カンブリア紀までは、定量的な気温の推定が可能でしたが、それ以前の時代では定性的な推定になります。原生代には地球全体が凍ってしまうような、超寒冷化が起こっていたことがわかってきました。
これまで気温の推定法をいろいろ紹介してきました。カンブリア紀以前の連続的な気候変動は、定性的推定になっていきます。調べていく中で、激しい寒冷化が、原生代末に起こっていたことがわかってきました。
この寒冷化は、現在から数100万年前から繰り返し起こっている氷河期とは、桁違いのものでした。その時期、赤道付近の陸地からも氷河の堆積物があり、赤道付近まで海洋はすべて凍りついていたと考えられます。全球凍結と呼ばれ、地球全体がまるで雪玉のようになっていたと想定されることから、「スノーボールアース(Snowball Earth)」とも呼ばれています。
全球凍結の様子が、地質学的な証拠から推定されています。赤道付近の海まで1000mの厚さの氷がはるほど、寒かったとされています。もちろん夏でも解けることはありません。長い氷期が終わった後には、超高温期が訪れたと推定されています。
その後、詳しく調べられていくと、全球凍結は、原生代末に少なくとも2回、7.2億から6億6000万年前(スタルティアン氷期 Sturtian)と、6億5000万から6億3500万年前(マリノアン氷期Marinoan)が起こっていることが明らかになってきました。そして、それぞれの氷期の特徴もわかってきました。
スタルティアン氷期は、約5000万年もの非常に長期に渡り、寒冷化がもっとも厳しく、平均気温はマイナス40度以下で、赤道でも氷河堆積物が見つかっています。海洋では激しい酸欠が起こり、縞状鉄鉱層が堆積しています。その後の温暖化は顕著ではありません。
マリノアン氷期では、全球凍結は起こっていたようですが、氷河は成長と後退が繰り返され、大きな気候変動が起こってい多様です。そして、氷が溶けたあとに、急激な温暖化が起こり、その時の平均気温40°Cまで達していました。温暖化によって、大気中の蓄積されていた大量の二酸化炭素が、海水に溶け込んで、炭酸塩として大量に沈殿していきました。やがて、炭酸塩の厚い地層(キャップカーボネートと呼ばれています)となっていきます。
原生代末の全球凍結では、平均気温で80度もの気温差ができる、激しい気候変動となりました。このような2度の激しい寒冷化があったことは、多くの証拠から確認されてきました。
他に、もう2つの全球凍結が起こった可能性が指摘されています。
マリノアン氷期の後、5.8億年前のガスキアーズ氷期(Gaskiers)と呼ばれ、短期間(30万年間ほど)で局所的な寒冷化だった可能性があります。もう一つは、25億年前(原生代初期)のヒューロニアン氷期(Huronian )と呼ばれるもので、非常に長期に渡り(24億5000万から21億年前)、一時期全球凍結が起こったと推定されています。
なぜ全球凍結がはじまり、なぜ終了したでしょうか。それについては、次回としましょう。
・ゴールデンウィーク・
当初、ゴールデンウィークには、夫婦で、地元へ
何箇所か出かける予定をしていました。
しかし、いずれも、断念しました。
眼の調子がよくないのと
なにより天候が安定していないので
出かけることができませんでした。
曇ったり、雨が降ったり、寒い日が続きました。
晴れたとしても一時的で、不安定な日々でした。
そのため、大学と自宅と、
2度ほど買い物で街に出かけるだけでした。
そんな時期もあるでしょう。
これからは、平日にも出かけられますので、
よしとしましょう。
・仕事のペースを抑えて・
眼の炎症は、継続中です。
左目が、まだかすんでいます。
激しい炎症は少し治まったので
散瞳する目薬はささなくてよくなりました。
眼圧が上がってきており、
その治療が新たにはじまりました。
頻繁に病院にいっています。
そのため、最近は、仕事のペースが
ゆっくりとしたものになってきました。
むりせずに研究も進めていきましょう。
自宅でも作業できる環境を
構築していこうと少しずつ進めています。