2025年5月29日木曜日

1_233 スノーボールアースの開始 6:従来の説

 全球凍結からの回復は、火山活動によって大気中に二酸化炭素が蓄積され、その温室効果によると考えられます。全球凍結からは、必然的に回復できることがわかってきました。では、全球凍結への契機は、なんでしょうか。


 シミュレーションでは安定した状態であった全球凍結から、火山による大気中の二酸化炭素の蓄積によって、温暖化が起こりました。それは、必然的に起こる現象だったので、全球凍結からは必ず戻れることが示されました。では、どのような契機によって、全球凍結がはじまるのでしょうか。
 いくつかの要因が組み合わさって起こったと考えられてきました。一番の要因は、超大陸の存在です。
 原生代の11億年前には、大陸がほとんど一箇所に集まっており、超大陸(ロディニア超大陸と呼ばれていました)と呼ばれる状態になっていました。ロディニア超大陸は、赤道から南北に伸びる形で分布していました。大陸が一箇所に集まっていたため、海洋(パンサラッサ海と呼ばれていました)も一つだけになっています。そのような海と陸の配置は、海が一気に、そして全面的に、凍ってしまう状態でした。
 例えば、現在の海と陸の配置は、全球凍結になりにくい状態です。北極には海があるのですが、周辺は陸地に囲まれています。そのため、北極海が凍ったとしても、その凍結領域が外側に進出しにくい状態になっています。また、南極には大陸があり、現在も大半が氷に覆われていますが、陸にある氷床なので、夏には、周りの溶けてない海があり、氷と海が切り離されます。大陸が分散してるため、海が太平洋、大西洋、インド洋などに分かれています。海洋全体が北半球と同時に南半球も凍りつくことは難しくなります。ですから、ここ数百万年の間に、何度も氷河期が繰り返されていますが、全球凍結には進んでいません。
 全球凍結の直前、ロディニア超大陸は、原生代末の8億2500万年前から7億5000万年前にかけて、分裂をはじめていました。温かい地域に広がる大陸では降雨量も多く、陸地での風化作用が進んでいたところに、分裂によって河川や海岸線が広がり、さらに風化が進んでいきます。風化の結果、大気中の二酸化炭素が大量に消費され、温室効果も減っていきます。
 大陸は分裂していきますが、分布状態が超大陸の配置のままで、海がひとつで北極も南極にも海が広がっていました。極地で海が凍りだしすと、海全体が凍っていきます(負のフィードバックといいます)。いったんすべての海が凍ってしまうと、海を温めるための太陽エネルギーが海面で反射され(アルベドも一気に大きくなっていきます)、地球全体が短期間に寒冷化(暴走冷却)が進み、全球凍結に至ります。
 海が凍ると、水蒸気ができず、雲もできず、大気を通じた水の循環も停止し、大陸は干からびていきます。全球凍結のまま、地球全体は安定状態になります。
 以上のように、全球凍結になるためには、地球表層で地質学的特別な状態があったためだと考えられていきました。それだけでなく、新しい可能性があるという報告が2つ相次いで出されました。それは次回としましょう。

・夫婦で旅行・
今日から、夫婦で旅行に出かけます。
このエッセイも予約配信です。
退職後、校務や研究ではなく
のんびりと旅行を楽しみたいと思っています。
5泊6日間となりますが
ひとつの宿でレンタカーで
うろうろとしようかと思っています。
ただし、どこに行こうかなど決めずに
現地で、行き当たりばったりで
その日の行動を考えようと思っています。
こんな旅もいいのではないでしょうか。

・初夏のいい季節・
北海道は初夏のいい季節なりました。
朝、通勤している時、
快晴の抜けるように青空は
非常に心地よい思いで歩けます。
カッコウやヒバリの鳴き声も聞こえてきます。
初夏の花々も咲き出したました。
あちこち行楽にいきたくなります。
先日は中島公園とライラックまつりに出かけました。
平日だったのですが
海外からの人や高齢者の人も多かったです。
いい季節になったので、
行楽地はいつも混んでいますね。