2014年9月18日木曜日

6_121 丸山電気石 1:新鉱物

 「丸山電気石」という鉱物が、新鉱物として認定されました。この鉱物は、海外で発見されたのですが、日本人の名前がついたものとなりました。発見者も日本人です。この新鉱物をめぐる概要とその意義を紹介していきましょう。

 早稲田大学の清水連太郎さんと小笠原義秀教授により、「丸山電気石」という鉱物が発見されました。小笠原さんたちが申請して、2014年2月に新鉱物として承認されました。
 新鉱物とは、今まで見つかっていない鉱物のことです。新鉱物と認定されるには、それなりの手続きが必要となります。また、「丸山」とは、東京工業大学の丸山茂徳さんのことで、鉱物に人の名前がつくには、それなりの条件があります。その辺りの事情を紹介していきましょう。
 新鉱物は、研究者が今まで調べられていない環境や地域に調査をしたり、新しい分析装置が導入されたりすると、多くの新鉱物が見つかることがあります。
 新しい地域としては、極地の調査や月面探査など、人類が今まで行ったことのない地域の試料が入手できるようになった時などです。新しい装置とは、微小、微量の試料で、新鉱物認定の際に必要な分析データがとれるようなもの開発されることです。微小部の化学組成の分析ではEPMA(電子線微小分析機)、質量分析ではSIMS(二次イオン質量分析機)、X線回折ではμXMD(微小部X線回折装置)などが開発された時、新しい鉱物が多数見つかってきました。
 現在では、かなりの鉱物が知られており、肉眼で見えるような大きな新鉱物は少なくなっています。それでも、定常的に新鉱物が見つかっています。ただし、顕微鏡で見なければならないような小さいものが多くなっています。
 岩石を顕微鏡などで調べていくと、今までその種の岩石や、その地域から見つかっていなかった、見慣れない鉱物の存在に気づくことがあります。単に研究者自身が知らない場合もあります。そんな場合、その鉱物を調べていくと、今まで知られていることがわかります。時には、新鉱物の場合もあります。いずれにしても、注意深く岩石を観察し、諦めることなくその鉱物がどんなものかを詳しく調べていく忍耐と労力が必要になります。
 新鉱物の発見は、それなりの科学的データをそろえて、国際鉱物学連合(IMA)に申請して、承認されるという手続きを踏んでいかなければなりません。必要なデータとしては、鉱物の産状記載、化学組成、結晶構造、物理的特性などで、小笠原さんらはカナダ・マニトバ大学のHawthorne教授らと共同で申請を行いました。そして、承認の結果が、2014年6月、Mineralogical Magazine(鉱物学雑誌)に鉱物の内容が報告され、8月には国際鉱物学連合のホームページでも公開8月にプレス発表がありました。

・空騒ぎ・
以前に書いたことがあったのですが、
私も新鉱物を発見したことがあります。
EPMAで分析しているとき、
ある岩石には通常では考えられてない鉱物が見つかりました。
ケイ素(Si)が多く、酸化物ではない組成でした。
SiCという鉱物が候補として考えられました。
玄武岩ではそんな鉱物が存在するはずがありません。
でも、現実にその可能性がありました。
研究所で私が騒いだので、ある人が答えを出してくれました。
それは、研磨剤だというものでした。
岩石を磨く時に使うもので
「カーボランダム」として知られていました。
まあ、空騒ぎで終わりました。

・秋・
北海道は急に秋めいてきました。
晴れると温かいのですが、
曇っていて風でもあると、肌ざむく
上着やヤッケがないと過ごせないほどの気温となりました。
9月も下旬になろうとしてます。
そろそろ紅葉がはじまる季節となりました。