2014年4月3日木曜日

5_119 だいち 3:2号機

 「だいち」の後継機が製作されています。「だいち2号」と呼ばれています。当初は2013年度の打ち上げでしたが、少々遅れ、5月に打ち上げられることが先日のJAXAからのニュースがありました。それを紹介して、このシリーズを終わりとしましょう。

 「だいち」の膨大なデータは現在も解析され、利用されているのですが、今後、新しいデータをとることができません。今までの災害や資源管理は、定常的にあるいは緊急時にすぐにモニターできることが必要になります。つまり、観測するための衛星が軌道上にあることが、目的を達成するのに重要になります。後継機として「だいち2号」の開発が進めれていました。その「だいち2号」について、新しいニュースが先日、出されました。
 「だいち2号」は、観測衛星の不在の時期が3年ほどありましたが、2014年5月24日に打ち上げられるとアナウンスされました。種子島宇宙センターから、H-II A ロケット 24号機での打ち上げとなります。
 陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)は、「だいち」の後継機なので、同じ任務をもった利用がされます。国土の最新の地図情報や災害把握、資源の管理などをしていきます。もちろんその観測は日本だけにとどまらず、地球全域に及びます。
 「だいち2号」は、高度638kmで「極軌道」と呼ばれる北極と南極を通る軌道上をまわります。1日で15回ほど周回して、14日で同じ地点にもどってきます。そのため、2週間毎に地表をもれなく観測することができます。
 もちろん「だいち」と比べれば、打ち上げから8年も時間が経過していますから、より高性能のセンサーを搭載しています。「だいち」には、前回紹介したPRISM(パンクロマティック立体視センサ)以外に、AVNIR-2(高性能可視近赤外放射計2型)、PALSAR(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ)が搭載されていたました。
 「だいち2号」では、PALSAR-2(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ)のみになっています。ひとつのセンサーでは能力が落ちたと思われそうですが、実はそうではりません。PALSAR-2の特徴として、レーダを利用していますので、昼夜や天候の影響を受けることなく観測できるます。地表観測では非常に効果を発揮します。
 「だいち2号」のPALSAR-2の通常使用の高分解のモードでは、3~10mとなっています。しかし、PALSAR-2には、新たにスポットライトモードが追加されました。スポットライトモードでは、「だいち」のもの(10m)より精度が高く、1~3mの分解能をもつようになっています。これは、「だいち」のPALSARにはない性能で、「だいち」のPRISMに匹敵する分解能をもっています。
 さらに、「だいち2号」では、左右に30度傾けることで、広い範囲を観測できる機能をもたせました。その結果、観測できる範囲が2320kmと、以前の約3倍も広がりました。ひとつのセンサーですが、以前ものと同等以上の性能や機能を持っているのです。
 「だいち2号」は、「だいち」と以上の性能を、よりシンプルな形で達成します。その結果、衛星の設計寿命も3年から5年へ、寿命の目標も5年から7年へと延びています。
 日本では、基礎データとして5mメッシュの数値標高や位置情報をもっています。そのデータとの違いを観測することに重点がおこなれています。つまり、国土の災害や地殻変動などによる変化の観測することが、重要な目的となっているといえます。
 少し先になりますが、打ち上げの成功を祈っていましょう。

・入学式・
いよいよ新年度です。
我が大学では4月1日に
入学式が行なわれました。
外は春の暖かい快晴の日となりました。
道路の雪も溶けて、スーツ姿の新入生と
ユニホーム姿のグラブの勧誘の学生たちが混在しています。
緊張しながらも、
期待に胸をふくらませている新入生の顔を見るのは
すがすがしくて気持ちいいものです。

・待ち遠しい春・
先週は野外調査に出ていました。
その内容はおいおい紹介するとして、
高知は桜がすでに咲いていて、
変える頃には日本で一番最初に
開花宣言が出されたというニュースも流れました。
北海道なまだまだ雪がたくさん残っています。
でも日に日に暖かくなり、
雪解けも進んでます。
春が待ち遠しいです。