今回の論文紹介に、なかなか入っていけないのですが、もうひとつ酸素同位体組成の意味を知っておく必要があります。このような基礎知識から、地質学の多くの成果を知ることができます。もう少しお付き合いください。
欧陽たちは、太古代(33億年前)にのみに産するカンラン岩質のコマチアイトの溶岩を用いて、化学分析をしてきました。分析した結果が、「軽い酸素同位体組成」というものでした。論文のタイトルも難しい内容になっています。酸素の同位体組成はどうのようなもので、そしてそれが軽いとは、どんな意味があるのでしょうか。説明していきましょう。
原子には水素の1からはじまる原子番号があります。原子番号とは陽子の数に相当します。陽子の数が、元素の性質を決めています。原子核には陽子の他にも中性子もあり、陽子と合わせたものを質量数といいます。一つの原子(同じ陽子の数)においても、中性子の数が異なったものがあり、それを同位体と呼びます。中性子の数が異なった同位体がいく種類ある元素もあり、その違いを利用し、物質の特徴や由来を調べていけることもあります。
酸素原子は、原子番号が8で、陽子が8個あります。酸素の同位体には質量数が、16(中性子が8個)、17、18のものが安定に存在しています。酸素は質量数16のもの(16O)は99.759%(原子比率 atom%)になり、17Oは0.037%、18Oは0.204%となっています。それらの比率を同位体組成といいます。
酸素の同位体は、元素としての挙動は同じですが、状態変化や温度変化に応じて、質量数に応じて少し比率が変わることがあります。このような変化を「同位体分別」といいます。
上で示した同位体組成は大気中のものです。18Oの同位体組成で見ていくと、海水は0.1995%となっています。これは、水分子(H2O)では軽い16Oを多く含んでいることを意味します。また水が蒸発する時、18Oを含んだ水より、16Oを含んだものより蒸発しにくいので、同位体分別が起こり軽くなっていきます。雨となり陸上に降った淡水や、雪や氷で極地で氷床となった18Oの同位体組成は、0.1981%という小さい値になっていきます。
極地の氷の18Oの比率が大きく(重く)なるということは、寒冷化により氷床が発達していくと、海水の16O比率が大きく(軽く)なっていきます。このような性質を利用して、氷床から当時の気候変動や、海底の堆積物中の微化石の殻の成分(炭酸カルシウムCaCO3)から海水温の変化などを探ることができます。
論文では、コマチアイト中のかんらん石((Mg,Fe)2SiO2)の酸素同位体組成と元素組成を調べています。その結果、かんらん石には、2つのグループがあることがわかってきました。その詳細は次回としましょう。
・我が家の正月・
わが町は、暮れには積雪がありましたが、
それほど多くの降雪もなく、
正月には、冷え込みはありましたが、
穏やかに、明けていきました。
元旦は一日、のんびりと夫婦とも自宅で過ごしていました。
家内は、いつもと同様に家事をしていたので、
正月気分が味わえないといっていましたが。
ニ日は、幸い快晴だったので初詣にいきました。
次男が元日夜に帰省していたので、
家内は買い物にでました。
三日は、次男も同窓会があると夜は出かけたので
家内も自宅でのんびりとしていました。
正月中は次男が帰省していたので
家内の仕事は増えていましたが。
・正月明けは・
昨年の暮れに、締め切りのある仕事を
大半、片付けてしまったので
正月はのんびりと過ごせました。
正月番組を見たり、録画して見ていなかったものなどを
少しずつ消化しました。
本を入れ込んだけの自宅の書斎も
未整理だったので、それを進めたり
などとりとめのない日々を
のんびりと過ごしました。
正月明けの4日からは、通常モードで、
大学で仕事はじめとしました。