2024年12月5日木曜日

4_189 支笏:カルデラの中の静寂

 支笏湖は、風光明媚で温泉もあり、千歳空港からも札幌からも近く、観光には恵まれた立地です。しかし、限られた所しか観光施設がないため、そこから少し離れると静寂があります。そんな静寂が好きです。


 11月下旬、支笏湖を訪れました。わが町では、数日前にかなりの積雪になったのですが、支笏周辺は降らなかったようです。ところが、訪れる前日に、支笏周辺の山域だけが雪となりました。支笏までの山道は、積雪があり凍っているところもありました。無理せずゆっくりとの走行しましたので、無事たどり着くことができました。
 支笏湖は、火山の雄大さと湖の神秘さ、森の静寂、そして温泉を湧いていると観光に恵まれた地となっています。湖畔からは、湖面越しに恵庭岳、樽前山、風不死岳の雄大な山体が眺められます。これらの山は、いずれも活火山です。
 支笏湖は4万年前ころに激しい噴火(支笏火山)が起こり、大量の火山砕屑物を放出しました。その噴出物は、大規模な火砕流となり、支笏の南側の白老町から、南東側の苫小牧市、そして東側の千歳市一帯を覆いました。その結果、以前は太平洋に流れ込んでいた石狩川がせき止められ、石狩湾に流れ込むようになりました。
 巨大な噴火で大量のマグマが放出されたことで、山体の直下で陥没が起こりました。その結果、直径12kmになるカルデラがでました。それが現在の支笏湖となります。支笏湖は面積も広く(日本で8番)、深い湖(日本で2番)です。もともとは丸い形のカルデラ湖でしたが、その後の火山活動で、現在のようないびつな形になっていきました。
 支笏湖ができてから、2万6千年前ころから支笏カルデラの中に、風不死岳ができました。カルデラの崖の上にあたるところに、9000年前の火山活動で樽前山ができ、少しの休止期をへて、17世紀と18世紀の噴火で山頂に火口ができ、1909年には溶岩円頂丘(遠くから見るとプリンのような形)ができました。現在も、山頂周辺では噴気が上がっています。
 恵庭岳は、2万年前ころにカルデラ壁で火山活動をはじめ、山体ができました。しばらく休止した後、17世紀になって水蒸気爆発が起こり、東側に火口(爆裂火口といいます)ができました。その生々しい火口の地形は現在も残されています。
 支笏湖は、観光地ですが、少しはずれれば周辺には森が広がっているので、静寂を味わえます。出かけた時の帰りや、自宅からも近いため散策に訪れていました。
 今回は野外調査は抜きで、家内と二人で、自然の散策と温泉、そして美味しい料理を楽しみに出かけました。途中で昼食をとって、早目に着きました。森を散策しようと思っていたのですが、積雪のため、ホテルの人に長靴やブーツがないとだめだと止められました。仕方なく、きっさコーナでコーヒーを飲みながら、窓越しに景色を見て過ごしました。朝には、いろいろな野鳥が観察できました。静寂の中で、ゆったりとした、穏やかで豊かな時間を過ごすことができました。

・厚さ寒さ・
先週前半は、温かい日もあったのですが、
週末には冷え込んで雪となりました。
例年の寒さに戻ったようです。
寒暖の変化が激しいと
防寒着も、厚手のものや薄手のものへと
日によって着替えていくことになります。
まあ、季節の変化なので
自分で対処するしかないのでしょう。

・忙しくても・
とうとう師走になりました。
校務が忙しく落ち着いきません。
特に、11月から2月にかけては
次々と重要な校務が続きます。
そこに私事の所要も重なっています。
気が休まらない日が続いています。
我が大学では、退職までの1年間は
落ち着いて研究をまとめるという意味を込めて
校務は少なくするというのが暗黙にあるのですが、
人員が減っているのに、校務が増えています。
そのため、退職前も校務が押し寄せます。
まあ、致し方ないことですが
与えられた業務、すべき作業を
淡々と優先順に進めていきます。
ただしなにがあっても、
研究の進行も止めることなく
進めていかなければなりません。