2010年12月2日木曜日

6_82 はやぶさの偉業:イトカワ1

 小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルの中から見つかった小さな粒子は、イトカワのものであることが判明しました。そのニュースと背景について、紹介します。

 今年6月13日「はやぶさ」の帰還が大きなニュースになりました。それ以来、「はやぶさ」のニュースは、今までの偉業を称えるかのように、報道されるようになりました。暗い日本のニュースの中では、人々に明るい話題として、受け入れられます。
 「はやぶさ」、ニュースにもあまり取り上げられることもなく、2003年5月9日に打ち上げられ、トラブルに見舞われながらも、航行し2005年9月に小惑星イトカワに到着しました。そして、2005年11月には、イトカワにタッチダウンし、サンプルを取得しました。しかし、そのとき先日(11月29日)のニュースによれば、岩石採取のための金属球を発射する予定が、発射しないというトラブルがありました。それが、地上から送ったプログラムにミスがあったのが原因だったことが分かったとのことです。過去の出来事に「もし」はないのですが、機械的なトラブルでなかったことなので、人為ミスはチェックさえできていれば、うまくいったかもと、悔やまれます。
 予定を大幅に上回る7年以上におよぶ飛行の後、イトカワのサンプルが入っているかもしれないカプセルを地球に送り返して、本体の「はやぶさ」はその使命を終え、大気圏で燃え尽きました。
 その後、カプセルは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパス内の今回のために用意されたキュレーションセンターに持ち込まれました。帰還カプセルのサンプルコンテナの開封、採取作業が、6月24日から続けられていました。その作業状況は、ニュースとして流れ、一喜一憂した人も多かったのではないでしょうか。
 そして10月8日に、カプセル内の微粒子が見つかり、その粒子がイトカワ由来かの調査に入りました。そして、11月16日、その微粒子が、小惑星イトカワ由来のものと判明したというニュースとなりました。関係学会からのメッセージも出されました。
 これでまた、「はやぶさ」の偉業が付け加わったことになります。その微粒子はどのように見つけられ、そしてなぜイトカワのものと確認されたのでしょうか。それは次回としましょう。

・科学者へ・
私は、アポロの偉業をみて少年時代を過ごしました。
ですから、科学が偉大な成果を上げると、
ついつい興奮してしまいます。
その偉業の背後には、
不眠不休の血のにじむような
努力を続けている科学者を存在を感じます。
自分とは違った道を歩んでいる科学者たちですが、
同じ科学を志す人の偉業にも感動します。
今回、科学者たちは、
失敗も成功も、ミスもそのミスを補ったことも、
そしてけっして諦めていないことを
市民にメッセージを出してくれました。
そのオープンマインドと執念が心を打ちます。
これからも、「はやぶさ」は私たちを
楽しませてくれことを願っています。
そして「はやぶさ2」にも期待しています。

・師走・
秋から冬に季節は巡ります。
紅葉もだいぶ終わりになってきました。
そして、月日は流れ師走となりました。
私も、あわただしくなります。
12月締め切りの論文があるのと、
年末の行事がいくつかあるためです。
残されたサバティカルの4ヶ月を
満喫しようと思います。