2010年6月17日木曜日

5_87 あかつき:日本の宇宙探査2

 日本の探査機の技術は、非常に優れています。「かぐや」の航行は、月が地球に近いため、燃料も少なくてすみます。しかし、遠くなると燃料がたくさん必要になり、その分、装置がコンパクトで厳選されたものでけねればなりません。惑星探査機「あかつき」を紹介しましょう。


 2010年5月18日に打ち上げが予定されていたH-IIAロケット17号機は、気象条件が整わなかったため、延期となりました。5月21日に変更された打ち上げは、無事、成功しました。このH-IIA 17には、「あかつき」という探査機が載っていました。「あかつき」の総重量は約500kg、半分は燃料および酸化剤となります。そのうち観測機のために35kgほどしか残されていません。軽量コンパクトが観測装置の必須条件となります
 「あかつき」は、金星を探査することが目的です。金星は、地球より太陽に近いところで公転をしています。太陽に近いため、地球から見ると太陽の近くに見えます。ですから、日の出の直前(明けの明星)や日の入り直後(宵の明星)の短い時間しか見ることができません。水星とともに観測しづらい天体となっています。
 金星は、大きさや質量が地球に似ているため、「兄弟星」や「双子星」と呼ばれています。金星の起源やたどった惑星の履歴は、地球と似ているはずなので、金星の探査は、地球の謎の解明にも役立つと考えられます。
 兄弟星と呼ばれる金星ですが、地球とは表層環境があまりに違います。地表の温度が約460度という苛酷な環境です。厚い雲に覆われていて、可視光では、地表を見ることができません。空には硫酸の雲が浮かび、二酸化炭素が主成分の大気です。金星は243日かけてゆっくりと自転しています。ところが、大気の動きは激しく暴風(スーパーローテーションと呼ばれています)が吹き荒れています。その速度は自転の60倍(時速400km)もあり、4日間で金星を1周してしまいます。そのメカニズムは不明です。
 「あかつき」は、そんな金星の不思議な気象を調べることを目的としています。さまざまな波長で大気を観測するためのセンサーが搭載されいています。
 近赤外線を調べるための1μmカメラ(IR1と略されています)と2μmカメラ(IR2)は、大気を突き抜けて観測できるので、地表面の様子や低い位置の雲や水蒸気を調べます。地表面の撮影によって鉱物分布や活火山についても調べられると期待されています。波長10μmの中間赤外カメラ(LIR)では、雲の最上部の温度分布を調べたり、雲の上のでこぼこや風の様子を調べます。紫外線の紫外イメージャ(UVI)では、二酸化硫黄を調べ、雲の形成メカニズムや風を調べます。雷放電発光をとらえる雷・大気光カメラ(LAC)では、超高速撮影ができ、雷が起こっているかどうかを調べます。また、雲の上にある酸素も調べることができます。
 「あかつき」によって金星の気象が解明されることが期待されています。
 実は、H-IIA 17には、「あかつき」のほかにも、小さな衛星3個と「IKAROS」という衛星も搭載されていました。「IKAROS」は、帆を広げて太陽の光子を受けて航行します。その実験するための衛星です。帆には薄い太陽電池がはってあり、電力も帆から得ることができます。
 H-IIA 17のすべての衛星は、無事切り離しができ、「あかつき」も順調に飛行を続けています。2010年末には金星に到着する予定となっています。そして2年間(金星は3回公転します)、金星を観測し続けます。金星でも日本の貢献が期待されます。

・蛍の撮影・
近所で蛍が一杯飛び交っています。
毎夜写真撮影に挑戦しています。
蛍の撮影は簡単のようでなかなか難しく、
人工の灯りがないことが一番重要な条件となります。
街頭や人家の明かり、車の往来などがあると、
30秒ほどの露出で撮影しますので、
失敗の撮影となります。
しかし、比較的暗いところセットして、
30秒の連射を設定すると、
車の往来が稀にあるところでも、
いずれかのショットはOKになります。
蛍の光は暗いので、あとで画像合成をすることになります。
でも、完成した写真はなかなか幻想的なものとなります。
撮影は一度スタートすると、
カメラ任せで連射をさせるだけです。
30分ほどじっとしているだけです。
その間ただただ蛍の飛び交うのを
真っ暗らな川原の土手で眺めています。
心静かなで豊かな時間を過ごしています。

・JAXAチャンネル・
YouTubeのJAXAのチャンネルには、
面白いコンテンツがいろいろあります。
日本の宇宙開発のさまざまなプロジェクトを
市民に分かりやすく広報するための番組が
いろいろ用意されています。
でも、このようなYouTubeに公開されていると、
いつでもみられるのですが、
ついつい見入ってしまいます。
ほどほどにしないと
仕事が滞ってしまいます。