2012年10月18日木曜日

4_108 羽越調査 5:有耶無耶


(2012.10.18)
 9月におこなった調査のシリーズは、今回で終わりにします。今回は、羽前と羽後の国境にある関(せき)の話です。関ができたのは、地形的に険しいところだからです。その険しさは、火山活動でした。シリーズの最後は少々「うやむや」になります。


 富山、長野、新潟、山形、秋田へとたどった野外調査の最後は、鳥海山にしていました。ただし、鳥海山に向かう前に、一箇所いってみたところがありました。ある史跡でした。
 日本海側の昔の国名でいうと羽前(山形県)と羽後(秋田県)の国境(くにざかい)にあり、三崎(みさき)山があります。南の不堂崎から大師崎そして観音崎まので3つの三崎があるので、三崎山と呼ばれています。三崎山は、鳥海山から流れた火山噴出物からできています。海岸は、日本海の荒波で侵食を受け、切り立った断崖になっています。
 海岸は断崖絶壁が連なり険しく、山間を通る三崎峠は、「馬も通れない」ほどの険しい難所とされていました。
 地形的に険しいところは、通れるところが限られるため、交通路の要や戦略的にも重要な地となります。9世紀頃、対立する蝦夷(えぞ)の侵入を防ぐために関がつくられていたようです。
 今回行きたかった史跡は、「有耶無耶(うやむや)の関」と呼ばれているところです。「うやむや」とは、はっきりしない、あいまいな、という意味です。「有耶無耶」の由来は、「うやむや」ではっきりしていないようですが、「有耶無耶」はもともと「有りや無しや」とよんだものを、「うやむや」と音読みしたという説もあります。語源も有耶無耶です。
 実はもうひとつ「有耶無耶の関」とされているところがあります。陸前(宮城県)と羽前(秋田県)の国境であった笹谷(ささや)峠のあたりにあったとされるものです。候補も2つあり、うやむやです。
 今回いったのは、山形県と秋田県の県境、三崎峠付近の関のあとになります。現在は国道脇のパーキングエリアに「奥の細道」や関の跡と示す看板がありました。しかし、それだけで何もありません。
 小高い丘を登る小道があったので、登ってみたのですが、すぐ下ってしまい何もないところでした。そこから少し歩くと、日本海の見える断崖にでました。すぐ脇には展望台もあり、雄大な日本海がみえました。でも、それだけで、なにもないところでした。
 有耶無耶の関があまりになにもないところなので、どこかにあるのだろうか不安になりました。歩いて旅行されている方が、展望台にいました。もしかした知っているかもしれないと思い、彼に聞いたら、ここが有耶無耶の関であるということも、ご存知ありませんでした。どこが有耶無耶の関なのかも、うやむやでした。
 パーキングエリアに看板だけがある史跡で、ほんとうに有耶無耶なところか思ってしいました。帰ってきてから案内図を写した写真をみて、気づいたのですが、旧道をさらにいったところに関のあとがあるようです。それを知らずにいました。
 その時私は、旅の最後が有耶無耶にならないように、最後の目的地である鳥海山に車を向けました。

・入試シーズン・
大学は来年度の入学に向けて
いろいろな動きが活発になってきました。
私立大学は国公立と比べて早めに動きます。
AO入試はすでにはじまっていて、
10月下旬にその合否の結果が発表されます。
11月には推薦入試の募集がスタートします。
そうなるといよいよ入試シーズンが
本格化してきます。
もちろん教員はそれに駆り出されます。

・それぞれの秋・
全国的に今年の夏から秋の暑さは
例年にないものでした。
9月下旬から10月にかけて
北海道では一気に秋が深まってきました。
ひと雨ごとに、朝夕の冷え込みが強くなっていきます。
自宅内でも一枚羽織らなければ肌寒さを感じます。
ストーブの使用もそろそろかもしれません。
紅葉は少々遅れているようですが、
秋の深まりを感じさせる日々が続きます。
しかしなぜか、うちの次男は
Tシャツ一枚で今も過ごしています。
家内からいわれて、
学校への行き帰りはヤッケを羽織っているようですが。
次男の夏はまだ終わっていないようです。