2012年5月24日木曜日

3_107 海台 4:バタビア海台

このシリーズの2回目で、海台にはいろいろな成因があることを紹介しました。その一つとして、大陸地殻が沈降したものがあるといいい、後で紹介するといいました。今回と次回のエッセイで、大陸起源の海台を紹介します。

 前回まで、巨大な海台であるオントンジャワを紹介しました。もうひとつまったく違う海台について、面白い報告が2011年11月に出されましたので、連続のエッセイで紹介します。海台の起源をめぐる内容の論文でした。
 場所は、オーストラリア西部の街パースの沖、西へ1600kmのあたりに、高まりがあります。バタビア海山(Batavia Seamount)とグーデン・ドラーク(Gulden Draak)と呼ばれている、海底の高まりですが、これまでその実態がよくわかっていませんでした。大きさは、2つの高まりを合わせて約60,000平方kmあり、北海道ほどの広さがあります。
 一連の海台として、正式な名称はまだありませんが、本稿では、「バタビア海台」と呼びましょう。
 調査があまりなされていない海域なので、国際的な研究者が集まって研究されました。研究チームは、バタビア海台は起伏にとみ、深さも2000mから1000mほどまで、多様であることを明らかにしました。海台は、周囲の深海底に対して、約4600mも高くなっています。海台の上部の凹凸は、陸地での侵食地形に似ていて、海台周辺の平らなところは、海食台のような地形だと考えられました。
 研究チームによって、バタビア海台の深度2500mのガケから、岩石が採取され、調べられました。その岩石は、なんと花崗岩、片麻岩、砂岩でした。これらは、海底や海山を構成している岩石ではなく、大陸を構成している岩石だったのです。さらに、堆積岩には、化石を含むものが見つかりました。その化石は、海に住む二枚貝でした。化石の二枚貝は、浅海で生活していたと考えられます。
 つまりバタビア海台は、変化にとむ陸の侵食された地形と、海の侵食を受ける海岸線(海食台、二枚貝)、そして海底で堆積する場(堆積岩)があったことになります。さらに、陸でも大陸を想定させるような岩石(花崗岩や片麻岩)もあります。
 これは、いったい何を意味するのでしょうか。次回としましょう。

・金環日食・
金環日食はご覧になられたでしょうか。
私は、あいにくの天気で見ることができませんでした。
もともと北海道は金環日食ではなく
部分日食にしかならないのですが、
80%以上が隠れる大きな部分日食になります。
ただ、終わりの数分の間、晴れ間ができたので
少しだけ欠けた太陽をみることができました。
テレビの特集できれいない金環日食をみたのですが、
今回の日食は、見れないことが
記憶に残るものとなりました。

・リラ冷え・
北海道は季節としては
一番いいころとなりました。
札幌では5月23日から27日まで
ライラックまつりが始まります。
ライラックは、リラとも呼ばれています。
曇で風が吹くと、すごく寒い朝もあります。
この時期のそんな冷え込みを「リラ冷え」といいます。
北海道的でしょうか。