動くというモデルですが、あまり支持されていませんでした。
一方、海洋プレートが長く海底にあると、冷却されて重くなり、やがてマントル内に沈み込みます。この沈み込みによる引っ張りが、プレート運動の原動力と考えるモデルもあります。表層の海洋プレートが能動的に移動し、下にあるマントルを受動的に引っ張られることになります。さまざまな証拠やシミュレーションなどから、海洋プレートの沈み込みモデルが有力だと考えられてきました。
いずれも今あるプレートの移動を説明するモデルですが、海洋プレートとその下の関係が、どちらが原動力で、どちらが受動的んに動かされているのかということになります。まあいずれにしても、海洋プレート(マントル対流の表層)が冷えてマントルに戻るのですから、対流運動の一環と捉えることができるのですが。
従来の考え方に対抗して、有力でない方のモデルを支持するデータが示されてきました。それを次回から紹介します。
・それも対流・
沈み込む海洋プレートがない海域では
なぜ海洋フレートが移動するのか。
それは相対運動として記述することで理解できます。
他地域のプレートが沈み込む混むことによって
その海域に引張の力が働くことになり
海嶺には張力が働き
マントルの上昇流の出口にできます。
いずれにしても、表層で地殻物質が冷え
密度が大きくなることで下向きの対流ができることが
原動力になると考えることができます。
一方、上昇流は地球内部の核の熱によって
暖められ、軽くなり上昇していきます。
お風呂を沸かしたり、煮物をするときの
下部で加熱、表層で冷却という
典型的な対流の形成となります。
ただし、そのスピードは非常にゆっくりとですが。
・校務出張・
このメールが届くころには、校務出張をしています。
函館にしばらく出かけます。
校務ですので、天候が気になるところです。
何事もなければ、時間には余裕があるのですが
何かことがあると、いろいろ大変なことが予想されます。
私は、まだそんな事態にあったことはないですが。
今回もそうであることを祈ります。
プレートテクトニクスは、地球内部の熱が外にでることであると、前回紹介しました。そのメカニズムを示すまえに、まず熱の伝わり方を見て行きましょう。
熱の伝わり方には、対流、伝導、放射の3つあります。いずれも程度の差はありますが、固体、液体、気体のさまざまな状態(相)の物資内で起こる現象です。ただし、物質の相の違いによって、その伝わる程度は大きく違っています。
対流は温かい、あるいは冷たい物質が移動することで伝わります。物質の流れやすさ(粘性)に熱の伝わる程度は依存します。伝導は、物質内の原子の振動として伝わります。物質ごとの伝導率によって伝わり方が違います。放射は電磁波として伝わるもので、物質がない真空中でも伝わります。物質ごとに熱の伝わる程度が大きく違うので、一番伝わりやすい手段で熱が伝わることになります。
地球内部は岩石と鉄でできています。岩石の熱の伝導率は低く、放射は全く届きません。地球内部にたまった熱は、なかなか外には出てきません。言い換えると、地球は冷めにくいということになります。そのため、45億年もたっても地球内部に熱がまだ蓄えられているのです。
マントルは岩石からできている固体です。地球内部の熱は、マントル物質の対流によって伝わっていきます。固体の岩石ですが、温度が上がると、流動性をもつようになります。マントルの岩石は、非常にゆっくりとですが、対流を起こします。そのマントルの対流が、表層のプレートを動かしていると考えられています。
マントル内の温度の違いは、地震波トモグラフィという手法でとらえられてきました。しかしいまだに、対流自体をみることはできていません。それは、マントルの対流が非常にゆっくりとしたものだがからです。
地球表層のプレートの動きは、いくつもの方法で観測されてきました。海嶺から離れるにしたがって海洋底の岩石の年代が古くなっていることや、海底の地磁気の模様、天体(クェサーという星)を用いたプレート移動の測定(VLBI)、GPSによる測定など、さまざまな方法でプレートの移動が実証、実測されてきました。プレートの動きは、年間数cmから10cm程度であることがわかってきました。
地球は球で、プレートは球面上を移動しているので、球面幾何学によって記述がされています。プレート運動は、地球の表面には不動点(原点とできるところ)はないで、プレート運動は2つのプレートの相対運動によって示されます。隣り合うプレートに対して、どの方向に、どれくらの速度で移動しているのかという記述です。
表層の海洋プレートの運動ですが、プレート下のマントルが対流で移動することによって、表層の海洋プレートが引きずれて動くという考えがありました。マントルの運動により、海洋プレートが引っ張れて受動的に動くというモデルですが、あまり支持されていませんでした。
一方、海洋プレートが長く海底にあると、冷却されて重くなり、やがてマントル内に沈み込みます。この沈み込みによる引っ張りが、プレート運動の原動力と考えるモデルもあります。表層の海洋プレートが能動的に移動し、下にあるマントルを受動的に引っ張られることになります。さまざまな証拠やシミュレーションなどから、海洋プレートの沈み込みモデルが有力だと考えられてきました。
いずれも今あるプレートの移動を説明するモデルですが、海洋プレートとその下の関係が、どちらが原動力で、どちらが受動的んに動かされているのかということになります。まあいずれにしても、海洋プレート(マントル対流の表層)が冷えてマントルに戻るのですから、対流運動の一環と捉えることができるのですが。
従来の考え方に対抗して、有力でない方のモデルを支持するデータが示されてきました。それを次回から紹介します。
・それも対流・
沈み込む海洋プレートがない海域では
なぜ海洋フレートが移動するのか。
それは相対運動として記述することで理解できます。
他地域のプレートが沈み込む混むことによって
その海域に引張の力が働くことになり
海嶺には張力が働き
マントルの上昇流の出口にできます。
いずれにしても、表層で地殻物質が冷え
密度が大きくなることで下向きの対流ができることが
原動力になると考えることができます。
一方、上昇流は地球内部の核の熱によって
暖められ、軽くなり上昇していきます。
お風呂を沸かしたり、煮物をするときの
下部で加熱、表層で冷却という
典型的な対流の形成となります。
ただし、そのスピードは非常にゆっくりとですが。
・校務出張・
このメールが届くころには、校務出張をしています。
函館にしばらく出かけます。
校務ですので、天候が気になるところです。
何事もなければ、時間には余裕があるのですが
何かことがあると、いろいろ大変なことが予想されます。
私は、まだそんな事態にあったことはないですが。
今回もそうであることを祈ります。
2015年1月29日木曜日
3_133 プレートはなぜ動くのか 1:熱の移動
プレート運動において、マントル対流は重要な役割を担っています。ところが、その因果関係については、必ずしも実証されているわけではありません。最近、プレート運動とマントル対流との新たな関係を示す報告がだされました。それに基づいて、プレートテクトニクスについて紹介してきましょう。
地球の大地の営みの多くは、プレートテクトニクスという考え方で説明されています。大規模なものは海洋底の形成や大陸の移動、巨大山脈の形成から、地震の発生、火山活動、温泉などの小規模なものまで、さまざまな大地の営みが、説明可能です。
また、プレートテクトニクスは、現在の地球の営みを説明するだけでなく、過去の履歴も解明できます。過去の岩石から、過去の大地の営みをプレートテクトニクスを用いることが解き明かすことができます。うまく利用すれば、未来を予測することも可能です。プレートテクトニクスは、地球の営みや歴史を解明する上で、欠かすことのできないメカニズといえます。
では、そのプレートテクトニクスのメカニズム自体は、本当に理解されているのでしょうか。表層の大地の運動は実測されるようになってきました。しかし、プレートの運動を大きく左右する、マントルの運動については、実測はされていません。つまりプレートがなぜ動くのかが、まだわかっていないということです。見えるのは「現在の状況」だけです。あまりにも遅い運動はなかなか見えないのです。
そもそも、プレートはなぜ動くのかという素朴な疑問にどう答えるかです。基本的なメカニズムは、地球の内部の熱がマントル物質を通じて宇宙空間に放出される、という熱の移動によっておこっていると考えられています。簡単に説明しましょう。
そもそも地球内部に蓄えられている熱の源は、地球が形成にまで遡ります。地球は、膨大な物質が衝突合体しながら形成されました。そのとき、さまざまなエネルギーが大量に、地球に向かて集まってきたのですが、その一部は熱となって地表の岩石を溶かすのに使われたり、宇宙空間に放出されました。また一部は、地球内部に閉じ込められたまま残りました。
地空内部に蓄えられた熱によって、固体地球の中で岩石より融点の低い鉄が溶けます。鉄は岩石より密度が大きいので、溶けた鉄は地球の内部に落ちていきました。さらに、地球内部の温度が冷めてくると、溶けた鉄が結晶化して固体として沈殿していきます。鉄の結晶化でも熱(潜熱)が発生しました。
また、物質の成分には放射性元素があり、それが放射壊変することによる熱も加わります。このように地球内部には大量の熱が今も蓄えられていることになります。
ただし、宇宙空間は冷たいので、熱は外に放出されるようになります。熱の運搬の現れが、マントル対流であり、プレートテクトニクスだと考えられています。その詳細は次回にしましょう。
・1年前のものですが・
このエッセイのもとになる論文は
海洋研究開発機構の小平さんたちが
2014年3月31日に出されたものです。
日進月歩の科学としては、
少々古い情報かもしれませんが、
プレートはなぜ動くのかという疑問に
新たなデータから今までの考えに修正を迫る結果でした。
今回から数回に分けて紹介します。
・冬の雨・
1月下旬は、北海道でも最も雪の降る時期です。
先日、北海道に雨が降りました。
今年は、比較的雪が多い年だと思っていたのですが、
年末と先日の2回の雨には、非常に少々驚かされました。
春ならまだしも、この時期の雨は非常に困ります。
路面がツルツルやベチョベチョになるからです。
それに防寒用の冬靴は防水が充分でないので
水たまりに入ると染みてきます。
足が冷たい思いをします。
春なら、ゆるせるのですが・・・
地球の大地の営みの多くは、プレートテクトニクスという考え方で説明されています。大規模なものは海洋底の形成や大陸の移動、巨大山脈の形成から、地震の発生、火山活動、温泉などの小規模なものまで、さまざまな大地の営みが、説明可能です。
また、プレートテクトニクスは、現在の地球の営みを説明するだけでなく、過去の履歴も解明できます。過去の岩石から、過去の大地の営みをプレートテクトニクスを用いることが解き明かすことができます。うまく利用すれば、未来を予測することも可能です。プレートテクトニクスは、地球の営みや歴史を解明する上で、欠かすことのできないメカニズといえます。
では、そのプレートテクトニクスのメカニズム自体は、本当に理解されているのでしょうか。表層の大地の運動は実測されるようになってきました。しかし、プレートの運動を大きく左右する、マントルの運動については、実測はされていません。つまりプレートがなぜ動くのかが、まだわかっていないということです。見えるのは「現在の状況」だけです。あまりにも遅い運動はなかなか見えないのです。
そもそも、プレートはなぜ動くのかという素朴な疑問にどう答えるかです。基本的なメカニズムは、地球の内部の熱がマントル物質を通じて宇宙空間に放出される、という熱の移動によっておこっていると考えられています。簡単に説明しましょう。
そもそも地球内部に蓄えられている熱の源は、地球が形成にまで遡ります。地球は、膨大な物質が衝突合体しながら形成されました。そのとき、さまざまなエネルギーが大量に、地球に向かて集まってきたのですが、その一部は熱となって地表の岩石を溶かすのに使われたり、宇宙空間に放出されました。また一部は、地球内部に閉じ込められたまま残りました。
地空内部に蓄えられた熱によって、固体地球の中で岩石より融点の低い鉄が溶けます。鉄は岩石より密度が大きいので、溶けた鉄は地球の内部に落ちていきました。さらに、地球内部の温度が冷めてくると、溶けた鉄が結晶化して固体として沈殿していきます。鉄の結晶化でも熱(潜熱)が発生しました。
また、物質の成分には放射性元素があり、それが放射壊変することによる熱も加わります。このように地球内部には大量の熱が今も蓄えられていることになります。
ただし、宇宙空間は冷たいので、熱は外に放出されるようになります。熱の運搬の現れが、マントル対流であり、プレートテクトニクスだと考えられています。その詳細は次回にしましょう。
・1年前のものですが・
このエッセイのもとになる論文は
海洋研究開発機構の小平さんたちが
2014年3月31日に出されたものです。
日進月歩の科学としては、
少々古い情報かもしれませんが、
プレートはなぜ動くのかという疑問に
新たなデータから今までの考えに修正を迫る結果でした。
今回から数回に分けて紹介します。
・冬の雨・
1月下旬は、北海道でも最も雪の降る時期です。
先日、北海道に雨が降りました。
今年は、比較的雪が多い年だと思っていたのですが、
年末と先日の2回の雨には、非常に少々驚かされました。
春ならまだしも、この時期の雨は非常に困ります。
路面がツルツルやベチョベチョになるからです。
それに防寒用の冬靴は防水が充分でないので
水たまりに入ると染みてきます。
足が冷たい思いをします。
春なら、ゆるせるのですが・・・
2015年1月22日木曜日
5_124 ロゼッタ 4:探査
フィラエは彗星の表面に着陸はしたのですが、2度のバウンドをしてしまいました。幸い、装置は無事でしたが、機体が固定はされていません。また、着陸した地点は、崖の脇の日陰のところでした。困難な状況に陥ったミッションでしたが、まだ希望を持ち続けて、見守りたいものです。
ロゼッタの着陸探査機のフィラエが、彗星チュリュモフ・ゲラシメンコの表面で2回もバウンドしたことは、前回紹介しました。予想外のバウンドがあったのですが、幸いなことに、フィラエの機能は無事だったようです。
その後、フィラエ自身が撮影した写真によって、着陸地点の様子がわかりました。なんと、崖の陰なっているところ着陸していたのです。さらに、フィラエは横倒しになっていることもわかりました。
フィラエの動力源は、ソーラーパネルによる太陽光発電でした。日陰では発電量が十分確保でません。彗星は12時間で一回の自転しているので、太陽の日差しが、かろうじて当たる時間帯があります。ただし、その時間は、自転周期の12時間のうち1時間半、地球の一日に換算すると、3時間ほどの日差しでしか充電できません。太陽光に期待できません。
探査できるのは、フィラエの事前に充電していたバッテリーが動く間だけです。バッテリーが尽きれば、フィラエのミッションも、ほとんど遂行できないくなります。バッテリーが使えるのは、64時間程度と予測されていました。その間に、可能な限りの観測をすることになります。
体勢が悪く、機体を固定されていないため、ドリルを使う岩石や氷の調査は断念されました。重力が小さいため、下に力を加えると、反作用で飛び出してしまう危険性があるからです。実は、フィラエの重要な任務としてあったのが、彗星の起源の解明でした。ドリルで地下23cmまで掘って、岩石あるいは氷の試料を機体内に採取して、加熱して気化させ、試料の水素同位体分析をする予定でした。このデータから、彗星の起源を探ろうという目的でした。この重要な任務を断念しざるえませんでした。
その詳細は学会発表にてなされるはずなので、どういう情報がでてくるかは、今後に期待しましょう。
ただし、現時点でもいくつかの情報はあります。12月10日の段階で、母船のロゼッタからの観測された彗星の水素中の重水素の比率が、地球も水の値の3倍もあることがわかりました。これは、地球の水とこの彗星の水は、起源は違っていることを示しています。
彗星は太陽の周りを周回しているので、2015年8月13日に太陽に最も接近します。今後、太陽に接近すれば光が強くなります。そうすれば、フィラエのバッテリが充電できるかもしません。それが起こるとしても、まだまだ先の話でしょうが。
その後も継続してロゼッタのミッションは継続され、計画では2015年12月31日まで続く予定です。はやぶさのミッションのように、最後まで諦めずに、期待を持って見守りたいものです。
・センター試験・
センター試験が先週末にありました。
我が大学も会場になり、
教職員が総出で対応しました。
雪による公共交通機関のトラブルがあったのですが
受験生の遅刻もなく、
予定通りに試験はスタートできました。
2日間の長丁場の緊張を強いられる受験生ですが、
成功をお祈りしました。
開催側の人間としては、
無事に試験が終わることを祈るしかありませんが。
・今年の冬・
北海道は今年の冬は雪が、結構降っています。
積雪量は思ったほど多くはないですが、
これからどうなるでしょうか。
根雪が早かったり、猛吹雪が何度かありました。
年末に雨が降ったこともあります。
今年の冬は、いろいろ変化に富んでいるようです。
ロゼッタの着陸探査機のフィラエが、彗星チュリュモフ・ゲラシメンコの表面で2回もバウンドしたことは、前回紹介しました。予想外のバウンドがあったのですが、幸いなことに、フィラエの機能は無事だったようです。
その後、フィラエ自身が撮影した写真によって、着陸地点の様子がわかりました。なんと、崖の陰なっているところ着陸していたのです。さらに、フィラエは横倒しになっていることもわかりました。
フィラエの動力源は、ソーラーパネルによる太陽光発電でした。日陰では発電量が十分確保でません。彗星は12時間で一回の自転しているので、太陽の日差しが、かろうじて当たる時間帯があります。ただし、その時間は、自転周期の12時間のうち1時間半、地球の一日に換算すると、3時間ほどの日差しでしか充電できません。太陽光に期待できません。
探査できるのは、フィラエの事前に充電していたバッテリーが動く間だけです。バッテリーが尽きれば、フィラエのミッションも、ほとんど遂行できないくなります。バッテリーが使えるのは、64時間程度と予測されていました。その間に、可能な限りの観測をすることになります。
体勢が悪く、機体を固定されていないため、ドリルを使う岩石や氷の調査は断念されました。重力が小さいため、下に力を加えると、反作用で飛び出してしまう危険性があるからです。実は、フィラエの重要な任務としてあったのが、彗星の起源の解明でした。ドリルで地下23cmまで掘って、岩石あるいは氷の試料を機体内に採取して、加熱して気化させ、試料の水素同位体分析をする予定でした。このデータから、彗星の起源を探ろうという目的でした。この重要な任務を断念しざるえませんでした。
その詳細は学会発表にてなされるはずなので、どういう情報がでてくるかは、今後に期待しましょう。
ただし、現時点でもいくつかの情報はあります。12月10日の段階で、母船のロゼッタからの観測された彗星の水素中の重水素の比率が、地球も水の値の3倍もあることがわかりました。これは、地球の水とこの彗星の水は、起源は違っていることを示しています。
彗星は太陽の周りを周回しているので、2015年8月13日に太陽に最も接近します。今後、太陽に接近すれば光が強くなります。そうすれば、フィラエのバッテリが充電できるかもしません。それが起こるとしても、まだまだ先の話でしょうが。
その後も継続してロゼッタのミッションは継続され、計画では2015年12月31日まで続く予定です。はやぶさのミッションのように、最後まで諦めずに、期待を持って見守りたいものです。
・センター試験・
センター試験が先週末にありました。
我が大学も会場になり、
教職員が総出で対応しました。
雪による公共交通機関のトラブルがあったのですが
受験生の遅刻もなく、
予定通りに試験はスタートできました。
2日間の長丁場の緊張を強いられる受験生ですが、
成功をお祈りしました。
開催側の人間としては、
無事に試験が終わることを祈るしかありませんが。
・今年の冬・
北海道は今年の冬は雪が、結構降っています。
積雪量は思ったほど多くはないですが、
これからどうなるでしょうか。
根雪が早かったり、猛吹雪が何度かありました。
年末に雨が降ったこともあります。
今年の冬は、いろいろ変化に富んでいるようです。
2015年1月15日木曜日
5_123 ロゼッタ 3:着陸
彗星への着陸は、いろいろな困難があります。小さい天体なので、天体の重力はほとんど利用できません。着陸にスピードがあると、作用・反作用で跳ね返ってしまいます。慎重に着陸しなければなりません。フィラエの着陸の様子を紹介しましょう。
一般に彗星は、岩石と氷でできていますが、太陽に近づくと氷が溶けて、大量の水蒸気と少し粒子が火山のように吹き出します。水蒸気や粒子(イオンになっていることもあります)が、彗星の尾になっていきます。彗星は、太陽に近づくたびに大量の水蒸気を放出するので、形を変えていきます。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、太陽に近づきつつあり、これから激しい水蒸気の噴出がはじまるはずです。ロゼッタは、その様子を間近に観測しようと計画されています。
チュリュモフ・ゲラシメンコは小さい彗星ですから、その形態や状態は、近づかないとわかりません。ロゼッタは、フィラエという着陸機を下ろして、表層の探査をしていく予定でした。彗星の形態や表層の様子を調べて、どこに下ろすかを決める必要があります。
ロゼッタは、彗星の周回軌道を巡りながら、多数の写真を撮影しました。彗星の観測から3Dモデルが作成され、そこに写真が合成され、全体を眺めることができるようになりました。
観測の結果、彗星はいびつであることがわかりました。大きさの違う2つの玉が棒状のものでつながった形になっています。天体の大きさは、小さな玉が2.5×2.5×2.0km、大きなほうが4.1×3.2×1.3kmで、全体の質量は10^13kgで、密度は0.4g/cm^3になっています。12.4時間の周期で自転していました。この彗星は、私には鉄アレイのような形にみえましたが、ESAの研究者たちは「アヒルに似た形」と表現しています。
さて、着陸地点の選定です。いくつも候補地があがり、それぞれに一長一短があり、研究者間で議論になりました。最終的にひとつの地点が選ばれ、そこに下ろすことになりました。
彗星は小さい天体なので、ほとんど重力がありません。近づくのにスピードがあると、作用・反作用の効果が強くて、跳ね返ってしまいます。そのためスピードを極力落として、非常にゆっくりと近づきます。7時間かけて降りることになります。フリーフォールと呼んでいます。
それほどゆっくり降りても、着地した瞬間に反作用で跳ね返ってしまいます。跳ね返りを防ぐために、スラスターという装置を利用します。スラスターは、フィラエの自重を用いて、足をぐっと下に押し付ける装置が用意されていました。スラスターは故障していることが事前にわかっていました。そこで、ハープーンと呼ばれるヤリを発射して、彗星表面に打ち込み、フィラエを固定することにしていました。
ところが、ハープーンの発射は失敗に終わりました。フィラエは彗星の表面で跳ねてしまいました。2度もバウンドしましたが、無事着地していたことがわかりました。ただし、その体勢は、非常に危うい状態でした。
その後にも手に汗握るドキュメントがありました。それは、次回としましょう。
・ブログ・
ロゼッタのスタッフが書いているブロク(英語)があります。
http://blogs.esa.int/rosetta/
スタッフに喜怒哀楽が綴られています。
そこに、最新情報といろいろなコメントが寄られています。
「スタートレック」のカーク船長役の
ウィリアム・シャトナー(William Shatner)からの
コメントも寄せられています。
カナダからESAへのメッセージでもあります。
・卒研発表会・
私の学科では、今週と来週に講義期間中に
卒業研究の発表会があります。
講義期間といっても、午後の講義時間のすべてを使って
学生も教員全員が集まり発表会をします。
卒業研究は3年生のゼミと継続しているため
実質2年かけて作り上げることになります。
3、4年生の必修科目にもなっています。
ゼミごとに熱のいれからはさまざまですが
私のゼミでは、かなり力を入れて取り組みます。
私のゼミの学生は大変な思いをしながら研究に取り組みます。
発表会はその集大成なので、
正装で臨むように希望を出しています。
決して強制はせず、私の希望といっています。
他のゼミの学生は普段着ですが、
私のゼミの学生だけは正装で発表します。
学生たちは一生懸命取り組んだ気概もあるので
素直に正装で発表しています。
達成度は人それぞれですが、達成感は味わっているようです。
一般に彗星は、岩石と氷でできていますが、太陽に近づくと氷が溶けて、大量の水蒸気と少し粒子が火山のように吹き出します。水蒸気や粒子(イオンになっていることもあります)が、彗星の尾になっていきます。彗星は、太陽に近づくたびに大量の水蒸気を放出するので、形を変えていきます。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、太陽に近づきつつあり、これから激しい水蒸気の噴出がはじまるはずです。ロゼッタは、その様子を間近に観測しようと計画されています。
チュリュモフ・ゲラシメンコは小さい彗星ですから、その形態や状態は、近づかないとわかりません。ロゼッタは、フィラエという着陸機を下ろして、表層の探査をしていく予定でした。彗星の形態や表層の様子を調べて、どこに下ろすかを決める必要があります。
ロゼッタは、彗星の周回軌道を巡りながら、多数の写真を撮影しました。彗星の観測から3Dモデルが作成され、そこに写真が合成され、全体を眺めることができるようになりました。
観測の結果、彗星はいびつであることがわかりました。大きさの違う2つの玉が棒状のものでつながった形になっています。天体の大きさは、小さな玉が2.5×2.5×2.0km、大きなほうが4.1×3.2×1.3kmで、全体の質量は10^13kgで、密度は0.4g/cm^3になっています。12.4時間の周期で自転していました。この彗星は、私には鉄アレイのような形にみえましたが、ESAの研究者たちは「アヒルに似た形」と表現しています。
さて、着陸地点の選定です。いくつも候補地があがり、それぞれに一長一短があり、研究者間で議論になりました。最終的にひとつの地点が選ばれ、そこに下ろすことになりました。
彗星は小さい天体なので、ほとんど重力がありません。近づくのにスピードがあると、作用・反作用の効果が強くて、跳ね返ってしまいます。そのためスピードを極力落として、非常にゆっくりと近づきます。7時間かけて降りることになります。フリーフォールと呼んでいます。
それほどゆっくり降りても、着地した瞬間に反作用で跳ね返ってしまいます。跳ね返りを防ぐために、スラスターという装置を利用します。スラスターは、フィラエの自重を用いて、足をぐっと下に押し付ける装置が用意されていました。スラスターは故障していることが事前にわかっていました。そこで、ハープーンと呼ばれるヤリを発射して、彗星表面に打ち込み、フィラエを固定することにしていました。
ところが、ハープーンの発射は失敗に終わりました。フィラエは彗星の表面で跳ねてしまいました。2度もバウンドしましたが、無事着地していたことがわかりました。ただし、その体勢は、非常に危うい状態でした。
その後にも手に汗握るドキュメントがありました。それは、次回としましょう。
・ブログ・
ロゼッタのスタッフが書いているブロク(英語)があります。
http://blogs.esa.int/rosetta/
スタッフに喜怒哀楽が綴られています。
そこに、最新情報といろいろなコメントが寄られています。
「スタートレック」のカーク船長役の
ウィリアム・シャトナー(William Shatner)からの
コメントも寄せられています。
カナダからESAへのメッセージでもあります。
・卒研発表会・
私の学科では、今週と来週に講義期間中に
卒業研究の発表会があります。
講義期間といっても、午後の講義時間のすべてを使って
学生も教員全員が集まり発表会をします。
卒業研究は3年生のゼミと継続しているため
実質2年かけて作り上げることになります。
3、4年生の必修科目にもなっています。
ゼミごとに熱のいれからはさまざまですが
私のゼミでは、かなり力を入れて取り組みます。
私のゼミの学生は大変な思いをしながら研究に取り組みます。
発表会はその集大成なので、
正装で臨むように希望を出しています。
決して強制はせず、私の希望といっています。
他のゼミの学生は普段着ですが、
私のゼミの学生だけは正装で発表します。
学生たちは一生懸命取り組んだ気概もあるので
素直に正装で発表しています。
達成度は人それぞれですが、達成感は味わっているようです。
2015年1月1日木曜日
5_121 ロゼッタ 1:はやぶさ2
新年最初の、エッセイは、昨年11月に達成された探査機「ロゼッタ」の偉業からはじめましょう。日本では「はやぶさ2」の話題に押されて、あまり話題になりませんでしたが、重要な成果を挙げたロゼッタを紹介してきましょう。
昨年暮れの日本では、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げの話題が大きく取り上げられました。「はやぶさ2」は、12月3日13時22分、種子島宇宙センターから、H-IIAロケットの26号機で打ち上げられました。当初、12月1日に予定されていたものが、天候不良で延期になり、より一層の期待感が増しました。
初代の「はやぶさ」は、数々の故障に見舞われながらも、知恵と工夫の末、2010年6月13日22時に、地球にたどり着きました。オーストラリアの大地へサンプルの送り込み、自身は燃え尽きて、その使命を果たしました。その後、「イトカワ」からの持ち帰った多数のサンプルが、公開され研究に用いられています。
「はやぶさ」の成功は、ニュースだけでなく、関連の書籍や映画にもされ、多くの日本人に感動と希望を与えました。このエッセイでも何度も取り上げ、紹介してきました。そんな初代「はやぶさ」の思い入れも背景にあったためでしょう、「はやぶさ2」への期待は嫌が上にも大きくなります。話題にもなり、飛び立つ前から書籍も次々と出版されていました。
「はやぶさ2」は、厳しい予算で継続されてきたのに、民主党政権でのさらに予算の縮小もあり、計画の見直しがされ、なかなかすすみませんでした。しかし、「はやぶさ」の帰還により、民主党政権でも称賛を受け、2011年度で開発予算がつき、JAXAは正式に打ち上げプロジェクトがスタートさせました。そして開発段階に入りました。そのような多難にスタート後の2014年12月の打ち上げだったのです。
日本では「はやぶさ2」の打ち上げのニュースに押されてしまい、あまり大きな話題にはならなかったのですが、実は欧米では宇宙関連で、大きなニュースがありました。欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた「ロゼッタ」という探査機のニュースでした。
ロゼッタは、「はやぶさ」に勝るとも劣らない、困難で重要な任務を遂行していました。なんと、10年にもおよぶ飛行の末、彗星にたどりつき、着陸機「フィエラ」を下ろしました。そのプロセスやミッションについては、次回としましょう。
・謹賀新年・
明けまして、おめでとうございます。
今年の発行日は、元旦になりました。
多くのメールが行き交う可能性があり、
到着が遅くなったかもしれませんが、
のんびりとお読みください。
昨年の末は、STAP細胞の話題を取り上げ、
少々暗い終わりでしたが、
新年は、明るい話題からスタートしたいと考え
探査機ロゼッタを取り上げました。
・ロゼッタストーン・
「ロゼッタ」の名前は、
有名なロゼッタストーンに由来しています。
またロゼッタから飛び出した着陸機「フィラエ」は
ロゼッタストーンの解読の鍵となった
フィエラ・オベリスクにちなんだものです。
フィエラ・オベリスクとは、
1815年に上エジプトのフィラエ島で発見された
大きな岩石でできた記念碑のことです。
ヒエログリフと古代ギリシア語の
2つの言葉で書かれていたました。
このヒエログリフがロゼッタストーンの解読の
重要なヒントになりました。
彗星の起源を解き明かすために、
ロゼッタストーン、あるいはフィエラ・オベリスクへの
故事を再現する期待をこめてつけられたのす。
昨年暮れの日本では、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げの話題が大きく取り上げられました。「はやぶさ2」は、12月3日13時22分、種子島宇宙センターから、H-IIAロケットの26号機で打ち上げられました。当初、12月1日に予定されていたものが、天候不良で延期になり、より一層の期待感が増しました。
初代の「はやぶさ」は、数々の故障に見舞われながらも、知恵と工夫の末、2010年6月13日22時に、地球にたどり着きました。オーストラリアの大地へサンプルの送り込み、自身は燃え尽きて、その使命を果たしました。その後、「イトカワ」からの持ち帰った多数のサンプルが、公開され研究に用いられています。
「はやぶさ」の成功は、ニュースだけでなく、関連の書籍や映画にもされ、多くの日本人に感動と希望を与えました。このエッセイでも何度も取り上げ、紹介してきました。そんな初代「はやぶさ」の思い入れも背景にあったためでしょう、「はやぶさ2」への期待は嫌が上にも大きくなります。話題にもなり、飛び立つ前から書籍も次々と出版されていました。
「はやぶさ2」は、厳しい予算で継続されてきたのに、民主党政権でのさらに予算の縮小もあり、計画の見直しがされ、なかなかすすみませんでした。しかし、「はやぶさ」の帰還により、民主党政権でも称賛を受け、2011年度で開発予算がつき、JAXAは正式に打ち上げプロジェクトがスタートさせました。そして開発段階に入りました。そのような多難にスタート後の2014年12月の打ち上げだったのです。
日本では「はやぶさ2」の打ち上げのニュースに押されてしまい、あまり大きな話題にはならなかったのですが、実は欧米では宇宙関連で、大きなニュースがありました。欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた「ロゼッタ」という探査機のニュースでした。
ロゼッタは、「はやぶさ」に勝るとも劣らない、困難で重要な任務を遂行していました。なんと、10年にもおよぶ飛行の末、彗星にたどりつき、着陸機「フィエラ」を下ろしました。そのプロセスやミッションについては、次回としましょう。
・謹賀新年・
明けまして、おめでとうございます。
今年の発行日は、元旦になりました。
多くのメールが行き交う可能性があり、
到着が遅くなったかもしれませんが、
のんびりとお読みください。
昨年の末は、STAP細胞の話題を取り上げ、
少々暗い終わりでしたが、
新年は、明るい話題からスタートしたいと考え
探査機ロゼッタを取り上げました。
・ロゼッタストーン・
「ロゼッタ」の名前は、
有名なロゼッタストーンに由来しています。
またロゼッタから飛び出した着陸機「フィラエ」は
ロゼッタストーンの解読の鍵となった
フィエラ・オベリスクにちなんだものです。
フィエラ・オベリスクとは、
1815年に上エジプトのフィラエ島で発見された
大きな岩石でできた記念碑のことです。
ヒエログリフと古代ギリシア語の
2つの言葉で書かれていたました。
このヒエログリフがロゼッタストーンの解読の
重要なヒントになりました。
彗星の起源を解き明かすために、
ロゼッタストーン、あるいはフィエラ・オベリスクへの
故事を再現する期待をこめてつけられたのす。
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