2026年4月9日木曜日

5_220 恐竜の卵の殻の年代測定 4:年代誤差と実用

 卵の殻化石の年代と他の方法の年代との間に、測定誤差以上の違いがありました。その違いの原因は、どのようなものだったのでしょうか。そしてこの誤差は許容できるのでしょうか。


 前回、卵の殻化石の年代測定の結果を紹介しました。卵の殻化石の年代は、9470万年前で、下の火山灰層の年代は9949万年前、上は9940万年前でした。年代値間の誤差は、約5%程度となるため、地層の年代を推定した年代と比べれば、十分実用可能であると、論文では判断しています。しかし、測定誤差を越える値は、気になるところです。
 論文では、化石の年代が若くなった原因を、詳細な元素分布の測定から探求しています。殻化石の断面を詳細にみていくと、堆積物との接触部で、化石に細孔、亀裂、裂け目などができているところでは水が浸透して、ウラン(U)を移動していた(吸収されていた)ことが示されました。
 このような変化は、殻の断面を連続的に分析することで、確認しています。親核種が移動(減少)していくと、娘核種の量も減っていきます。その結果、年代が若くなっていくことになります。似た現象は、第四紀の新しい時代の卵化石でも確認されています。試料が良質、つまり割れ目や亀裂などが少ないものが見つかれば、今回のような5%以下というかなり精度のいい年代測定ができることがわかってきました。
 論文では、他の地域の卵の殻化石で、年代測定をしています。東ゴビ盆地のティール・ウラン・チャルツァイ層のセインサンドで2022年に見つかった殻化石で測定しました。ここの地層には、年代測定できそうな火山岩や火山灰がないため、信頼できる年代値がえられていません。研究者によって、推定されている年代があるのですが、白亜紀前期と白亜紀後期と異なっています。ですから、この卵の殻化石の年代測定には、最適なテストとなります。
 殻化石の年代を測定した結果、7535±74/150万年前(白亜紀後期)という値になりました。定量的に比較検討できるものがないので、この年代の信頼度は定かでありません。この方法を使えば、それまで相対的な時代推定しかしていなかった地層で、年代値が決定できることが示されてきました。非常に重要な手法といえます。
 世界には、各地で年代が不明な卵の殻化石も見つかっています。恐竜の卵の殻化石ではジュラ紀前期(約2億年前)以降で、海棲爬虫類の卵殻は三畳紀(2億5000万年前)以降から見つかっています。そのような時代まで、この方法が適用できる可能性があることになったと、論文では指摘しています。まだまだ課題はいろいろありそうですが。

・行事と日常・
4月になりました。
3月からは、研究室の明け渡しをしたので
大学に一度もいっていません。
大学では、3月以降、集中講義や学位記授与式
二次入試や在学生ガイダンス、入学式など
いろいろな行事がありました。
大学と離れてしまうと、
学校行事や年度の変わり目で起こる
空気を感じなくなりました。
寂しさもありますが、
現在は、在宅での日常にも
慣れてきつつあります。

・懐かしき街へ・
現在、横浜に滞在しています。
このエッセイは、出かける前に
予約配信したものです。
毎年、恒例としている横浜訪問ですが、
神奈川県には、11年住んでいました。
その間、横浜市内、海老名市、
小田原市、湯河原町と住居と
点々と移してきました。
それぞれの地に、愛着があります。
今回は、海老名市と小田原市を
訪れようと思っています。
さて、訪れることができたのでしょうか。