2003年5月8日木曜日

5_20 地球は丸い

 地球が丸いことは、誰も知っています。でも、日常生活で、地球が丸いことを、あなたは実感できますか。多分、実感はないと思います。別のいい方をしましょう。地球が丸いことを示す証拠を、あなたはいくつ挙げることができますか。

 地球が丸いことは、よく知られていることです。いちばん手っ取り早いのは、宇宙から撮った地球の写真をみせることです。そうすれば、地球が丸いことが直感的に理解できます。
 直感的に理解できても、実感できることとは違います。宇宙船も飛行機もない時代の人も、地球が丸いことを知っていました。そんな昔の人の智恵を見ていきましょう。
 古い例では、エラトステネスが、同時刻に同経度の場所の影の長さの違いから地球の円周を測りました。これは、地球が丸いから起こる現象を利用したものです。
 教科書によく出ている証拠としては、海で、近づいてくる船は上部から見えだし、船体はその後みえるというものです。これは目のいい人が多かった時代の例なのでしょうか。本当は、船から陸の山をみると、山の頂上からだんだん裾野まで見えていくというものだったようです。
 月食とは、月が地球の影に入る現象です。この現象から、地球の影が丸い、つまり地球が丸いことがわかります。これは、ガリレオが思いついた方法です。
 さて、私が思いついた、いくつかの方法を羅列しましょう。
 手間はかかりますが、実感できる方法としては、80日間世界一周と同じことをすることです。つまり。地球を西か東にまっすぐ進めば、出発地点に戻るということです。
 先ほど海の船の例を示しましたが、逆に、見る側が上昇すれば、より遠くが見えるというものです。それは、東京タワーに上るとか、山に登るとか、気球に乗る、ヘリコプターに乗るなど、視点を上昇させることによってより遠くが見えるという方法です。
 今の方法と関連しますが、高くなるほど、地平線は遠く、広く見えます。非常に高くまで上がれば、地球の丸みが地平線となります。
 北極星は現在、北の自転軸にの延長線にあります。地平線から北極星の見える高さは、北に行くほど高くなる。これも、地球が丸いからです。
 他の天体と比較して類推するという方法もあります。地球から見えている天体で、その形が分かるものはすべて丸いのです。ですから、多分、地球も丸のだろうなという類推です。
 理論的類推から一つ。重力によって集積したものは、球になるという推定です。例えば大きないびつな形のものがあるとします。そこに、小さな粘土(マメ粒ほどの大きさ)をいっぱい投げつけるとします。ひとつひつの粘土は、ぶつかるとくっつくとします。この粘土を、いろいろな方向からたくさんぶつけ続けると、ボールは、だんだん大きく丸くなっていくはずです。それを永遠と続けると、大きな球になります。地球のできかたもこうではないかと考えられています。

・柔軟な頭・
このエッセイは、子供からの質問に答えたときの答えを
いくつか集め、修正・加筆したものです。
子供の質問には、ときどき、足元をすくわれるようなものが潜んでいます。
彼らは、そこまでの答えを要求していなのかもしれません。
簡単に答えられない場合や、
簡単なことででお茶を濁すことは、答える側の気持ちが、許さない場合、
があります。
この質問も、両方を意味がありました。
地球が丸ということにたして、どれくらい自分は証拠が提示できるのか、
考えついたのが上のような答えでした。
もっともっといっぱいあると思います。
頭の柔軟な人には、もっともっといい一杯答えがあるはずです。
なにも科学的なものだけが答ではありません。
詩的なものだっていいはずです。
例えば、
地球が丸くないと端っこにいくと落ちる人がでてくるから、とか、
地球が丸いとどこに住んでいても、
自分が真中と考えることができてだれでも平等になるから、とか
いろいろあっていいはずです。
他にもなにかいいい証拠がありませんか。
素晴らしいのが見つかったら、ぜひ教えて下さい。