惑星の形成は、シミュレーションが主で、観測が難しくて実体はよくわかっていませんでした。観測技術の進歩とともに、徐々に形成過程がわかってきました。形成過程を、詳細に観測した結果が報告されました。
惑星系の形成過程については、コンピュータを用いたシミュレーション(理論)と、新しい恒星の周辺を観察(観測)することで進められています。理論だけでは、検証できません。観察だけでは法則性や原理がわかりません。両者がそろって確実性が高まってきます。理論と観測の両輪で、研究が進められています。
惑星の形成過程のシミュレーションは、1960年代から京都大学の林忠四郎を中心としたグループが、世界をリードしていました。「林モデル」という惑星形成モデルがつくられてきました。林モデルによると、中心にある恒星の形成のスタートの直後(100から1000万年経過)に、恒星の周辺に円盤状に集まった物質内で惑星が形成されていくと考えられてきました。惑星形成の場所は、「原始惑星系円盤」と呼ばれています。
シミュレーションがはじまった時は、観測技術はまだ進歩していなかったのですが、進歩とともに、実際に若い恒星の周りに原始惑星が形成されている円盤が存在することが確かめられました。
観測は難しかったのは、ガスやチリが多くある恒星周辺は通常(可視光)の観測では見えないからです。ガスやチリの内部の観測は、赤外線、あるいは可視光・近赤外の散乱光の観測、ガスやチリの吸収線や放射線のスペクトル解析、そしてミリ波・サブミリ波の観測などで、実施する必要がありました。
赤外線の観測では、チリの分布や円盤の温度構造がわかります。可視光・近赤外の散乱光の観測では、円盤の傾きや厚み、形状を調べることができます。
ガスやチリの吸収線や放射線のスペクトル解析では、円盤内の分子を見分けることができます。そしてミリ波・サブミリ波の観測では、いくつかの分子の区分や分布、ガス分子(COなど)の運動、そしてチリのリングや隙間の存在を見つけることができます。
そのような各種の観測技術の発達と、それぞれの特性を組み合わせることによって、シミュレーションの結果が確認されてきました。いずれも難しい観測になるので、詳細な観測はまだ不足していました。
また、ひとつの惑星系を調べることは、ある時期のある状態の惑星系を調べていることなります。ですから、惑星の形成「過程」をみていることにはなりません。形成「過程」を調べるには、形成中のさまざまな段階にある、惑星系を同じ精度で調べていく必要があります。
今回、そんな研究が大規模になされました。まだ成果の解析や報告の途上にある研究プロジェクトですが、その概要を紹介していきましょう。
・地球の調べ方・
この「地球の調べ方」のセッションは
前回は、タンデムモデルのシリーズでした。
その配信は2023年9月28日が
最後になっています。
この時期は、四国にサバティカルで滞在していて
北海道に戻って来る直前に
配信したエッセイとなっていました。
かなり間があいてしまいました。
久々のこのセッションのシリーズになります。
・休暇・
今日から、休暇をとることにしています。
1週間、北海道の田舎で
のんびりと過ごすことにしました。
コロナ禍前はこのようなことをしていたのですが、
その後、サバティカルから退職時期と
バタバタしている時期があったので、
今回、久しぶりに北海道の田舎で
夫婦でのんびりすることにしました。
滞在記は、機会があれば、紹介していきましょう。