退職に当たり、いくつも宴席が設けていただきました。最後となる宴席では、仕掛けをしました。全部が分かる人はいなかったと思いますが、いくつかの仕掛けを解いた方もいたようです。
【独白1:キーワード】
私は、人前で話すのは上手くないので、フォーマルの場での挨拶は、原稿を用意していました。最近はそのようなフォーマルな場はないので、挨拶は、毎回、キーワードだけを頭の中で決めておき、その場で話すことにしています。なぜか、最近あまり緊張することがなくなりました。ただし、マイクの前に立った時には、それなりに緊張しますが。この最後の挨拶では、原稿ではないのですが、キーワードを用意しました。
【独白2:前置き】
子どもと暮らしていた時、いっしょにクイズ番組をよく見ていました。なぞなぞのようなクイズは、子どもが小さい時は、家内や私が先に解けていましたが、時は子どもが先に解けることがありました。解ける快感もさることながら、先にわかる優越感が大きかった思いがあります。そして子どもが大きくなるにつれて、ほとんど勝てなくなりました。
いずれにしても謎に挑戦して、それを解く快感は知的楽しみとしては大きと思います。
【註】こんな前置きの話しを、本来はしようと思っていたのですが、時間が限られていたので、省略することにしました。
【ここから話をはじめました】
大学では、退職にあたり、各所で挨拶をすることになります。最後の場となるのが、大学全体でのこの歓送迎会となります。ホテルの大きな会場での宴席となります。考えたら長らく大学に奉職してたのですが、公式に大学の教職員の前で話すのは、これが最後になると思うと、話したい内容や思い出が、次々と湧いてきました。それをそのまま吐露すると、支離滅裂になるので、今回はメモを用意しました。
【といって、キーワードを書いた用紙を取り出しました】
さて、これらの挨拶の中で、私が目指してきた教養、そして数名の教職員と話した話題から、キーワードを選び、それを話すことにしました。ですから、ここには、キーワードだけが書かれたメモをもってきました。キーワードには順番もあるので、メモが必要でした。
【この内容については、別の所に書いていますので、すべて省略します】
話の中で、いろいろな仕掛けを考え、大学にくるまでの経歴で、一旦話しを中断して、閑話として、ここまでの話に使った6つのキーワードを示して、その意図を種明かしをました。また、それは教員(学長が多い)との会話で出てきたキーワードあることも明かしました。
閑話休題以降、話の内容は、5つのキーワードを織り交ぜながら、大学での思い出、アカデミアとしてよさとその存在意義の話をしました。キーワードの種明かしをすることなく、挨拶を終えました。
後半で使ったキーワードの難易度は高く、一人ですべてを解くのは不可能だと思いました。ただし、最後のキーワードだけは、有名なものなので、会場で何人かの人が答えがわかったようでざわつきました。話し終わると、会場が一瞬シーンとなりましたが、じわりと染み込んで、よかったようです。
あとから知り合いの先生から、その仕掛けのキーワードの一部しかわからなかったが、あのキーワードはわかったなどの話が聞きました。そんな評価こそが望むところでした。
このキーワードは、最終講義から連続していたもので、最終講義を聞いていないと、まずは解けないと思います。そして、最終講義の隠れた目標は、教養を身につけることの大切さを示すとともに、その実践例を示したいということでした。歓送迎会の挨拶の後半のキーワードは、最終講義で述べた内容でもありました。
このように、退職に向けて、ほとんど気づかれないでしょうが、いろいろな仕掛けをして、わかりにくいとこにメッセージを残してきました。そんな他愛のないことを、最後に楽しみました。
【独白3】
謎解きの楽しさの前置きは、時間の都合で割愛しましたが、本来なら、11個のキーワードの内、いくつわかったか聞こうと思っていました。その中で一番難しいものを答えた人に商品を渡そうかと思いましたが、そんな時間的猶予はありませんでした。
・謎解きの楽しさ・
最後の挨拶の概要は、あるエッセイに書きました。
種明かしも、そこでしています。
また、退職にあたって、見つかりにくですが
いろいろな意図について公開しました。
こんな仕掛けをしていくことは楽しいですね。
そして、家族で見ていたクイズ番組で
謎を解く楽しさを味わいました。
もしかすると、家族の誰かが、
気づくかもしれません。
インターネット上に公開し、それが残っていれば
誰かが、いずれ、なにかの機会に気づいて
謎解きの楽しさを、味わってくれるかもしれません。
ただし、家族には、いずれ気づくかもしれないが
わかりにくいところですが、
メッセージを隠してあります。
・熊楠のまんじゅう・
学部の歓送迎会でも
花束をもらうことになっていましたが、
それは職員の人にあげることにしていました。
その代わりとして、
私が熊楠に興味をもっていることを
よく知っておられたので
熊楠に関連するまんじゅうをもらいました。
こんな凝った対応をしてくださった職員の方々は
私が好きなユーモをお持ちなので
非常にうれしかったですね。