地層には多数の境界があります。不整合も境界です。しかし、地層の境界と不整合の形成は、まったくちがうものです。不整合はどのようなプロセスで形成されていくのでしょうか。
地層とは、海底に土砂が繰り返し流れ込んで溜まったものです。多くの地層は、一気に短時間にたまります。地層の形成は、陸の近くで常に起こる大地の営みでなされます。不整合は、たまに見つかる珍しいもので、地層に見られる整合とは全く異なったでき方をしています。不整合には、侵食を受けた面があり、その面はでこぼこしたものになります。ここまで前回のエッセイで述べたのですが、今回は不整合の意味を考えていきます。
不整合にはでこぼこの侵食面があります。それは、その地層が、堆積場から侵食場に変わったことを意味します。侵食が激しいのは陸地ですから、不整合ができるには、海から陸への転換が必要になります。陸地で侵食を受けた後、再び海になって、新たな堆積物が堆積していきます。このような複雑な過程を経た結果、地層の間に不整合ができます。不整合の形成のプロセスは、海と陸と巻き込んだ大地の激しい変動があったことを物語ります。
通常の整合の地層境界の期間にも、堆積物は一気に形成されますが、それ以外の期間、堆積物はほとんどたまりません。それが地層境界にとなります。地層境界にも多くの時間がかかっているのですが、不整合の形成のための期間は、何桁も違った長い期間に及ぶ変動になるはずです。ただしその期間は詳しく調べなければわかりませんが。
例えば、造山運動があれば山ができます。長い時間が経過すれば、やがて侵食されていきます。もし、近くで新たな造山運動が起これば、山が海になることもあります。あるいは、海洋プレートの沈み込むようなところでは、海の岩石が陸側に付加したり、陸側の岩石が侵食されたりします。そのような場では、海や山ができたり侵食しされたり、変動の激しい場となります。このような大地の変動場で、山になったり海になったりする作用が起これば、不整合が形成されます。
では、もし不整合が、安定した大陸中の地層で見つかったら、その地層ができた時代に、非常に大きな変動があったことを意味します。その不整合が、他の同時代の地層でも見つかったとしたら、それは全地球的な地球史上でも大きな変動と結び付けられるのではないでしょうか。
グランドキャニオンの「大不整合」と呼ばれるものがあります。先カンブリア紀、10億年前より古い時代の地層の上に、不整合でカンブリア紀(約5億4000万年前よりはじまる)の堆積岩が覆っています。その「大不整合」の意味について、新たな考えの報告が、今年の1月にありました。
それは、次回としましょう。
・春の芽吹き・
今年は3月末から4月当初にも寒い日がありましたが、
暖かくなってきました。
里の雪も排雪場以外ではすべて融けました。
北海道の植物でも、春の進みが感じられます。
春先の草や花が芽吹きはじめています。
フキノトウやツクシなどが一気に咲き出しました。
桜はまだ少し浅いですが、春めいた日が続いています。
・ゴールデンウィーク・
大学では、今週で4月の講義は終わりで、
カレンダー通りに休日を設定していますので、
長いゴールデンウィークになります。
里帰りする学生も多くいるでしょう。
クラブやサークルのある学生は、
帰省することなく、大学で活動してきます。
教員である私は、今週も新しい講義の準備で四苦八苦しています。
ですから、ゴールデンウィークはしばし休憩したいのですが、
どうなることでしょうか。
2019年4月25日木曜日
2019年4月18日木曜日
1_164 グランドキャニオンの不整合 1:地層の境界
今回のシリーズは、北米大陸の景勝地、グランドキャニオンの地層が話題となります。堆積岩の地層にある境界の意味をまずは考えてみましょう。さらに、不整合には、どんな意味があるかを考えていきましょう。
地層とは層があるものをいうのですが、その層の境界面は、すべてほぼ平らで水平な面になっています。多くの境界は似たような面となっており、境界は繰り返しています。そのような地層を整合といいます。
本来地層は、堆積岩だけでなく、いろいろな岩石を含むのですが、今回の話題は、堆積岩からできているものです。よく見かける「いわゆる地層」を想像してみてください。日本列島には、この地層が多いのですが、連続した堆積作用でできたものではありません。なぜなら、境界があるということは、違った岩石が接しているために、違いが見えていることになります。そこには少なくとも、物質的な不連続が生じています。
ですから整合とはいっても、地層境界には不連続があることになります。先程思い浮かべた「いわゆる地層」は、タービダイト層と呼ばれるもので、日本列島では頻繁に見かけるものです。
タービダイト層は、海岸や河口付近で溜まった土砂が、海底の土石流によって、より深い海底に流れ込んだものです。土石流が海底に堆積して一枚の地層となります。堆積物は一気に堆積していきますので、堆積物は短い期間の記録にすぎず、地層の境界に長い時間が詰まっていることになります。
土石流が繰り返し発生すれば、タービダイト層ができていきます。タービダイト層は、土石流の流れた短時間の出来事を記録しているだけで、多くの時間は地層境界になり、ほとんど時間の記録はされていません。しかし、このような地層を整合と呼んで、連続してできたものと考えています。記録としては不連続なものですが、連続として扱っていることになります。これは注意が必要です。
しかし、それはもっと不連続なものが地層には見つかるため、それと比較していくとそうなります。それは不整合と呼ばれるものです。不整合とは、地層の間に見られる境界の一種です。境界の特徴として、侵食を受けた面があり、その面はでこぼこしたものになります。時にはその面に、礫岩が堆積していることがあります。基底礫と呼ばれています。整合とは明らかに違ったもので、不整合は繰り返すことはあまりありません。
この不整合は地質学的には大きな意味があります。それは次回としましょう。
・春へ・
北海道もようやく暖かくなってきました。
今年の春は、行ったり来たりで
なかなか深まりませんでした。
しかし、先週の週末前後から暖かくなり
今週の初めには温かい雨となりました。
このような温かい雨が降ると
一気に雪解けが進みます。
そんな繰り返しで春が深まっていました。
・新たな付き合い・
新入生とのはじめての授業がありました。
1年生の前期の授業はひとつしか担当していないので、
週に一度しか会うことがありません。
それでも学科の学生ですから、
親しみを持って接することになります。
学科では担任制度をとっているので
日々重ねると付き合いも深まっていきます。
そんな新しい出会いが、今年もはじまりました。
地層とは層があるものをいうのですが、その層の境界面は、すべてほぼ平らで水平な面になっています。多くの境界は似たような面となっており、境界は繰り返しています。そのような地層を整合といいます。
本来地層は、堆積岩だけでなく、いろいろな岩石を含むのですが、今回の話題は、堆積岩からできているものです。よく見かける「いわゆる地層」を想像してみてください。日本列島には、この地層が多いのですが、連続した堆積作用でできたものではありません。なぜなら、境界があるということは、違った岩石が接しているために、違いが見えていることになります。そこには少なくとも、物質的な不連続が生じています。
ですから整合とはいっても、地層境界には不連続があることになります。先程思い浮かべた「いわゆる地層」は、タービダイト層と呼ばれるもので、日本列島では頻繁に見かけるものです。
タービダイト層は、海岸や河口付近で溜まった土砂が、海底の土石流によって、より深い海底に流れ込んだものです。土石流が海底に堆積して一枚の地層となります。堆積物は一気に堆積していきますので、堆積物は短い期間の記録にすぎず、地層の境界に長い時間が詰まっていることになります。
土石流が繰り返し発生すれば、タービダイト層ができていきます。タービダイト層は、土石流の流れた短時間の出来事を記録しているだけで、多くの時間は地層境界になり、ほとんど時間の記録はされていません。しかし、このような地層を整合と呼んで、連続してできたものと考えています。記録としては不連続なものですが、連続として扱っていることになります。これは注意が必要です。
しかし、それはもっと不連続なものが地層には見つかるため、それと比較していくとそうなります。それは不整合と呼ばれるものです。不整合とは、地層の間に見られる境界の一種です。境界の特徴として、侵食を受けた面があり、その面はでこぼこしたものになります。時にはその面に、礫岩が堆積していることがあります。基底礫と呼ばれています。整合とは明らかに違ったもので、不整合は繰り返すことはあまりありません。
この不整合は地質学的には大きな意味があります。それは次回としましょう。
・春へ・
北海道もようやく暖かくなってきました。
今年の春は、行ったり来たりで
なかなか深まりませんでした。
しかし、先週の週末前後から暖かくなり
今週の初めには温かい雨となりました。
このような温かい雨が降ると
一気に雪解けが進みます。
そんな繰り返しで春が深まっていました。
・新たな付き合い・
新入生とのはじめての授業がありました。
1年生の前期の授業はひとつしか担当していないので、
週に一度しか会うことがありません。
それでも学科の学生ですから、
親しみを持って接することになります。
学科では担任制度をとっているので
日々重ねると付き合いも深まっていきます。
そんな新しい出会いが、今年もはじまりました。
2019年4月11日木曜日
2_170 単細胞から多細胞へ 4:捕食圧
ミドリムシの多細胞化は、実験室では簡単に起こるようです。そんなに簡単に起こるという結果があると、そこから新たな疑問も湧いてきます。そんな結果と疑問の連鎖が、新しい科学の芽となるのでしょう。
自然界でもミドリムシは、世代交代を繰り返しています。でも、多細胞化がそうそう起っているように見えません。同じミドリムシを用いた実験では、なぜ、多細胞化が起こったのでしょうか。それは、多細胞化を促したような条件を設定したからです。
その条件とは、多数のミドリムシのいる状態に、一匹だけ、ミドリムシを捕食するヨツヒメゾウリムシ(Paramecium tetraurelia)が入れられていました。5つのグールプで実験したところ、2つのグループで多細胞化が起こったのです。つまり、ミドリムシに捕食という自然界でも当たり前に起こる生存のためのストレスを加えることことによって、多細胞化が簡単に起こったということです。
この結果は、いくつか重要な内容と、そして疑問点も示しています。
まず、多細胞化は、少なくとも捕食圧がかかった純粋培養の状態であれば、簡単に起こることは示されました。論文のタイトル
De novo origins of multicellularity in response to predation
(捕食に反応した多細胞化の”新たな”起源)
となっていますが、「捕食」が重要であることを述べています。そして、多細胞生物の細胞数もサイズも異なっているということでした。多細胞化は、捕食者に対して身を守る手段となりえると主張しています。捕食圧が単細胞から多細胞化には必然性がありそうです。
論文では、50週(1年程度)の短期間に多細胞化が起こってしまうことも同時に示しています。すると、こんなに簡単に起こる多細胞化が、なぜ、自然界で起こっていないのだろうか、という疑問です。限定された条件とはいえ捕食圧がかかった環境など、広い地球であれば、なかりの頻度で多細胞化がおこっていいはずです。なぜ、自然界では起こらないのでしょうか。人工の環境だから、多細胞化しても保存されていくのでしょうか。もしそうなら、自然界では、何が多細胞化を阻害しているのでしょうか、あるいは捕食者も進化して、多細胞生物をも捕食できるようになり、多細胞生物の進化を阻止するのでしょうか。
または、自然界でも多細胞化はしょっちゅう起こっているのだが、知られていないだけなのでしょうか。もしそうだとすると、今でも新しい多細胞生物が生まれていることを示しています。それは、単に新種生物として、やがては見つかるのでしょうか。
多細胞化のような大きな進化でも、条件さえ整えば、短時間で起こってしまうのでしょうか。すると多細胞化に続く、「カンブリアの大爆発」も、それほと進化上、奇異なことにならないのかもしれません。すると、次なる疑問として、なぜカンブリア紀にだけ、爆発的なのでしょうか。
多細胞化のためのストレスは、ヨツヒメゾウリムシの捕食圧だけでしょうか。他の種類の捕食者ではどうでしょうか。あるいは他のストレス、たとえは、温度、食料、化学成分、水圧、光など生存を脅かすようなストレスにはどう対応するのでしょうか。多細胞化以外の他の進化も生まれないでしょうか。いろいろ想像したくなります。
ひとつの大きな発見があると、次々と疑問が湧いてきます。まあ、これが科学の面白さでもあるのですが。
・新学期・
大学の新学期が始まりました。
1年生の担任もしています。
今年の1年生のゼミナールは
今までのものとは、全く違ったものになります。
アクティブラーニングを全面的に進めていくゼミになります。
新しい試みをいろいろするつもりですが、
うまくいくかどうか、やってみるしかないでしょうね。
ただ、精一杯努力や準備をしていくしかないのでしょうね。
・知床・
今年の野外調査の地は、昨年に続いて
北海道に半分の労力をかける予定です。
北海道に戻ってきて18年目ですので、各地を巡っているのですが、
実はまだ、いっていないところが、あちこちあります。
いつでも行けると思っていたり、
じっくり時間かけて見て周りたいなどと思っていると
となかなか行けないものです。
その一つが知床です。
雪が深くでなかなか峠道が開通しないのですが、
今年、行く予定を立てています。
まだ、時期は正確には決めていないのですが、
初夏に行く予定です。
自然界でもミドリムシは、世代交代を繰り返しています。でも、多細胞化がそうそう起っているように見えません。同じミドリムシを用いた実験では、なぜ、多細胞化が起こったのでしょうか。それは、多細胞化を促したような条件を設定したからです。
その条件とは、多数のミドリムシのいる状態に、一匹だけ、ミドリムシを捕食するヨツヒメゾウリムシ(Paramecium tetraurelia)が入れられていました。5つのグールプで実験したところ、2つのグループで多細胞化が起こったのです。つまり、ミドリムシに捕食という自然界でも当たり前に起こる生存のためのストレスを加えることことによって、多細胞化が簡単に起こったということです。
この結果は、いくつか重要な内容と、そして疑問点も示しています。
まず、多細胞化は、少なくとも捕食圧がかかった純粋培養の状態であれば、簡単に起こることは示されました。論文のタイトル
De novo origins of multicellularity in response to predation
(捕食に反応した多細胞化の”新たな”起源)
となっていますが、「捕食」が重要であることを述べています。そして、多細胞生物の細胞数もサイズも異なっているということでした。多細胞化は、捕食者に対して身を守る手段となりえると主張しています。捕食圧が単細胞から多細胞化には必然性がありそうです。
論文では、50週(1年程度)の短期間に多細胞化が起こってしまうことも同時に示しています。すると、こんなに簡単に起こる多細胞化が、なぜ、自然界で起こっていないのだろうか、という疑問です。限定された条件とはいえ捕食圧がかかった環境など、広い地球であれば、なかりの頻度で多細胞化がおこっていいはずです。なぜ、自然界では起こらないのでしょうか。人工の環境だから、多細胞化しても保存されていくのでしょうか。もしそうなら、自然界では、何が多細胞化を阻害しているのでしょうか、あるいは捕食者も進化して、多細胞生物をも捕食できるようになり、多細胞生物の進化を阻止するのでしょうか。
または、自然界でも多細胞化はしょっちゅう起こっているのだが、知られていないだけなのでしょうか。もしそうだとすると、今でも新しい多細胞生物が生まれていることを示しています。それは、単に新種生物として、やがては見つかるのでしょうか。
多細胞化のような大きな進化でも、条件さえ整えば、短時間で起こってしまうのでしょうか。すると多細胞化に続く、「カンブリアの大爆発」も、それほと進化上、奇異なことにならないのかもしれません。すると、次なる疑問として、なぜカンブリア紀にだけ、爆発的なのでしょうか。
多細胞化のためのストレスは、ヨツヒメゾウリムシの捕食圧だけでしょうか。他の種類の捕食者ではどうでしょうか。あるいは他のストレス、たとえは、温度、食料、化学成分、水圧、光など生存を脅かすようなストレスにはどう対応するのでしょうか。多細胞化以外の他の進化も生まれないでしょうか。いろいろ想像したくなります。
ひとつの大きな発見があると、次々と疑問が湧いてきます。まあ、これが科学の面白さでもあるのですが。
・新学期・
大学の新学期が始まりました。
1年生の担任もしています。
今年の1年生のゼミナールは
今までのものとは、全く違ったものになります。
アクティブラーニングを全面的に進めていくゼミになります。
新しい試みをいろいろするつもりですが、
うまくいくかどうか、やってみるしかないでしょうね。
ただ、精一杯努力や準備をしていくしかないのでしょうね。
・知床・
今年の野外調査の地は、昨年に続いて
北海道に半分の労力をかける予定です。
北海道に戻ってきて18年目ですので、各地を巡っているのですが、
実はまだ、いっていないところが、あちこちあります。
いつでも行けると思っていたり、
じっくり時間かけて見て周りたいなどと思っていると
となかなか行けないものです。
その一つが知床です。
雪が深くでなかなか峠道が開通しないのですが、
今年、行く予定を立てています。
まだ、時期は正確には決めていないのですが、
初夏に行く予定です。
2019年4月4日木曜日
2_169 単細胞から多細胞へ 3:ミドリムシ
ミドリムシは動物と植物の両方の性質もっています。多細胞化のための実験は、ミドリムシを用いておこなわれました。実験の結果、進化は、かなり短い期間で、起こっていることがわかりました。
多細胞化への進化は、動物ではひとつの系統で、植物ではいくつかの系統で起こっていました。多細胞化は動物では難しい進化だったようですが、植物には比較的起こりやすそうでした。でも、多細胞化は生物の生存競争には有利だったようで、その後は大きく繁栄しています。
では、体細胞化への期間はどれくらいでしょうか。そんな疑問に対する研究結果がだされました。イギリスのNatureのScience Reportに2019年2月20日で報告されました。
De novo origins of multicellularity in response to predation
(捕食に反応した多細胞化の”新たな”起源)
というタイトルです。この報告によると、50週で多細胞化が起こったことが、実験で確かめられました。あまりの速さに、かなり驚かされました。
この研究では、多細胞化の様子を動画として撮影されていて、進化の瞬間をみることができます。実験に使われたのは、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)という鞭毛虫の仲間で、単細胞生物です。ミドリムシは、不思議な生物です。鞭毛で運動する動物の性質をもっていますが、葉緑素をもって光合成もしています。動物と植物の両方の性質をもっています。鞭毛虫は襟鞭毛虫にも近く、多細胞化が起こりやすい性質をもっているようです。
実験は5つのグループでおこなわれました。そのうち2つのグループで、多細胞化を起こしました。ですから多細胞化は偶然の現象ではなく、ある程度必然性がありそうです。
多細胞化は、50週で1年に満たない短い間で起こりました。生物の進化の歴史からすると、非常に速いものとなります。このような短期間で進化できたのは、その間に750回ほどの多数の世代交代をしているためでしょう。コナミドリムシのような単細胞生物では、細胞分裂で世代交代が起こり、その期間が短いので、試行錯誤自体は、750回繰り返されていたことになります。
しかし、考えたらミドリムシの世代交代は、長い歴史の中で、いつでも、どこでも繰り返し起こってきました。いくら実験で条件を整えたとしても、突然、多細胞化が起こるのは、なかなか難しいことに思えます。実はこの実験では、ある工夫がなされていました。それが多細胞化を促したようです。この報告もその原因を探ることが目的でした。詳細は、次回にしましょう。
・De novo・
論文のタイトルのDe novoは、
ラテン語で「新たに」「再び」を意味する言葉です。
英語のラテン語が混在するのは少々違和感があります。
De novoは、生化学においては、
反応名や経路名などに用いられているので
違和感はないようです。
・新年号・
新年度がスタートしました。
大学は授業時間の確保のために、
4月も2週目から講義がスタートします。
最初の1週間で、大学では新入生の対応でバタバタしています。
そこに在学生の行事も加わります。
非常に忙しくなります。
ですから、このエッセイは3月末に発行しています。
4月になれば新年号で大騒ぎとなっていることでしょう。
みんな公文書で年号の変化はわずらしいので
西暦で統一して欲しいと思っているでしょうが、
バタバタが起こっています。
まあ、年号が変わっても、
このエッセイには変化はありませんが。
多細胞化への進化は、動物ではひとつの系統で、植物ではいくつかの系統で起こっていました。多細胞化は動物では難しい進化だったようですが、植物には比較的起こりやすそうでした。でも、多細胞化は生物の生存競争には有利だったようで、その後は大きく繁栄しています。
では、体細胞化への期間はどれくらいでしょうか。そんな疑問に対する研究結果がだされました。イギリスのNatureのScience Reportに2019年2月20日で報告されました。
De novo origins of multicellularity in response to predation
(捕食に反応した多細胞化の”新たな”起源)
というタイトルです。この報告によると、50週で多細胞化が起こったことが、実験で確かめられました。あまりの速さに、かなり驚かされました。
この研究では、多細胞化の様子を動画として撮影されていて、進化の瞬間をみることができます。実験に使われたのは、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)という鞭毛虫の仲間で、単細胞生物です。ミドリムシは、不思議な生物です。鞭毛で運動する動物の性質をもっていますが、葉緑素をもって光合成もしています。動物と植物の両方の性質をもっています。鞭毛虫は襟鞭毛虫にも近く、多細胞化が起こりやすい性質をもっているようです。
実験は5つのグループでおこなわれました。そのうち2つのグループで、多細胞化を起こしました。ですから多細胞化は偶然の現象ではなく、ある程度必然性がありそうです。
多細胞化は、50週で1年に満たない短い間で起こりました。生物の進化の歴史からすると、非常に速いものとなります。このような短期間で進化できたのは、その間に750回ほどの多数の世代交代をしているためでしょう。コナミドリムシのような単細胞生物では、細胞分裂で世代交代が起こり、その期間が短いので、試行錯誤自体は、750回繰り返されていたことになります。
しかし、考えたらミドリムシの世代交代は、長い歴史の中で、いつでも、どこでも繰り返し起こってきました。いくら実験で条件を整えたとしても、突然、多細胞化が起こるのは、なかなか難しいことに思えます。実はこの実験では、ある工夫がなされていました。それが多細胞化を促したようです。この報告もその原因を探ることが目的でした。詳細は、次回にしましょう。
・De novo・
論文のタイトルのDe novoは、
ラテン語で「新たに」「再び」を意味する言葉です。
英語のラテン語が混在するのは少々違和感があります。
De novoは、生化学においては、
反応名や経路名などに用いられているので
違和感はないようです。
・新年号・
新年度がスタートしました。
大学は授業時間の確保のために、
4月も2週目から講義がスタートします。
最初の1週間で、大学では新入生の対応でバタバタしています。
そこに在学生の行事も加わります。
非常に忙しくなります。
ですから、このエッセイは3月末に発行しています。
4月になれば新年号で大騒ぎとなっていることでしょう。
みんな公文書で年号の変化はわずらしいので
西暦で統一して欲しいと思っているでしょうが、
バタバタが起こっています。
まあ、年号が変わっても、
このエッセイには変化はありませんが。
2019年3月28日木曜日
2_168 単細胞から多細胞へ 2:多細胞化
生物進化の大きな飛躍には、ある日突然起こるものと、長い時間をかけて試行錯誤の末に起こるもの、とがあるようです。多細胞化は、どうでしょうか。過去に起こった生物種から、その過程を考えていきましょう。
生物進化の大きな飛躍としては、葉緑体やミトコンドリアの共生によってある日突然起こるものと、脊椎の獲得や陸への進化など長い時間をかけて試行錯誤の後に起こるものもありました。その中で生物の多細胞化は、突然か、それとも長い時間が必要か、どちらでしょうか。これが今回のテーマでした。
多細胞化へのステップを考えると、なかなか難しく思えます。単細胞で暮らしているときは、ひとつの細胞ですべての生命活動を賄っていました。多細胞化が起こる時には、新たな仕組みを作る必要があります。例えば、多細胞全体で分業化するために、情報伝達が必要になり、そして生きていくための物質循環(栄養供給と不要物排出)などが、新たな仕組みとして作り出す必要があります。これができていないと、多細胞化とはいえません。細胞同士が単純にくっついても、それぞれが単独に生活しているのであれば、群生ということになります。
多細胞化において必要な情報伝達は、植物ではタンパク質などの分子を通しておこないます。そのため、反応は遅くなってしまいます。動物では長く伸びた神経細胞が専門に担っています。そのため反応は速くなっています。物質循環は、植物では導管と支管という仕組みがあります。動物では、消化系をつくって栄養をとり、その栄養を血液やリンパ液などで全身に送り不要物を回収するという、別の循環系を用意することで、分業化しています。植物も動物も多細胞化のために、特別な仕組みを用意しています。
単細胞から多細胞への進化は、いくつもの生物で何度も繰り返し起こっていたことがわかっています。ただし、繰り返し起こったのは、植物の仲間だけだったようです。少なくとも、褐藻類や黄緑色藻類、フェオタムニオン藻類、クリソメリス藻類などで多細胞化が起こっていることが知られています。つまり、植物へは、いくつもの系統(多系統)で進化をしてきたことになります。
ところが動物では、ひとつの系統(単系統)だけで起こった進化のようです。襟鞭毛虫類(えりべんもうちゅうるい)という単細胞類が、動物の直接の祖先だとされています。現在では、襟鞭毛虫類から、多細胞の海綿動物を経て、多くの多細胞動物へと進化してきたと考えられています。つまり動物は、襟鞭毛虫類を祖先とする単系統のみで進化してきたことになります。
細胞のつくりをみると、植物は細胞壁があり頑丈ですが、動物は細胞膜という柔らかなものからできています。植物の細胞壁と動物の細胞膜と比べると、動物のほうが柔軟性があり、多細胞化が容易にみえます。しかし、植物ではいくつもの系統で多細胞化が起こっています。植物にとっては多細胞化はそれほど困難なことではなかったようです。一方、動物では単系統でしかないので、長い生物の歴史の中で一度しか起こっていない稀な現象だったようです。動物の系統では、多細胞化は難しいものだったようです。
多細胞化によって、大型化や分業などの効率も手に入れるのですが、他の機能も付加していくという大変さありました。大変そうに見えるのですが、多細胞化した生物が繁栄しているのは、生存戦略上は成功しているのでしょうね。
・また雪景色に・
北海道は、先週末にまた雪景色に戻りました。
再び冬並みにストーブを使っていました。
気の早い人たちは、車を夏タイヤに変えていたようです。
慎重派の我が家は、冬タイヤのままでした。
そのため雪の中でも出かけるのに困りませんでした。
気の早い人は、
道路が溶けてしまえば、すぐに夏タイヤに変えてしまい
初雪のニュースがあると、早々に冬タイヤに変えてしまいます。
夏タイヤから冬タイヤへは問題はないのですが、逆は危険です。
我が家は通勤には使っていないので、
いずれにしても被害はありませんが。
・3月も終わり・
いよいよ3月も終わりです。
大学では今週から在学生へガイダンスがはじまります。
4月は新入生の行事で目白押しですので
3月末に終わらせておきます。。
教員も今週だけ、時間がゆっくりと使えます。
限られた猶予ある時間を大切に使いたいものです。
でも目の前に4月のドタバタがあると
少々落ち着かない気持ちなのですが。
生物進化の大きな飛躍としては、葉緑体やミトコンドリアの共生によってある日突然起こるものと、脊椎の獲得や陸への進化など長い時間をかけて試行錯誤の後に起こるものもありました。その中で生物の多細胞化は、突然か、それとも長い時間が必要か、どちらでしょうか。これが今回のテーマでした。
多細胞化へのステップを考えると、なかなか難しく思えます。単細胞で暮らしているときは、ひとつの細胞ですべての生命活動を賄っていました。多細胞化が起こる時には、新たな仕組みを作る必要があります。例えば、多細胞全体で分業化するために、情報伝達が必要になり、そして生きていくための物質循環(栄養供給と不要物排出)などが、新たな仕組みとして作り出す必要があります。これができていないと、多細胞化とはいえません。細胞同士が単純にくっついても、それぞれが単独に生活しているのであれば、群生ということになります。
多細胞化において必要な情報伝達は、植物ではタンパク質などの分子を通しておこないます。そのため、反応は遅くなってしまいます。動物では長く伸びた神経細胞が専門に担っています。そのため反応は速くなっています。物質循環は、植物では導管と支管という仕組みがあります。動物では、消化系をつくって栄養をとり、その栄養を血液やリンパ液などで全身に送り不要物を回収するという、別の循環系を用意することで、分業化しています。植物も動物も多細胞化のために、特別な仕組みを用意しています。
単細胞から多細胞への進化は、いくつもの生物で何度も繰り返し起こっていたことがわかっています。ただし、繰り返し起こったのは、植物の仲間だけだったようです。少なくとも、褐藻類や黄緑色藻類、フェオタムニオン藻類、クリソメリス藻類などで多細胞化が起こっていることが知られています。つまり、植物へは、いくつもの系統(多系統)で進化をしてきたことになります。
ところが動物では、ひとつの系統(単系統)だけで起こった進化のようです。襟鞭毛虫類(えりべんもうちゅうるい)という単細胞類が、動物の直接の祖先だとされています。現在では、襟鞭毛虫類から、多細胞の海綿動物を経て、多くの多細胞動物へと進化してきたと考えられています。つまり動物は、襟鞭毛虫類を祖先とする単系統のみで進化してきたことになります。
細胞のつくりをみると、植物は細胞壁があり頑丈ですが、動物は細胞膜という柔らかなものからできています。植物の細胞壁と動物の細胞膜と比べると、動物のほうが柔軟性があり、多細胞化が容易にみえます。しかし、植物ではいくつもの系統で多細胞化が起こっています。植物にとっては多細胞化はそれほど困難なことではなかったようです。一方、動物では単系統でしかないので、長い生物の歴史の中で一度しか起こっていない稀な現象だったようです。動物の系統では、多細胞化は難しいものだったようです。
多細胞化によって、大型化や分業などの効率も手に入れるのですが、他の機能も付加していくという大変さありました。大変そうに見えるのですが、多細胞化した生物が繁栄しているのは、生存戦略上は成功しているのでしょうね。
・また雪景色に・
北海道は、先週末にまた雪景色に戻りました。
再び冬並みにストーブを使っていました。
気の早い人たちは、車を夏タイヤに変えていたようです。
慎重派の我が家は、冬タイヤのままでした。
そのため雪の中でも出かけるのに困りませんでした。
気の早い人は、
道路が溶けてしまえば、すぐに夏タイヤに変えてしまい
初雪のニュースがあると、早々に冬タイヤに変えてしまいます。
夏タイヤから冬タイヤへは問題はないのですが、逆は危険です。
我が家は通勤には使っていないので、
いずれにしても被害はありませんが。
・3月も終わり・
いよいよ3月も終わりです。
大学では今週から在学生へガイダンスがはじまります。
4月は新入生の行事で目白押しですので
3月末に終わらせておきます。。
教員も今週だけ、時間がゆっくりと使えます。
限られた猶予ある時間を大切に使いたいものです。
でも目の前に4月のドタバタがあると
少々落ち着かない気持ちなのですが。
2019年3月21日木曜日
2_167 単細胞から多細胞へ 1:共生
生物の進化には、いくつか大きな飛躍があります。その飛躍は簡単に起こることなのでしょう。飛躍の中には、短時間で起こったと考えられるものがあります。共生と呼ばれているものです。
生物の進化には、いくつかの大きな飛躍があるように見えます。飛躍とは、その生物にとって後の進化に重要な役割を果たす機能を獲得することです。しかし、そのような飛躍は、生物が後を進化をしようと意図して得るものではなく、たまたま起こった試行錯誤の結果が成功して、生存競争に勝つことができ子孫を残すことができたのでしょう。
よく知られている飛躍としては、光合成の獲得、好気性、多細胞化、脊椎の獲得、海から陸への進化、恒温性などがあるでしょうか。いずれの飛躍も、進化に大きな節目となっているものでしょう。しかし、その獲得は、ある日突然身につけることができるのでしょうか。
例えば光合成ですが、真核生物では藻類と植物だけが持っている仕組みです。光合成は、細胞内にある葉緑体でおこなわれています。光合成の能力は、ある時、突然、獲得できた能力だと考えられています。大型の真核生物が、シアノバクテリアを取り込んだことではじまったことがわかりました。このようなものを「共生」と呼んでいます。本来なら小さな細胞を取り込むということは、「食べる」ことになります。しかし、食べることなく、共生をしたのです。葉緑体には二重の細胞膜があり、外は真核生物のものですが、内側が別の生物ものでした。そのことから、食べることなく、取り込まれたことがわかってきました。たまたま起こったことのようです。
葉緑素は植物や藻類だけがもっているのですが、ミトコンドリアも二重の細胞膜をもっていることがわかってきました。ミトコンドリアは、すべての真核生物が持っている細胞内の小器官です。ミトコンドリアの役割は、酸素を利用してATP(アデノシン三リン酸)をつくりだし、真核生物に供給することです。ATPは、リン酸の分子が分離したり結合したりして、エネルギーの放出・貯蔵ができる物質で、非常に重要な物質です。ATPをミトコンドリアは、真核生物に供給していることになります。
細胞にとって酸素は、非常に危険な存在です。酸素は、細胞の内のさまざまな物質を酸化してしまうので、酸素への対処ができないと、その生物は死んでしまいます。だからミトコンドリアのない生物は、酸素のない環境(嫌気性)でしか生きていません。しかし、ミトコンドリアがあれば、酸素の多い環境(好気性)であっても、細胞内の酸素をうまく処理してくれます。処理だけではなく、酸素を用いてエネルギーを供給するATPをもたらしてくれます。こんないいことはありません。ミトコンドリアは、好気性細菌の一種で、葉緑体と同様に共生したことがわかってきました。
共生があったことは、種類によって、葉緑体やミトコンドリアを取り出しても、生きていけるものがいることからも、確からしいと考えられています。他の生物を取り込む共生という仕組みは、ある時から急にできることになります。
一方、脊椎の獲得や陸への進化などは、長い時間をかけて試行錯誤が必要だと思われます。では、多細胞化はどうでしょうか。最近、それに関する重要な報告が出ました。詳しくは次回以降にしましょう。
・集中講義・
先週は、集中講義があり終了直後に
学位記授与式(卒業式)もありました。
大きな行事が2つ連続してあったので
先週は非常に忙しい思いをしました。
本エッセイも前の週に予め予約しておきました。
おかげで今週から来週にかけては
落ち着いて仕事ができます。
今週も来週も送別会があるので飲み会があります。
3月いっぱいで、親しい人が去っていきます。
なかなか寂しいものです。
近くに住んでいるのであれば、
近い内に会うこともできます。
親しい人は、こちらを引き払うので
会う機会はなかなかなさそうです。
・祝う会・
先週末、学位記授与式がありました。
そのあと大学祝う会があり
さらにその後に学科の祝う会がありました。
今年は担当している4年生がいなかったので
少々寂しくもありました。
しかし結果的に、多くの4年生と
いろいろな思い出を語ることができよかってす。
生物の進化には、いくつかの大きな飛躍があるように見えます。飛躍とは、その生物にとって後の進化に重要な役割を果たす機能を獲得することです。しかし、そのような飛躍は、生物が後を進化をしようと意図して得るものではなく、たまたま起こった試行錯誤の結果が成功して、生存競争に勝つことができ子孫を残すことができたのでしょう。
よく知られている飛躍としては、光合成の獲得、好気性、多細胞化、脊椎の獲得、海から陸への進化、恒温性などがあるでしょうか。いずれの飛躍も、進化に大きな節目となっているものでしょう。しかし、その獲得は、ある日突然身につけることができるのでしょうか。
例えば光合成ですが、真核生物では藻類と植物だけが持っている仕組みです。光合成は、細胞内にある葉緑体でおこなわれています。光合成の能力は、ある時、突然、獲得できた能力だと考えられています。大型の真核生物が、シアノバクテリアを取り込んだことではじまったことがわかりました。このようなものを「共生」と呼んでいます。本来なら小さな細胞を取り込むということは、「食べる」ことになります。しかし、食べることなく、共生をしたのです。葉緑体には二重の細胞膜があり、外は真核生物のものですが、内側が別の生物ものでした。そのことから、食べることなく、取り込まれたことがわかってきました。たまたま起こったことのようです。
葉緑素は植物や藻類だけがもっているのですが、ミトコンドリアも二重の細胞膜をもっていることがわかってきました。ミトコンドリアは、すべての真核生物が持っている細胞内の小器官です。ミトコンドリアの役割は、酸素を利用してATP(アデノシン三リン酸)をつくりだし、真核生物に供給することです。ATPは、リン酸の分子が分離したり結合したりして、エネルギーの放出・貯蔵ができる物質で、非常に重要な物質です。ATPをミトコンドリアは、真核生物に供給していることになります。
細胞にとって酸素は、非常に危険な存在です。酸素は、細胞の内のさまざまな物質を酸化してしまうので、酸素への対処ができないと、その生物は死んでしまいます。だからミトコンドリアのない生物は、酸素のない環境(嫌気性)でしか生きていません。しかし、ミトコンドリアがあれば、酸素の多い環境(好気性)であっても、細胞内の酸素をうまく処理してくれます。処理だけではなく、酸素を用いてエネルギーを供給するATPをもたらしてくれます。こんないいことはありません。ミトコンドリアは、好気性細菌の一種で、葉緑体と同様に共生したことがわかってきました。
共生があったことは、種類によって、葉緑体やミトコンドリアを取り出しても、生きていけるものがいることからも、確からしいと考えられています。他の生物を取り込む共生という仕組みは、ある時から急にできることになります。
一方、脊椎の獲得や陸への進化などは、長い時間をかけて試行錯誤が必要だと思われます。では、多細胞化はどうでしょうか。最近、それに関する重要な報告が出ました。詳しくは次回以降にしましょう。
・集中講義・
先週は、集中講義があり終了直後に
学位記授与式(卒業式)もありました。
大きな行事が2つ連続してあったので
先週は非常に忙しい思いをしました。
本エッセイも前の週に予め予約しておきました。
おかげで今週から来週にかけては
落ち着いて仕事ができます。
今週も来週も送別会があるので飲み会があります。
3月いっぱいで、親しい人が去っていきます。
なかなか寂しいものです。
近くに住んでいるのであれば、
近い内に会うこともできます。
親しい人は、こちらを引き払うので
会う機会はなかなかなさそうです。
・祝う会・
先週末、学位記授与式がありました。
そのあと大学祝う会があり
さらにその後に学科の祝う会がありました。
今年は担当している4年生がいなかったので
少々寂しくもありました。
しかし結果的に、多くの4年生と
いろいろな思い出を語ることができよかってす。
2019年3月14日木曜日
5_165 ケプラーからTESSへ 4:ファーストライト
TESSは夏には、正式な運用がはじまりました。その時の最初の画像も公開されました。なかなか素晴らしいものでした。ケプラーよりずっと広域を観測できます。TESSは今後2年間の運用が予定されています。
TESSは、2018年4月18日に打ち上げられ、5月17日には最初のテスト画像が送られてきました。テスト画像は、4つあるCCDのうち1台を使って、たった2秒の露出での撮影されたものでした。軌道もまだ定まっていない状態での、CCDのテストでした。そこには12の星座が含まれており、非常に広い範囲の星が写っていました。
8月7日には、4台のCCDをすべて使って、30分かけて撮影した画像「ファーストライト(first light)」が公開されました。これは、本格的な観測をはじめた、最初の正式な画像になります。非常に広い範囲が撮影されています。その後、観測は順調に進んでいるようです。
さて、TESSはトランジット法を用いています。恒星の前を横切った惑星による明るさの変化を調べる方法ですから、継続的に観測していくのが、最もはっきりと惑星の存在を検証できます。そのため、同じ恒星を長期間、継続的に観測することが有効な方法となりますが、CCDの範囲の領域しか観測できません。
一方、広い範囲、できれば星域全体を観測するためには、同じ領域ばかりを観測はできないので、断続的になりますが、定期的に繰り返し観測することになります。
惑星の探査では、継続観測で検証の精度、「質」をとるか、広域観測で「量」をとるか、の選択となります。系外惑星の観測は、ケプラー宇宙望遠鏡でもまだ星域の一部しかなされていません。そのため、NASAは、「量」を選択しまし、まずは基礎的な記載を進めることにしました。
研究にはいろいろな段階があります。予察、記載、一般化、より深い探求など、さまざまなレベルがあります。ケプラー宇宙望遠鏡は、予察にあたります。ある星域を定めて、そこだけを精密な観測をおこなったら、どの程度の確実な系外惑星が発見できるかというものでした。その結果、2600個以上の惑星の存在を検証しました。
TESSでは、2年間でファーストライトの26倍の領域の観測をおこないます。ほぼ全星域で、系外惑星の有無の記載がなされることになります。このプロジェクトが完成すれば、個々の系外惑星で、精密な探査が進めらていきます。その精密探査も、ケプラーの成果からすでに進められていると思います。今後の成果に期待したいものです。
・より深い探求・
ケプラーもTESSも、最も期待される成果は、
地球型惑星の存在を検証することです。
地球型惑星の確実な証拠は、
水が存在するかどうかが重要になります。
遠くの天体、それも恒星の横切るだけで
その存在が確認された惑星で、
水の有無を検証するのは、難しいものでしょう。
まして生命の存在の可能性については
もっと難しい観測になるはずです。
技術や科学は、大きな飛躍がありえますので、
その飛躍に期待したいものですね。
・安全基準・
TESSが2年間の運用予定なので、
装置自体はその間大丈夫なように設計されています。
安全基準は、1.5から2倍程度の余裕をもって
設計されていることになります。
2年の運用を目指していますが、装置が持てば、
もっと長く運用されるはずです。
そして、さらなる成果が挙げられます。
しかし、まあこれはとらぬ狸の皮算用ですね。
TESSは、2018年4月18日に打ち上げられ、5月17日には最初のテスト画像が送られてきました。テスト画像は、4つあるCCDのうち1台を使って、たった2秒の露出での撮影されたものでした。軌道もまだ定まっていない状態での、CCDのテストでした。そこには12の星座が含まれており、非常に広い範囲の星が写っていました。
8月7日には、4台のCCDをすべて使って、30分かけて撮影した画像「ファーストライト(first light)」が公開されました。これは、本格的な観測をはじめた、最初の正式な画像になります。非常に広い範囲が撮影されています。その後、観測は順調に進んでいるようです。
さて、TESSはトランジット法を用いています。恒星の前を横切った惑星による明るさの変化を調べる方法ですから、継続的に観測していくのが、最もはっきりと惑星の存在を検証できます。そのため、同じ恒星を長期間、継続的に観測することが有効な方法となりますが、CCDの範囲の領域しか観測できません。
一方、広い範囲、できれば星域全体を観測するためには、同じ領域ばかりを観測はできないので、断続的になりますが、定期的に繰り返し観測することになります。
惑星の探査では、継続観測で検証の精度、「質」をとるか、広域観測で「量」をとるか、の選択となります。系外惑星の観測は、ケプラー宇宙望遠鏡でもまだ星域の一部しかなされていません。そのため、NASAは、「量」を選択しまし、まずは基礎的な記載を進めることにしました。
研究にはいろいろな段階があります。予察、記載、一般化、より深い探求など、さまざまなレベルがあります。ケプラー宇宙望遠鏡は、予察にあたります。ある星域を定めて、そこだけを精密な観測をおこなったら、どの程度の確実な系外惑星が発見できるかというものでした。その結果、2600個以上の惑星の存在を検証しました。
TESSでは、2年間でファーストライトの26倍の領域の観測をおこないます。ほぼ全星域で、系外惑星の有無の記載がなされることになります。このプロジェクトが完成すれば、個々の系外惑星で、精密な探査が進めらていきます。その精密探査も、ケプラーの成果からすでに進められていると思います。今後の成果に期待したいものです。
・より深い探求・
ケプラーもTESSも、最も期待される成果は、
地球型惑星の存在を検証することです。
地球型惑星の確実な証拠は、
水が存在するかどうかが重要になります。
遠くの天体、それも恒星の横切るだけで
その存在が確認された惑星で、
水の有無を検証するのは、難しいものでしょう。
まして生命の存在の可能性については
もっと難しい観測になるはずです。
技術や科学は、大きな飛躍がありえますので、
その飛躍に期待したいものですね。
・安全基準・
TESSが2年間の運用予定なので、
装置自体はその間大丈夫なように設計されています。
安全基準は、1.5から2倍程度の余裕をもって
設計されていることになります。
2年の運用を目指していますが、装置が持てば、
もっと長く運用されるはずです。
そして、さらなる成果が挙げられます。
しかし、まあこれはとらぬ狸の皮算用ですね。
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