2017年5月18日木曜日

4_138 山陰の旅 2:高梁

 今回の調査行では、ちょっとした寄り道をしました。他の候補地もあったのですが、高梁に立ち寄ることにしました。高梁の訪れたのは、特別暑い日でしたが、堪能しました。

 今回の山陰の旅では、実は岡山に立ち寄りました。岡山で訪れたいところがあったからです。午前中に岡山県内の目的の地点を見ました。その後、移動して午後からは、井原か高梁を回ろうと考えていました。近いのですが、両方回るのは大変なので、どちらにするかを迷っていました。
 井原は、私が修士論文を書いたときのフィールドだったので、私にとってはかつての古戦場のようなところです。博士論文の時代にも何度か訪れています。できれは再訪してみたいと思っていました。一方、高梁は、井原に調査にいくときいつも通っていた町でした。車窓から何度も見ていて、いい町だなあと思っていました。博士論文の調査で、一度だけ休憩で少し立ち寄りました。その時も、歩き回ることはありませんでした。ですから、機会があればのんびりと訪れたいなと思っていました。
 どちらにするか迷いましたが、井原になるとより移動距離が多くなるので、高梁に泊まることにしました。高梁は松山城で有名だそうです。私は、詳しくないのですが。昔の天守が残っている山城としては、唯一のものだそうです。天守や二重櫓や土塀の一部が中世の古いものですが、多くの部分は近世に改築されたものだそうです。
 松山城は小さな城なのですが、山の地質や地形を利用して構築されたもので、なかなか風格のある山城でした。古い石垣や城郭が、露岩の上に構築されている。自然の岩石を利用したなかなか工夫の凝らされた城です。こんな山の上に、現代の科学技術もない時代に、このような大規模な城をつくる労力を考えると、昔の人たちにいはすごい技術と知恵があったことに感心します。
 松山城は、町の北にある標高約480mの臥牛山(うしぶせやま)に築かれています。この臥牛山から市街地まで含めて、この地域には後期白亜紀(約1億年前~6500万年前)の領家(りょうけ)帯(厳密には新期領家帯とされる)に属している花崗岩類からできています。そのような岩石がこの山を形成しています。この山の岩石は、詳しく見ていないのが残念なのですが、火山岩類でしょうか、節理の発達した結晶の小さな岩石に見えました。
 城までの道が狭いので、城の下には大きな駐車場があり、そこからバスで登ることになっていました。ゴールデンウィークの始まりでもあったので、観光客で一杯でした。こんなに有名になったのは、大河ドラマ「真田丸」のオープニングに使われたそうです。私はドラマは見ていないので、訪れるまではよく知りませんでした。実際の画像は、いろいろCGで加工されているようですが。
 実はもっと石をしっかり見ておくべきでしたが、この日は非常に暑くて日陰を選んで歩いていました。ゴールデンウィークの前半、西日本は非常暑い日でした。前日は大山の山麓で宿泊していたので、朝は肌寒いくらいでした。そこから一気に暑い夏のような日となりました。今思えば、もう少しよく見ておきべきでした。後悔先に立たずですね。

・雲海の城・
雲海の城としては竹田城が有名ですが、
竹田城は城郭がないので、石垣の城跡が雲海に浮かんでいます。
ところが、松山城は城郭があるので、
雲海の城としては見ごたえがあります。
翌日の早朝に宿をでたのですが、
雲海の城を見ることにチャレンジしてもよかったのですが、
当日は、移動も長く高速が混むと嫌だったので、
朝一番から移動することにしました。
実は竹田城がある和田山の近くに行ったのですが、
私はまったく興味がないので、
混むと嫌なので、和田山は避けて移動しました。

・石火矢町・
高梁は、松山城だけでなく、石火矢(いしびや)町という
古い町並みもあり、観光地になっています。
ここを一度ゆっくりと歩いてみたいと思っていました。
城下町の武家屋敷が並んでいます。
白壁や土壁が続いたり、川にかかる橋も風情があります。
映画のロケ地として何度も登場している街だそうです。
私は「男はつらいよ」で寅さんが
滞在した町であることは知っていました。
今回始めて歩きましたが、なかなかいい街でした。
ただし暑かったですが。