よく知られている氷河期を、はるかに凌駕するものが、かつての地球にはありました。わかったのは1998年のことで、まだ30年もたっていません。地球の歴史には、未知のことがまだまだありそうです。
アガシーが氷河期を唱えてから、まだ200年足らずですが、その氷河期とは比べ物にならないほどの寒い時期が、あったことがわかってきました。
その時期の地球を宇宙から見たら、真っ白な雪玉に見えたであろうと推定されています。そのためスノーボールアース(Snowball Earth)、日本語では「全(地)球凍結」とも呼ばれています。スノーボールアースは、地球表層の水がすべて凍ってしまうような状態です。
最初に見つけたのは、ハーバード大学のポール・ホフマンでした。ホフマンは、アフリカ南東部のナミビアを調査していました。そこには、不思議が地層がありました。約7.2億〜6.4億年前、赤道付近で堆積した地層があったのですが、その中には直径1mくらいの巨大な丸い石が多数ありました。その石は、地層を構成している岩石や周辺の岩石とは、全く異なった関係のないものでした。このような岩石は、「迷子石」と呼ばれていました。通常の堆積作用では決してできないものでした。
また、迷子石を含む地層の上には、50mの厚さの炭酸塩の地層が重なっていました。キャップカーボネイト(日本語では縞状炭酸塩岩)と呼ばれています。海水中に大量に炭酸塩が溶け込んで、それらが化学的に沈殿してできた地層です。これも不思議な地層でした。
ホフマンは、赤道付近の海底に溜まった地層内に、迷子石ができたのは、氷河が海に流れ込んで流氷となり、氷が溶けたことで、中に含まれていた岩石が海底に落ちてできたと考えました。
この地層は赤道付近でたまったものだったので、流氷が赤道まで流れてくるということは、当時赤道まで寒かったことになります。そこからホフマンは、スノーボールアース、全球凍結があったと考えました。
ホフマンは炭素同位体組成を測定して、生物活動の程度も調べました。炭素同位体の値が低いと生物活動が低下し、高いと活発であることになります。氷河期の前には、値は上昇していたので、この時期、活発な生物活動が起こっていたことになります。
氷河期直前から値が低下しはじめ、やがてマントル起源(火成活動によって海洋へ炭素が流入)の値に近づいていきました。そして、氷河期終了後も、低い値のままになっていました。氷河期とその終了後には、全地球的に海洋の生物活動がほぼ完全に停止していて、しばらくは回復できなかったことを意味しています。
温かさがもどって海氷が溶けると、大気中に大量に蓄えられた二酸化炭素が海洋に溶け込んでいきます。海洋の炭酸塩濃度が高くなると、炭酸塩の化学的沈殿が起こり、キャップカーボネイトができたと考えました。
1998年にホフマンが発表した当時は、信じる人は少なかったのですが、議論や論争を通じて、浸透していき、だんだん信じられるようになってきました。そして、地球史上最大の氷河期として、スノーボールアース、全球凍結が認知されるようになりました。
認知されるまで、長い時間がかかったのは、科学的に困難さがあったからでした。その問題は時間としましょう。
・ホフマンの業績・
ホフマンの地質学的業績は多数あります。
1988年の論文は、「United Plates of America」というものでした。
プレートテクトニクスで20億年前まで遡ったもので
地質学的には重要な論文でした。
しかし、最初投稿した学術誌では不採用となりましたが、
別の学術誌では高く評価されて掲載されました。
1991年の論文は通称「inside-out」論文と呼ばれています。
3~2 億年前に出現した超大陸パンゲア以前に、
複数回の超大陸の形成・分裂が繰り返される
超大陸サイクルがあることを示しました。
そして、1998年には「Snow Boll Earth」論文が発表されました。
ここでは、大量の地質学的データに基づいて示しされました。
ホフマンは、その業績により
2024年に京都賞を【基礎科学部門】で受賞しています。
・予約配信1・
現在、入院中です。
予定としては、一昨日手術を受けているはずです。
自由に動けているかと思います。
病院でもインターネット環境があるので、
配信可能かもしれませんがどうなるかは不明です。
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