2016年4月7日木曜日

5_137 ケプラー衛星 3:課題

 ケプラー衛星は、姿勢制御装置の故障があったのですが、アイディアで克服しました。その結果、現在も観測を続けています。衛星の成果により、私たちの太陽系形成のモデルの変更が迫まられています。

 ケプラー衛星は、2009年3月6日に打ち上げられました。これまで述べてきたように、太陽系外の惑星系、それも地球型惑星を探すという目的でした。そして、約15万個の恒星を観測し、1000個以上の太陽系外惑星を発見し、地球型惑星や、ハビタブルゾーンにある惑星も発見しました。
 ところが、2013年8月15日には望遠鏡の位置を調整する4つの装置(姿勢制御用ホイール)のうち、2つが壊れてしまいました。いろいろな試みがなされたのですが、修理は不可能でした。しかし、ホイールの故障であって、望遠鏡や本体の故障ではありません。もったいない話です。しかし、観測において、姿勢制御できないのは、致命的な故障でもありました。
 そこで、いろいろなアイディアを募って、「K2ミッション」を行うことが決定されました。K2ミッションとは、太陽光パネルに光をあてることにより、その圧力で3つ目のホイールの代わりに制御用に利用する、というアイディアでした。K2ミッションを行えば、壊れたものが補われることがわかり、なんとか観測が再開されました。運用はうまくいっており、新たな地球型惑星も発見でき、現在もケプラー衛星は働いています。
 ケプラー衛星のミッション以外でも、太陽系外の惑星は、発見されていました。その数は約800個ほどでした。ところが、ケプラー衛星の成果は、約1000個という太陽系外惑星の発見でした。倍以上の惑星の情報が、手に入ったのです。
 その結果、私の太陽系は必ずしも典型的なものではないこと、言い方をかえると、惑星系は多様だということがわかってきました。
 太陽系外惑星の発見までは、私たちの惑星系が典型的なものとして、太陽系形成のモデルが作成されてきました。いろいろなモデルの中で、私たちの太陽系が形成できるモデルだけが、正しいものとして作り上げられてきました。
 現状では、ケプラー衛星の観測結果には、観測限界によるフィルターがかかっているはずです。それにしても、地球型惑星もハビタブルゾーンの惑星も、それほど普遍的なものではないことがわかってきました。想像を越えるような惑星系も多数発見されてきました。
 ケプラー衛星の観測結果は、惑星系の形成モデルを、大きく考え方を変える必要を迫ってきました。この考え方の変更こそが、ケプラー衛星の一番の功績ではないかと、私は思います。ケプラー衛星からの課題ですね。この課題は、いつ解けるでしょうか。

・新入生・
4月1日に新入生を迎えました。
1週間で、何度か顔を合わせ、
挨拶をして、少しずつ面識ができてきました。
1年生同士では、かなり仲良くなってきた学生も
すでにでてきているようです。
なかには、背伸びしている学生、
少々調子に乗りすぎている学生、
自分の居場所を探している学生、
たんたんとマイペースの学生、
あるいはこの機会に再出発を考えている学生もいるでしょう。
リーダーシップを取れそうが学生もいます。
人それぞれ、毎年ごとに、それぞれの個性があります。
それを早く見分けかなればならないのですが。

・4年生・
4月早々、土、日曜日も使って、
新4年生のための集中講義がありました。
実習のための事前の講義でした。
かなりのストレスであったが
全員なんと乗り越えられました。
到達点は、人それぞれだが、
明らかに、この集中講義で成長できました。
目つきや表情をみているだけで
その成長ぶりがわかります。
その変化が、教える側の大きな楽しみです。