2012年10月4日木曜日

4_106 羽越調査 3:安房峠

 飛騨から信濃に抜ける道は、古くから生活道として使われていました。大正時代からは観光道路として重要性が増し、昭和には峠道が整備されました。平成になってトンネルができました。そんな安房峠とトンネルについて考えました。


 今回は安房峠を通ろうかどうか迷いました。地元の人に聞くと、細い道でほとんど車が通らないから現状は知らないといっていました。まあ、通れることできるようなので、予鈴通り通っても良かったのですが、眺めたい山には雲がかかっていたので、眺望はなさそうなので、目的地を上高地に変えました。
その時、峠とトンネルについて考えてました。
 安房峠とは、長野県松本市と岐阜県高山市との間にあり、国道158号が通っています。飛騨山脈の南に位置して、アカンダナ山と安房山の鞍部にあたり、標高は1790mもあります。このような山深いところの峠ですから、冬期間は通行止めになります。
 岐阜県と長野県の交通の要所でもあり、交通量の多い国道だったのですが、ヘアピンカームも多数あり、大型車が通るときは、切り返しが必要になり、交通渋滞を起こしていました。観光客の多い時期には、通過に5時間以上のかかっていたといいます。
 1997年12月、安房峠の下に安房トンネルができ、冬季も通行が可能になり、渋滞も解消されました。安房トンネルを通れば、5分で向こう側に行くことができました。かつての渋滞は嘘のように消え、峠道は静かになりました。
 このトンネルは、焼岳(やきだけ)火山の下を通過します。もちろん、マグマの中を掘るわけではないのですが、高温の部分を通過します。ですから、かなり危険な工事でもありました。細心の注意がはらわれ、トンネル工事は無事終わりました。
 国道への新しい道路の取付工事中に水蒸気爆発が起こり、4名の作業員がなくなっています。またトンネル工事の影響で雪崩や土砂崩れも起こり、ルートの変更や旅館の移転もされました。
 私は岐阜から向かいましたが、その日の宿泊は、松本側の旧道をトンネルから少し戻ったところにある中の湯温泉旅館でした。移転した旅館は、この中の湯温泉旅館でした。安房トンネルも安房峠も通りたいし、安房トンネルは有料なので2度も通るつもりはありません。なかなか難しい選択です。最終的に、トンネルを3度通ることになりました。
 実際には、岐阜の安房トンネルの入り口にあたる平湯温泉の駐車場にレンタカーを止め、そこからバスで上高地に向かいました。バスで上高地を往復することになるので、安房トンネルを2回通ることになりました。
 ご存知のように上高地はマイカーの乗り入れた禁止なので、公共の交通機関で行くしかありません。9月上旬だったので、夏休みも終わり、紅葉にも早い時期だったので、バスも数人乗っているだけで、のんびりと行き来できました。
 上高地で岳沢を見たあと、バスで岐阜側にもどり、レンタカーで自分の運転で安房トンネルを通りました。トンネルは、その掘削には地質の影響を受けるので、地質学者の興味をひきます。しかし、トンネルが出来ると、交通量の多いトンネルはコンクリートしかなく、車の流れに乗っかているだけで、その背景を感じる余裕がありませんでした。少々時間がかかっても、峠道を通ったほうがよかったのかな。後悔先に立たずですね。

・焼岳・
岐阜の新穂高温泉にいき、
長野の中の湯温泉旅館にいったのは、
焼岳を見るためでした。
焼岳は、活火山です。
現在は一部が登山可能ですが、
北峰は登頂はできますが、
南峰は崩落等で危険なため立ち入り禁止になっています。
中の湯温泉旅館は焼岳の登山口にあるので、
止まっている方の何割かは、登山客でした。
泊まった翌日、雨だったのですが、
いけるところまでいくという登山も客いました。
私は、見るだけでいいのです。

・上高地・
上高地にいくのは2度目でした。
最初は上高地に宿泊して、
2日間散策して堪能しました。
でも、もし天気がよくて
峠を通ることになっていたら、
上高地は行かなかったはずです。
天気がもう一つでしたが、
一時期だけ、雲が切れ岳沢がみえました。
やはり大きな山は迫力があります。
その谷あいをぬって流れる梓川もきれいで素晴らしいです。
そのヨーロッパのような景観を持った上高地に
観光客が多いのもうなずけます。
チャンスがあれば、紅葉に時期にいきたいものです。