2007年6月7日木曜日

3_56 人工石:思い出の石ころ5

 石は自然界で、自然の力によってつくられたものです。しかし人間も似たような条件を再現したら石のようなものができます。今回は、そんな石のようなものの話です。


 不思議な石があります。それは、灰色としていうのですがテカテカした石です。磨いたわけでも、ニスを塗ったわけでもあります。その石の中には、灰色の地の部分に、白い結晶がたくさん見えます。見かけは石に似ています。しかし、自然の石とは違って、見慣れないものです。
 石というのは、もともと自然のものですが、私が持っているこの石は、実は自然のものではありません。人工のものということになります。でも、意図して造られたものではなく、製品とも違います。
 回りくどい言い方をしましたが、これは、焼却炉でゴミを焼いた灰に、ガラスを混ぜてできたものです。焼却灰を固化するために、実験的に行われたものです。しかし、融けた焼却灰を取り出す予定が、出口に詰まってしまったため、実験は失敗に終わりました。そのため、高価な焼却炉が壊れました。
 実験の失敗の原因を究明するために、焼却炉を解体されました。詰まっていたものが取り出されました。それは石のようなものでした。その石がどのようなものかを調べるために、私のところに持ってこられました。鑑定してほしいという依頼でした。
 私は、その石に興味を持ちました。それは、今まで見たこともないものですが、石に見えました。その石を調べれば、どのような経歴を持っているかを知ることができると、その時思ったからです。
 私は石のでき方、そしてそのでき方を調べる方法を知っています。
 その石は、焼却灰にガラスの成分が加えられて、融けてできたものです。融けたものは、マグマとみなすことができます。マグマの成分は、石をそのまま分析すれば知ることができます。石の中にどのような結晶があるかは、顕微鏡を使えばわかります。また、結晶の成分は、分析装置を使えば調べられます。そのような情報があれば、どのような条件でその石ができたかを知ることができます。
 調べると多少の変動はありますが、一般の焼却灰は、ある一定の成分を持っていることがわかりました。そこにガラスの成分を加え、炉をある条件にすると、焼却灰は融けはじめます。その融けた焼却灰がマグマとみなせます。あるスピードで冷やせば、マグマからいくつかの結晶が、条件にしたがって出てきます。その過程は、私が調べてわかりました。
 この成果を、学会で発表しました。しかし、私が属している学会ではそのような研究分野はありません。廃棄物学会というのに急遽入会し、学会発表と論文発表をしました。
 焼却灰も石になれば、コンパクトに、そして安全に処理できます。まして、製品になれば、社会的にも重要な貢献となります。そのような展望も論文には書きました。いいこと尽くめなんですが、その後、その石の話がどう進展したかは、連絡ないのでわかりませんが。
 この研究は、私にとって本業ではなかったのですが、非常に面白い経験でした。まったくタイプの違う学会での発表も楽しみました。そんな経験をさせてくれた石は、今も私のロッカーの中にあります。

・はしか・
6月になりました。
北海道ではいろいろヨサコイ祭りはじまりました。
ただ心配は麻疹です。
ご存知のことと思いますが、
麻疹と書いて「はしか」と読みます。
本州の多数の大学で発生し、休講措置がとられています。
北海道でも、すでに4名の発病者がいるようです。
わが大学でも非常に緊張して、いろいろな告知がされています。
もし大学関係で、3名の発病者がでれば、休講になるようです。
ヨサコイ祭りのように多くの人が日本全国から集まると、
伝染病は広まりやすくなります。
予防接種も今、在庫不足のようです。
今年は素直に祭りを楽しめないようです。

・イベント続き・
ヨサコイ祭りの話をしましたが、
北海道は今行事がいろいろ行われています。
北海道には梅雨がなく、一番いい季節なので、
行事がつぎつぎと行われます。
子供たちの小学校では、今週末に運動会があります。
大学の学部の1年生の体育大会もあります。
学科の子供向けの行事もあります。
隣の大学では、我が家が毎年行っている大学祭があります。
地区のジンギスカンパーティがあります。
子供祭りもあります。
イベント続きで楽しいのですが、
体調だけには注意が必要ですね。