2025年10月23日木曜日

5_212 隕石の由来 1:母天体

 これまで、地球に落下した隕石がどの天体から由来かが、ほとんどわかってきませんでした。それが、一連の研究で、一気に多数の隕石の由来が明らかになってきたという報告がありました。


 隕石は、地球外の天体から由来していることは、よく知られています。隕石が由来した天体を「母天体」と呼びます。隕石が、どの母天体から由来したかは不明でした。わからない理由は、いくつかあります。
 まず、隕石が地球に落下するには、地球軌道と隕石の軌道が交差しなければなりません。母天体の軌道からはずれて、落下する軌道に移動しなければなりません。その変化は、最近起こった現象です。なぜなら地球は45億年前に誕生したので、古くに存在していた隕石は、その間に衝突しているはずです。落下する隕石は、最近(とはいっても地質学的で、人類が科学的観測をするよりずっと前のこと)、地球と交差する軌道に移動したことになります。
 隕石のような軌道変更の現象は、天体同士の衝突によります。衝突で飛び散った破片のうち、地球軌道と交差するものが隕石になったと考えられます。
 激しい衝突なら、両天体は破壊されたかもしれません。天体の深部で形成されたような隕石(鉄隕石、石鉄隕石など)も見つかっているので、天体が壊れてしまうような激しい衝突もあったこともわかっています。
 小規模な衝突として、もとの天体同士の接触程度なら、ほんの一部が破片として飛び散るはずです。あるいは、大きな天体と小さい天体なら、小さい天体が破壊されて破片となって、飛び散ることになります。もとの天体の一部分や、破壊された天体から由来した母天体を、確定するのは困難でしょう。
 2つ目の理由は、現在見つかっている隕石の種類が非常に多様で、数も多くなっています。現在、隕石は6万個ほど見つかっています。種類は大別すると石質隕石(ケイ酸塩鉱物からできている)、鉄隕石(鉄とニッケルの合金の金属からできている)、そして石鉄隕石(石質と鉄隕石の混じったものと)の3種ですが、詳しく調べていく50種から60種ほどに細分されています。
 これだけの種類の母天体があったわけではなく、ひとつの天体でも、多様な種類の岩石があるので、母天体が種類の数だけあったことを意味するわけではありません。しかし、研究から、明らかの異なった母天体でないとできない隕石の種類も見つかっています。
 一方、同じ種類の隕石であっても、由来した母天体が異なっていることもあるはずです。似た成長過程をへた天体や、似た岩石が溶けて似た火成作用があれば、似た岩石が形成されます。
 以上のことから、そのため隕石と母天体の関係が非常に複雑になり、由来関係を求めるのは難しくなります。隕石の種類、落下時期、落下場所などを考える、母天体は多種多数あったと想定されます。ですから、ある隕石が由来した母天体の関係を見つけるのは、非常に困難になります。
 しかし、そんな関係を一気に明らかにできたという報告がでました。次回以降にしましょう。

・冷え込み・
10月になっても、まだ暖かい日が
続くなと思っていたら
先週後半から、一気に冷え込みました。
週末には、今シーズンで
はじめてストーブをたきました。
例年、シーズン初めのストーブは
つけてもすぐに室内が暖まり
つけたり消したりをしていることが多かったです。
しかし、今回は、夕食前につけて
夜寝るまでつけていました。
一気に秋が深まってきました。
そういえば、先日早朝、
北から渡り鳥の群れが飛んているのを見かけました。
白鳥の親子も畑で休んでいるの見ました。
渡りの季節ともなりました。

・里帰り・
このメールマガジンは予約配信しています。
前日まで、里帰りしているためです。
この時期に里帰りすることにしました。
墓参りを兼ねた墓掃除です。
3泊するのですが、
行きが千歳から関西空港で、
京都に2泊します。
帰りが神戸空港からなので
神戸に一泊することにしました。
神戸は、はじめての滞在なので、
本来なら、あちこち見て回りたいのですが、
夫婦共々高齢になってきているので
無理をしないように行動しようと考えています。