2015年6月4日木曜日

2_129 ハビタブル・トリニティ 3:ハビダブル・ゾーン

 生命の惑星になるためには、惑星の軌道条件(ハビタブル・ゾーン)に質量条件を満たした惑星で、さらにハビタブル・トリニティをも満たしていなければなりません。生命の誕生にはいろいろクリアすべき条件があります。

 地球は、青い星、水の惑星などと呼ばれ、「水」があることが特徴となっています。水は生命誕生、そして生命維持、進化においても、なくてはならないものです。
 惑星に水が存在するためには、いくつかの天文学的条件を満たさなければなりません。まず、母星である太陽にも条件が課せられます。太陽の明るさと惑星と太陽の距離が適切でなければなりません。近ければ暑くなり、H2Oは気体になり、遠くて寒ければ氷となります。ある限られた軌道にだけ水が存在できます。この惑星の軌道条件は、「ハビダブル・ゾーン」と呼ばれています。
 また、天体として水を保持し続けるだけの十分な質量(あるいはサイズ)が必要です。大きすぎると木星、土星のようなガス惑星になり、水があっても表層環境で軌道条件を活かすことができません。小さすぎると水星、火星のように大気が薄く、水の存在できる表層の環境を、長期間維持できなくなります。惑星は質量条件を満たす必要もあるのです。
 このような軌道条件を満たした場所に、質量条件を満たした惑星があったときのみ、水が存在します。太陽系でこの条件を満たしているのは、地球だけです。
 軌道条件と質量条件の設定は、惑星の表層に海洋(水)の存在でき、維持ができることを限定するものです。ところが丸山さんたちは、水の存在だけでは生命誕生の条件としては足りないといいます。生命の誕生そして維持には、「栄養素」も必要だというのです。その根拠が前回紹介した生命を構成している化学成分になります。
 人間(生命)の化学成分(元素組成)として、多い順に酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リンとなっていました。これらの化学成分は、3つのグループに分けることができます。水素と酸素、炭素と窒素、カルシウムとリンの3つです。これらの3つのグループは、元素が地球のどこから由来しているかに基いて分けられています。
 水素と酸素は水(H2O)の素材で、地球での分布場所は、海洋です。炭素と窒素は大気中です。炭素は大気中には二酸化炭素(CO2)として存在し、窒素は2つ結びついた分子(N2)として存在します。二酸化炭素は、現在の地球には量が少ないのですが、かつては大気の主成分として、大量に存在していていたことがわかっています。
 カルシウムとリンは、岩石中に含まれている成分です。また生命の維持にはカルシウムとリンの他にカリウムも必要不可欠な元素です。これらの成分は、どの岩石でもそれなりに含まれているのですが、大陸や列島を構成している花崗岩や安山岩に多い成分です。つまり大陸の存在が生命の栄養源として重要な要素だと、丸山さんたちはいいます。
 生命に必要不可欠な3つの成分、水、大気、岩石(大陸)を「ハビタブル・トリニティ」と呼びました。軌道条件(ハビタブル・ゾーン)と質量条件を満たした惑星で、ハビタブル・トリニティを備えた惑星こそが、生命誕生に必要な条件になります。
 丸山さんたちの考察はここで終わりではありません。まだまた広がってきます。

・個人に属するもの・
急な体調不良が続きダウン状態になりました。
こんなとき大学教員は講義や校務の休む手続きと
それを補う手続きが必要になり
大変な思いをします。
何も大学教員だけでなく
社会人全般のことでしょう。
ただ大学教員は、個人に依存する仕事が多いせいでしょう。
以前の博物館や研究者であった時は、
通常の休みは、電話連絡で済ませられ
損失は自分の仕事がその間ストップするだけでした。
大学の講義や校務は、いろいろ複雑で
あとで代替もしなければなりません。
大学は大きな組織ですが、
講義や研究を考えると
個人に属する部分が大きいのです。
まるで個人経営の自転車操業状態です。

・音での季節変化・
北海道は暑く感じる日が
ときどき訪れるようになってきました。
そんな日にはエゾハルゼミの声も聞こえます。
北海道の6月では、
夏の訪れを感じさせるものが
植物の移ろいだけでなく、他にもいろいろあります。
ヒバリのさえずりからカッコウの鳴き声へ。
エゾハルゼミとYOSAKOIの練習する音楽や掛け声。
音でも季節を感じることができます。