2017年1月5日木曜日

6_141 地震の頻度

 今年最初のエッセイです。正月の三ヶ日も過ぎましたが、まだ正月気分が残っているかもしれませんが、昨年のことを振り返り、ゆるんだ心を引き締めたいと思います。

 明けましておめでとうございます。今年こそは、穏やかな年になればと思っています。
 穏やかな年は、自然現象において異変がないことが前提ですが、こればかりはおさえようがありません。昨年は、異常気象がいろいろあり、北海道でも例年になく、雪が多く、雪の早い冬のはじまりとなりました。地質では、地震の多い年でした。地震は、私に身近なところでの影響はありませんでしたが、いろいろ印象に残るものがありました。
 2010年の東日本地震が大きなものだったので、それ以降のことはあまり印象の残っていなかったのですが、昨年の2016年4月の熊本地震は、記憶に残るものとなりましたし、現在も避難生活が続き、復興も十分でないことも伝わっています。
 気象庁のデータベースで地震の記録を確かめることにしました。大きな地震として震度6弱以上がどれくらい起こったかを調べることにしました。震度6弱の揺れは、家屋に被害がでたり、立って歩くことができないような地震です。
 2016年の震度6弱以上の地震を検索すると、10個あったことがわかります。熊本地震の関連するものが、2016年4月14日の夜に発生した地震とその余震(?)が2個、16日の再度の地震とその余震が3つありました。この地震があったため、私は大分熊本の調査を断念しました。
 2016年6月16日には、北海道道南の内浦湾で震度6弱の地震がありました。北海道の地震だったので、京都の母から電話があり、気遣ってくれました。マグニチュードが5.3程度で、震源も浅いものだったので、幸いわが町では大きな揺れはありませんでした。
 そして、2016年10月21日には、鳥取県中部で震度6弱、マグニチュードも6.6あり、大きな被害がありました。私が以前いた研究所があり、知り合いも多数おられ、年賀状でも被害を述べられている人もおられました。
 そしてつい先日、2016年12月28日には、茨城県北部で震度6弱、マグニチュード6.3の地震がありました。
 熊本地震以外は、いずれもマグニチュードはそれほど大きくないのですが、震度が10km前後の浅いところで起こった直下型の地震のため、周辺では大きな揺れとなりました。
 同じデータベースで、さらに過去の地震を調べました。震度6弱以上の地震を検索すると、2015年はなし、2014年は1回(11月22日、長野県北部、M6.7、6弱)、2013年は1回(4月13日、淡路島付近、M6.3、6弱)、2012年はなし、となっています。2011年には9回ありましたが、これは東日本地震とその後に頻繁に地震が起こった時期になります。ですから、2012年から2015年まで、日本列島は、比較的大きな地震は少なかったといえます。
 こうしてみると、2011年に次いで2016年は、大きな地震が何度も起こっている年だったことがわかります。地震発生の傾向は、地震が少ない地域で大きな揺れが起こると、その影響はその周辺に及び、時には日本列島全体で地震が起こりやすくなっているようです。
 地震が地下の岩石にかかる圧力によって歪みが蓄積して、それらが何らかのきっかけで岩石の破壊が起こると、地震となります。日本列島は、太平洋プレートの沈み込もで東日本が、フィリピンプレートの沈み込み西日本に大きな圧縮の力がかかっているところです。常に歪みがたまる地質学的位置に置かれています。そのために、大きな地震が起こると周辺で歪みが溜まっているところでは地震が起こりやすくなります。
 ただし、これは理屈で、いつ、どこで、どれくらいの地震が起こるかは、岩石の破壊なので、なかなか難しいものだと思います。ですから、いつ、どこで、どのくらいなどの確かさわなくても、防災の心構えを怠ることのないようにしておくことが重要です。
 新年そうそう、地震の話題をしましたが、今年こそは、穏やかな年であることを願っています。

・地震予知の難しさ・
ものの破壊を予測するのは難しいことは、だれもが理解できます。
ガラスをハンマーでたたけば、どこをたたいたかで割れるところが、
力の入れぐわいでどれくらの割れ方をするのかが予測できます。
これは一気に力をかけた場合です。
一方、一枚のカラス板にあちこち不均等に砂を載せていくと
あるときガラスは重さに耐えかねて、割れます。
一定以上の重さをかければ、割れることは予測できます。
しかし、いつ、どこが、どのような割れ方をするのかを予測するのは、
なかなか難しいものだといいうことは、わかっていただけるはずです。
これが地震予知の難しさに通じるものです。

・いつもの正月・
正月の三ヶ日はいかがだったでしょうか。
我が家は、大晦日の年越しそばから、
三ヶ日の朝のお雑煮、二日の初詣、
夜の少々高級な食材を使った夕食を、決まりにしています。
ただ、受験生がいるので、少々変則になってしまいますが。