2005年2月3日木曜日

1_39 古生代1:カンブリアの大爆発(2005年2月3日)

 古生代の地球の様子について紹介します。古生代のはじまりは、なんといっても、生命の大繁栄が特徴です。そんな生命の大繁栄について見ていきましょう。

 原生代の次は、顕生代と呼ばれる時代です。顕生代は、古生代(5億4200万年前~2億5100万年前:2億9100万年間)、中生代(2億5100万年前~6550万年前:1億8550万年間)、新生代(6550万年前~現在:6550万年間)の3つに区分されています。
 顕生代の特徴は、字があらわしているとおり、生物が顕れて、繁栄してきた時代で、私たちがいちばん詳しく知っている時代でもあります。化石の記録からすると、原生代までは、海の中で細々と暮らしていた生物が、顕生代から爆発的に繁栄してきたように見えます。
 なぜ、そのように爆発的に生物が繁栄しだしたのでしょうか。それは、以前にも紹介した原生代末の環境変化が原因だと考えられています。その環境変化とは、海水のマントルへの逆流と全球凍結(スノーボールアース)でした。
 海水のマントルへの逆流とは、地球冷却に伴って7.5億年前からはじまったもので、大量の海水がマントルに水を含む鉱物(含水鉱物)として入りはじめたために起こった現象です。海水面は200mほど低下した結果、大陸が広がり、大量の堆積岩が形成されました。
 もうひとつの全球凍結(スノーボールアース)とは、7億5000万年前~5億8000万年前に起こった事件で、強烈な寒冷化(平均気温-50℃、海がすべて凍った)と、その後の激しい温暖期(平均気温50℃)という、激しい環境変化を引き起こしたと考えられるものです。
 このような厳しい環境によって、生物の多くが絶滅したと考えられます。しかし、その苛酷な環境を生き延びた生物が、次の時代には、爆発的に繁栄ました。
 原生代末のベンド紀(今では使われてない時代区分)からカンブリア紀(V-C境界と呼んでいます)にかけて起こった、生物の進化を「カンブリアの大爆発」と呼んでいます。
 原生代に、どうのような生物が、どれくらい生きていたかは、化石が少なくその実態はよくわかっていません。しかし、「カンブリア紀の大爆発」によって、新しいタイプの生物が多数生まれことは、化石の産出する場所は少ないのですが、証拠があるのでわかっています。そこには今でにはない多数の生物がふくまれていました。まるで、ありとあらゆる生物のタイプを試行錯誤でつくったかのような多種多様な生物が生まれました。その中には、現在生きている動物の分類群に相当するものの大部分が、含まれていました。
 その分類群で重要なものとしては、殻と脊椎を持つ動物の出現です。
 今の生物で、貝などの殻は、炭酸カルシウムが多いのですが、炭酸カルシウムの殻だけでなく、リン酸カルシウムや硫化鉄の殻を持つものまで誕生しました。最初は小さな殻しか持っていませんが、カンブリア紀の直前から最初期にかけて大繁栄しました。このような小さな殻を持つ化石を小有殻動物化石(Small Shell FossilをSSFと略しています)と呼んでいます。そのころの殻は、身の守るためのものより、自分自身に必要な成分を蓄えておくような役割をしていたと考えられています。
 脊椎を持つ動物は、脊椎動物につながる原索動物が見つかっています。中国の澄江(チャンジャン)ではカタイミルスと呼ばれものが代表的ですが、他にも原索動物の化石としてユンナンゾーン(腸鰓類と考えられている)やミロクンミギア、ハイコウイクティス(無顎類の仲間)、ハイコウエラ(有頭脊索動物)など、いろいろなものが見つかっています。また、澄江より1000~1500万年新しいカナダのバージェスでは、ピカイアと呼ばれている化石が有名です。

・V-C境界・
定期的に続けている地質時代シリーズです。
このシリーズも古生代に入りました。
まずは、古生代のはじまりの話でした。
私は、今回紹介した原生代と顕生代のV-C境界に興味を持っています。
それは、化石を調べるためはなく、
時代境界とは何を意味するのかを考えたいからです。
次回紹介する予定の典型的を場所をいくつか巡りました。
そして、いろいろ考えてきたことは、
このエッセイで何度も紹介してきました。
昨年、この時代境界が大幅に見直されました。
まだ、正確に時代名称も決まっていない時代もあります。
時代境界もかつては5億7000万年前でしたが、
現在は上で書いたように5億4200万年前です。
つまり、今までカンブリア紀初期にされていた時代が
原生代エディアカラ期という古い時代に入れられたのです。
もちろんそれなりの理由があるのですが、
以前のデータを見るときには、注意が必要になります。
私も現在、これに悩まされています。

・冬、真っ盛り・
いよいよ2月です。
日が少しずつ長くなってきましたが、
寒さはまだまだこれからです。
北海道では先日の土曜日なんと雨が降りました。
北海道の人は冬には傘を持たないので、
家内が夜に出かけていたのですが、結構濡れたようです。
その後、寒い日が続いていますので、
道路がアイスバーンの状態で大変滑りやすく、歩くのが怖いほどです。
私は、靴に取り付けす滑り止めの金具(アイゼン)を
取り付けているので、大丈夫ですが、
若者たちも転びそうになっています。
しかし、彼らは、なかなか転びませんね。
逆に滑って遊んでいる人たちもいるくらいです。
私たち中年や年配の人が、注意しなければなりませんね。
風邪がはやっているようです。
まだまだ寒さは続きそうですので、
体には注意してください。