2013年8月15日木曜日

5_116 炭素14年代 5:限界へ

 年代測定の限界に挑戦するには、手間も費用もかかります。しかし、そのようなチャレンジをする人がいて、その技術が普及することで、手軽に多くの人が利用できるようになります。この繰り返しが科学の進歩といえます。

 前回、炭素14放射性核種による年代値の較正について紹介しました。5万数千年前以上の年代の較正のデータが現在入手可能になりつつあるという話をしました。エッセイの終わりで、それ以上、古いものは必要ないという話をしました。その理由を説明していきましょう。
 放射性核種は、原子核が崩壊して別の核種に変わります。炭素14はβ崩壊をして、約5730年の半減期をもっています。
 半減期とは、もともとあった放射性核種が半分になっていく時間を示しています。もとの核種の量が1000分の1になった場合、理論的な限界とされています。炭素14の場合、約6万年が理論的な限界となっています。ただし、実際の運用においては、理論値までは達していない場合もあります。それは分析装置の測定限界によって適用限界が決まってくるからです。
 現在、炭素14の年代測定は、主にβ線測定法と加速器質量分析(Accelerator Mass Spectrometry:AMS法と略されています)の2つがあります。
 β線測定法とは、炭素14が崩壊するときにでるβ線を直接測るものです。新しい試料でも、炭素1gで4、5秒に1個しか壊れないので、精度を上げるには、多くの試料と長い計測時間が必要になります。古くなる場なるほど放射性核種は減っていきますので、測定年代の限界は、3~4万年ほどとされています。
 一方、AMS法は、加速器と質量分析器を合体して、炭素14を直接数える方法です。加速器とは、炭素の原子核(イオンになったもの)を電磁場によって加速していき、同じ質量数をもつ化合物を分解して除いていくものです。炭素の原子核だけになったものを、その先の質量分析装置に入れます。質量分析では、炭素の質量の違いによって曲がり方が違うのを利用して、炭素12、13、14だけを測定していきます。
 AMS法は、少量の試料(1mg程度)と比較的短い時間(30分から1時間)で測定できます。ただし、不純物を取り除くための前処理をしたのち、二酸化炭素にした後、再度個体の炭素(グラファイト)にして測定しなければなりません。大変な手間がかかり、なおかつ加速器は大型の装置となります。なかなか大掛かりな測定となります。AMS法は、以前は、β線測定法より少し精度のよい、4~5万年程度が測定限界でした。現在では非常に精度が上がってきて、理論的限界の6万年前近くまでの試料の分析も可能になってきていて、装置の小型化も進んできました。技術的には、限界に達しているともいえます。あとは、精度の向上と普及が課題となります。
 炭素14年大測定は、技術の進歩により、理論上の限界近くまで測定できるようになって来ました。較正データもそろいそうです。さらに古い年代は、C14では不可能となるので、別の放射性核種を用いて測定することになります。それは、別の機会としましょう。

・蒸し暑いお盆・
お盆になりました。
北海道や東北では週末に激しい雨になりました。
地域によっては洪水の災害もあったりしました。
幸い私の地域ではは大きな被害はありませんでした。
西日本では、暑い日々を過ごされた人もあったでしょう。
雨のあと、北海道は蒸し暑くなりました。
暑さだけならな、北海道は乾燥しているので耐えれるのですが、
湿度が高いと、北海道の人は、ぐったりしてしまいます。
我が家も大学も、冷房がないので、
ウチワが夏の必需品となっています。
大学の生協も休みなので、
私は昼には帰宅してしまいます。

・暑い時は・
暑い時は怪談やホラーでしょうか。
私は、ホラーは特別好きではないですが、
暑い時は怖いもの見たさで
ついつい見てしまいます。
何か怖いものがでるより、
状況が怖くなっていくのが怖さを増します。
パラノーマルのシリーズがなかなか怖くていいですね。
長男は一話をみて、夜寝れなくなったようです。
家内も次男ももちろん見ません。
私は、大丈夫でした。
でも、やっぱり今は、
暑さのなか一流のアスリートが頑張っている
世界陸上でしょうか。
毎日、テレビ放送を録画しては、日課として見ています。