2007年2月1日木曜日

3_51 地下は暗くない

 思い込みとは恐ろしいものです。間違うはずのない条件が整っていたのに、思い込みで間違いしたことがありました。


 夜は暗いものです。それは太陽光がないからです。太陽があたるところだけが明るく、当たらないところは暗くなります。夜が暗いのは、そのためです。これは、当たり前のことです。
 地下にもぐると、太陽光が当たらなくなり、昼間でも暗くなります。鍾乳洞に入れば、人工の明かりがないと、真っ暗になります。これは、照明のない鍾乳洞に入れば、誰でも体験できます。私は以前、照明のない鍾乳洞に入って、その暗さを経験したことがあります。本当に真っ暗で、明かりがなければ、一歩も歩けませんでした。
 地下深くなっても、太陽光がなく暗いことには変わりません。では、もっともっと深くなったらどうなるでしょうか。
 もちろん太陽光はとどきません。地球内部は熱がありますので、深くなると共に暖かくなります。温度は、深さと共に上昇していきます。このような地球内部へ向かっての温度の上昇率を、地温勾配と呼んでいます。
 深くなるとともに、周囲の岩石の温度は上がります。それは、地球の中心部には、今もエネルギーが蓄えられているためです。そのエネルギーが熱として、地球内部から外に向かって放出しているからです。ただし、マントルは岩石からできているため、熱をなかなか伝えません。ゆっくりとした対流(マントル対流と呼ばれています)によって、その熱が外に向かって放出されています。
 温度は上部マントルの底で1000℃、マントルと核の境界で4600℃、外核と内核の境界で5900℃ほどだと見積もられています。非常に高温です。私は地質学を研究していますから、もちろんこのような温度上昇は、知識として知っています。
 話はかわって空です。明かり元となっている太陽は、なぜ明るいのでしょうか。それは、核融合エネルギーによって膨大なエネルギーを放出しているからです。太陽は1億5000万km離れた地球から見てもまぶしく輝いています。
 太陽から届くエネルギーを地球表面で測定すれば、太陽の放出しているエネルギーを計算できます。もし太陽が理想的な黒体放射(すべての波長を放出できる物体)だとすると、放射は温度のみに依存するという法則があります。ですから、求めたエネルギーから太陽の温度を決めることができます。プランク定数とよばれる物理学の重要な定数も、黒体放射から決められています。ですから、高温のものからは、一定の放射エネルギーがでることも知っていました。
 私は、地下は暗いと信じていました。一方、知識として、地球内部は深くなると温度が上がる、高温のものからは放射エネルギーが出る、ということを知っていました。それらの知識から考えれば、地球深部で高温のところは、温度に見合った放射をする、つまり輝いているということが簡単に推定できるのに、地下は暗いという先入観を消せなかったのです。
 この先入観による思い込みは、私の未熟さを常に思いこさせる教訓となっています。

・暖冬・
北海道は1月31日に雨が降りました。
1月の平均気温が平年よりだいぶ高いという記事ができいましたが、
それを象徴するような雨です。
早朝から雪が融け、そして雨です。
雪が一気に融けていきます。
まるで春ような陽気です。
多分今発生しているエルニーニョによる暖冬だと思いますが、
こんな冬は北海道に来て5年目ですが初めてです。
昨年の大雪とは大違いです。
まあ、まだ2月、3月があるので、寒さは戻ってくると思いますが、
私にとっては暖かい冬は過ごしいいです。

・節分・
いよいよ2月です。
節分ですが、ここ数日、我が家では豆を食べています。
大豆と黒豆、ピーナッツなど食べています。
ピーナッツが食べなれていておいしいのですが、
大豆も噛みしめるとなかなかうまみがあっていいものです。
年の数だけ食べるのだと子供たちに言うともっと食べたたがります。
いくら食べてもいいが、最初は年の数だけ食べてることにしました。
節分には豆まきをしますが、
後のことを考えると殻付のピーナッツが便利で
スーパーでは節分に合わせて売っています。
しかし、もともとは大豆だったでしょうから、
大豆を年の数だけ食べることにしましょう。