2024年11月14日木曜日

3_224 内核の回転 3:後退運動

 内核が回転していること、運動は一定ではなくブレがあることは、以前から知られていました。今回の研究で、内核の回転が、ここ10年ほどで後退していることがわかってきました。


 いよいよ観測の結果を紹介していきましょう。20年以上に渡った地震波の観測値を用いたことから、経年変化が読み取ることができました。
 同じ震源からの複数の地震波を観測することで、昔のものと一致するような地震波を発見しました。このような一致から、内核がマントルに対して、過去と同じ位置に達したと区別できました。その結果、数年から数10年かけて回転の変化が読み取られてきました。
 内核は2003年から2008年にかけて、一回りしました。その後、2008年から2023年にかけては、同じ経路をゆっくりと回転していることがわかりました。回転速度が、2分の1から3分の1くらいになっています。2010年ころから減速がはじまり、後退(backtracking)と呼ばれる状態になっていることがわかりました。ここでいう後退とは、地表からみて、自転より遅れる状態になっていることです。
 このような内核の回転速度は変化は、以前の研究でも知られていました。また、後退していることも知られていました。そのような変動が、自転軸を中心に8.5年の周期で起きているらしいこともわかっていました。後退の現象は、ここ40年間は起こっていませんでしたが、今回、後退が見つかりました。
 巨大な内核の運動が、急激に変化することが示されましたが、その原因は、まだ不明です。液体の鉄の外核の中に、固体の鉄の内核が浮いている状態です。その運動を左右するには、かなり大きな力、エネルギーが必要となるはずです。
 その候補に、外核の対流の変化が考えられます。もし外核の対流のパターンに変化が起これば、地磁気への変化も起こるはずです。あるいは逆に地磁気の変化が、外核に対流に変化を及ぼし、内核の回転にブレーキをかけたのかもしれません。
 今回の研究の後退という結論についても、今後、議論が進むことでしょう。内核の運動は、地球の自転に影響があるはずです。内核の回転が遅くなっているのであれば、自転も遅くなっているはずです。その変化は非常に小さいでしょうが、もしかすると観測できるかもしれませんね。そうなれば、後退現象が事実と認定できるでしょう。

・大雪・
先週はじめに、近くの山並みに
初冠雪を見たと思っていたら、
里にも初雪が降りました。
シーズンのはじめの雪としては、
積雪量が多くて、驚きました。
いつもお世話になっている
自動車の整備工場にいって
冬タイヤに交換してもらいました。
週末になっても、まだ溶けません。
今年の初雪は大雪となりました。

・続けて医院へ・
今週の前半は、医院に続けていきます。
検査とその結果を聞くこと、
常用薬をもらうことになります。
医院はたいてい混んでいるので、
曜日や時間帯を考えていかないと
何時間も待つことになります。
選んでいっえも、半日仕事になります。
医者にかかるにも体力が必要です。