2011年2月10日木曜日

6_86 宇宙望遠鏡:ケプラー1

 新しい宇宙望遠鏡としてケプラーとよばれるものがあります。この望遠鏡は、地球型惑星を探すという目的に絞られています。しかしその目的あるいは成果は、好奇心を刺激するものです。今回は、その一連の成果を見ていくシリーズとなります。

 今、「ケプラー」が次々と成果を上げています。「ケプラー」というと、天文学者の名前を思い浮かべるでしょうが、今では宇宙望遠鏡として、活躍しています。もちろん、この宇宙望遠鏡は、天文学者のケプラーからとったものです。宇宙望遠鏡として、ハッブルが有名ですが、ケプラーは、ハッブルとは違った目的をもったものです。
 ハッブル宇宙望遠鏡は1990年に打ち上げられ、もう20年以上にわたって使われています。なんども修理、補強が行われ、2009年5月には、スペースシャトルによって、最後のサービスミッションがおこなれました。その結果、「今までで最高の性能」をもつ宇宙望遠鏡となり、少なくとも2014年まで寿命が延びるようになりました。
 2014年以降は、後継機としてジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、2011年の打ち上げ予定でしたが、2014年に延期されました。それまでハッブル宇宙望遠鏡が使われる予定です。ただし、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、高性能ですが、近赤外線・赤外線での観測のみで、なおかつ地球と太陽のラグランジュ点(注)での観測となります。それは地球近傍のホコリの影響を抑え、より高精度が観測をするためにです。
 さて、ケプラー宇宙望遠鏡です。この望遠鏡は、NASAが2009年3月6日に打ち上げて、2009年5月から運用が始まっています。その目的は、「太陽系外惑星の観測」です。太陽系以外の天体で惑星を見つけようというものです。以前から「太陽系外惑星」は報告されてきましたが、今回は、それを精度よく体系的におこなおうというものです。
 ケプラーは3年半にわたって10万個の恒星を定期的に観測して、惑星の有無やその特徴を調べようというものです。従来の観測では、大きな惑星しか見つけることができませんでしたが、ケプラーでは、地球型惑星(太陽近傍の小さい天体)を見つけられると期待されています。
 ケプラー宇宙望遠鏡の目的は、非常に知的好奇心を刺激するプロジェクトです。その目的を考えると、ターゲットは地球に近い天体となります。地球に近い天体を網羅的に調べカタログができたとしたら、次なるステップへと、興味は進んでいくことしょう。地球型惑星が見つかったとすると、次なる期待は、その惑星が生命誕生の条件を満たしているかどうか、そして条件を満たしているなら生命が誕生しているかどうか、誕生しているとするとそこには知的生命がいるかどうか・・・。そのために基礎となる観測になるはずです。
 電力低下による不具合が今も起こっているようですが、順調に観測は進んでいます。今年になって、地球型惑星の発見の報が相次ぎました。それについては次回以降としましょう。

(注)ラグランジュ点とは
 天体力学での安定した位置を意味します。2つの天体(今回の場合は太陽と地球)が重心の周りを円運動しているとき、小さな物体(宇宙望遠鏡)が、2つの天体と位置を変えずに回れる場所(ラグランジュ点)があります。その場所は5つあり、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、地球の夜側、あるいは地球からみて太陽の逆側(L2と呼ばれています)に置かれます。

・NASA・
ハッブル宇宙望遠鏡は、多くの目的をもっていました。
地球の大気の影響のない条件で観測するというのが
第一の目標でもあったいえます。
ハッブルの成果が多大なものであったのは、
いうまでもありません。
そしてNASAが積極的に成果を公開したので
私たちの宇宙のイメージは大変豊かなものになりました。
そして現在では、宇宙望遠鏡は、
もっと目的が絞られたものになりました。
その延長線としてケプラー宇宙望遠鏡もあります。
詳しい情報は、
http://www.nasa.gov/mission_pages/kepler/main/index.html
にあります。
そこでは、最新情報も逐次公開されています。

・大雪の帰省・
京都から帰ってきたら、
城川も暖かくなっていました。
城川を発つ日は、大雪で予定通り出発できませんでした。
一旦は出発を諦めて、翌日の積もりでいました。
友人と連絡をしたら、
翌日だと道路が凍り余計に通行が
困難になるかもしれないということでした。
ですから、交通量が一段落した昼前に出発することにしました。
なんとか宇和のJRの駅までたどり着きました。
雪はありましたが少なく拍子抜けするようでした。
そして瀬戸内海から山陽道にはいると
そこには雪の痕跡も見られないような
穏やかな好天でした。
そして夕方には無事、京都の実家にたどり着くことができました。