2014年11月27日木曜日

1_136 地球の水の起源 2:3つの仮説

 地球の水の起源には、いくつか仮説が提唱されています。時代によっていずれかの説が優勢になりました。少し前までは隕石起源が有力でした。最近新しい考えがいろいろでてきました。水の起源の説を広く概観していきましょう。

 地球の水の由来に関して、いくつもの説が登場し、時期によって支持される説も変わってきました。最近も、新しい報告が出てきていて、勢力図が変わるかもしれません。
 水の由来にかんする説は、大きく3つに分けられます。その3つの説の概要を紹介しましょう。
 まず一つ目は、1980年代に登場した脱ガス説です。脱ガス説は、前回紹介したコンドライトに含まれている揮発成分が、地球の水の起源だと考えるものです。地球の材料にもともと水が含まれていたというものです。地球をつくった材料は、最初は隕石のような小さいものからスタートし、最終的には微惑星と呼ばれるくらいの大きさまで成長した天体でした。
 微惑星が衝突合体して原始の地球に成長していくのですが、衝突の時に発生する高圧高温によって、微惑星からの脱ガスが起こるというものです。微惑星はコンドライト質の物質からできているので、そこには大量の揮発成分が含まれていると考えるわけです。その揮発成分が、地球の水の起源だとするものです。
 しかしこの説には、問題がありました。宇宙空間では気圧が低い(真空に近い)く、太陽からの地球の位置も近く、H2Oは液体の水ではなく水蒸気の状態であると考えられます。水蒸気は固体には取り込まれにくい「相」です。そのため地球軌道付近でできたコンドライトや微惑星には、H2Oの成分を含みにくいという難点があります。その課題は、H2Oの微粒子への吸着などで、少しは取り込めるはずということで解決しようしています。
 2つ目の説は、レイトベニア説と呼はれるものです。地球の水の占める割合は、質量でみると0.02%にすぎません。この程度の量であれば、地球が出来上がってから、水を含んだ炭素質コンドライトでできた微惑星や氷でできた彗星が衝突すれば、供給できるというものです。脱ガス説と似ていますが、時期と規模が違い、一度の衝突で水の起源を解決できるという利点があります。さらにこの仮説は、本来なら核(コア)にあるべき元素(Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au)が、地球のマントルには多く含まれている、という特徴も説明できるという利点もあります。このような利点から、近年この説が支持されてきています。
 最後の説は、原始地球がガスとして取り込んだというガス捕獲説です。太陽の系形成時期に存在したはずのガスの成分の中に、もともとふんだんにあったH2O、あるいは水素と酸素を大気として原始地球が捕えたというものです。原始地球が月くらいのサイズになると、引力で周辺のガスを集めることが可能になります。そこに水蒸気もしくは水素と酸素があれば、反応してH2Oになり、温度が冷えればやがて海ができると考える説です。
 いずれがもっともらしいかは、まだ議論されているところです。今回、2つの説を支持する報告が相次ぎました。詳しくは次回です。

・レイトベニア・
レイトベニア(late veneer)説とは、
ベニア板の表面にある薄い化粧板のように、
後から少しだけ付け加える
という意味で付けられた名称です。
あまりいい呼び名とも思えませんが、
このような名称は、多くの人が使用すれば定着していきます。
それよりも、この説が受けいられるかどうか方が重要でしょう。

・日が短い・
北海道は雪が降ったり
温かい雨が降ったりと
寒さと温かさが行ったり来たりしながら
冬に向かっています。
11月も下旬になり日が短くなってきたました。
この頃は、4時前に日の入りがあり、
4時過ぎには暗くなってきます。
日の出は、6時半頃です。
日の出前に自宅を出て、
日の入り後に帰るという季節になりました。
冬至まであとひと月足らずです。
ますます日が短くなります。