化石の分析から海水の温度が推定できました。そこから大気の温度の推定がされますが、直接気温を推定しているわけではありません。気温の推定はどうのようにすればできるでしょうか。
前回は、連続した地層中の化石を入手することができれば、殻化石の酸素同位体組成から、その地域の水温が定量値として推定できることを示しました。化石の生息環境から、海底や海面の温度が推定できました。海面の温度は、大気の温度を反映していることを紹介しました。しかし、化石からの推定は、大気の温度つまり気温を直接測定しているわけではありませんでした。
直接、気温を探る方法もあります。同じ酸素同位体組成による仕組みを利用しますが、材料が氷です。極地では、毎年降雪があり年輪のような氷が堆積して氷床となります。降った雪がふかふかしており、空気を含んでいます。氷になっても、中にはその時代の空気も閉じ込められています。その空気はその地点の上空の大気となります。氷の中の空気を集めて、その酸素同位体組成を測定すれば、直接気温を計算することができます。
氷の層を一枚ずつ数えるのは困難で、年代補正として、噴火時期のわかっている火山灰などの層(鍵層 キーベッドと呼ばれます)を手がかりに年代を定めて、時代ごとの気温を定量的に求めることができます。
グリーンランドや南極などの氷床には、古い時代かたたまったものがあります。連続的に気温変化が測定されています。岩石と比べる氷にボーリングは楽なので、長いコア(氷の試料)が回収されています。そのような情報から、数100万年分くらいの気候変動が読み取られ、そこには氷河期と間氷期の多数の繰り返しがあったことも明らかになってきました。
氷床が手に入る時代は100万年前くらいまでです。それ以前の数億年前などの古い時代の気温を推定することはできません。一方、地層中の化石であれば、数億年前までの化石もあります。しかし化石となるような生物が多量に生存していたカンブリア紀(5億3880万年前から)から以降の時代になります。
カンブリア紀以前は、前回示した定性的な推定となります。有機物(生物由来の化合物)や特徴的な地層(縞状鉄鉱層やチャート)からえられる物質の酸素同位体組成から推定していくことになります。
カンブリア紀以前には、大きな気候変動が見つかってきました。その内容は次回としましょう。
・桜は足踏み・
北海道もやっと桜の季節になってきました。
わが町では、ツツジがすでに開花していますが、
次が、桜となります。
ただし、最近天気の悪い日、肌寒い日が続き
少々開花も足踏み状態になっています。
桜のソメイヨシノは一番先に咲くのですが、
少し気の早い木は咲いているのですが、
多くは蕾状態です。
桜は一気に咲きますが、ツツジは長く咲いています。
今週は、妻と花見や野山に散策などに
出かけたいと考えています。
・眼の不調・
眼の不調は、悪化はしていないですが、
悪い状態で足踏み状態です。
何度も医者にいっているのですが
現在の治療を継続して、様子見の状態です。
無理せずに、時間をかけてゆっくりと
対処療法を続けていくことになりそうです。