2006年7月13日木曜日

6_51 宇宙人8:ETIの存在確率

 ETIの探査を理論的に考える方法をみていきます。理論的に考えていくと、私たちがいかに自分自身ついて知らないかを、教えてくれます。

 理論的にETIのいる確率の求める方法が提案されています。
N=R・fp・ne・fl・fi・fc・L
という式です。
 ここでN(個)とは、銀河系内の文明の数として計算されるようにしてあります。銀河系内としているのは、現在技術として探索可能な範囲で、ETIの存在が私たちに与える影響を考えるとき、意味のある母集団といえます。そして、ここで文明とは、宇宙空間へ向けて電波による交信能力を持ち、そして実行能力のある文明(カルダショフの分類ではI型文明)です。
 この式は、ドレイク(1961)が提唱したもので、ドレイクの式といいますが、ドレイク・セーガンの式とか、グリーンバンク方程式とも呼ばれています。
 この式に数値を入れて、確率を求めるのですが、値を考えるに当たって、重要な仮定があります。それはメディオクリティの仮定とよばれるものです。それは、「太陽系あるいは地球は、宇宙で何ら特別な存在ではない」というものです。太陽系や地球で得られたデータを参考に、値を入れてよいという、ありがたい仮定です。太陽系で得られた値を、他の太陽系や太陽系外惑星で確かめられたものがより正しいものとなるはずですから、他の観測データも重要になります。つまり、利用できるものは何でも使っていこうという姿勢です。
 では、それぞれの項に値を推定しながら、入れていきましょう。
 最初の項はR(個/年)で、銀河系内の恒星の年間生成数です。天文観測と太陽系の理論によれば、太陽質量程度の星の寿命は、100億年程度(10^10年)で、銀河系の星の数は10^11個(数千億個)の桁となります。ですから、平均すると、星の生成率は、年間数十~数個となります。
 fp、誕生した恒星が惑星を持つ確率です。太陽系形成の計算機によるシミュレーションや標準形成モデルからは、惑星の形成には必然性がありそうだと考えられています。また観測では、1992年に電波パルサー(PSR 1257+12と呼ばれている)の周りで惑星系の発見されました。その後、2003年12月までに、104の太陽系外惑星系が発見され、そのうちの13個に複数の惑星をもっていることがわかりました。ですから、結論として恒星が惑星系を持つ確立は1に近いと考えられます。
 neは、惑星の中で生命生存に適した惑星の存在率です。太陽系では、10個の天体(大きな惑星9個+月1個)のうち、1個(地球)は条件を満たしているます。メディオクリティの仮定に基づき、10%程度は一般の惑星系でも生命生存に適したものがあると考えられます。地球の知識からは、水が生命の生存を左右すると考えられます。その条件にするのなら、火星にもかつては海がありました。だとしたら、20%という可能性になります。観測では、シャルボノーらのハッブル望遠鏡を使った研究の2002年の報告によれば、HD209458の惑星HD209458bの大気中にナトリウムがあることを発見しました。これは、他の惑星系でも大気があり海の存在を匂わせます。以上のことからneは、0.2と考えられます。
 fl(個/個)は、neの惑星から生命が発生する確率です。太陽系でneを満たした天体で生命が誕生して確認されているのは、地球のみです。ですから確率は、0.5となります。しかし、水があれば、生命が簡単に形成される可能性もあります。火星起源の隕石から化石を発見したという報告がありました。現在はまだその化石は生命でとは断定できないと考えられています。また、火星探査では、水探しや生命探しをすることが重要な目的となっています。その結果、もし火星から生命の痕跡が見つかれば、あるいは火星起源の隕石の化石が事実なら、1になります。結論として、現状では、0.5としましょう。
 fi(個/個)は、flの生命から知性が発生する確率です。これは残念ながら、不明です。また、fc(個/個)はfiの知性から文明が発生する確率ですが、これも不明です。
 L(年)は、その文明の継続する期間で、これも不明です。しかし、現在の文明をみると、メディオクリティの仮定から、最低値を求めることができます。1928年に、ロンドン-ニューヨーク間のテレビ中継放送が成功しました。その後、ニューヨークで定期的テレビ放送が開始されました。人類は電波技術をもって78年経ちます。1936年のベルリン・オリンピックではじめてテレビ中継されました。「コンタクト」という映画では、ヒットラーが開会宣言している映像とされています。それ以降、地球のテレビ電波は、宇宙へ垂れ流し状態となっています。
 さてN(銀河系内の文明の数)は、いくつでしょうか。以上の各数値を求めることができれば、現在存在しているETIの文明の個数(確率)が計算できます。しかし、値を推定するする過程で、不明なのは、我々自身の一番身近な内容でした。よく知っているべきはずの内容が実はわからないのです。このドレイクの式は、われわれの科学のレベルを評価する式でもあるのかもしれません。

・天候不順・
北海道の気温が上がっています。
今週にはいってから、天気が悪く、
昨日は、室内はまるで梅雨のような蒸し暑さです。
ただし、これは、北海道に住んでいる人の感想で、
本州の人にとっては、これでも十分快適かもしれません。
もちろん夜は窓を閉めないと、寒くて寝れないほどの気温です。
本当なら今頃はもっと乾燥して、好天が続くはずなのですが、
今年は、天候不順で、なかなか良い天気が長続きしません。

・諦観・
一昨日、次男の体に赤い湿疹ができているのに気づきました。
家内に伝えたら、水疱瘡かもしれないといいます。
幼稚園ではやっているそうです。
急遽かかりつけの小児科に電話したら、診療時間が終わっているが
待っているから来なさいといってくいただきました。
家内が連れて行ったら、やはり水疱瘡でした。
急に発症したようだ。
伝染性の病気なので周りへの気遣いが大変です。
幼稚園、近所で次男が尋ねた家にあわてて電話しました。
次男は親のあわてぶりに驚いたようですが、
予防接種をしているので、それほど変調はなく元気です。
ただ、やはり体がだるかったようで、一昨日の朝は眠いとぐずっていました。
ですからそのときからすでに発病しはじめていたのでしょう。
次男が1、2歳のときに、長男がかかったのですが、次男は発病しませんでした。
早くかかればと思っていたのですが、こればかりはどうしようもありません。
医療の進歩で、症状もそれほどひどくありません。
免疫をつくることが大切です。
土曜日からの旅行も、看護婦の話では、
多分大丈夫であろうということです。
金曜日に診療を受けて医師の判断しだいなのですが、
それによっては、旅行も流れるかもしれません。
ということは、私の調査もできないということになります。
でも、こればかりはいた仕方がないことです。
家族をもつと、致し方ないことがよく起こります。
人間はこのような経験を繰り返して、諦観を学ぶのかもしれませんね。