2014年3月13日木曜日

1_123 年代区分 2:GSSP

 地層の層序は、常に最新の研究成果を蓄積されて更新されています。研究の結果、時代境界が次々と確定されてきています。時には混乱は起こりますが、確定された時代境界は、合意されたもので特別な手続きを経なければ変えることができないようにされています。

 年代について、いくつか新しいこと決まったので、まとめて紹介しましょう。
 まず、時代境界(時代の始まり、下限)を決めていくことなのですが、現在ICSでは時代境界の定義をしていく作業が進行中です。
 確定された時代は、GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Point、国際標準模式層断面および地点)として定義されています。いくつかの条件を満たした野外の地層で、その地点が決められていて、「ゴールデン・スパイク」と呼ばれる青銅製の円盤が打ち込まれています。年代層序表には、確定済のマークが付けらています。
 GSSPは、研究者が勝手に定義をしなおしてはいけないことになっています。再定義しなおすときは、実際の地層に基づいて、GSSPによってのみ変更することになっています。
 さて新生代についてです。新生代は、Paleogene、Neogene、Quaternary(第四紀)の3つ区分されます。
 Paleogeneは、「古第三紀」と名付けられ、はじまりは6600万年前で確定しました。2004年までは6550万年前でしたが、変更になりGSSPとなりました。古第三紀は、暁新世(Paleocne、下限はGSSPで6600万年前)、始新世(Eocene、下限はGSSPで5600万年前)、漸新世(Oligocene、下限はGSSPで3390万年前)に区分されています。
 Neogeneは、「新第三紀」という日本語名が決定され、中新世(Miocene、下限はGSSPで2303万年前)、鮮新世(Pliocene、下限はGSSPで533万3000年前)に区分されています。
 第四紀は、正式な時代名として使うことができます。はじまりは258万8000年前のジェラシアン(Gelasian)からで、GSSPで確定しました。第四紀は、従来通り更新世(Pleistocene、下限はGSSPで258万8000年前)と完新世(Holocene、下限はGSSPで1万1700年前)に分けられます。
 先ほど述べたように、時代境界の定義がされ続けています。それに応じて、層序が変更されていきます。ICSが2013年1月版国際年代層序表が発表したことにともなって、日本語版も2014年1月に修正されました。それが2月の日本地質学会のニュースとして報告さました。
 こまかい年代値が修正されたり、ある時代境界もGSSPになりました。なかでも大きな変更は、ジュラ紀と白亜紀の境界の年代値が、1億4550万年前から1億4500万年前に修正されました。ただし、これは修正であり、GSSPではありません。
 地球の歴史は、研究が進むにつれて、つぎつぎと所定の手続きを踏んで、変更がなされていきます。いつの日にかすべて時代境界でGSSPになるときがくるでしょう。その時、もっとも合理的な地球の歴史の区切りができることになります。それは、遠い日ではないでしょう。
 だたし、カンブリア紀以前は、まだまだ調べていかなくてはなりません。まだGSSPがひつとしかないのですから。

・調査へ・
大学は、最後の入試が進んでいます。
そして、その後は、卒業式となります。
3月下旬はいろいろ大学の行事が多数あり
慌ただしい時期になります。
なのに私は、1週間ほど隙間を縫って調査にでます。
後期のどこかで出かけるつもりが、
忙しくて休みが取れそうにありませんでした。
予算立てしていたので執行しなければなりません。
ですから、ついに切羽詰まって3月下旬に調査をすることになりました。
落ち着いて調査ができるでしょうか。
まあ、出てしまえばなんとかなるはずなのですが。

・春なのに・
北海道は、先週の後半に寒波が過ぎたと思ったら
今度は積雪になりました。
久しぶりに除雪が入りました。
しかし、気温はそれほど低くはありません。
まだ寒さは時々くるでしょうが、
雪は降るかも知れませんが、
春は近くに来ています。