プレートが動くのは、地球内部の熱が外に向かって放出される、という天体の熱の営みによるものです。固体内を、物質が移動しながら熱が伝わるという現象は、マントル対流と呼ばれています。理屈は単純ですが、実際に起こる現象は複雑です。その単純さと複雑さを結ぶ因果関係は、まだ解明できてないことも多々あります。
プレートが動くのは、プレートの下に滑りやすいアセノスフェアがあることがひとつの要因でした。しかし、動かす駆動力が問題となります。現在でも、この全貌はまだ完全には解明されていませんが、2つの駆動力があるとされています。
一つは、海嶺での広がる力です。大陸が割れはじめのとき、大陸プレートが広がります。そのきっかけは、大陸プレートの下部に、熱いマントル物質が上昇してくるためです。マントル対流の上昇部が、大陸プレートの下にくることになります。それには、必然性があります。
マントルは、対流によって地球内部の熱を地表に運びます。熱の放出場は、火山です。大規模な火山は、海洋プレートの境界になっている中央海嶺となります。大陸プレート内には火山はありますが、大規模なものは稀で、大陸下部は、長らくて熱を放出することがなく、熱が蓄えられることになります。そのため、大陸下には、熱いマントルが存在することになります。なにかのきっかけがあると、大陸下部から熱いマントルが上昇してきます。
割れた大陸の間には、地下ではマントルが上昇し、地表では海が侵入します。その結果、海嶺が形成され、海洋プレートが形成されることになります。海嶺は、マントル対流の熱の出口として、両大陸プレートを両側に広げます。やがては、海洋プレートが広がっていくことになります。これが、プレートを動かす力となっています。
海洋地殻は玄武岩からできていますが、その下には玄武岩が抜け出した、でがらしのマントルの岩石(ハルツバージャイトと呼ばれます)があります。玄武岩とハルツバージャイトを合わせれば、もとのマントルの成分になりますが、水分やガスなどの気体、液体成分は抜けていきます。玄武岩とハルツバージャイトが分離した状態で、海洋プレートとになります。
大陸プレートの広がる力は、ある一定以上に海洋地殻が広くがるとそれほど強くなくなり、プレート移動の駆動力ではなくなります。そこで、もう一つの駆動力として、海溝に沈みこむ海洋プレートによる引っぱる力が、重要になってきます。
そもそも海溝ができるのということは、冷えた海洋プレートが、マントルのアセノスフェアにもぐる込むことです。これは、海洋プレートが、アセノスフェアより、密度が大きくなるためと考えられています。
海嶺でできたばかりの海洋プレートは、温度が高いため、密度は小さくなっています。時間がたっていくにつれて、海洋プレートが冷えてきます。ある時間がたつと、つまり一定以上に広がった海洋プレートは、アセノスフェアにもぐりこむ密度になります。すると、海溝が形成されます。相手がたとえ海洋プレートであっても、古い方が沈み込んでいきます。
熱いマントルが、海洋プレートになり地表(実際には海底)で冷やされます。冷えた海洋プレートは、密度が大きくなりマントルに沈み込みます。この力もなかり強いようで、力関係でいうと、大きな海では、海溝の沈み込みよる引っ張りの力によって、海嶺が広がり、そこにマグマが上昇してくるということになってしまうようです。その転換期は、いつ、どこかになるのかなどは、まだよく分かっていないようです。
海溝で下へ向かうプレートの動きも、一連のマントル対流の一部とみなせます。プレートテクトニクスとは、マントル対流の地表付近の営みを見ていることになります。ただし、熱いマントルが上昇してきて、表面で冷えたマントルとして、また地球内部にもどっていくという単純なものではありません。詳細に見ると、いろいろな場所や時期ごとに、複雑な現象の因果関係の事象を起こしています。それらの複雑な事象が、大局的に見ると、マントル対流になっていることが、わかってきたのです。
・お盆・
いよいよ、お盆シーズンとなりました。
我が家は、北海道でじっとしています。
今週は卒論学生と個別に
論文指導の面談をしています。
そのため、週末でないと休みがとれません。
さらに、研究室は暑いので、
午前中しか仕事になりません。
午後には、自宅に帰ります。
これは、毎年のことなので、なれていますが、
ただ今年は、湿度が高く、
北海道らしくない夏となっています。
連日、朝のうちは曇っていて、
午後に晴れてくるというパターンの繰り返しです。
ただ、時々雨がぱらつくこともあるので、
出かけるのに躊躇します。
まあ、今週はお盆なので、
どこにいっても混んでいそうなので、
人のあまり来ないところを探して
出かける予定です。
・旅の報告・
先週、道南に旅をしたのですが、
今回のテクトニクスのシリーズが始まって、
区切りがつかず、ついつい紹介できずにいます。
8月末には、1泊2日で西予市に出かけます。
9月上旬には、宮崎に1週間、
中旬には、日高に4日ほどでかける予定です。
下旬連休には、ふるさとの京都に家族で帰省する予定です。
あわただしい日々の後に、
連休明けには、後期の授業が始まります。
ですから、シリーズの終了後も、
ばたばたしているので、旅を紹介できるのは、
だいぶ先になりそうです。
まあ、気長にお付き合いください。
2009年8月13日木曜日
2009年8月6日木曜日
5_79 構造:テクトニクス3
いよいよ、今回から、プレートがなぜ動くかの説明となります。プレートが動く理由のひとつは、その構造にあります。硬いプレートの下に、軟らかい岩石からできている動きやすい層があるためです。その説明をしていきましょう。
地表で見ると、プレートは10数枚に区分されています。地殻もマントルも、種類は違いますが、岩石からできています。岩石とは、そもそも硬いものです。なのにプレートとして、それぞれがすべるように移動するのは、なぜでしょうか。それは、硬いプレートの下部には、同じ岩石でも、少々性格の違うものがあるからです。
プレートの厚さは、平均としては100km程度ですが、場所によってさまざまな厚さになっています。海洋地殻では、70kmほどで薄いのですが、大陸地殻の下では、厚く、200kmほどになるところもあります。
プレートの厚さは、岩石とマントルの密度の関係で決まってきます。大陸地殻は、海洋地殻に比べ密度が小さくなっています。マントルは、海洋地殻と比べても、密度が大きくなります。密度の大きなマントルに上に、薄い海洋地殻と厚い大陸地殻が浮かんでいるような状態になっています。まるで、水(マントル)に浮んだ木(地殻)のようになっています。
軽くて厚い大陸地殻は、上にも出っ張っていますが、地下にも深く入りこんでいます。一方、密度の大きい海洋地殻は薄いにもかかわらず、低くなっているのは、密度が大きくマントルへの沈み込みのためでもあります。そのような地殻の性質を反映して、海洋のプレートは薄く、大陸プレートは厚くなっています。このような密度によるバランスを、アイソスタシーと呼んでいます。
アイソスタシーが成り立つということは、マントルを構成している岩石が、地殻の密度と体積に対応して、自由に上下できる流動性があることを示しています。ところが、マントルは、そもそも固体のはずです。プレートの下の岩石もマントルで固体のはずですが、流動性を持っているのです。少々奇異な感じがします。
それは、岩石が軟らかくなっているためです。なぜ軟らかいのかというと、岩石は高温高圧条件に置かれると、たとえ溶けていなくても、可塑性、流動性がでてくるためです。キャラメルが固体なのに、温かいと割れることなく形を変えられるのと同じ理由です。もちろん、さらさらと流れるわけではなく、長い時間をかけて、ゆっくりと流動することになります。
このような軟らかい部分は地震波で調べられていて、地球内部での分布がわかっています。軟らかい部分は、地震波の伝わる速度が遅くなることから、低速度層と呼ばれています。低速度層は、70kmから250kmほどの深さのところに広がっています。
低速度層の始まりは、場所によって違います。その違いは、大陸プレートと海洋プレートの違いを反映してます。この低速度層のはじまりが、プレートの底となります。
低速度層は、アセノスフェアと呼ばれています。アセノスフェアとは、軟らかい岩石の部分です。アセノスフェアに対して、プレートの硬い部分は、リソスフェアと呼ぶこともあります。
このような流動性があるアセノスフェアの上に、硬いプレート(リソスフェア)が乗って動いていることになります。アセノスフェアが流動できるので、リソスフェアが硬いプレートとして動くことになります。つまり、プレートとその下のアセノスフェアというセットになった構造が、プレートが動ける要因となります。
では、プレートを動かす原動力はなんでしょうか。それは次回としましょう。
・道南の旅・
8月上旬の4日間、道南にでかけていました。
道南といっても、かなり中央よりで、
長万部、黒松内、島牧、瀬棚のあたりをうろうろしていました。
ただ、4日間、ほどんど毎日、
一日で雨、曇り、晴れが繰り返すような
天候不順でした。
外で行動するにはあまりよくない天気でした。
あいにく天候でしたが、
行くべきところをキャンセルしましたが、
思わぬ発見もありました。
旅行には、思わぬ出来事がつきものです。
そんな旅行を楽しました。
その様子は近々紹介します。
・定期試験・
大学は、今週が定期試験の期間です。
8月になっての試験は、暑いので大変です。
何のための夏休みなのでしょうか。
暑いから夏休みのはずが、一番暑いときに試験とは
どうなっているのでしょうか。
まあ、北海道では、暑いのはほんの1、2週間ほどです。
ですから、1ヶ月も2ヶ月も夏休みはいらなくなります。
じっさい小中高校の夏休みは、30日程度で
本州より10日ほど短くなっています。
その分冬休みが長くなっています。
本当に寒いのは、冬休みが終わってからの、
1月下旬から2月にかけてなのですが。
地域ごとにもっと、自由に休みや運営をすればいいのですが、
一度できた慣習はなかなか変えられないものです。
来週から、大学は2ヶ月近く夏休みとなります。
しかし、私は、来週から採点と卒論生との面談があります。
私の夏休みは、8月下旬になってからです。
地表で見ると、プレートは10数枚に区分されています。地殻もマントルも、種類は違いますが、岩石からできています。岩石とは、そもそも硬いものです。なのにプレートとして、それぞれがすべるように移動するのは、なぜでしょうか。それは、硬いプレートの下部には、同じ岩石でも、少々性格の違うものがあるからです。
プレートの厚さは、平均としては100km程度ですが、場所によってさまざまな厚さになっています。海洋地殻では、70kmほどで薄いのですが、大陸地殻の下では、厚く、200kmほどになるところもあります。
プレートの厚さは、岩石とマントルの密度の関係で決まってきます。大陸地殻は、海洋地殻に比べ密度が小さくなっています。マントルは、海洋地殻と比べても、密度が大きくなります。密度の大きなマントルに上に、薄い海洋地殻と厚い大陸地殻が浮かんでいるような状態になっています。まるで、水(マントル)に浮んだ木(地殻)のようになっています。
軽くて厚い大陸地殻は、上にも出っ張っていますが、地下にも深く入りこんでいます。一方、密度の大きい海洋地殻は薄いにもかかわらず、低くなっているのは、密度が大きくマントルへの沈み込みのためでもあります。そのような地殻の性質を反映して、海洋のプレートは薄く、大陸プレートは厚くなっています。このような密度によるバランスを、アイソスタシーと呼んでいます。
アイソスタシーが成り立つということは、マントルを構成している岩石が、地殻の密度と体積に対応して、自由に上下できる流動性があることを示しています。ところが、マントルは、そもそも固体のはずです。プレートの下の岩石もマントルで固体のはずですが、流動性を持っているのです。少々奇異な感じがします。
それは、岩石が軟らかくなっているためです。なぜ軟らかいのかというと、岩石は高温高圧条件に置かれると、たとえ溶けていなくても、可塑性、流動性がでてくるためです。キャラメルが固体なのに、温かいと割れることなく形を変えられるのと同じ理由です。もちろん、さらさらと流れるわけではなく、長い時間をかけて、ゆっくりと流動することになります。
このような軟らかい部分は地震波で調べられていて、地球内部での分布がわかっています。軟らかい部分は、地震波の伝わる速度が遅くなることから、低速度層と呼ばれています。低速度層は、70kmから250kmほどの深さのところに広がっています。
低速度層の始まりは、場所によって違います。その違いは、大陸プレートと海洋プレートの違いを反映してます。この低速度層のはじまりが、プレートの底となります。
低速度層は、アセノスフェアと呼ばれています。アセノスフェアとは、軟らかい岩石の部分です。アセノスフェアに対して、プレートの硬い部分は、リソスフェアと呼ぶこともあります。
このような流動性があるアセノスフェアの上に、硬いプレート(リソスフェア)が乗って動いていることになります。アセノスフェアが流動できるので、リソスフェアが硬いプレートとして動くことになります。つまり、プレートとその下のアセノスフェアというセットになった構造が、プレートが動ける要因となります。
では、プレートを動かす原動力はなんでしょうか。それは次回としましょう。
・道南の旅・
8月上旬の4日間、道南にでかけていました。
道南といっても、かなり中央よりで、
長万部、黒松内、島牧、瀬棚のあたりをうろうろしていました。
ただ、4日間、ほどんど毎日、
一日で雨、曇り、晴れが繰り返すような
天候不順でした。
外で行動するにはあまりよくない天気でした。
あいにく天候でしたが、
行くべきところをキャンセルしましたが、
思わぬ発見もありました。
旅行には、思わぬ出来事がつきものです。
そんな旅行を楽しました。
その様子は近々紹介します。
・定期試験・
大学は、今週が定期試験の期間です。
8月になっての試験は、暑いので大変です。
何のための夏休みなのでしょうか。
暑いから夏休みのはずが、一番暑いときに試験とは
どうなっているのでしょうか。
まあ、北海道では、暑いのはほんの1、2週間ほどです。
ですから、1ヶ月も2ヶ月も夏休みはいらなくなります。
じっさい小中高校の夏休みは、30日程度で
本州より10日ほど短くなっています。
その分冬休みが長くなっています。
本当に寒いのは、冬休みが終わってからの、
1月下旬から2月にかけてなのですが。
地域ごとにもっと、自由に休みや運営をすればいいのですが、
一度できた慣習はなかなか変えられないものです。
来週から、大学は2ヶ月近く夏休みとなります。
しかし、私は、来週から採点と卒論生との面談があります。
私の夏休みは、8月下旬になってからです。
2009年7月30日木曜日
5_78 分布:テクトニクス2
前回は、プレートの紹介をしました。プレートとは、地殻とマントル上部の硬い岩石が板として振舞うものです。プレートは、現在の地球上で何枚あり、どのような動きをしているでしょうか。また、どのような分布をしているのでしょうか。
プレートとは、100km程度の厚さの地殻とマントル上部が、岩石の板として動くというものでした。プレートは、硬い岩石が、板のように塊として振舞います。では、その板は、地球の表面を何枚で覆い、どのような運動をしているのでしょか。
現在の地表は、代表的なものとして14枚のプレートがあります。ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、太平洋、ココス、ナスカ、カリブ、アフリカ、南極、アラビア、インド・オーストラリア、フィリピン海、スコシア、ファンデフカの14枚です。大きさは、さまざまです。一枚に見えるプレートにも境界があったり、複雑な地域では、多数のプレートに細分が可能であったりします。解釈によって、プレートの数は、変わってきます。
そもそもプレートの区分や運動は、海洋底の調査から分かってきたものです。
海洋地殻の最上部は、玄武岩からできています。玄武岩は、海嶺で噴出したマグマが固まったものです。マグマが固まるとき、磁性のある鉱物(磁鉄鉱など)も結晶化します。そのとき磁性のある鉱物は、地球の磁場の向きに並んで岩石の中に取り込まれます。岩石全体としては、マグマが固まったときの地球磁場をそのまま記録していることになります。
地球の磁場は、過去に何度もN極とS極が入れ替わっていることがわかっています。その記録が、海洋底の岩石には残されていました。これは、海洋底拡大の証拠となりまた。また、プレートの運動の歴史が記録されていることにもなるわけです。磁気の反転が繰り返される縞模様は、海嶺で新しく形成された海洋地殻(プレート)の拡大していく様子が、磁気テープのように残されているのです。その縞模様から、プレートの移動速度と方向の記録が、読み取ることができます。
この方法は、海嶺があることろの記録が主になります。また、これでは、現在行われている運動ではなく、過去の運動を読む取ることになります。岩石の磁気の記録から、プレートの速度や方向を読み取ったのですが、現在ではプレートごとの運動を、実測できるようになってきました。
プレートの運動は、GPSやVLBI(で超長基線電波干渉法)はなどと呼ばれる手法で、移動速度と方向が実測されています。これらの手法は、過去の運動は分かりませんが、現在起こっているプレートの運動が、正確に決定されてきます。
調査が進むと少々困ったことになってきました。大きなプレートでは、同じプレート内で、何箇所かの測定がなされています。すると、一つのプレート内で移動速度や運動の向きが、違っていることがわかってきました。これでは、硬い板としてのプレートの振る舞いに矛盾をきたします。
そのような矛盾を解消するために、大きなプレートは細分されています。現在のところ、40枚ほどのプレートに細分することで、説明されています。しかし、必ずしもそれぞれのプレートが独自の運動をしているわけでもなく、はっきりと分離できないものも含まれています。つまり、ある隣り合ったプレートとは違った運動をしているのですが、別の隣接するプレートとは似た動きをしていることがあります。
このような理由のため、研究者によって、プレートの数は、いろいろな値になってしまいます。まあ、背景を知っていれば、数の違いも気にならないのですが。
では、プレートは、なぜ動くのでしょうか。それは次回以降としましょう。
・エゾ梅雨・
梅雨明けになったようですが、
本州の方は、カラッとした夏の天気になったでしょうか。
北海道は晴天率が低く、低温が続いています。
晴れても、湿度が高いため、蒸し暑い日となります。
まるで梅雨のような天候が続いています。
これをエゾ梅雨というのでしょうか。
少々時期が違うので、エゾ梅雨ではないような気がします。
・予告違い・
あまり気づかれた方はおられないと思いますが、
前回、「では、なぜプレートは動くのでしょうか。
それは次回としましょう。」
という文章で終わりました。
実は今回も同じような内容の文面で終わりました。
今回、プレートが動く理由を説明するつもりでしたが、
書いているうちに、違うものになってきたのです。
申し訳ありませんでした。
そして、今回も同じ予告をすることになりました。
次回こそ、理由を説明するつもりで、一部書きはじめました。
すると、またまた、プレートの構造と
動く理由の両方が入った内容となりました。
でも理由を説明するためには、
プレートの構造も必要となります。
ですから、2回にわたって、理由説明をすることになります。
しかし、書き続けると、また違った内容になるかもしれません。
そんなことなら、次回予告などしなければいいのですが、
ついつり筆の勢いで、書いてしまいます。
ですから今回は「次回以降」という表現にしました。
寛容な目で見過ごしてください。
プレートとは、100km程度の厚さの地殻とマントル上部が、岩石の板として動くというものでした。プレートは、硬い岩石が、板のように塊として振舞います。では、その板は、地球の表面を何枚で覆い、どのような運動をしているのでしょか。
現在の地表は、代表的なものとして14枚のプレートがあります。ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、太平洋、ココス、ナスカ、カリブ、アフリカ、南極、アラビア、インド・オーストラリア、フィリピン海、スコシア、ファンデフカの14枚です。大きさは、さまざまです。一枚に見えるプレートにも境界があったり、複雑な地域では、多数のプレートに細分が可能であったりします。解釈によって、プレートの数は、変わってきます。
そもそもプレートの区分や運動は、海洋底の調査から分かってきたものです。
海洋地殻の最上部は、玄武岩からできています。玄武岩は、海嶺で噴出したマグマが固まったものです。マグマが固まるとき、磁性のある鉱物(磁鉄鉱など)も結晶化します。そのとき磁性のある鉱物は、地球の磁場の向きに並んで岩石の中に取り込まれます。岩石全体としては、マグマが固まったときの地球磁場をそのまま記録していることになります。
地球の磁場は、過去に何度もN極とS極が入れ替わっていることがわかっています。その記録が、海洋底の岩石には残されていました。これは、海洋底拡大の証拠となりまた。また、プレートの運動の歴史が記録されていることにもなるわけです。磁気の反転が繰り返される縞模様は、海嶺で新しく形成された海洋地殻(プレート)の拡大していく様子が、磁気テープのように残されているのです。その縞模様から、プレートの移動速度と方向の記録が、読み取ることができます。
この方法は、海嶺があることろの記録が主になります。また、これでは、現在行われている運動ではなく、過去の運動を読む取ることになります。岩石の磁気の記録から、プレートの速度や方向を読み取ったのですが、現在ではプレートごとの運動を、実測できるようになってきました。
プレートの運動は、GPSやVLBI(で超長基線電波干渉法)はなどと呼ばれる手法で、移動速度と方向が実測されています。これらの手法は、過去の運動は分かりませんが、現在起こっているプレートの運動が、正確に決定されてきます。
調査が進むと少々困ったことになってきました。大きなプレートでは、同じプレート内で、何箇所かの測定がなされています。すると、一つのプレート内で移動速度や運動の向きが、違っていることがわかってきました。これでは、硬い板としてのプレートの振る舞いに矛盾をきたします。
そのような矛盾を解消するために、大きなプレートは細分されています。現在のところ、40枚ほどのプレートに細分することで、説明されています。しかし、必ずしもそれぞれのプレートが独自の運動をしているわけでもなく、はっきりと分離できないものも含まれています。つまり、ある隣り合ったプレートとは違った運動をしているのですが、別の隣接するプレートとは似た動きをしていることがあります。
このような理由のため、研究者によって、プレートの数は、いろいろな値になってしまいます。まあ、背景を知っていれば、数の違いも気にならないのですが。
では、プレートは、なぜ動くのでしょうか。それは次回以降としましょう。
・エゾ梅雨・
梅雨明けになったようですが、
本州の方は、カラッとした夏の天気になったでしょうか。
北海道は晴天率が低く、低温が続いています。
晴れても、湿度が高いため、蒸し暑い日となります。
まるで梅雨のような天候が続いています。
これをエゾ梅雨というのでしょうか。
少々時期が違うので、エゾ梅雨ではないような気がします。
・予告違い・
あまり気づかれた方はおられないと思いますが、
前回、「では、なぜプレートは動くのでしょうか。
それは次回としましょう。」
という文章で終わりました。
実は今回も同じような内容の文面で終わりました。
今回、プレートが動く理由を説明するつもりでしたが、
書いているうちに、違うものになってきたのです。
申し訳ありませんでした。
そして、今回も同じ予告をすることになりました。
次回こそ、理由を説明するつもりで、一部書きはじめました。
すると、またまた、プレートの構造と
動く理由の両方が入った内容となりました。
でも理由を説明するためには、
プレートの構造も必要となります。
ですから、2回にわたって、理由説明をすることになります。
しかし、書き続けると、また違った内容になるかもしれません。
そんなことなら、次回予告などしなければいいのですが、
ついつり筆の勢いで、書いてしまいます。
ですから今回は「次回以降」という表現にしました。
寛容な目で見過ごしてください。
2009年7月23日木曜日
5_77 プレートとは:テクトニクス1
だれもが、よく耳にするプレートやテクトニクスについて考えていきます。案外、その詳細を知らない人が多いのではないでしょうか。内容は高校の地学レベルです。今回から、数回にわたってプレートとプルーム、そしてテクトニクスとは、何かを見ていきます。
プレートテクトニクスという言葉は、多くの人が聞いたことがあると思います。若い人は、皆、学校でも習ったはずです。でも、学校で習ったことがすべて身についているかというと、それはなかなか難しいようです。残念ながら、1980年以前に高校を卒業した私のような年配の人は、習っていませんが。
現在の大学生、特に文系と名乗る学生は、プレートテクトニクスに関する理解は、そう深くなさそうです。私は、文系で小学校教員を目指す学生たちにも教えているのですが、彼らも状況はあまり変わらないようです。
大人の人でも、文系と思っている人、あるいは理系の人でも、地球科学に興味のない人は、プレートやテクトニクスの意味や、プレートテクトニクスと地震や火山の関係を理解している人は、どれくらいいるでしょうか。また、日本のプレートテクトニクスにおける特殊性を知っている人はどうでしょうか。
もちろん、プレートテクトニクスも科学ですから、まだ分からないこと、新しく分かったことなどもあり、その知識や体系は変化しています。新しいところでは、プルームとプルームテクトニクスとは何か、を見ていくことにしましょう。これも、最近、高校の教科書に登場してきたものです。
プレートテクトニクスの基礎知識からいきましょう。まずは、プレートとは、何か、からです。
プレートとは、plateのことで、「板」という意味です。地球の表面を、岩石が板状の塊として動いているので、プレートと表現したわけです。「板」とはいっても、地球の表層ですから、非常に大きなサイズになりますが。
地球は、外側から気体、液体、固体からできています。気体は大気、液体は海洋で、固体は少々複雑です。固体は、外側はマントルと地殻で岩石から、内側は核と呼ばれ、鉄からできています。マントルの外側と地殻がプレートとして振舞います。
プレートは、マントルと地殻の硬い岩石からできています。「硬い」とは、力が加わっても固体として振舞うという意味です。ある一定以上の力が加わると、「硬い」固体は割れてしまいます。そのような硬い岩石をプレートと読んでいます。
では、なぜプレートが動くのでしょうか。それは、次回としましょう。
・日食・
さて、皆さんの地域では日食は見られたでしょうか。
私は、曇り空であきらめていたのですが、
雲の切れ間か、雲越しでしたが、
部分日食を観察することができました。
ピンホール効果を期待して、準備をしていたのですが、
雲越しだったので、
影はほとんどできずに撮影できませんでした。
しかし、幸いにも、雲越しに直接、
部分日食をとることができました。
家内にビデオで撮影をしてもらいました。
あきらめずに、空を見ていたからでしょうか、
今回、北海道でも日食を観察できました。
・教科書・
小学校の学習指導要領や指導要領解説理科篇などでは、
プレートという語はでてきません。
しかし、教科書の解説では、
プレートと火山、地震の関係が述べられています。
中学校の第二分野の「地球と宇宙」の単元では、
プレートによる説明が行われています。
高校の地学では、「活動する地球」という単元で、
より詳細なプレートの運動を扱うことになっています。
ですから、高校で地学をとらなかった人も、
小学校や中学校の理科で、
プレートやプレートテクトニクスを習っているはずです。
ですから、もしその授業を覚えていれば、
プレートテクトニクスの意味はわかるはずです。
でも、現実は、なかなかそうもいかないようです。
最近の教科書と自分の習ったころのものを比べてみると
その違い驚くことがあります。
それこそが、学問の進歩の結果なのです。
プレートテクトニクスという言葉は、多くの人が聞いたことがあると思います。若い人は、皆、学校でも習ったはずです。でも、学校で習ったことがすべて身についているかというと、それはなかなか難しいようです。残念ながら、1980年以前に高校を卒業した私のような年配の人は、習っていませんが。
現在の大学生、特に文系と名乗る学生は、プレートテクトニクスに関する理解は、そう深くなさそうです。私は、文系で小学校教員を目指す学生たちにも教えているのですが、彼らも状況はあまり変わらないようです。
大人の人でも、文系と思っている人、あるいは理系の人でも、地球科学に興味のない人は、プレートやテクトニクスの意味や、プレートテクトニクスと地震や火山の関係を理解している人は、どれくらいいるでしょうか。また、日本のプレートテクトニクスにおける特殊性を知っている人はどうでしょうか。
もちろん、プレートテクトニクスも科学ですから、まだ分からないこと、新しく分かったことなどもあり、その知識や体系は変化しています。新しいところでは、プルームとプルームテクトニクスとは何か、を見ていくことにしましょう。これも、最近、高校の教科書に登場してきたものです。
プレートテクトニクスの基礎知識からいきましょう。まずは、プレートとは、何か、からです。
プレートとは、plateのことで、「板」という意味です。地球の表面を、岩石が板状の塊として動いているので、プレートと表現したわけです。「板」とはいっても、地球の表層ですから、非常に大きなサイズになりますが。
地球は、外側から気体、液体、固体からできています。気体は大気、液体は海洋で、固体は少々複雑です。固体は、外側はマントルと地殻で岩石から、内側は核と呼ばれ、鉄からできています。マントルの外側と地殻がプレートとして振舞います。
プレートは、マントルと地殻の硬い岩石からできています。「硬い」とは、力が加わっても固体として振舞うという意味です。ある一定以上の力が加わると、「硬い」固体は割れてしまいます。そのような硬い岩石をプレートと読んでいます。
では、なぜプレートが動くのでしょうか。それは、次回としましょう。
・日食・
さて、皆さんの地域では日食は見られたでしょうか。
私は、曇り空であきらめていたのですが、
雲の切れ間か、雲越しでしたが、
部分日食を観察することができました。
ピンホール効果を期待して、準備をしていたのですが、
雲越しだったので、
影はほとんどできずに撮影できませんでした。
しかし、幸いにも、雲越しに直接、
部分日食をとることができました。
家内にビデオで撮影をしてもらいました。
あきらめずに、空を見ていたからでしょうか、
今回、北海道でも日食を観察できました。
・教科書・
小学校の学習指導要領や指導要領解説理科篇などでは、
プレートという語はでてきません。
しかし、教科書の解説では、
プレートと火山、地震の関係が述べられています。
中学校の第二分野の「地球と宇宙」の単元では、
プレートによる説明が行われています。
高校の地学では、「活動する地球」という単元で、
より詳細なプレートの運動を扱うことになっています。
ですから、高校で地学をとらなかった人も、
小学校や中学校の理科で、
プレートやプレートテクトニクスを習っているはずです。
ですから、もしその授業を覚えていれば、
プレートテクトニクスの意味はわかるはずです。
でも、現実は、なかなかそうもいかないようです。
最近の教科書と自分の習ったころのものを比べてみると
その違い驚くことがあります。
それこそが、学問の進歩の結果なのです。
2009年7月16日木曜日
3_77 高温のマントル:コマチアイト3
コマチアイトの起源をさぐっていくと、太古代のマントルに異常な高温域があったことが分かってきました。そもそもコマチアイトが火山として噴出するには、はやりマントル全体が高温でなければなりません。その熱のもとは、地球の形成時に蓄えられたものでした。
コマチアイトは、マントルが大きな部分溶融をしためできたことがわかってきました。マントルの部分溶融の程度を増やすには、通常より温度が高ければいいのです。温度が高ければ、よりたくさんのマントルが溶けます。
地球のマントルですから、いくらでも上げるというわけにはいきません。地球史上、あるいは地球熱史上、許される範囲があるはずです。岩石を溶かしてみる実験などで、その溶ける温度を推定することができます。コマチアイトのようなMgOの多いマグマは、非常に高温(1650℃以上)の条件で形成されます。もちろん、この温度は、現在のマグマのできる温度よりかなり高いものです。
ところが、これほど温度が高くなくても、部分溶融の程度を上げることができます。それは、溶けるマントルに少量の水(重量比で3~5%)があれば、部分溶融の程度を増やすことができます。コマチアイトができたマントルに水があったのか、なかったのかによって、想定されるマントルの温度も変わってくることになります。
イギリスのベリー(Berry, Danyushevsky, O'Neil, Newville & Sutton)らは、その問題を解決したという論文を、昨年(2008年)の10月にネイチャーという雑誌に発表しました。
ベリーらは、ジンバブエの27億年前のコマチアイトを使いました。カンラン石の結晶の中に閉じ込められているメルト(液体という意味)を見つけて、分析しました。このメルトは、結晶の中に取り込まれているので、包有物(インクルージョン)と呼ばれています。メルト包有物とは、カンラン石が結晶化するとき、つまりカンラン石ができるときのマグマが取り込まれて、そのまま保存されたものです。つまり、コマチアイトのマグマそのものです。メルトとはいっても、現在はガラスになっています。
もしカンラン石が変質していなければ、メルト包有物も、もとのままの状態で保存されているはずです。そのような包有物を見つけて、ベリーらは、鉄の酸化状態(すべての鉄の中で3価の鉄イオンの占める比率)を調べました。すると、マグマの鉄の酸化の程度は非常に低く、現在の中央海嶺の玄武岩と同じだということがわかりました。このような低い酸化度は、海嶺玄武岩のように非常に水の少ない環境(重量比で0.2~0.3%)でできたと推定されました。
以上のことから、コマチアイトは、1700℃ほどの高温の条件で、マントルがたくさん溶けてできたことになります。1700℃は、マントルでも異常な高温ですが、このような異常に温度の高いマントルが、太古代にはあったことになります。
通常は、地表近くまでマグマが上がってくると、冷却にともなってカンラン石ができてマグマから取り除かれ、MgOの濃度は下がっていきます。しかし、コマチアイトは溶岩として地表に流れ出ています。これは、昔の地球内部が、今よりももっと温度が高かった可能性を示しています。なぜ高温であったのでしょうか。
案外簡単に答えは見つかります。その答えは、地球が熱い状態からスタートしたからです。材料となる小惑星が衝突合体しながら、地球は形成されました。衝突時にはその場はものすごい高温状態になります。地球の内部に蓄えられた熱は逃げにくく、熱くなった地球はなかなか冷めません。そんな地球の誕生のシナリオが描かれています。その名残の熱は、今も地球内部に蓄えられています。ですから、太古代には、地球形成時の名残の熱がまだ十分に残っていたのです。
コマチアイトのスピニフェクスには、そのような意味があったのです。
・感傷に浸る・
先日、写真を整理していました。
すると、ついつい写っているときのことを
思い出してしまいます。
つまり感傷に浸っているのでしょう。
それはそれで楽しいのだですがが、
ついつい見入ってしまいます。
たまたまその作業は仕事として行っていたのですが、
気づくと結構時間がたってしまっていました。
結局他の仕事へのしわ寄せがいきます。
感傷に浸ることも、自分の首を占めているのですね。
・長男の成長・
長男が自分自身の進路について考え始めました。
先日、進路について今までとは違う考えができたようです。
なぜ変更したかを聞いたら、
その理由を忘れたといいます。
そんな大事なことを忘れるとは信じられないのですが、
まあそれは、今度思い出しておくといってます。
それより、自分自身のことを、刹那的な思いではなく、
親の許容条件、自分の能力、嗜好、夢など
いろいろな条件を考え、客観的に考えることが
少しはできるようになったのでしょうか。
それとも単に、刹那的な心変わりなのでしょうか。
自分自身のことを、深く考えられるようになったのであれば、
これは成長とえいます。
次は親を乗り越えるためのステップへと進むのでしょう。
そうなると私がそれにどこまで対抗出るのでしょう。
できるだけ大きな壁になっていこうと考えていますが、
どれだけ立ちはだかられるでしょうか。
あっさりと、かわされるかもしれませんが。
まだ、少ししか話していないので、
長男の本心はわかりません。
もっと話をしていく必要がありそうです。
コマチアイトは、マントルが大きな部分溶融をしためできたことがわかってきました。マントルの部分溶融の程度を増やすには、通常より温度が高ければいいのです。温度が高ければ、よりたくさんのマントルが溶けます。
地球のマントルですから、いくらでも上げるというわけにはいきません。地球史上、あるいは地球熱史上、許される範囲があるはずです。岩石を溶かしてみる実験などで、その溶ける温度を推定することができます。コマチアイトのようなMgOの多いマグマは、非常に高温(1650℃以上)の条件で形成されます。もちろん、この温度は、現在のマグマのできる温度よりかなり高いものです。
ところが、これほど温度が高くなくても、部分溶融の程度を上げることができます。それは、溶けるマントルに少量の水(重量比で3~5%)があれば、部分溶融の程度を増やすことができます。コマチアイトができたマントルに水があったのか、なかったのかによって、想定されるマントルの温度も変わってくることになります。
イギリスのベリー(Berry, Danyushevsky, O'Neil, Newville & Sutton)らは、その問題を解決したという論文を、昨年(2008年)の10月にネイチャーという雑誌に発表しました。
ベリーらは、ジンバブエの27億年前のコマチアイトを使いました。カンラン石の結晶の中に閉じ込められているメルト(液体という意味)を見つけて、分析しました。このメルトは、結晶の中に取り込まれているので、包有物(インクルージョン)と呼ばれています。メルト包有物とは、カンラン石が結晶化するとき、つまりカンラン石ができるときのマグマが取り込まれて、そのまま保存されたものです。つまり、コマチアイトのマグマそのものです。メルトとはいっても、現在はガラスになっています。
もしカンラン石が変質していなければ、メルト包有物も、もとのままの状態で保存されているはずです。そのような包有物を見つけて、ベリーらは、鉄の酸化状態(すべての鉄の中で3価の鉄イオンの占める比率)を調べました。すると、マグマの鉄の酸化の程度は非常に低く、現在の中央海嶺の玄武岩と同じだということがわかりました。このような低い酸化度は、海嶺玄武岩のように非常に水の少ない環境(重量比で0.2~0.3%)でできたと推定されました。
以上のことから、コマチアイトは、1700℃ほどの高温の条件で、マントルがたくさん溶けてできたことになります。1700℃は、マントルでも異常な高温ですが、このような異常に温度の高いマントルが、太古代にはあったことになります。
通常は、地表近くまでマグマが上がってくると、冷却にともなってカンラン石ができてマグマから取り除かれ、MgOの濃度は下がっていきます。しかし、コマチアイトは溶岩として地表に流れ出ています。これは、昔の地球内部が、今よりももっと温度が高かった可能性を示しています。なぜ高温であったのでしょうか。
案外簡単に答えは見つかります。その答えは、地球が熱い状態からスタートしたからです。材料となる小惑星が衝突合体しながら、地球は形成されました。衝突時にはその場はものすごい高温状態になります。地球の内部に蓄えられた熱は逃げにくく、熱くなった地球はなかなか冷めません。そんな地球の誕生のシナリオが描かれています。その名残の熱は、今も地球内部に蓄えられています。ですから、太古代には、地球形成時の名残の熱がまだ十分に残っていたのです。
コマチアイトのスピニフェクスには、そのような意味があったのです。
・感傷に浸る・
先日、写真を整理していました。
すると、ついつい写っているときのことを
思い出してしまいます。
つまり感傷に浸っているのでしょう。
それはそれで楽しいのだですがが、
ついつい見入ってしまいます。
たまたまその作業は仕事として行っていたのですが、
気づくと結構時間がたってしまっていました。
結局他の仕事へのしわ寄せがいきます。
感傷に浸ることも、自分の首を占めているのですね。
・長男の成長・
長男が自分自身の進路について考え始めました。
先日、進路について今までとは違う考えができたようです。
なぜ変更したかを聞いたら、
その理由を忘れたといいます。
そんな大事なことを忘れるとは信じられないのですが、
まあそれは、今度思い出しておくといってます。
それより、自分自身のことを、刹那的な思いではなく、
親の許容条件、自分の能力、嗜好、夢など
いろいろな条件を考え、客観的に考えることが
少しはできるようになったのでしょうか。
それとも単に、刹那的な心変わりなのでしょうか。
自分自身のことを、深く考えられるようになったのであれば、
これは成長とえいます。
次は親を乗り越えるためのステップへと進むのでしょう。
そうなると私がそれにどこまで対抗出るのでしょう。
できるだけ大きな壁になっていこうと考えていますが、
どれだけ立ちはだかられるでしょうか。
あっさりと、かわされるかもしれませんが。
まだ、少ししか話していないので、
長男の本心はわかりません。
もっと話をしていく必要がありそうです。
2009年7月9日木曜日
3_76 部分溶融:コマチアイト2
コマチアイトの特異性を前回、紹介しました。今回は、化学成分の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。そこから、コマチアイトが、どのようなでき方をしたかを読み取ることができます。火山は、マントルに開けられた覗き穴です。それもコマチアイトは、太古代のマントルの覗き穴なのです。
コマチアイトは、太古代に特徴的に噴火した火山であること、そしてカンラン石を非常にたくさん含むことが特徴ということを前回紹介しました。
カンラン石が多いため、カンラン石の化学成分であるマグネシウムも多くなります。コマチアイトは、他の岩石(玄武岩など)と比べて、マグネシウムが特別多いのですが、それはカンラン石を主成分としていること、さらにマグネシウムを含む輝石も構成鉱物になっているためです。
その他にも、化学成分にいくつかの特徴があります。少し詳しく見ていきましょう。
コマチアイトには、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)が多くなっています。ニッケルやクロムは、マントルに多い成分で、マグマが結晶化するときに最初に固体に取り込まれます。ニッケルはカンラン石に取り込まれます。また、クロムは輝石に取り込まれたり、クロムの多い結晶(クロマイト)ができたります。
マグネシウムが多い分、他の成分が少なくなります。岩石の主成分である珪酸(SiO2)が、40から45%ほどしか含まれていません。珪酸成分が少ない玄武岩でも45%以上含んでいますので、45%以下とは非常に少ないものになります。もちろん、通常の火山岩は、50%より珪酸が多くなっています。
さらに、酸化カリウム(K2O、0.5%以下)、酸化カルシウム(CaO)と酸化ナトリウム(Na2O)(CaOとNa2Oをあわせて2%以下)も、少なくなっています。
ここで、成分(元素)名をいろいろ挙げたのは、成分の化学的な特徴によって、マグマができるときの状況を反映しているからです。成分の性質を知り、その量比を比べていくことで、マグマのでき方を探ることができるのです。
マントルが溶けてマグマができます。しかし、マントルが全部溶けることはなく、マグマと溶け残りのマントルができます。元素には、マグマができると、マグマの中にすぐに入るもの(液相農集元素と呼ばれます)があります。上に挙げた成分で、液相農集元素にあたるのが、酸化カリウムと酸化ナトリウムです。
液相農集元素が少ないマグマができるのには、2つの可能性があります。もともとマントルに液相農集元素が少なかったか、マグマの中で薄まったかのどちらかになります。
もともとマントルに液相農集元素が量が少ないというのは、そのマントルがマグマを出した経験が持っている場合です。一度マントルが溶けると、液相農集元素がマグマに入り込みます。すると、次に同じものが溶けても、マグマには、液相農集元素があまり入らなくなります。
薄まるというのは、液相農集元素は、マグマができるとき最初に取り込まれるのです。その後、マントルの溶けつづけると、液相農集元素は最初に出ていますから、液相農集元素を含まないマグマの量が多くなり、マグマでは相対的に比率が減っていきます。
どちらかを決めるには、別の元素に着目します。ニッケルやクロム、そしてマグネシウムという多い元素に着目します。これらの元素は、マントルの構成物となっている鉱物(カンラン石や輝石)にたくさん含まれています。これらは、固相農集元素とも呼ばれます。マグネシウムはそれらの鉱物の主成分ともなっています。これらの元素は、マントルの溶ける比率が増えていくと、マグマの中の比率も増えていきます。
コマチアイトは、固相農集元素の元素が多いので、マントルがたくさん溶けてできたことがわかります。液相農集元素が少ないのは、マントルが溶ける量が多く、マグマの中で薄まったたであることが、これから判明します。
マントルの溶ける比率を部分溶融の程度という表現をします。コマチアイトは、マントルの部分溶融の程度がかなり大きかったことになります。部分溶融の程度が大きくなることは、現在でも起こりうることです。しかし、重要なことは、コマチアイトが太古代に集中していることです。そして、火山として噴出しているということです。このなぞの解明は、次回としましょう。
・夏の計画・
皆さんは、もう夏休みの計画をお考えでしょうか。
我が家は、家族で道内を巡ることにしています。
なぜなら、本州は暑いからです。
せっかく涼しい北海道に住んでいるのですから、
北海道の夏を満喫したいと考えています。
ただし、今年はあまり日程が取れないので、
本当なら道東へ行きたいと考えていたのですが、
遠いので、道南にしようかと考えています。
8月初旬なので宿が取れるかどうか心配です。
それによって、行く場所が変わってきます。
・将来の糧・
先日学科の2年生が実習をおこないました。
近所の子どもたちを40名近く集めての行事です。
行事の企画や準備、運営、
子どもを集めるための宣伝などを
実際に行うって体験することが、
この実習のテーマでした。
行事当日までなかなか大変でしたが、
大変な思いをした者ほど、
達成感は大きかったのではないでしょうか。
そして、かけがえのない体験だったのではないでしょうか。
将来の糧になればと思います。
コマチアイトは、太古代に特徴的に噴火した火山であること、そしてカンラン石を非常にたくさん含むことが特徴ということを前回紹介しました。
カンラン石が多いため、カンラン石の化学成分であるマグネシウムも多くなります。コマチアイトは、他の岩石(玄武岩など)と比べて、マグネシウムが特別多いのですが、それはカンラン石を主成分としていること、さらにマグネシウムを含む輝石も構成鉱物になっているためです。
その他にも、化学成分にいくつかの特徴があります。少し詳しく見ていきましょう。
コマチアイトには、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)が多くなっています。ニッケルやクロムは、マントルに多い成分で、マグマが結晶化するときに最初に固体に取り込まれます。ニッケルはカンラン石に取り込まれます。また、クロムは輝石に取り込まれたり、クロムの多い結晶(クロマイト)ができたります。
マグネシウムが多い分、他の成分が少なくなります。岩石の主成分である珪酸(SiO2)が、40から45%ほどしか含まれていません。珪酸成分が少ない玄武岩でも45%以上含んでいますので、45%以下とは非常に少ないものになります。もちろん、通常の火山岩は、50%より珪酸が多くなっています。
さらに、酸化カリウム(K2O、0.5%以下)、酸化カルシウム(CaO)と酸化ナトリウム(Na2O)(CaOとNa2Oをあわせて2%以下)も、少なくなっています。
ここで、成分(元素)名をいろいろ挙げたのは、成分の化学的な特徴によって、マグマができるときの状況を反映しているからです。成分の性質を知り、その量比を比べていくことで、マグマのでき方を探ることができるのです。
マントルが溶けてマグマができます。しかし、マントルが全部溶けることはなく、マグマと溶け残りのマントルができます。元素には、マグマができると、マグマの中にすぐに入るもの(液相農集元素と呼ばれます)があります。上に挙げた成分で、液相農集元素にあたるのが、酸化カリウムと酸化ナトリウムです。
液相農集元素が少ないマグマができるのには、2つの可能性があります。もともとマントルに液相農集元素が少なかったか、マグマの中で薄まったかのどちらかになります。
もともとマントルに液相農集元素が量が少ないというのは、そのマントルがマグマを出した経験が持っている場合です。一度マントルが溶けると、液相農集元素がマグマに入り込みます。すると、次に同じものが溶けても、マグマには、液相農集元素があまり入らなくなります。
薄まるというのは、液相農集元素は、マグマができるとき最初に取り込まれるのです。その後、マントルの溶けつづけると、液相農集元素は最初に出ていますから、液相農集元素を含まないマグマの量が多くなり、マグマでは相対的に比率が減っていきます。
どちらかを決めるには、別の元素に着目します。ニッケルやクロム、そしてマグネシウムという多い元素に着目します。これらの元素は、マントルの構成物となっている鉱物(カンラン石や輝石)にたくさん含まれています。これらは、固相農集元素とも呼ばれます。マグネシウムはそれらの鉱物の主成分ともなっています。これらの元素は、マントルの溶ける比率が増えていくと、マグマの中の比率も増えていきます。
コマチアイトは、固相農集元素の元素が多いので、マントルがたくさん溶けてできたことがわかります。液相農集元素が少ないのは、マントルが溶ける量が多く、マグマの中で薄まったたであることが、これから判明します。
マントルの溶ける比率を部分溶融の程度という表現をします。コマチアイトは、マントルの部分溶融の程度がかなり大きかったことになります。部分溶融の程度が大きくなることは、現在でも起こりうることです。しかし、重要なことは、コマチアイトが太古代に集中していることです。そして、火山として噴出しているということです。このなぞの解明は、次回としましょう。
・夏の計画・
皆さんは、もう夏休みの計画をお考えでしょうか。
我が家は、家族で道内を巡ることにしています。
なぜなら、本州は暑いからです。
せっかく涼しい北海道に住んでいるのですから、
北海道の夏を満喫したいと考えています。
ただし、今年はあまり日程が取れないので、
本当なら道東へ行きたいと考えていたのですが、
遠いので、道南にしようかと考えています。
8月初旬なので宿が取れるかどうか心配です。
それによって、行く場所が変わってきます。
・将来の糧・
先日学科の2年生が実習をおこないました。
近所の子どもたちを40名近く集めての行事です。
行事の企画や準備、運営、
子どもを集めるための宣伝などを
実際に行うって体験することが、
この実習のテーマでした。
行事当日までなかなか大変でしたが、
大変な思いをした者ほど、
達成感は大きかったのではないでしょうか。
そして、かけがえのない体験だったのではないでしょうか。
将来の糧になればと思います。
2009年7月2日木曜日
3_75 特異な火山岩:コマチアイト1
コマチアイトと呼ばれる岩石があります。以前、このエッセイもでも紹介したことがありますが、少々変わった石です。その変わった性質から、地球の仕組みを垣間見ることができます。コマチアイトは古い時代に活動した火山岩で、まるで過去を覗くための窓のようなものです。
コマチアイトという岩石があります。コマチアイトは、南アフリカ共和国バーバトン山地の南側を流れる、コマティ川の露頭から最初に見つかりました。川の名前にちなんで、コマチアイトと名づけられました。英語ではkomatiiteと書きます。
コマチアイトは、少々変わった岩石です。まれにしか見つからない岩石でもあるのですが、特異な成分と組織を持っている火山岩です。また、その火山は、限られた時代に特徴的に噴出しています。
コマチアイトは、残念ながら日本では、採取することができません。なぜなら、ほとんどのコマチアイトは、太古代(38億から40億年前)に活動した火山でだけみつかります。原生代にも見つかることがありますが、非常にまれになります。日本列島では、そのような古い岩石は分布しません。ですから、大陸地域で古い岩石が分布する地域でのみ、見つかります。コマチアイトは、太古代という非常に古い時代にだけ活動したマグマからできたのです。
コマチアイトは、放射状に長く伸びた針状の結晶がいっぱ集まってできています。この数cmにもなる結晶は、カンラン石が延びたもので、このような組織をスピニフェクスと呼んでいます。ただし、溶岩の内部にいくにしたがって、スピニフェクスは減ってきて、普通の火山岩の組織になります。
溶岩は外ほど急激に冷えます。通常、カンラン石が急に冷えると羽毛状の結晶になるのですが、ある種のマグマが急激に冷やされるとカンラン石の結晶が、このような針状になることがあります。スピニフェクス組織があることから、この岩石は、地上に噴出した火山岩であることがわかります。
カンラン石が、スピニフェクスのような組織ができるためには、マグマから最初の結晶としてカンラン石になる必要があります。大量のカンラン石ができるためには、カンラン石の主成分であるマグネシウム(Mg)がマグマにたくさん含まれていなければなりません。コマチアイトには、大量のマグネシウムを含んでいます。酸化マグネシウムに換算すると、重さで18%以上になります。通常の玄武岩では、せいぜい10%ほどにしかなりませんから、非常の多くのマグネシウムを含んだマグマからできたことになります。
コマチアイトは、他にも特異な化学成分を持ちます。マグネシウムが多いため、岩石の主成分である珪酸(SiO2)が少なく(40から45%程度)なり、また酸化カリウム(K2O)などのある共通の特徴をもった成分も少なくなっています。
その共通の特徴とはなんでしょうか。そもそも、このような特異な化学成分をもったマグマが、どうしてできたのでしょうか。なぜ、古い時代にだけできたのでしょうか。それに対する、新しい成果が昨年(2008年)10月にネイチャーという雑誌に報告されました。その詳細は、次回以降としましょう。
・ムンロタウン・
私がコマチアイトを見たのは、
カナダのケベック州のムンロタウン(Munro Town)
というところでした。
1982年8月に恩師の田崎先生と共に
コマチアイトを調査するためその地を訪れました。
廃坑になった鉱山の跡地を通り抜けたところに
小高い岩石の丘がありました。
その丘が、コマチアイトからできていました。
スピニフェクスの見事な組織が
岩石の表面に見えていました。
夢中になって調査していたのですが、
昼食の時間が過ぎました。
まわりには、野生のブルーベリーがいっぱいあったので、
先生と二人で昼食代わりに腹いっぱい食べました。
25年以上たった今でも、
そのときの記憶は鮮明に残っています。
調査のときにとった標本を
田崎先生は大切に保管されていました。
断面が磨かれた標本は、
お葬式のときに形見としていただきました。
そのコマチアイトの標本には
A2-3, Munro Town, Komatiite, Col. Taz. 1982.8
と書かれています。
この日付とメモと標本は、
私とって非常に大切な思い出となっています。
・日焼け・
いよいよ7月です。
北海道も夏になりました。
快晴の爽快な日が続いています。
北海道は、乾燥しているので、
日陰であれば、それほど暑くはありません。
先日の日曜日に、地区での一斉清掃がありました。
午前中に道路の草むしりをします。
お昼には、その慰労会でジンギスカンをします。
近くの公園でやるのですが、日陰がなく、
快晴の夏の太陽を浴びながらのジンギスカンでした。
ビールはうまいのですが、
汗がいっぱい出ます。
半ズボンで参加したら、
太ももが赤く日焼けしてしまいました。
心も、お腹も、体も、夏を満喫しました。
コマチアイトという岩石があります。コマチアイトは、南アフリカ共和国バーバトン山地の南側を流れる、コマティ川の露頭から最初に見つかりました。川の名前にちなんで、コマチアイトと名づけられました。英語ではkomatiiteと書きます。
コマチアイトは、少々変わった岩石です。まれにしか見つからない岩石でもあるのですが、特異な成分と組織を持っている火山岩です。また、その火山は、限られた時代に特徴的に噴出しています。
コマチアイトは、残念ながら日本では、採取することができません。なぜなら、ほとんどのコマチアイトは、太古代(38億から40億年前)に活動した火山でだけみつかります。原生代にも見つかることがありますが、非常にまれになります。日本列島では、そのような古い岩石は分布しません。ですから、大陸地域で古い岩石が分布する地域でのみ、見つかります。コマチアイトは、太古代という非常に古い時代にだけ活動したマグマからできたのです。
コマチアイトは、放射状に長く伸びた針状の結晶がいっぱ集まってできています。この数cmにもなる結晶は、カンラン石が延びたもので、このような組織をスピニフェクスと呼んでいます。ただし、溶岩の内部にいくにしたがって、スピニフェクスは減ってきて、普通の火山岩の組織になります。
溶岩は外ほど急激に冷えます。通常、カンラン石が急に冷えると羽毛状の結晶になるのですが、ある種のマグマが急激に冷やされるとカンラン石の結晶が、このような針状になることがあります。スピニフェクス組織があることから、この岩石は、地上に噴出した火山岩であることがわかります。
カンラン石が、スピニフェクスのような組織ができるためには、マグマから最初の結晶としてカンラン石になる必要があります。大量のカンラン石ができるためには、カンラン石の主成分であるマグネシウム(Mg)がマグマにたくさん含まれていなければなりません。コマチアイトには、大量のマグネシウムを含んでいます。酸化マグネシウムに換算すると、重さで18%以上になります。通常の玄武岩では、せいぜい10%ほどにしかなりませんから、非常の多くのマグネシウムを含んだマグマからできたことになります。
コマチアイトは、他にも特異な化学成分を持ちます。マグネシウムが多いため、岩石の主成分である珪酸(SiO2)が少なく(40から45%程度)なり、また酸化カリウム(K2O)などのある共通の特徴をもった成分も少なくなっています。
その共通の特徴とはなんでしょうか。そもそも、このような特異な化学成分をもったマグマが、どうしてできたのでしょうか。なぜ、古い時代にだけできたのでしょうか。それに対する、新しい成果が昨年(2008年)10月にネイチャーという雑誌に報告されました。その詳細は、次回以降としましょう。
・ムンロタウン・
私がコマチアイトを見たのは、
カナダのケベック州のムンロタウン(Munro Town)
というところでした。
1982年8月に恩師の田崎先生と共に
コマチアイトを調査するためその地を訪れました。
廃坑になった鉱山の跡地を通り抜けたところに
小高い岩石の丘がありました。
その丘が、コマチアイトからできていました。
スピニフェクスの見事な組織が
岩石の表面に見えていました。
夢中になって調査していたのですが、
昼食の時間が過ぎました。
まわりには、野生のブルーベリーがいっぱいあったので、
先生と二人で昼食代わりに腹いっぱい食べました。
25年以上たった今でも、
そのときの記憶は鮮明に残っています。
調査のときにとった標本を
田崎先生は大切に保管されていました。
断面が磨かれた標本は、
お葬式のときに形見としていただきました。
そのコマチアイトの標本には
A2-3, Munro Town, Komatiite, Col. Taz. 1982.8
と書かれています。
この日付とメモと標本は、
私とって非常に大切な思い出となっています。
・日焼け・
いよいよ7月です。
北海道も夏になりました。
快晴の爽快な日が続いています。
北海道は、乾燥しているので、
日陰であれば、それほど暑くはありません。
先日の日曜日に、地区での一斉清掃がありました。
午前中に道路の草むしりをします。
お昼には、その慰労会でジンギスカンをします。
近くの公園でやるのですが、日陰がなく、
快晴の夏の太陽を浴びながらのジンギスカンでした。
ビールはうまいのですが、
汗がいっぱい出ます。
半ズボンで参加したら、
太ももが赤く日焼けしてしまいました。
心も、お腹も、体も、夏を満喫しました。
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