2015年11月5日木曜日

3_145 地下5kmのダイヤモンド 2:化学気相成長法

 ダイヤモンドは高温高圧の条件でできるのですが、それ以外にもその領域に達する方法があります。そんなちょっと不思議な原理で合成されているダイヤモンドもあります。もし、地球のそのような環境があるとしたら・・・・。

 前回は、古くから宝石として利用されてきたダイヤモンドの話でした。そのダイヤモンドは、キンバーライトとよばれる特殊な火山岩が、地球深部でできたダイヤモンドを高速で地表にまでもってきました。これが宝石としてのダイヤモンドの主な由来でした。
 他にも、高温高圧条件を生み出した変成作用と隕石衝突によるダイヤモンドも発見されるようになってきました。これは、形成条件に着目すれば、そこにダイヤモンドがあっても不思議ではない高温高圧条件があったものの発見でした。
 他にも、予想外の発見もありました。日本列島のような沈み込み帯(以前のエッセイ3_70~3_73)の火山岩や昔の海洋地殻が沈み込んだオフィオライトと呼ばれるもの(3_128~3_132)などから見つかっています。これについては、想定外の発見となりました。
 ダイヤモンドの形成過程にも、いろいろなものがあることがわかります。ダイヤモンドは、人工的に合成されているものもあります。当初は高温高圧条件を発生させて合成されていました。この方法は、高温高圧のコントロールも大変ですし、エネルギーを大量に使うのでコストもかかり、また大型の結晶を合成するのはなかなか大変でした。
 ダイヤモンドは、宝石以外でもいろいろな目的に、特に工業的にも重要な役割をもった素材になっています。そのために、安価に大量に合成する方法が必要になってきました。そのような方法が、現在ではいろいろ開発されています。
 化学気相成長法を呼ばれるものがあります。本来は高真空での合成方法ですが、今ではそれほど真空ではなくても作られるようになりました。管にある物質(基板と呼ばれます)をおいて、管の内部を減圧して、中の気体をプラズマ状態にします。その気相の反応を利用して、ダイヤモンドの合成をおこなうものです。蒸着とも呼ばれている方法です。この化学気相成長法による合成は、他の方法と比べて安価にでき、現在工業用ダイヤモンドとして利用されています。
 ダイヤモンドは、自然では1200~2400℃の高温、5万5000~10万気圧の条件で形成されているのですが、化学気相成長法では、実験室レベルでは500℃、1000気圧の条件での合成が可能になってきています。
 地球の現実の場でこのような条件が出現するのでしょうか。もしあるとすると、どのような場でしょうか。それがわかれば、化学気相成長によるダイヤモンドが見つかるかもしれません。そんな発想のもとに、探し、見つかったのが、今回の報告となっています。

・工業用・
以前、鉱物の展覧会にいったとき
工業用ダイヤモンドの見本をもらって、
それを机の引き出し入れてもっていました。
黄色い色をしたものでしたが
工業用ですから面白い資料でした。。
残念ながら、今では手元にありません。
以前いた博物館にダイヤモンドの展示で使うために
寄贈してきました。

・秋から冬へ・
11月になりました。
北海道は秋から冬に変わろうとしています。
紅葉はかなり進み、
落葉もかなり進みました。
初雪はすでにあったのですが、
冬に着実に進んでいることを感じます。