2015年10月22日木曜日

4_126 残念シリーズ 5:横倉山

 このシリーズも今回が最後になります。最後は四国の残念をお送りします。横倉山は、2度の失敗に終わっているところです。そのうちなんとか目的を達成したいと考えているます。いつになるかは未定ですが。

 今まで、このシリーズを、9月に出かけた九州の地で進めてきたのですが、今回は5月にいった四国の話になります。紹介するのは横倉山です。高知県高岡郡越知町にある山です。標高は793mですが、下から見るとけっこう険しい山稜となっています。この山が石灰岩からできている山だからです。
 険しい山なのですが、車で標高600m付近までいけ、登山道もしっかりしているので、登りやすい山でもあります。
 ここには2度訪れ、2度とも途中で調査を断念しています。いずれも横倉山の調査が一番の目的ではなかったためでした。ついでに寄ったり、条件が悪くて、出直す時間もなくて途中で断念してしまったのです。
 一度目は、2010年でした。いの町に向かう途中、はじめて横倉山の近くに来たので、地質学では有名な地なので、立ち寄りました。でも十分な下調べもせず、車で向かう途中で軽く石をみていこうかな、と思っていました。その日は、午前中移動で、午後に付近の石灰岩のカルスト(少々残念でした)、佐川町の佐川地質館、越智町の横倉山自然の森博物館を見た後、横倉山に車で行けるところまで行こうと進んでいました。あわよくば岩石が見ることができればと思っていました。何箇所かで岩石の露頭をみましたが、風化が激しいものでした。
 駐車場に車を停めたのは、午後のかなり遅い時間でした。そこから少し山を歩いてみようと思い、急いで歩き出し杉原神社まで行きました。そこは、静かな落ち着いた場所で、神々しさや荘厳さを感じるところでした。古い杉が林立しているので暗く、日もだいぶ傾いてきたので、急いで撮影だけして、降りることにしました。結局、目的の石灰岩をみることなく、山を降りることになりました。
 2度目は今年の春でした。今年は、層状チャートを見るつもり時間がとっていたのですが、予定が変わったので、横倉山に登ろうと考えました。一番上の駐車場まで車で上がり、そこから登りました。その日は、あいにくの雨でした。傘をさして、杉原神社を過ぎ、さらに上の横倉宮までいきました。宮の周辺では石灰岩の露頭をみることはできました。時折激しく降る雨のために、この時も横倉宮で断念して引き返しました。
 横倉山は、黒瀬川構造帯と呼ばれるもの岩石類がでているところです。黒瀬川構造帯は、九州から四国、紀伊半島まで、点々と分布する地質体で、非常に古い岩石から構成されています。大陸を構成した岩石、火山噴出物、浅海堆積物、熱帯の海で形成された石灰岩などがその構成岩石です。不思議な構成の岩石で、その起源についはまだ決着をみていません。
 横倉山では、古い時代(シルル紀)のサンゴ、三葉虫、層孔虫、腕足類などの化石がでることで有名でした。それを見たいと思っていました。しかし、残念な結果に終わったままです。なかなかチャンスに恵まれないのですが、次回は横倉山を目的に登りたいと考えています。いつになることでしょうかね。

・優先順位・
今回の残念ながら「残念シリーズ」は終わりです。
いろいろ調査にでかけますが、
すべての目的が達成できるとは限りません。
調査では、優先順位をつけています。
今回の横倉山も優先順位が低かったのです。
そのうち、優先順位を上げて、
きっちりと見る日が来ることを願っています。
優先順位は研究テーマと深い関わりがあるので、
研究計画にもとづいて決めています。
今年は、層状チャートが中心になっていました。
近いうちに黒瀬川構造体も重点テーマにする予定もあります。
そのときはぜひ見に来たいと思っています。
いつかは、まだ未定ですが。

・深まる秋・
我が家では、ほぼ毎朝ストーブをたくようになりました。
夜は気温次第でたかない日もありますが。
この1週間ほどで、北海道に一気に秋が深まりました。
紅葉も進み、落葉の一気に進んでいます。
晴れの日があまり続かないので
少々物足りない秋に感じます。
しかし、着実に秋は深まっています。