2013年1月24日木曜日

2_115 生物種数 4:変動

 生物種の推定は、いろいろな仮定や手法で可能です。信頼性は統計学的に見積もることも可能です。しかし、その基礎となるデータに、明らかな人為が混じっているとどうでしょうか。そのデータを推定に入れたら、どう評価すればいいのでしょうか。なかなか難しい問題です。

 870万種という総生物種の推定が、どの程度正しいのでしょうか。その問題を前回から、考えています。前回考えたの問題は、新種記載が人の行為に依存していることでした。実はほかにも、問題があります。
 新種の誕生のスピードがわかっていないという問題です。ウイルスなどは、毎年のように新種が誕生して人に被害を与えていますが、真核生物はそれほどのスピードで新種誕生はないでしょう。しかし、種数が多いので、それなりに新種も誕生しているはずです。ひとつの種が100万年ほどで新しい種に進化するとしましょう。現在、生物種は、120万種ほどあるとされています。ですから、平均すると、知られている種でも毎年どこかで新種が誕生していることになります。
 まあ、進化するスピードや、進化のメカニズムは、まだ完全に解明されていません。ですから、新種の誕生数は未だに不明です。
 さらに、絶滅のスピードもわかっていないという問題があります。開発が進むと、その場の環境を大きく変動させます。ある限られた地域や環境にしか住めない種(固有種)は、簡単に絶滅してしまいます。レッドデータが作成されている地域では、絶滅の状況は把握できます。固有種のように人の注目を集めていると、その絶滅は話題になり開発のスピードを鈍らせたり、保護することは可能でしょう。
 一方、記載されていない種の方が、圧倒的に多いので、人知れず絶滅が進んでいるはずです。熱帯林の大規模な伐採、土壌流失や各種の汚染などによる見えない絶滅は、依然と進行しているはずです。詳しく調査されていないところでは、絶滅の実態も不明なのです。
 それでも人為による絶滅は、表面化していますが、気候変動や砂漠化や永久凍土の消失、海水温度の変化などは、自然現象です。自然の変化による絶滅も大きなものとなります。その見積もりはどうすればいいのでしょうか。そのような見積りは、あまりなされていないようです。
 以下で、その見積りを考えていみましょう。まずは、
 (新種誕生数/年)-(絶滅数/年)
の値が、重要です。この値がプラスなら種数が増加していて、マイナスなら減少していることになります。地球生物の歴史をみてくると、種数には激しい変動の時期はありましたが、そんな時は大きな環境変動による大絶滅でした。現代は、大きな絶滅時期ではなさそうなので、多少の変動あるでしょうが、絶対値は小さな値になるはずです。
 最終的に、
 (新種記載数/年)-(新種誕生数/年)-(絶滅数/年)
の値が問題になります。この値がプラスなら、努力次第で全種記載も可能かもしれません。マイナスなら、全種記載は永遠に果たせぬ夢となります。
 これらの式の新種記載数や絶滅数は、人の行為(記載スピード)や営為(開発や環境破壊のスピード)が含まれているので、不確かになっていきます。人の営みは、時代や経済、社会の情勢によって変動するため、複雑になります。単純に統計を導入することで決めることができなはずです。
 さてさて、生物種の見積もりは正しいのでしょうか、大きくずれているのでしょうか。わからなくなりました。

・真冬日・
北海道は、正月から連日、寒い日が続きました。
19日連続の真冬日だったそうです。
真冬日とは、昼間も氷点下のままの寒い日です。
日曜日には、やっと穏やかな日が来ました。
昼前には0度を越えました。
その後は、再び朝夕は寒くはなったのですが、
以前の激しい冷え込みを経験しているので
氷点下でもあまり寒さを感じません。
体も寒さになれるのですね。
今年の冬は、積雪も多く、1mを越えています。
昨年に続き、今年も平均積雪を大きく上回っています。
暑い夏に、厳しい冬、そんな時もあるでしょうね。

・やりたいこと・
センター試験も終わり、
大学の後期の授業も今週で終わり、
来週からは定期テスト期間になります。
2月になると、大学は入試シーズンになります。
講義はなくなるのですが、
校務がいろいろあるので、
気持ちが落ち着かなくなります。
今年度は精神的に疲労が大きかったので、
しっかり休みたい気もします。
2月になれば、時間はできるので、
やりたいことを進めていきたいのですが、
どうなることやら。