地球の自転のモデル計算と、酸素濃度の変化において、重要なイベントが起こった時期がいくつかあります。それをまとめておきましょう。それらの時期が一致するかどうか、一致すとしたら、その意味を考えなければなりません。
太古代後期は16時間、30億年前より以前は6時間という見積もりもあることは紹介しました。それらの情報をもとに、月と地球の関係から、地球の自転をモデル計算する試みは、以前からおこなれていました。その結果による、「潮汐摩擦」によって、時代を遡るにつれて、一日が短く、自転が速くなっていくことは、わかっていました。この自転の変化は、規則的のですが、7億年前に、一日が21時間となってからは、自転速度は変化しません。その状態が25億年前まで継続します。そして25億年前より以前なると、また一日が短くなっていきます。
7億から25億年前の自転速度の変化が停止した原因は、「潮汐ロック」だと考えられています。月が地球の周りを回っているといいましたが、実際には、共通の重心を回っています。地球と月が、お互い潮汐力を及ぼしているので、潮汐摩擦によって、ある時、自転周期と公転周期が一致する状態になります。地球の自転はロックされていないのですが、月では自転と公転の周期が一致し(地球を1回公転するとき1回自転する)、潮汐ロックがかかった状態になっています。一旦、この状態になると、運動の変化が起こりにくくなります。
しかし、それ以前は、潮汐摩擦によって、自転の速度は速い状態とななっています。
一方、地球史において酸素の増加現象として、いくつかのイベントが見つかっています。
4億年前ころ、古生代酸化イベント(Palaeozoic oxidation event:POE)と呼ばれ、大オルドビス紀生物多様性イベント(the Great Ordovician Biodiversity Event)に対応していると考えられています。6億年前(原生代後期)ころ、酸素形成イベンド(Neoproterozoic Oxygenation Event:NOE)が起こりました。原生代中期(18億から8億年前)、不毛の10億年(boring billion)と呼ばれる、大陸の再構成と孤立が起こり、気候変動も海洋循環も停滞して、生物進化もほとんど起こらない時期となっています。24億年前ころ、大規模な酸化イベント(Great Oxidation Event:GOE)が起こります。
これらのイベントを考慮して酸素の量の変化が、モデル計算としてこの論文で見積もられています。このような時間軸上での自転の変化と、酸素の濃度変化を同じ図で表示すると、イベントの時期やパターンが一致します。
そのメカニズムについては、次回としましょう。
・師走・
いよいよ師走になりました。
我が大学の学科は、卒業研究が
必修になっていますので
4年生は全員、決められた期間に提出し、
報告会で発表しなければなりません。
ですから、現在、ゼミの学生たちは
必死に完成を目指しています。
私も空き時間をすべて添削に充てています。
まさに師走ですね。
・積雪・
北海道は、11月末に寒波が来て
各地で積雪、時には豪雪がありました。
わが町でも、2日続けて少しですが
雪が積もりました。
冷え込みも厳しくなってきました。
天気がよければ昼間のは暖かくなるで
ストーブは止められますが、
ほぼ一日つけっぱなしにしています。