2025年8月14日木曜日

1_240 冥王代の岩石 5:年代の意味

 斑レイ岩の年代を求めめようとした論文ですが、半減期の長いサマリウムを用いてアイソクロン法で年代測定をしています。アイソクロン法には、一筋縄ではいかない困難さがあります。


 年代測定をするとき、冥王代のような古い時代の岩石では、放射性核種でも、半減期の長いものを用いなければなりません。そのような元素として、ジルコンに含まれている放射性核種のウラン238(238Uと表記)の半減期は約45億年、ウラン235(235U)の半減期は約7億年です。
 以前、ウジャラルク・ユニットを貫入している酸性岩(トロニエム岩と呼ばれる)があり、そこにはジルコンが含まれていたので、年代測定されています。その年代は約37億7000万年前となり、冥王代ではありませんでした。ただし、他の根拠から、ウジャラルク・ユニットは、冥王代ではないかと推定されていたのですが、確実な年代値が示されていたわけではありません。
 今回、斑レイ岩で年代測定が試みられたのですが、塩基性の岩石なのでジルコンは含まれていませんでした。そこで、サマリウム(Sm)の放射性核種が用いられました。サマリウムには、年代測定に使えるサマリウム147(以降、147Smと表記)があり、その半減期は約1060億年と極めて長いものです。147Smは崩壊すると、ネオデウム143(143Nd)になります。
 マグマからできた岩石は、結晶化するとき、岩石ごとに化学組成の変化が起こります。岩石ごとに、放射性核種の147Smが量が異なってきます。147Smの量が異なると、改変でできた143Ndの量も、それに比例して変化していきます。ですから、組成の異なった岩石の147Smと143Ndの比率を調べていくと、形成時間に応じて一連の関係(直線)をもってきます。この原理を利用して年代測定する方法が、アイソクロン法と呼ばれています。
 ウジャラルク内で採取された6種類の斑レイ岩と、飛び地になりますが同じ地帯と属すると考えられる2種類の斑レイ岩も加えて分析しました。8個の岩石は、143Nd/144Ndではきれいな直線となりました。そこからえられた年代値は、41.57±1.74億年前となりました。
 各種の岩石で、年代測定をすることになるのですが、アイソクロン法にはいくつか問題があります。それは一連の起源の岩石を用いておこなうのですが、マグマの一連の結晶分化で組成変化したのか、マグマや他の岩石の成分が混合した混合線を示している可能性があります。また、激しい変成作用を受けていると、147Smと143Ndの比がリセットされる可能もあります。古い時代のアイソクロン年代が、火成作用の年代だと決定づけられないことがあります。
 この論文では、別の工夫をして、他の可能性も検討しています。工夫とは、同じサマリウムの放射性各種を用いるのですが、詳細は次回としましょう。

・パソコンまだ不調・
修理に出したパソコンが、新しいものにかわりました。
苦労してアプリケーションやデータを入れてきました。
ところが、現在、非常に不安定な状態です。
アプリケーションのバージョンを下げたり、
スタート時に読み込むアプリケーションを制限したり、
あれこれと調整しながら使っています。
データのバックアップは怠りなくおこなっています。
しかし、週末に、全く動かなくなりました。
諦めかけたのですが、原因は不明ですが、
別のところたシンプルにして立ち上げたら
なんと動き出しました。
熱暴走していたようです。
今後、放熱対策をしていきましょう。

・暑さのピーク・
昼間には暑い日があるのですが、
しばらくエアコンを使っていません。
夜には暑くて窓を開けていても
夜中には閉めないと涼しくなります。
昼間も扇風機でなんとか過ごせます。
まだ暑い日が来るでしょうが
暑さのピーク時は過ぎ去ったのでしょうかね。